越劇電視連続劇『孟姜女』


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『孟姜女』は伝統的な演目で、苦手な悲劇と知りつつ鑑賞。JChreというネットショップで2千円。4話完結のVCDで、00年の越劇ドラマ『紅楼夢』で宝釵を演じた寧波小百花越劇団の趙海英という女優さんが主演しており、結構気に入っていたので。リンクの「宝玉くんのべんきょう部屋」さんでは、この越劇ドラマ版『紅楼夢』が画像つきで詳しく載っています♪ちなみに賈政を演じた女優さんがここでは始皇帝役。このドラマは上海越劇院で徐派小生の銭惠麗さんが宝玉を演じ、各劇団から越劇のスター大集合みたいな感じです。

作中、趙海英のかわいいシーン動画

【あらすじ】秦の時代、朝廷は民衆を動員し万里の長城の築城します。15-40歳の男子は全て徴収、江南の名匠と謳われた万善良も参加を求められますが、その兄がやはり築城へ赴き危険な作業で死亡した事を受け、先祖伝来の技を絶えさせてはならないと官憲から逃れます。彼をかくまった孟家では姜女を彼と結婚させ、山中に隠れさせます。しかし孟家の義理の兄弟が徴収されたのを見て、万は妻の反対を押し切り築城現場へ赴きます。残された姜女はせめて夫に冬服を届けようと、女性の身で長旅を決意。散々苦労した末やっと現場へ辿り着きますが、そのとき既に夫は亡くなった後でした。梁祝と並び、中国4大悲恋物語の一つだとか・・・。

弟の孟銀は義兄の万善良と共に辛い作業に耐えますが、万は横暴な上官へ抵抗し同僚を助けた事により万善良は入牢。その後崩れた壁の下敷きになり亡くなったのでした。生前、作業中に壁に彫った愛妻の名前を見て、姜女は悲嘆にくれます。その時長城の壁が突然崩れ、死んだ万善良が現れ「長城こそ私の魂だ」と言い残します。それを聞いた姜女は夫の遺志をくみ、長城へ上って夫を称え、そこで劇終。「長く語り伝えられた物語」とあり、姜女は自分から相手に結婚を申し込むし両親の静止も振り切り築城現場へ行くし、烈女って感じかな。

「民衆の愛国心」という台詞など、今の愛国教育にも使えそう。どこでもそうでしょうが常に国内外で覇権争いを繰り広げていたわけで・・。最近のドラマで女優さんたちは垢抜けているし衣装やセットは豪華、横暴な役人やモブの作業員は男性が演じて見やすいです。唄も長くて聞き応えがあるし!でも「長城が私の手足で背中で頭なんだ」という名言?や、姜女が夫を称えて終わりというところが個人的に「?」。兄の孟金が小ずるくて義弟の居場所を官憲にちくるわ築城現場から逃亡するわ、弟の孟銀が善良で義兄を助けるアレンジは良かったです。しかし暗い・・。姜女が泣いて長城を崩すところがハイライトらしいですが、壊したら夫の遺志に反しないのかな?それに誰かが修理しなくちゃいけなくなりそう。
# by hungmei | 2007-03-16 22:13 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

カラオケ戯曲VCD『中国地方戯曲名段』

 ネットショップで購入、豫劇・評劇・黄梅戯・越劇が入ってます。豫劇は河南省の地方劇、評劇は河北省だったかな?北方と南方のコラボレーションですね。曲のセレクトは真っ当、カラオケ版で字幕が唄に合わせ色が変わります。過去の戯曲映画やドラマから映像をあて、黄梅戯『女附馬』は文革で死んだ名優・厳鳳英の60年代映画、越劇『紅楼夢』『梁祝』名作で徐玉蘭・王文娟コンビと袁雪芬・範瑞娟コンビの同じく60年代映画版。豫劇『花木蘭』、評劇『花為媒』『劉巧児』も5.60年代映画から。しかし唄は最近のだったり、映像と唄が別作品からつぎはぎされているのが目立つ(汗)。

