三朝宮主『考庄皇后伝』


d0095406_10461282.jpg日本ではマイナーですが、02年大陸でヒットした大河ドラマ『考庄秘史』、日本でもDVDの出た『康熙王朝』、ちょっと前では台湾の『一代皇后大玉児』など、彼女を取り上げたドラマは多いですね。清朝墳墓157人の被葬者の中でも最上の扱いを受けた、清朝初期のゴッドマザー。私は中国史は専門外で、「歴史的事実を重視しその謎に迫る」触れ込みに惹かれました。よく幼名「大玉児」とされますが、正式には博尓済吉特氏の布木布秦。それと順治帝以外に3人の娘がいたのが初見でした。

考庄皇后はモンゴル王族の娘で、第二代皇太級の妃。実子の順治帝を補佐し、孫にあたる康煕帝に継位させ、清朝初期の政権安定に貢献しました。蒙古族との連合強化の為、ホンタイジの妃は尓済吉特氏ばかりで叔母の哲哲が大福晋、彼女は側福晋。姐の海蘭珠もその後26歳の時にホンタイジへ嫁します。当初はその寵愛ぶり、先に息子を産んだため后としての序列は姐が上だったそう。当初は姐所生の八阿哥が後継者とされ、考庄はあまり有利ではなかったらしい。ちなみにドルゴンの福晋は考庄の実妹・小玉児。

やっと政権が安定してきたかと思えば息子の順治帝が24歳で死に、孫の康煕帝の即位も8歳。中でも彼女を巡る最大の謎はホンタイジの弟で順治帝の叔父・摂政王ドルゴンへ下嫁した事。これは正史には記録がないけれど常に噂されていたそう。彼女が正式に葬られたのはその死後37年もたってから。順治帝時代、死後に官位を剥奪され、乾隆帝時代になって復権したドルゴンとかぶりますね。当時のモンゴル族・満州族の習俗は死んだ兄の妻=嫂が夫の死後弟へ嫁ぐのは普通であったけれど、漢族の儒教道徳からするともっての外。
d0095406_19122220.jpg
皇帝も漢化しますし、映画ではよく順治帝が怒ってますね。「娃娃皇帝」の地位安定のために実権を握るドルゴンと連合が必要だったとか、ドラマだと結婚前にドルゴンと恋愛関係にあった為だとか。考庄皇后は誰よりも長生きして準・垂簾聴政を行いますが、その後も実力主義の後継者選定のために康煕帝も雍正帝も苦労します。順治時代もホンタイジの長子・豪格が粛清されていますし。ヌルハチが死んだ時は遺言でドルゴンの生母が殉死したそうで、日本では主君の殉死に男色関係のあった家臣が選ばれたりしますが・・武家政権はさすが激しい。

先日見たドラマ『格格要出嫁』はまさにこの頃の話。ちゃんとある程度、史実を踏まえてあったのが今やっとわかりました。非難されつつ漢人で順治帝へ仕え、儒学を講義した範文程とか・・このVCDは「影視資料」として、『考庄秘史』と『康煕王朝』が使われており、寧静とスーチンカオワーの考庄皇后が見られます(笑)この二つのドラマを見るため予習に見たので変な感じ。考庄は13歳で34歳のホンタイジと結婚したなら、歳の近いドルゴンと噂されるのも納得。ホンタイジは戦場へ赴く事が多くその後方支援を担った弟のドルゴンとの方がより近かったらしいですし。『考庄秘史』では私の好きな何賽飛が、ぶっ飛んだ姉妹を演じているらしく今から楽しみです。
# by hungmei | 2007-03-15 19:32 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(0)

李翰林監督について

このブログで度々取り上げ、勝手に気に入ってる監督なんですが、ビックな方なんですよね・・・(ちょっと不安)。香港や台湾映画は、いや大陸の映画も80年代以前だと全く詳しくないので、好きながらも情報収集に四苦八苦しています。でもせっかくこんなプッシュしているので、ここらで一度まとめて書いてみようと思いました。日本では『西太后』(84)が一番有名なのかな。

