紹興小百花越劇団建団20周年『凰華正華』

d0095406_22184280.jpgリンクの江南春琴行さんで購入。紹興小百花越劇団の設立20周年記念番組の録画。ジャケットには「紹興小百花越劇団建団二十周年伝場文芸晩会」。浙江小百花越劇団が発祥地の意地から設立され(偏見)、紹興越劇団も20周年かーと関心。小百花越劇団設立ブームは80年代以降なので。

d0095406_2314870.jpg内容は呉素英、呉鳳花、陳飛、張淋などのスターによる名場面&名曲ダイジェスト。江南の言葉の越劇ですが番組司会2人(♂♀)は普通話。唱を重視の上海に比べ武技や丑など身体表現が豊かな紹興小百花越劇団という印象を受けました。横の写真は越劇誕生100周年記念で上海越劇院から出された集錦。こちらもオススメ。上海越劇院は55年建団なので、今年で52年目。



【目次】
序/鳳華正茂   
 
白い中山服で女優さんが唄う戯曲晩会の典型演出。古装でないと私は物足りない!
   
第一編章/■鷹展翅
1、<白蛇前伝・游湖>   白素貞:董監鴻 許仙:裘萍 小青:胡敏霞
2、<酔公主・紹興美酒>  公主:謝小
3、<白蛇前伝・盗草>    白素貞:陳■女停

1と3は中国戯曲の名作「白蛇伝」。さすが紹興酒の産地らしい2「酔公主」。素敵ですが小青がどこにいるのかわからなかった・・武技が冴えてます。京劇よりシンプルな衣装。

4、<劈山救母・沈香下山>  沈香:方麗
5、<呉王悲歌・追春>     呉王夫差:■周英  郭旦:董監鴻
6、<陸文龍・帰宋>      陸文龍:余興

4は童子姿での武技が見ごたえアリ。5は浙江省だけに、臥薪嘗胆の成句のもとになった呉王夫差のエピソード。てっきり旦は西施すかと思ったら違った・・。

第二編章/郡芳吐絶
7、<狸猫換太子・拷冠> 陳淋:呉鳳花 冠珠:呉素英
8、<紅梅閣・救裴>    李慧娘:陳■婷 裴舜卿:屠少華 家将:何夢栞
9、<梁山伯与祝英台・憶十八> 梁山伯:張淋

7は皇帝の赤ん坊交換の話で呉凰花の唱がすごい。8は実際に火を使ったり派手な演出で面白かった!9は服装もタイトルも上海のとは少し違い個人的に上海の方が好きだけど、番組中で一番拍手があったのはこの唱でした。

10、<頼婚記>  孫氏:潘琴 谷梅:毛亜萍
11、<陸文龍・王佐説書>  王佐:胡国美
12、<木蘭別伝・皇帝賜婚> 皇帝:于偉萍

10は老旦のテンポの良いあけすけな唱が面白い。11はシブイ老生の唱をじっくり。12はムーランだと思ったら皇帝かよ!でも群舞とあわせコミカルで良い。汗が浮かんでいるのがスゴイ。


第三編章:三花煌漫 
13、<竇娥冤・斬娥>  竇娥:呉素英
14、<情深・行路>    敫桂英:陳飛 判官:何夢栞
15、<岳王剣・復興強国> 句践:呉鳳花

13は元曲がもとのメジャー演目。烈婦・竇娥が死んで思いを遂げる話で壮絶。呉素英はキレイ。14も自分を捨てた男を死んだ娼妓がとり殺す話。水袖の豪華さは必見。

尾声:再度輝煌
イブニングドレスの群舞演技。音楽がオーケストラ風、出演者勢ぞろいで顔見世。お化粧具合といい、その笑顔の完璧さといい、喜び組を一瞬思い出しました。

全体的に身体表現が豊かで京劇に劣らない動き。西洋音楽も豊富に取り入れ、効果音、火やスモーク、水袖、群舞の豪華さなど総ての演出がビジュアル効果満点で派手。しっとりとした上海とは違った魅力。武技は幼少時から鍛錬がいると聞きますが、紹興小百花の女優さんは習い始めるのが早い・・のかな。

※水袖・・・
俳優の衣装の袖口についている、白い布。感情の起伏を表し、長水袖になると2メートルになる。新体操のリボンのように華麗に操っての演技は一見の価値があります。使わないときは折りたたんで手を出すので、そのときの腕の動きはスゴイ。体力いりそう。

youtubeより陸文龍のシーン(越劇の武技が見られます)
# by hungmei | 2007-06-28 22:15 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