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 『牛郎織女』から「到底人間歓楽多」が入っていますが、使われている映像が映像が高層ビル群だのネオン街。戯曲で本来は時代劇で写真のような衣装ですが、ここでは「現代の」人間の世の楽しさになってる!要旨は「季節に合わせ花が咲き実がなって、村ではみんな農作業、愛しい夫と子どもに囲まれて、人の世はなんと素敵なんでしょう」という感じ。ちなみに現代の農作業の様子もコンバータとか入ってます。唄はおそらく呉亜玲という私のお気に入りの女優さんで、写真は彼女が06年戯曲晩会でこの唄をうたったときのもの。

 私は越劇映画『紅楼夢』『梁祝』はあまり好きではなく、この2作品なら戯曲より現実的に描かれた映画の方が好きですが、それでもやはり唄はすばらしいですね。特に『梁祝』で祝英台が梁山伯に向かい「女だからといって、なぜ馬鹿だと決めるんです?本当は女だって勉強していいはず、だって同じ人間なんですから」という「我家有個小九妹」が好きです。今でも女性で高学歴でも必ずしも歓迎されるわけでなし、今にも通じますね。ほか、黄梅戯『女附馬」の中で庶民の女性の悲哀を皇女に訴える「我本閨中一釵裙」もいいな。下の写真の左横のような、官服を着て男装したヒロインが唄います。

    <我本閨中一釵裙> ※本当は女性の意。釵(かんざし)と裙(もすそ)は女性の象徴。

    民女名叫馮素珍、自幼許配李兆廷。
    爹娘嫌貧愛富貴、誣陥李郎入了監中。
    民女只為救夫命、万里弄波至京城。
    実指望取得功名夫有救、誰知被召入深宮。
    公主生長在深宮、怎知民間女子痛苦情。
    王三姐守寒塞一十八歳、劉翠屏苦度了十六春。
    還有那前朝英台女、生生死死愛梁生、
    父母嫌貧愛富貴、女児不忘恩愛情。

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 抜粋ですが、両親が没落した許婚と結婚させるのを嫌がり、かつ許婚が無実の罪で投獄されたことを受け、男装し許婚を救おうとしたところとんとん拍子で出世し公主と結婚する自体になってしまった。公主は箱入り育ちだからわからないかもしれないけれど、夫を救いたい女児の気持ちはいつの時代でも同じ・・・と「梁祝」の祝英台など典故を引き切々と訴えます。黄梅戯の中ではこの唄が一番好きなのですが、どーもうまく写真編集ソフトに取り込めず・・・それに歌詞だけ無理やり載せてみたんですが、訳が全然出来ません(涙)。うまく戯曲を紹介するには、道のりは長そうです。
# by hungmei | 2007-03-15 21:33 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

三朝宮主『考庄皇后伝』


d0095406_10461282.jpg日本ではマイナーですが、02年大陸でヒットした大河ドラマ『考庄秘史』、日本でもDVDの出た『康熙王朝』、ちょっと前では台湾の『一代皇后大玉児』など、彼女を取り上げたドラマは多いですね。清朝墳墓157人の被葬者の中でも最上の扱いを受けた、清朝初期のゴッドマザー。私は中国史は専門外で、「歴史的事実を重視しその謎に迫る」触れ込みに惹かれました。よく幼名「大玉児」とされますが、正式には博尓済吉特氏の布木布秦。それと順治帝以外に3人の娘がいたのが初見でした。

考庄皇后はモンゴル王族の娘で、第二代皇太級の妃。実子の順治帝を補佐し、孫にあたる康煕帝に継位させ、清朝初期の政権安定に貢献しました。蒙古族との連合強化の為、ホンタイジの妃は尓済吉特氏ばかりで叔母の哲哲が大福晋、彼女は側福晋。姐の海蘭珠もその後26歳の時にホンタイジへ嫁します。当初はその寵愛ぶり、先に息子を産んだため后としての序列は姐が上だったそう。当初は姐所生の八阿哥が後継者とされ、考庄はあまり有利ではなかったらしい。ちなみにドルゴンの福晋は考庄の実妹・小玉児。