1926年遼寧省生まれ、北京の芸術大学で西洋絵画を学び、その後上海の演劇学校で戯曲・映画について勉強します。学生時代は紫禁城に何度も出かけ、熱心にスケッチをしていた事が後年の時代劇映画にいきたそう。48年に香港に渡り声優からスタートし、舞台美術・広告デザイン・俳優業などを経て54年にショウブラザーズと契約した『雪裏紅』で監督デビュー。実は初めて声優として出演したのは日本の黒沢映画だとか。そこでカメラワークなど独学したそうです。



当時は広東語映画の全盛期でしたが、監督33歳の時、三国志から題材を取った黄梅調映画=黄梅戯の唄が入る戯曲風映画で『貂蝉』が大ヒット。翌59年の『江山美人』など北京語・黄梅調映画ブームを作り出します。63年の『梁山伯興祝英台』では第10回アジア太平洋映画祭で大成功を収めるなど、絵画を背景とした古典的撮影法を確立し、香港映画の大御所へ。ほか『楊貴妃』『武則天』など、当時の台湾や香港の映画賞を総なめでした。

60年代に入り専属契約だったショウブラザーズから独立し、台湾で会社を興しますが金銭トラブルから倒産。70年代にはショウブラザーズに復帰し、その後も『大軍閥』『武松』などコメディや悪女・金蓮の人物形成を見直すなど精力的に活躍、『金瓶梅』などエロス映画も手がけるようになりました。84年には中国政府から招かれ大作『西太后』を監督し海外でも受賞し、96年本土のテレビ局から招かれ『火焼阿房宮』を北京で撮影中、心臓発作で亡くなりました。享年70歳。

今の日本だと上記の『西太后』がビデオで見られるほか、キングレコードから『真説チャイニーズ・ゴーズトストーリー』、『金瓶梅』が日本語字幕つきDVDでアマゾンでも入手可能。『チャイニーズ』の方は80年代香港映画を代表する同名映画と同じ清代小説『聊斎志異』から題材を取り、原題は全く同じ『倩女幽魂』。60年代香港ってそんなに北京語・黄梅調映画が流行ったなんて・・・そのへんわかる本があったら読みたい!今の香港映画とは全く違う、アクションなし派手な撮影効果なし、スタンダードサイズのフィルムで時代劇にぴったり。

『チャイニーズ』ニンシャオチェン役のベティ・ローは、『梁山伯興祝英台』でも祝英台を演じておりお気に入り。若くして自殺してしいまいましたが、他の俳優さんも含め一時代を築いただけあって今でもたくさん見られます。日本語版『チャイニーズ』ではそんな監督のインタビューが映像特典。『西太后』でもそうですが、全体を俯瞰した天井からのショットなど、この監督のカメラワークって好きです。部屋をぶち抜いてどんどん視線が移ったり。現在でも古典文学や歴史を基にしたドラマは数多く作られますが、そのベースにはやはりこの時代の戯曲や戯曲映画の蓄積があるんではないかと感じます。

李翰林監督プロフィール
楽蒂/ベティ・ロー紹介ページ

d0095406_10263893.jpg
d0095406_21301591.jpg
# by hungmei | 2007-03-14 01:32 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(2)

邵氏出品・李翰林監督『梁山伯興祝英台』(1962)

この前の『金玉良縁紅楼夢』と同じ、ショウブラザーズでリーハンシャン監督62年香港作品、主演は日本でも『真説チャイニーズ・ゴーストストーリ』のDVDがある楽蒂と凌波。第二回金馬賞の最佳劇情片・最佳導演・最佳女主角・最佳演員特別・最佳音楽、台湾でのヒットは記録的だったそうです。180日連続上映、72万人動員記録、監督の代表作で古典的撮影法を確立した作品。ストーリの進行や唄の歌詞など越劇とほとんど同じ。ちなみに本土でも60年代後半には越劇映画『梁山伯与祝英台』が周恩来の後押しで作られ、海外でも賞賛され映画史に残る記録となっているようです。この映画と内容がほとんど一緒なんですけど、映画として先発はこちらでも舞台としては越劇が先なわけで、どっちが元祖なんだろう。

d0095406_2373396.jpg

『梁祝』と言えば越劇ですが、監督だけにこの作品は黄梅調。そういわれれば、でも戯曲映画の中でもかなり現実に近く戯曲風の仕草は少ないので、激昂した時のみ水袖など急に戯曲の仕草になると正直ちょっと違和感。【あらすじ】名家のお嬢様、祝英台が杭城へ勉強に行きたいと医者に男装して両親を説得し、道中出会った梁山伯と意気投合、兄弟の契りを結びます。3年同じ学校で学び、大親友の2人ですが、ある日英台の実家から帰宅を命じる手紙が。決心した英台は、師母(先生の奥さん)に真実を打ち明けます。