上海越劇院『真假附馬』

d0095406_10185690.jpg上海越劇院紅楼劇団演出。比較的新しい演目なのか、今40代の現役女優さんでの公演が初演のようです(※)。これはリンクの江南春琴行さんでも販売しています。銭恵麗主演だし「附馬」ものだし、ずっと気になっていましたが、あらすじを読むとどうも悲劇のようで敬遠していました。でも見て正解!面白かったです。

上海越劇院には宝塚の~組のように~劇団が複数あって、紅楼劇団は女性のみです。ほかには趙志剛(越劇王子♂)の劇団など。【あらすじ】貧乏書生の董文伯は科挙で状元となり附馬に招かれます。婚家での3ヶ月の蜜月後京城へ戻る途中、文伯は崖から落ちて死亡。董家の将来を憂い、公主と董母は双子の弟・文仲に身代わりをさせます。しかし頭の弱い弟、周囲から疑われ始め、しかも兄が生き返って董家へ戻ってきます。そして遂に皇帝に露見。

そこで困った董家では文伯(兄)を気狂いとして上奏。どちらか本当の附馬か(真假附馬)で議論は決裂。皇帝・皇后は皇家の威信を重んじ、真実を知りながら弟を本物とし兄に毒酒を賜ります。公主と董母は何とか毒酒を飲む事をやめさせますが、それによりかえって今度は兄の斬首が決まり施行されていまします。兄の窮状を知り刑場に駆けつけた弟が見たのは執行後の兄の遺体。あまりのショックに弟の方が本当に発狂してしまい、終幕。

悲劇だと思っていたけど本当に救いなし!みんな善人でその場を収めようと始めたことがどんどん悪い方向へ・・・暴くほうも悪気あるわけでなし。『紅楼夢』や『家』を思い出します。兄弟を演じる銭恵麗は一人二役。舞台版で同時に登場はできませんが違和感なし。光っていたのは公主・陳穎の水袖。2メートルある長水袖を常に翻し揺れる公主の心情を表しています。憂いを帯びた表情も凄みがある。

出品人に『越劇小戯考』の著者がいて、やっぱり業界の大御所が書いていたのかあと面白かったです。死んだ兄が生返って3年後に帰宅・・・志怪小説か聊斎志異みたいで予想できませんでした。儒教道徳では父系重視でチベットや日本と違い夫の兄弟と結婚するのは言語道断ですから、公主となると大変なんですね。唐朝では公主も再婚したそうですが。ラスト弟が発狂した時のばか笑いが薄気味悪くて耳に残ります。


董文伯・文仲=銭恵麗
兄の文伯は潔癖な才子、弟の文仲は楽天家。状元となり附馬になった兄が急死し、家のために弟が入れ替わる。秘密裏にやったのでばれれば死刑。兄は生還後に帰宅し事の顛末を知らされ大ショック。事情を知らされ諦める姿もまた悲し。

公主=陳穎
新婚の夫(兄)と3ヶ月で死に別れ、婚家のために弟と結婚する。頼りない姑とふにゃった義理の弟を支え気苦労が耐えない。水袖の演技が素敵。銭と陳はいろいろな作品で共演している名コンビ。『玉簪記』など。傳全香に師事。

董母
=章海灵
董家は父がおらずこの人が主のはずだがイマイチ頼りない。嫁の公主に言われるがまま、調子の良いときは気の良いおばさん。夫の死後17年寡を守ったらしい。演じる章海灵は新版紅楼夢で若すぎる賈母。

匡正=黄慧
文伯(兄)の同年。試験で兄と懇意になり、入れ替わりに気がつき探りをいれ、裁判の時は兄を庇う。演じる黄慧は新版紅楼夢で賈政で、07年戯曲春節聯歓晩会では梁山伯を演じていた。

小慧=庄玲
兄に仕えていた侍女。兄弟入れ替えの顛末を見守り、影からフォローするが。兄が狂人とされた時は皇帝の御前で一人だけ彼を庇う姿が痛々しい。

皇帝・皇后=劉軍・葛佩玉
威信を重んじ処罰を下す。皇后はおっとり、皇帝は結構怖いタイプ。

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※越劇シナリオ・概説本「越劇小戯考」より。
江南春琴行さんでの同じ書籍ページ
# by hungmei | 2007-06-27 10:10 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