やっと政権が安定してきたかと思えば息子の順治帝が24歳で死に、孫の康煕帝の即位も8歳。中でも彼女を巡る最大の謎はホンタイジの弟で順治帝の叔父・摂政王ドルゴンへ下嫁した事。これは正史には記録がないけれど常に噂されていたそう。彼女が正式に葬られたのはその死後37年もたってから。順治帝時代、死後に官位を剥奪され、乾隆帝時代になって復権したドルゴンとかぶりますね。当時のモンゴル族・満州族の習俗は死んだ兄の妻=嫂が夫の死後弟へ嫁ぐのは普通であったけれど、漢族の儒教道徳からするともっての外。
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皇帝も漢化しますし、映画ではよく順治帝が怒ってますね。「娃娃皇帝」の地位安定のために実権を握るドルゴンと連合が必要だったとか、ドラマだと結婚前にドルゴンと恋愛関係にあった為だとか。考庄皇后は誰よりも長生きして準・垂簾聴政を行いますが、その後も実力主義の後継者選定のために康煕帝も雍正帝も苦労します。順治時代もホンタイジの長子・豪格が粛清されていますし。ヌルハチが死んだ時は遺言でドルゴンの生母が殉死したそうで、日本では主君の殉死に男色関係のあった家臣が選ばれたりしますが・・武家政権はさすが激しい。

先日見たドラマ『格格要出嫁』はまさにこの頃の話。ちゃんとある程度、史実を踏まえてあったのが今やっとわかりました。非難されつつ漢人で順治帝へ仕え、儒学を講義した範文程とか・・このVCDは「影視資料」として、『考庄秘史』と『康煕王朝』が使われており、寧静とスーチンカオワーの考庄皇后が見られます(笑)この二つのドラマを見るため予習に見たので変な感じ。考庄は13歳で34歳のホンタイジと結婚したなら、歳の近いドルゴンと噂されるのも納得。ホンタイジは戦場へ赴く事が多くその後方支援を担った弟のドルゴンとの方がより近かったらしいですし。『考庄秘史』では私の好きな何賽飛が、ぶっ飛んだ姉妹を演じているらしく今から楽しみです。
# by hungmei | 2007-03-15 19:32 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(0)

李翰林監督について

このブログで度々取り上げ、勝手に気に入ってる監督なんですが、ビックな方なんですよね・・・(ちょっと不安)。香港や台湾映画は、いや大陸の映画も80年代以前だと全く詳しくないので、好きながらも情報収集に四苦八苦しています。でもせっかくこんなプッシュしているので、ここらで一度まとめて書いてみようと思いました。日本では『西太后』(84)が一番有名なのかな。

1926年遼寧省生まれ、北京の芸術大学で西洋絵画を学び、その後上海の演劇学校で戯曲・映画について勉強します。学生時代は紫禁城に何度も出かけ、熱心にスケッチをしていた事が後年の時代劇映画にいきたそう。48年に香港に渡り声優からスタートし、舞台美術・広告デザイン・俳優業などを経て54年にショウブラザーズと契約した『雪裏紅』で監督デビュー。実は初めて声優として出演したのは日本の黒沢映画だとか。そこでカメラワークなど独学したそうです。



当時は広東語映画の全盛期でしたが、監督33歳の時、三国志から題材を取った黄梅調映画=黄梅戯の唄が入る戯曲風映画で『貂蝉』が大ヒット。翌59年の『江山美人』など北京語・黄梅調映画ブームを作り出します。63年の『梁山伯興祝英台』では第10回アジア太平洋映画祭で大成功を収めるなど、絵画を背景とした古典的撮影法を確立し、香港映画の大御所へ。ほか『楊貴妃』『武則天』など、当時の台湾や香港の映画賞を総なめでした。

60年代に入り専属契約だったショウブラザーズから独立し、台湾で会社を興しますが金銭トラブルから倒産。70年代にはショウブラザーズに復帰し、その後も『大軍閥』『武松』などコメディや悪女・金蓮の人物形成を見直すなど精力的に活躍、『金瓶梅』などエロス映画も手がけるようになりました。84年には中国政府から招かれ大作『西太后』を監督し海外でも受賞し、96年本土のテレビ局から招かれ『火焼阿房宮』を北京で撮影中、心臓発作で亡くなりました。享年70歳。

今の日本だと上記の『西太后』がビデオで見られるほか、キングレコードから『真説チャイニーズ・ゴーズトストーリー』、『金瓶梅』が日本語字幕つきDVDでアマゾンでも入手可能。『チャイニーズ』の方は80年代香港映画を代表する同名映画と同じ清代小説『聊斎志異』から題材を取り、原題は全く同じ『倩女幽魂』。60年代香港ってそんなに北京語・黄梅調映画が流行ったなんて・・・そのへんわかる本があったら読みたい!今の香港映画とは全く違う、アクションなし派手な撮影効果なし、スタンダードサイズのフィルムで時代劇にぴったり。