果たして英台の帰郷の日、英台がどんなに謎賭けをして自分が女だと気づかせようとしても鈍感なので全然だめ。英台は妹がいるので、許婚がいなければぜひ結婚してほしいと伝えます。その後学校へ戻った山伯は師母からも真実を知らされ祝家へ向かいますが、既に英台の結婚が決められていました。嫁ぎ相手の馬文才は名うてのプレイボーイ。英台は山伯に別れを告げ、失意の山伯は吐血して亡くなります。婚礼当日、英台は山伯のお墓に向かいます。そして竜巻が起こって山伯の墓の中に英台は飲み込まれ、後から二匹の蝶が天上へと昇っていきます。



d0095406_13374481.jpg東晋時代から杭州に伝わる民話をもとに、様々な戯曲や映画になった話ですが、少女漫画の王道みたいですねー。でも面白いです。悲劇嫌いだけど、ハズレがないし。途中、鴛鴦やら鯉やらあらゆる故事をふんで自分が女だと気づかせようとする英台が健気で・・(そして気づかない山伯もすごい・笑)。この映画では珍しく祝母が優しくて、帰郷後に英台から全て梁兄の事を聞いていたらしい。その割に縁談に協力してくれるわけじゃないけど。

この映画でよかったのは、英台の侍女の銀心と山伯の下男の四九もラブラブだった事かな・・。普通、主人同士が恋に落ちるぶん、従者同士も良い雰囲気だったりするんだけど。主従でカップルって楽しそうであこがれるんですが、現実そーもいかないか。京劇では『柳蔭記』とも言うのですが、作中、柳の木下で兄弟の契りを結ぶところからきているようで、この映画にもそのシーンがありました。そのとき、銀心と四九も一緒に誓い合っていてホント可愛いです。山伯も正直そんな可愛くないんだけど(他の映画では美人の女優さんですが、ここではメイクがちょっと?)なーんか天然っぽさがよく出ていて、憎めないですねえ。でも彼女がこの作品で大ブレークし、楽蒂の自殺の引き金になったとか。

d0095406_13372622.jpg梁家では1人息子が恋煩いで死んでしまって踏んだりけったりですね。山伯の家は父が既に亡いので、残されたお母さんはシャレになりません。ぜんっぜん期待してみてなかったんですがこの映画はなかなか良かった。英台を演じた楽蒂(ベティ・ロー)がお気に入りなんですが、30年も前に自殺して亡くなっており、ちょっとしんみり。梁祝はそれこそ94年にも香港映画があるし、最近も連続ドラマであったりアニメまであるので、またアップしてみたいです。香港版はニッキーウーやチャーリーヤンが主演し、伝統から脱して男性が梁兄だしかなり現実的で趣が違います。これもなかなか面白い。比べ始めるとキリがないですが、楽しいですねーって、独断ですが。

ベティ・ロー/楽蒂プロフィール※中文
銀心役・任潔プロフィール
『梁山伯と祝英台』作品紹介


# by hungmei | 2007-03-13 23:32 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

邵氏出品・李翰林監督『金玉良縁紅楼夢』(1977)



お気に入りショウブラザーズ作品・リーハンシャン監督の77年香港映画です。たまにオークションなどで見かけ、気になっていたので、今回「中華迷」というお店でゲット。この作品はyoutubeでもハイライトが見られます。主演の2人は今も現役の台湾人女優さんですね。