紹興小百花越劇団・呉素英主演『孟麗君』

d0095406_21493931.jpg王文娟の代表作。96年に連続ドラマも作られ70歳の王がピカピカお肌で麗君を演じています。このVCDは浙江を始めとする小百花系列、紹興小百花越劇団。主演は呉素英、呂(端英)派の女優さんで『穆桂英掛帥』など文武両能。孟麗君は女性ながら大臣として男装しているというストーリーのため旦(女役)が演じます。女優が男装している女性を演じ相手役の男役も演じるのは女優・・。

ややこしいの筋ですが、これは舞台版とあって話がまとめられ細かい説明は幕の間の合唱でカバー(越劇でよくある)。舞台は3時間程度ですから、全部やっていると焦点がぼけそうだし、唱あるし。【あらすじ】孟麗君と皇甫少華は許嫁ですが、お互いの家が没落。麗君は強引に他家に嫁がされるところを逃げ出し、男性と偽って科挙に合格。相国となります。いっぽう三年後に皇甫家も政界復帰が叶い、少華も出仕します。朝廷で顔を合わせ、少華は相手が麗君だと疑います。

麗君は君主を偽っておりばれれば死刑と少華に真実を告げられません。また皇帝は麗君が女性とわかるとその美貌に目をつけ、後宮に入れと迫ります。拒む麗君は拘束されますが、事情を知った太后(皇帝の母)が仲裁をしめでたく麗君と少華は結婚。越劇には珍しく皇帝が出て、恋の鞘当を演じるため老生でなく小生が恋愛現役の皇帝を演じるところが珍しいかも。王文娟の系統だけあってか麗君は地味顔、少華は派手顔な気がする笑。そして皇帝のアプローチは口説くというよりただのエロです。

相国がもと許婚と気づき、麗君の絵姿を見ながら少華が嘆く「看画像」、宮廷の庭園で麗君へ迫る皇帝の「游園脱臉」、太后が裁きを下し大円満の「金殿会■」などハイライト。皇甫家のほのぼぶりが笑えます。息子の結婚拒否に寛容かと思いきや、喧嘩し息子に怒られシュンとする両親。「イヤだろうが家の為に結婚せんかー」というところがない。皇帝は結構スケベでしょーもないし。そして麗君は女装より男装の時が艶かしく・・みんな何だかヘン。重臣との御前会議シーンが多いのも特徴。

96年王文娟主演連続テレビドラマ
Mクリップ-『天之驕子』-陳寶珠の孟麗君モチーフ作品?
# by hungmei | 2007-06-26 21:49 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

張永梅出演・上海越劇院「夜祭」-『西園記』一段

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文革直後の1980年、上海越劇院の大御所総出演で作られた越劇映画『西園記』。宝玉役で有名な徐玉蘭が小生、ヒロインには王文娟(林黛玉)、老生には徐天紅(賈政)、侍女の花旦に孟莉英(紫鵑)と『紅楼夢』でも大役を果たした早々たるメンツ。それまでのモノクロやカラーでも屋内風セットの映画から、オールロケで自然な背景の記念碑的作品でした(たぶん)。このVCDはその演目の結末部分、一番盛り上がるところのダイジェストです。舞台版、セットは室内で固定。

【あらすじ】嚢陽の才子・張継華は杭州へ留学し、趙礼の家に寄宿します。ある日西園と呼ばれる屋内庭園で出会った王玉真に恋をし、てっきり趙家の令嬢・趙王英と勘違い。その後、当初から病床にあった王英は亡くなり、継華は悲しみのあまりひっそりと夜に弔いの詩を読みます(夜祭)。しかも王英の義妹と結婚する事になり、亡くなった相愛の女性を思う継華は渋りますが、侍女の香筠の働きにより誤解は解け、2人はめでたく結婚します。

貴重な老生の出番の多い演目で、徐天紅の代表作としてよくあげられており老生の唱が堪能(右下写真)、取り違え&一目ぼれ&ラストで発覚、大円満と陳腐ですが面白い。しかし、勘違いされた挙句に若いみそらで亡くなる趙王英が可愛そう。張継華と王玉真は好きな相手と結婚できて嬉しいだろうけど。録画用に作られたような感じですが、拍手がところどころ入っていてナイス!素人の私には、演技のどこがみどころや大技かわかって嬉しいです。