『チャイニーズ』ニンシャオチェン役のベティ・ローは、『梁山伯興祝英台』でも祝英台を演じておりお気に入り。若くして自殺してしいまいましたが、他の俳優さんも含め一時代を築いただけあって今でもたくさん見られます。日本語版『チャイニーズ』ではそんな監督のインタビューが映像特典。『西太后』でもそうですが、全体を俯瞰した天井からのショットなど、この監督のカメラワークって好きです。部屋をぶち抜いてどんどん視線が移ったり。現在でも古典文学や歴史を基にしたドラマは数多く作られますが、そのベースにはやはりこの時代の戯曲や戯曲映画の蓄積があるんではないかと感じます。

李翰林監督プロフィール
楽蒂/ベティ・ロー紹介ページ

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# by hungmei | 2007-03-14 01:32 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(2)

邵氏出品・李翰林監督『梁山伯興祝英台』(1962)

この前の『金玉良縁紅楼夢』と同じ、ショウブラザーズでリーハンシャン監督62年香港作品、主演は日本でも『真説チャイニーズ・ゴーストストーリ』のDVDがある楽蒂と凌波。第二回金馬賞の最佳劇情片・最佳導演・最佳女主角・最佳演員特別・最佳音楽、台湾でのヒットは記録的だったそうです。180日連続上映、72万人動員記録、監督の代表作で古典的撮影法を確立した作品。ストーリの進行や唄の歌詞など越劇とほとんど同じ。ちなみに本土でも60年代後半には越劇映画『梁山伯与祝英台』が周恩来の後押しで作られ、海外でも賞賛され映画史に残る記録となっているようです。この映画と内容がほとんど一緒なんですけど、映画として先発はこちらでも舞台としては越劇が先なわけで、どっちが元祖なんだろう。

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『梁祝』と言えば越劇ですが、監督だけにこの作品は黄梅調。そういわれれば、でも戯曲映画の中でもかなり現実に近く戯曲風の仕草は少ないので、激昂した時のみ水袖など急に戯曲の仕草になると正直ちょっと違和感。【あらすじ】名家のお嬢様、祝英台が杭城へ勉強に行きたいと医者に男装して両親を説得し、道中出会った梁山伯と意気投合、兄弟の契りを結びます。3年同じ学校で学び、大親友の2人ですが、ある日英台の実家から帰宅を命じる手紙が。決心した英台は、師母(先生の奥さん)に真実を打ち明けます。

果たして英台の帰郷の日、英台がどんなに謎賭けをして自分が女だと気づかせようとしても鈍感なので全然だめ。英台は妹がいるので、許婚がいなければぜひ結婚してほしいと伝えます。その後学校へ戻った山伯は師母からも真実を知らされ祝家へ向かいますが、既に英台の結婚が決められていました。嫁ぎ相手の馬文才は名うてのプレイボーイ。英台は山伯に別れを告げ、失意の山伯は吐血して亡くなります。婚礼当日、英台は山伯のお墓に向かいます。そして竜巻が起こって山伯の墓の中に英台は飲み込まれ、後から二匹の蝶が天上へと昇っていきます。



d0095406_13374481.jpg東晋時代から杭州に伝わる民話をもとに、様々な戯曲や映画になった話ですが、少女漫画の王道みたいですねー。でも面白いです。悲劇嫌いだけど、ハズレがないし。途中、鴛鴦やら鯉やらあらゆる故事をふんで自分が女だと気づかせようとする英台が健気で・・(そして気づかない山伯もすごい・笑)。この映画では珍しく祝母が優しくて、帰郷後に英台から全て梁兄の事を聞いていたらしい。その割に縁談に協力してくれるわけじゃないけど。