ストーリーは黛玉入府⇒宝釵入府⇒役者との交際がバレ折檻⇒黛玉葬花⇒紫鵑の嘘で宝玉がおかしくなる⇒偽りの結婚⇒黛玉の死⇒騙されたと気づいた宝玉、修羅場へ⇒紫鵑と宝玉の応酬⇒賈家の抄家、で終わり。随所に唄が入り、戯曲映画って感じでした。越劇や他の映画であればたいてい宝玉失踪で終わるので、最期に抄家があったところはちょっとオリジナルでしょうか。でも年代的にも唄があるところも、黄梅調といいつつ越劇の影響は相当あるんではないかと思います。黄梅戯の紅楼夢は、90年代の新版の前からスタンダード版がずっとあったのですが、そちらは今ではあまり見られないので、比べようがないのですが・・。

宝釵・襲人の出番が少なく紫鵑が活躍する事、煕鳳とご隠居が完全なる悪役である事、王夫人は特に役立たない事など、従来の戯曲の人物形成を踏襲してあるように見えますが、意外に面白い脚色も多かったです。宝釵は結婚式で宝玉に負けんばかりに泣くし(そりゃーいたたまれないだろうなあ・・)、黛玉も死ぬ時はとても病人とは思えない暴れ具合、宝玉が賈政に折檻される時はさすが香港映画といった感じのオーバーリアクションです。

また同監督で、日本版DVDもある『金瓶梅』で主人公の胡錦が煕鳳を演じており、顎のホクロが艶かしい悪女を好演しています。他の女優さんは当時の流行か、みんなバタ臭くていまいちしっくりこなかったのは私の好みのせいでしょうか。張艾喜の黛玉も捨てがたいですが、やはり出家で噂のCCTV版ドラマの陳暁旭さんのようなタイプこそイメージに近いと思います。吉永小百合と木の実ナナの違いみたいな。張艾喜だと健康そうで薄幸の美人に見えない。衣装などは台湾などの映画祭で美術設計賞、最優秀服飾賞を獲得したとても煌びやかさ。背景はめちゃくちゃ豪華です。



ブリジット・リンの宝玉は華奢だし顎も細くてとても幼く見えます。他のキャストはもっと年上に見えるので変な感じ。冒頭では焦大が「今の賈府といったら、乱れきっていて、とても林姑娘をお迎えすべきでない」と不吉な予言。彼女が亡くなった後は、越劇「問紫鵑」のように宝玉と紫鵑の掛け合いがあり、「妹妹の琴はどうなったの?」「知音もいませんのに、誰が弾くというのでしょう?」と・・。たくさんある唄も宝玉、黛玉のみならず煕鳳、焦大と結構バラエティ豊か。歌詞も原作のハンカチの詩、紅豆曲、もちろん葬花など少しずつ変えられていますが内容は同じでした。

煕鳳が一計を案じるシーンが長く具体的なのも特徴で、「嫌よ嫌よとは言っても、新婚の床上ではお互いにまんざらでもなくなるでしょう。」というのがちょっとリアルでした。そんなのヤダ。原作の結末は曹雪芹作ではなく賛否両論ですが、私はどっちかというと否定派なので、踏襲してある結末だと実は受け入れられないかも。まあ当時の結婚なんて個人の好みは一切ないでしょうが、そこへ抗議したかったのが紅楼夢だろうし、宝釵を正室・黛玉をニ房って現実的にありかと思うのですがやっぱりそんなの見たくないし。そういう続作はあるけど・・。

キャストのはまり具合だけでなく、非常に不幸な結末ではありますが、私にはCCTVのドラマが一番です。原作の「林妹妹は好きだけれど、宝姐姐にも悪いし・・」と同衾してからはなし崩しで若夫婦ぶりを発揮する宝玉を見てるとグーで殴っていいですか?と。あっでも黛玉焚稿だけは後40回の最高傑作ですね、これだけは凄い!戯曲や映画だと時間の制約もあり仕方がないですが、やはり善悪はっきりあるよりも、誰が悪いわけでもなく運命に翻弄され辛酸を味わういう方が納得がいきます。宝釵も襲人もご隠居も好きだし、後40回で急に悪役になると悲しいですね・・・。