小生・張継華はやはり徐派のトップ銭恵麗。亡くなった恋人を思って夜祭だのぼけっとしててもいい人かも。そして大立役者の侍女・香筠に張永遠梅、彼女は新版紅楼夢でも紫鵑を演じていたので、孟莉英の後継者なのかな?継華にくってかかったりあしらいつつおだてたり、なだめすかして・・・と可愛らしいし見ていてしっかりしてんなあ、と理想の侍女かつ小姐の女友達って感じです。清楚で整ったあっさりめの顔もいいんだよなあ・・トップの写真は孟莉英が演じる香君(※)。

※ この演目、オリジナルでは侍女が「香君」がこのVCDでは「香筠」に、
  ヒロイン「王玉貞」が「王玉真」に。改編したのか手元の資料の間違いか。

1982年映画版『西園記』
徐天紅紹介ページ


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# by hungmei | 2007-06-24 22:58 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

横浜チャイナスター昆劇『双下山』その2

ダブルキャストで初演は京劇女優の魯思さん、今日は越劇女優の史甜甜さん。史さんは水袖が得意とオーナーさんから聞きも「水袖みてえー!!」と予約。【あらすじ】尼僧と僧侶がそれぞれ修行に疲れ世俗に憧れ山を下りて道中出会い意気投合、相愛に。心中なかなか口に出せずもどかしいく、心ならずも出家して悶々と考える姿に共感。相愛になった後のはじけっぷりも微笑ましいです。最後に数珠をぶん投げて終わるあたりも爽快。京劇の主旋律が京胡なら、昆劇は笛だそうです。

違いがわかるかなと鑑賞しましたが、多分「こんな可愛くない座布団なんてイヤ!」というのは今回なかったかな。史さんは凛としてさすが小生(私のこだわり)。水袖の演技は生で見たのが初めてでしたが、バタバタ風がきたのが臨場感。史さんの唱はなんだか抑え気味な気がして。冒頭「目連という人が地獄行脚したけど・・」と目連戯でおなじみのモチーフ(※)が出てきたり、修行を諦め「羅刹女なんかなれっこないし!」のあたり笑えます。でも色空の持っているのが馬鞭っぽいような。払子と違うのかな。

魯思さんの色空(尼僧)は可愛らしく、いたずらっぽく、天然そうな感じ。下山を決めた時も子どもがいたずらを思いつたような可愛らしさ、恋人をからかう時もキュートです。史さんの色空は最初から婀娜っぽく俗世への憧れが切羽詰った感じで、下山も何だか今までの人生への復讐のよう笑。恋人にわざといじわる姿はちょっと女王様テイスト、憎めなくて素敵。今日は長水袖(2メートル)。前回がラブコメなら今回は夫婦漫才といった印象。

※1・・・・不徳のすえ地獄に堕ちた母を救うため、地獄行脚したお坊さん。
     「目連戯」といって中国地方戯曲で小規模に地元密着で演じられる。
     人形劇が多い。日本で見るのは難しいのかビデオでしか見てません。

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史さんの袖口は長水袖が折りたたまれているのでボリュームがあります↑
違う演目ですが水袖の演技の動画、金瓶梅のヒロイン「潘金蓮」より
孫玄齢著『中国戯曲の人間模様』※「思凡」「下山」の内容や背景など日本語書籍
# by hungmei | 2007-06-24 21:19 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

武旦・小生/楊門女将『穆桂英掛帥』

d0095406_22365153.jpg一応女性のみで演じる越劇にも武旦がいます。京劇では『楊門女将』も武旦もおなじみですが、私は越劇を知ってから一年くらいするまで越劇でも武技中心の演目があると知りませんでした。伝統演目『何文秀』に居酒屋の女将で非常に強いキャラクタがおり彼女がちらっと立ち回りを演じるのですが、今回初めて武旦主役の作品を鑑賞。

越劇が才子佳人などロマンスが特徴なだけに、武技や戦争ものって?と思いましたが、『楊門女将』が女性中心の話でむしろ越劇のよさが活きていました。唱はいつも通り素敵だし、化粧ばっちりでも軍装のりりしい将軍がマントを翻すアクションシーンはいい!そういえば越劇の素敵なガイド本の表紙も穆桂英でした。筋はおなじみ宋代の戦乱、契丹族の遼と交戦中。男性陣を始め嫁も姑も小姑もみんな従軍。この話はその前時代ですが、夫の死後に穆桂英が出征するのが京劇では有名らしい。