この映画でよかったのは、英台の侍女の銀心と山伯の下男の四九もラブラブだった事かな・・。普通、主人同士が恋に落ちるぶん、従者同士も良い雰囲気だったりするんだけど。主従でカップルって楽しそうであこがれるんですが、現実そーもいかないか。京劇では『柳蔭記』とも言うのですが、作中、柳の木下で兄弟の契りを結ぶところからきているようで、この映画にもそのシーンがありました。そのとき、銀心と四九も一緒に誓い合っていてホント可愛いです。山伯も正直そんな可愛くないんだけど(他の映画では美人の女優さんですが、ここではメイクがちょっと?)なーんか天然っぽさがよく出ていて、憎めないですねえ。でも彼女がこの作品で大ブレークし、楽蒂の自殺の引き金になったとか。

d0095406_13372622.jpg梁家では1人息子が恋煩いで死んでしまって踏んだりけったりですね。山伯の家は父が既に亡いので、残されたお母さんはシャレになりません。ぜんっぜん期待してみてなかったんですがこの映画はなかなか良かった。英台を演じた楽蒂(ベティ・ロー)がお気に入りなんですが、30年も前に自殺して亡くなっており、ちょっとしんみり。梁祝はそれこそ94年にも香港映画があるし、最近も連続ドラマであったりアニメまであるので、またアップしてみたいです。香港版はニッキーウーやチャーリーヤンが主演し、伝統から脱して男性が梁兄だしかなり現実的で趣が違います。これもなかなか面白い。比べ始めるとキリがないですが、楽しいですねーって、独断ですが。

ベティ・ロー/楽蒂プロフィール※中文
銀心役・任潔プロフィール
『梁山伯と祝英台』作品紹介


# by hungmei | 2007-03-13 23:32 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

邵氏出品・李翰林監督『金玉良縁紅楼夢』(1977)



お気に入りショウブラザーズ作品・リーハンシャン監督の77年香港映画です。たまにオークションなどで見かけ、気になっていたので、今回「中華迷」というお店でゲット。この作品はyoutubeでもハイライトが見られます。主演の2人は今も現役の台湾人女優さんですね。

ストーリーは黛玉入府⇒宝釵入府⇒役者との交際がバレ折檻⇒黛玉葬花⇒紫鵑の嘘で宝玉がおかしくなる⇒偽りの結婚⇒黛玉の死⇒騙されたと気づいた宝玉、修羅場へ⇒紫鵑と宝玉の応酬⇒賈家の抄家、で終わり。随所に唄が入り、戯曲映画って感じでした。越劇や他の映画であればたいてい宝玉失踪で終わるので、最期に抄家があったところはちょっとオリジナルでしょうか。でも年代的にも唄があるところも、黄梅調といいつつ越劇の影響は相当あるんではないかと思います。黄梅戯の紅楼夢は、90年代の新版の前からスタンダード版がずっとあったのですが、そちらは今ではあまり見られないので、比べようがないのですが・・。

宝釵・襲人の出番が少なく紫鵑が活躍する事、煕鳳とご隠居が完全なる悪役である事、王夫人は特に役立たない事など、従来の戯曲の人物形成を踏襲してあるように見えますが、意外に面白い脚色も多かったです。宝釵は結婚式で宝玉に負けんばかりに泣くし(そりゃーいたたまれないだろうなあ・・)、黛玉も死ぬ時はとても病人とは思えない暴れ具合、宝玉が賈政に折檻される時はさすが香港映画といった感じのオーバーリアクションです。

また同監督で、日本版DVDもある『金瓶梅』で主人公の胡錦が煕鳳を演じており、顎のホクロが艶かしい悪女を好演しています。他の女優さんは当時の流行か、みんなバタ臭くていまいちしっくりこなかったのは私の好みのせいでしょうか。張艾喜の黛玉も捨てがたいですが、やはり出家で噂のCCTV版ドラマの陳暁旭さんのようなタイプこそイメージに近いと思います。吉永小百合と木の実ナナの違いみたいな。張艾喜だと健康そうで薄幸の美人に見えない。衣装などは台湾などの映画祭で美術設計賞、最優秀服飾賞を獲得したとても煌びやかさ。背景はめちゃくちゃ豪華です。



ブリジット・リンの宝玉は華奢だし顎も細くてとても幼く見えます。他のキャストはもっと年上に見えるので変な感じ。冒頭では焦大が「今の賈府といったら、乱れきっていて、とても林姑娘をお迎えすべきでない」と不吉な予言。彼女が亡くなった後は、越劇「問紫鵑」のように宝玉と紫鵑の掛け合いがあり、「妹妹の琴はどうなったの?」「知音もいませんのに、誰が弾くというのでしょう?」と・・。たくさんある唄も宝玉、黛玉のみならず煕鳳、焦大と結構バラエティ豊か。歌詞も原作のハンカチの詩、紅豆曲、もちろん葬花など少しずつ変えられていますが内容は同じでした。