しかしこの映画だけでなく、香港映画では『紅楼夢』61年というのがあったり、台湾で70回近いテレビシリーズの紅楼夢があるらしかったり、気になります・・・。でも原作90回台で黛玉が死ぬのは迫害されてですから当然ですが、CCTV版のようにそうでない場合、彼女の臨終時に付き添いが紫鵑だけってちょっと違和感も。容態が急変したか、演出効果か、やっぱり後者かな?この映画では黛玉の最期、宝玉の幻影を見てそれを追いかけ部屋を出て行こうとして床上にて絶命します。黛玉の臨終に、宝玉がもしいたら・・・などと、果てしないifを考えてしまうシーンでした。
# by hungmei | 2007-03-13 19:52 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

’格格劇’『格格要出嫁』

ネットショップYesAsiaで偶然見つけたこのドラマ。全30話のVCD3千円でそれほど高くなかったので買ってみました。清朝宮廷コメディと、私の好きな三要素がつまってると思ったので・・・。監督は『還珠格格』や同じチャンヤオ原作『情深深』の李平。ほか2001年春節晩会最年少歌手で演技初挑戦の倪蓉思、朱石(石三つ)、寇沈海、海波など出演。2002年作品。

あらすじは⇒モンゴル林丹汗の愛娘・金蟾は、父の戦死に伴い摂政王ドルゴンに引き取られ清朝の格格(皇女)となります。第二代ホンタイジの頃、その息子である九阿哥と金蟾は実の兄妹のように仲良く育ちます。末弟の十一阿哥も含め、勉強も遊びも常に三人一緒。父の急死のため6歳にして第三代・順治帝となった九阿哥ですが、その後も仲良しには変わりませんでした。皇帝が成人し大婚の話が出ると、彼が皇后にと望んだのは幼馴染の金蟾。しかし生母の考庄太后は、金蟾は「六絶」=父母・兄弟・姉妹がいないので認めません。

この二人のもどかしい純愛を下に、少数民族の藩から人質として宮廷内に住んでいる多羅郡主やそのお相手となる反清の闘士、順治帝の腹心の部下と皇族暗殺を成し遂げた女義侠が恋に落ちたり、恋愛ものかと思わせつつ考庄大后はドルゴンとベタベタだし、ドルゴンがまたいかにもな好色おやじでいろんな女性人くっつきまくる。ホンタイジの長子・大阿哥も野心満々、かつ超女好き。純愛もあるんだけど、ベットシーン満載で、ちょっとアダルトな感じです。ベットがギシギシ揺れまくって行為の激しさを表していたり、見ていてちょっとびっくりしました。ドルゴンと考庄太后のベットシーンが多いです(汗)。

ヒロイン金蟾は子ども時代を草原で過ごした事もあり、自由闊達で常に宮廷から出たがっています。子ども時代も順治から「鳳凰になりたくない?」とプロポーズされて、「モンゴル人にとって鳥といえば鷹よ!」とマイペース。しかも大人になってからも下着姿で皇帝と同床するものだから、ドルゴンに二人は既に肉体関係があると勘ぐられます。入関したばかりで漢人の纏足を見て驚くエピソードや、「髪を留めれば頭を留めぬ」という噂の辮髪令施行、明の遺臣で反清の闘士や戦争ネタがたくさん出てきます。漢人として儒教道徳を順治帝に教授する参謀の範大人は、還珠で福倫役だった海波さんでした。その割に太后とドルゴン結婚しますけど。
d0095406_1815589.jpg

考庄大后とドルゴンは金蟾を諦めさせ、大婚をと躍起になりますが相思相愛の二人の前ではうまくいきません。最後は皇帝の出家っぽいんですが、最終話のVCDが不良品。史実どおり死んだら一気に悲恋?しかし順治帝、史実だと14歳で初婚で24歳で亡くなるのに子ども多いですね。それに還珠といい現代の適齢期にあてはめちゃうと、十代のうちに結婚する当時に比べて俳優さんの外見に違和感が。20代後半にも見えて「もう通房Y頭=お手つき侍女の1人や2人・・」と想像してしまう。しかし作中、義理の兄妹である事は特に問題にされないので、清朝の初期の頃の雰囲気が出ているのかな?