武小生もいて、楊宗保役の呉鳳花がそう。武技で高名な二巨頭の共演。越劇で珍しく赤や黒の隈取が見られます。セットも野外戦場でシンプル。激しいビートで中国戯曲の音楽は武技とよく合います。以前見た『春香伝』で優しい老獄吏を演じていたのが穆桂英役の陳飛か。武技も京劇より少し舞踊の要素がり滑らかで、装飾の少ない衣装とあいまってえもいわれぬ魅力。ぜひリンクの江南春琴行さんで買ってみてみてください!!

誰と誰が戦っているか深く考えたら、現代中国の民族問題に接触しそうな・・穆桂英にだけ衣装に翎子(※)がついています。前半は桂英が宗保にアプローチし結婚、後半は夫婦で敵軍撃退。タイトル和訳は「穆桂英元帥となる」。手元のシナリオ本では呂端英(宝釵『紅楼夢』、紅娘『西廂記』、銀心『梁祝』で有名)主演で上海越劇演出の同名劇が載っていますが、穆桂英53歳の話で違う。それは武漢市の豫劇作品の改作だそうです。楊門女将の話ってたくさんあって、難しいです。

※翎子・・・・武将が頭部につける昆虫の触角のような羽。少数民族や盗賊だったり、
       寒さを表したりするらしい(『昭君出塞』で王昭君がつけていたような・・)

陳飛 飾 穆桂英・・・69年生、傳全香に師事。文武旦で90年には越劇新星へ。
             桂英はやくざの親玉の娘だが楊に一目ぼれし迫って結婚。

呉鳳花 飾 楊宗保・・70年生、文武小生。範端娟に師事。稀有な人材です。
              かっこいいんだろうけど楊はいつも誰かに押し切られているような。

youtube-呉凰花出演作品動画
# by hungmei | 2007-06-23 22:37 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

上海越劇院21世紀新版越劇『紅楼夢』

d0095406_2115687.jpg1906年に越劇がスタートし2006年で百周年、昨年は色々な記念イベントがありました。全国第二の劇になり、どう維持・発展していくかが課題なんでしょうが、その歴史の中でも爆発的ヒットとなり金字塔的な作品「紅楼夢」。1960年代には徐玉蘭・王文娟のコンビで映画化もされ、若い世代は微妙ですが上海いくと結構通じるんですよね。詳しくなくても「聞いたことある!」と。私も「天上掉下林妹妹」「王煕鳳誉黛」「読西廂」「金玉良縁」など大好きです。

上海大劇院という上海越劇院おひざもとの国有劇場があり、派手な概観から名物となっています。その杮落としとして90年代に新版紅楼夢が作られ、豪華な舞台を活かした最新の舞台芸術・演出を採用。伝統的な徐進の脚本から変更し、冒頭が「元妃省親」というビジュアル重視の進行だったんですが・・・このソフト、違う。伝統的な「黛玉進府」から始まりベーシック。違う「新版紅楼夢」があるんだろうか。手元にある「元妃省親」から始まる趙志剛(宝玉)・方亜芬(黛玉)の香港公演版はまさにそうなんですけど。

こちらは恐らく公演の録画でなく、初めから撮影用に演じたもののようで編集もあり見やすいです。琴を引く手が別人の差し替えだったり、ちゃんと火が使われていたり。装丁の豪華さ、衣装・舞台の瀟洒なこと、力作なのを実感。キャストもやはり謝晋監督で映画化もされた越劇時代史『舞台姐妹』で主演した銭惠麗(宝玉)、単仰萍(黛玉)のコンビに始まり、陳穎(薛宝釵)、方亜芬(王煕鳳)、賈母(章海灵)とむちゃくちゃリッチ。でもはっきり言ってミスキャストな気が・・・みなさん演技も唱も特上ですが、外見が全然イメージじゃない。わざわざあえて趣向を変えてみたのかな?張永梅の紫鵑と、黄慧の賈政は良かったけど・・。