煕鳳が一計を案じるシーンが長く具体的なのも特徴で、「嫌よ嫌よとは言っても、新婚の床上ではお互いにまんざらでもなくなるでしょう。」というのがちょっとリアルでした。そんなのヤダ。原作の結末は曹雪芹作ではなく賛否両論ですが、私はどっちかというと否定派なので、踏襲してある結末だと実は受け入れられないかも。まあ当時の結婚なんて個人の好みは一切ないでしょうが、そこへ抗議したかったのが紅楼夢だろうし、宝釵を正室・黛玉をニ房って現実的にありかと思うのですがやっぱりそんなの見たくないし。そういう続作はあるけど・・。

キャストのはまり具合だけでなく、非常に不幸な結末ではありますが、私にはCCTVのドラマが一番です。原作の「林妹妹は好きだけれど、宝姐姐にも悪いし・・」と同衾してからはなし崩しで若夫婦ぶりを発揮する宝玉を見てるとグーで殴っていいですか?と。あっでも黛玉焚稿だけは後40回の最高傑作ですね、これだけは凄い!戯曲や映画だと時間の制約もあり仕方がないですが、やはり善悪はっきりあるよりも、誰が悪いわけでもなく運命に翻弄され辛酸を味わういう方が納得がいきます。宝釵も襲人もご隠居も好きだし、後40回で急に悪役になると悲しいですね・・・。

しかしこの映画だけでなく、香港映画では『紅楼夢』61年というのがあったり、台湾で70回近いテレビシリーズの紅楼夢があるらしかったり、気になります・・・。でも原作90回台で黛玉が死ぬのは迫害されてですから当然ですが、CCTV版のようにそうでない場合、彼女の臨終時に付き添いが紫鵑だけってちょっと違和感も。容態が急変したか、演出効果か、やっぱり後者かな?この映画では黛玉の最期、宝玉の幻影を見てそれを追いかけ部屋を出て行こうとして床上にて絶命します。黛玉の臨終に、宝玉がもしいたら・・・などと、果てしないifを考えてしまうシーンでした。
# by hungmei | 2007-03-13 19:52 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

’格格劇’『格格要出嫁』

ネットショップYesAsiaで偶然見つけたこのドラマ。全30話のVCD3千円でそれほど高くなかったので買ってみました。清朝宮廷コメディと、私の好きな三要素がつまってると思ったので・・・。監督は『還珠格格』や同じチャンヤオ原作『情深深』の李平。ほか2001年春節晩会最年少歌手で演技初挑戦の倪蓉思、朱石(石三つ)、寇沈海、海波など出演。2002年作品。

あらすじは⇒モンゴル林丹汗の愛娘・金蟾は、父の戦死に伴い摂政王ドルゴンに引き取られ清朝の格格(皇女)となります。第二代ホンタイジの頃、その息子である九阿哥と金蟾は実の兄妹のように仲良く育ちます。末弟の十一阿哥も含め、勉強も遊びも常に三人一緒。父の急死のため6歳にして第三代・順治帝となった九阿哥ですが、その後も仲良しには変わりませんでした。皇帝が成人し大婚の話が出ると、彼が皇后にと望んだのは幼馴染の金蟾。しかし生母の考庄太后は、金蟾は「六絶」=父母・兄弟・姉妹がいないので認めません。

この二人のもどかしい純愛を下に、少数民族の藩から人質として宮廷内に住んでいる多羅郡主やそのお相手となる反清の闘士、順治帝の腹心の部下と皇族暗殺を成し遂げた女義侠が恋に落ちたり、恋愛ものかと思わせつつ考庄大后はドルゴンとベタベタだし、ドルゴンがまたいかにもな好色おやじでいろんな女性人くっつきまくる。ホンタイジの長子・大阿哥も野心満々、かつ超女好き。純愛もあるんだけど、ベットシーン満載で、ちょっとアダルトな感じです。ベットがギシギシ揺れまくって行為の激しさを表していたり、見ていてちょっとびっくりしました。ドルゴンと考庄太后のベットシーンが多いです(汗)。