賈母は若くておばあさんに見えないし、煕鳳もクセのあるオーラがなく、宝釵はガタイ良すぎ!素敵な女優さんが方だけに、なんでこの配役?個人的に単仰萍の黛玉も大人すぎてぴんときません。前髪がしっくり来ないんだけど・・。しかし戯曲晩会での名演DVDには銭・単版紅楼夢があってので、支持はあるのか。上海大劇院ぽいこの舞台、天井が高くセットは精巧で見ごたえバッチリ。結婚式や「問紫鵑」の一段は今までよりグレードアップしていて好きです。晴ぶんが目立っていて、宝玉に眉を描いてもらいそれに襲人が怒るシーンとか。にしてもやはり越劇の宝釵と襲人は影が薄いですね・・。紫鵑の扱いがやっぱり大きい。

youtubedeで見つけた唱「天上掉下林妹妹」
# by hungmei | 2007-06-23 21:02 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

越劇小百花系列『春香伝』

d0095406_17314333.jpg朝鮮の民話『春香伝』を題材にした1960年代徐玉蘭・王文娟の黄金コンビで確立された演目。今回はヒロイン春香・王志萍、小生の李夢龍・陳娜君で舟山越劇小百花越劇団演出。毎年恒例のCCTV2006年戯曲晩会で見て気になっていたのが、江南春琴行さんで何と新入荷していたのでさっそく購入。舞台がニガテな私でも楽しめて、舞台セットがとても洗練された作品でした!

【あらすじ】李朝・粛宗の御世。芸妓・月梅の一人娘である春香は全羅道南原府で評判の美少女(16歳)。初夏の端陽節、花ブランコで遊ぶ彼女を邂逅使の息子で南原へ滞在していた李夢龍が一目ぼれ。岳母の月梅にも気に入られ正式な夫婦としてしばらくすごした後、夢龍が都に呼び戻されますが両親の意向により春香は「小妾」とし打ち捨てられます。その三年後、新任の下学道に強引に迫られるも拒んだ春香は死刑に処されますが、そのピンチを御史として赴任してきた夢龍に救われ二人は正式に結婚。

典型的才子佳人モノ、水戸黄門なみの勧善懲悪、強調される春香の貞節と暑苦しい事この上ないですが、楽しめたのは大好きな王志萍の唱。この演目は踊りが多く楽しめましたが(ちなみに伝統舞踊とバレエ風のチャンポン)、やっぱり王派の唱はいいな。朝鮮モノだけに衣装も変わっていて、派手すぎますが見ごたえがあり。夢龍がおぼっちゃますぎて、越劇の小生ってかっこいいのかな?といつもの疑問。親に反対され春香おいて都に帰ったくせに、3年後の態度が鷹揚すぎです。もっと殊勝になれ!

※写真はおまけ若き日の王志萍(10代)。今は40代、ご夫君の仕事で日本滞在経験もある女優さん。いまと顔が違う。越劇女優は年を重ねるほど顔がはっきりする?
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ラストはとってつけた感もありましたが(梁祝の蝶の踊りのように、何となく私は腑に落ちない)、下学道に逆らう春香がまぶしかったです。母の月梅が都へ戻る挨拶に来た夢龍に向かい「必ず戻ってくると官家子弟は言うけれど、戻ってきたためしはない」とピシャリ!引退した芸妓の本領発揮でかっこよかった。彼は呑気すぎます。結果的に正式に結婚できるので、2人をフォローしていた月梅と夢龍の下男・房子のコンビも微笑ましい。獄中の春香を哀れみ手心加えてくれる獄吏のおじいちゃんもナイス。このおじいさん、陳飛が演じていて、意外に大物?

2人の出会いが端陽節、蜜月が秋桂節など、移り変わる季節に連携したセット。有名な朝鮮の女性がうつ太鼓の踊り、1-7場総てに「愛的」がつくストレートさ(例:第一場「愛的盟友」、第二場「愛的約定」、第三場「愛的歌詠」、第四場「愛的離別」・・・)。舞台の横の幅を活かした演技など、限られた空間なりの演出や身体表現がとても素晴らしい。ドラマ版のわかりやすさが好きな自分でも、思わず惚れ惚れ見てしまいました。夢龍が壁にかかった絵に字を書くシーンがあるのですが、絵が勿体無かったのか書く部分だけ上から紙が張ってある。女優さんの字が綺麗でなかったのもうけました。

youtubeで見つけた、冒頭の2人の出会いシーン。少女漫画チックです・・
他の王派女優による春香伝も
# by hungmei | 2007-06-23 17:30 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


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