ヒロイン金蟾は子ども時代を草原で過ごした事もあり、自由闊達で常に宮廷から出たがっています。子ども時代も順治から「鳳凰になりたくない?」とプロポーズされて、「モンゴル人にとって鳥といえば鷹よ!」とマイペース。しかも大人になってからも下着姿で皇帝と同床するものだから、ドルゴンに二人は既に肉体関係があると勘ぐられます。入関したばかりで漢人の纏足を見て驚くエピソードや、「髪を留めれば頭を留めぬ」という噂の辮髪令施行、明の遺臣で反清の闘士や戦争ネタがたくさん出てきます。漢人として儒教道徳を順治帝に教授する参謀の範大人は、還珠で福倫役だった海波さんでした。その割に太后とドルゴン結婚しますけど。
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考庄大后とドルゴンは金蟾を諦めさせ、大婚をと躍起になりますが相思相愛の二人の前ではうまくいきません。最後は皇帝の出家っぽいんですが、最終話のVCDが不良品。史実どおり死んだら一気に悲恋?しかし順治帝、史実だと14歳で初婚で24歳で亡くなるのに子ども多いですね。それに還珠といい現代の適齢期にあてはめちゃうと、十代のうちに結婚する当時に比べて俳優さんの外見に違和感が。20代後半にも見えて「もう通房Y頭=お手つき侍女の1人や2人・・」と想像してしまう。しかし作中、義理の兄妹である事は特に問題にされないので、清朝の初期の頃の雰囲気が出ているのかな?

パッケージからの第一印象に反し純愛ものでなく、順治帝の成長過程がメインかも。間抜けな襄郡王(=十一阿哥)が女装したり落とし穴にはまるわ、献上されたビールで敵味方会い乱れ酔っ払うわ、のどかなところもありますが、どうも愛と欲、色と政治、って感じ。かといって大河ではなく・・・。特記すべきは主人公達の子ども時代が5話までと眺めで、面白かったです。後宮で発狂した瘋太妃役に、狂女や乞食役の得意な女優さんがいたり、話よりキャラクターが断然面白い!ナイスな侍女や宦官たち、金蟾も可愛いです。しかし結末が気になる・・・・。ネットで探したんですが、あんまりヒットしなかったのかなー?金蟾が政治的にも活躍するのが、印象深かったです。d0095406_1045433.jpg
# by hungmei | 2007-03-10 18:07 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)

戯曲ドラマ・映画/舞台版/カラオケ版の違い

直接戯曲の知識とは関係ありませんが、わたしはこの違いにこだわっています。舞台版はやはりライブで見たいし、そうすると回数が限られほとんど映像ソフトで鑑賞している状態では難しいです。映像ソフトの商品詳細にも大体書いてありますね。個人的にカラオケ版が見やすくて好きです。戯曲はやっぱり唄!

<ドラマ・映画版>※一番わかりやすい!
・背景、小道具、ロケ等で臨場感があり、普通の時代劇や現代ものと変わらず楽しめる
・話がわかりやすく改作されていたり、1話完結であれば舞台版より短い場合もある
・衣装、メイク、髪型が舞台ほどデフォルメされておらず、現実に近めになっている
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<舞台録画版>※一番通好み!
・簡素な背景、小道具も必要最低限、演技は針と糸なしで裁縫する姿を表現など
・伝統的な仕草、配役、音楽などなどなど深く楽しむには知識が必要な時も
・アングルが固定気味、時間は3時間前後が多く、たまに飽きてくるかも

<カラオケ版>※一番気軽に楽しめる!
・戯曲は唄で物語が進行していくので、ダイジェストのようでむしろわかりやすい
・衣装、背景、小道具はだいたいドラマ・映画版に準じ現実的で見やすい
・何といっても必ず字幕があるので、言葉が出来なくてもわかりやすい
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中国語できない自分も、カラオケ版の字幕を見ていると唄いたくなります。あくまで私の主観、かつ映像ソフトで鑑賞した場合。舞台はナマで見ればもちろんそのほうが断然素敵通好みですね。黄梅戯や越劇って映画やドラマ多いんだけれど、京劇ってあんまり見ないような。余談ですが07年CCTV春節晩会にも戯曲で上記の三演目が入ってます。舞台版でも新作ものは上記の条件にあてはまりません。
# by hungmei | 2007-03-09 08:59 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


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