パッケージからの第一印象に反し純愛ものでなく、順治帝の成長過程がメインかも。間抜けな襄郡王(=十一阿哥)が女装したり落とし穴にはまるわ、献上されたビールで敵味方会い乱れ酔っ払うわ、のどかなところもありますが、どうも愛と欲、色と政治、って感じ。かといって大河ではなく・・・。特記すべきは主人公達の子ども時代が5話までと眺めで、面白かったです。後宮で発狂した瘋太妃役に、狂女や乞食役の得意な女優さんがいたり、話よりキャラクターが断然面白い!ナイスな侍女や宦官たち、金蟾も可愛いです。しかし結末が気になる・・・・。ネットで探したんですが、あんまりヒットしなかったのかなー?金蟾が政治的にも活躍するのが、印象深かったです。d0095406_1045433.jpg
# by hungmei | 2007-03-10 18:07 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)

戯曲ドラマ・映画/舞台版/カラオケ版の違い

直接戯曲の知識とは関係ありませんが、わたしはこの違いにこだわっています。舞台版はやはりライブで見たいし、そうすると回数が限られほとんど映像ソフトで鑑賞している状態では難しいです。映像ソフトの商品詳細にも大体書いてありますね。個人的にカラオケ版が見やすくて好きです。戯曲はやっぱり唄!

<ドラマ・映画版>※一番わかりやすい!
・背景、小道具、ロケ等で臨場感があり、普通の時代劇や現代ものと変わらず楽しめる
・話がわかりやすく改作されていたり、1話完結であれば舞台版より短い場合もある
・衣装、メイク、髪型が舞台ほどデフォルメされておらず、現実に近めになっている
d0095406_23271614.jpg

<舞台録画版>※一番通好み!
・簡素な背景、小道具も必要最低限、演技は針と糸なしで裁縫する姿を表現など
・伝統的な仕草、配役、音楽などなどなど深く楽しむには知識が必要な時も
・アングルが固定気味、時間は3時間前後が多く、たまに飽きてくるかも

<カラオケ版>※一番気軽に楽しめる!
・戯曲は唄で物語が進行していくので、ダイジェストのようでむしろわかりやすい
・衣装、背景、小道具はだいたいドラマ・映画版に準じ現実的で見やすい
・何といっても必ず字幕があるので、言葉が出来なくてもわかりやすい
d0095406_23514435.jpg


中国語できない自分も、カラオケ版の字幕を見ていると唄いたくなります。あくまで私の主観、かつ映像ソフトで鑑賞した場合。舞台はナマで見ればもちろんそのほうが断然素敵通好みですね。黄梅戯や越劇って映画やドラマ多いんだけれど、京劇ってあんまり見ないような。余談ですが07年CCTV春節晩会にも戯曲で上記の三演目が入ってます。舞台版でも新作ものは上記の条件にあてはまりません。
# by hungmei | 2007-03-09 08:59 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

『鴛鴦配』安徽電視台2000年新春ドラマ

3つ前の記事で黄梅調映画『鳳還巣』をご紹介しましたが、今度は同じ演目のドラマ版です。2000年の新春ドラマらしく、日本で言うなら新春時代劇みたいな感じかな?それが戯曲ってのがいいです!日本で歌舞伎風ドラマって、ないもんな・・・。歌舞伎は歌舞伎にしかならいし・・。戯曲がベースですがお化粧といい演出といい、あくまで唄の入った普通の時代劇という趣も強いドラマでした。有名な女優さんの徐君が主人公を演じています。

オープニングは派手な特殊効果が使われまくりで、いろんな映像技術を試して戯曲ドラマ作っちゃいました、という感じ。とにかく派手!京劇『鳳還巣』を元に改作してあり、細かい違いはたくさんありますが、大きく違うのは戦争がないこと。都が被災し登場人物の多くが軍営地に逃げ込み、そこでめでたく主人公が結ばれる『鳳還巣』に対し、『鴛鴦配』はその代わりに皇帝勅令の招賢傍で話が展開します。

<あらすじ>抄家のため3年隠居していた穆居易ですが、父の親友の程大人の引き立ててで婿候補として迎えられます。程家には才媛の誉れ高い長女の紫蓮と、不細工で間抜けな二女の紫菱の二人の娘がいました。大人は姐の婿とするつもりが、妹の実母で姐の継母にあたる程夫人は、妹にこそ穆公子を婿に!と主張。池を挟んだお見合いでも姐と穆公子は互いに好印象でしたが、夫人の入れ知恵で妹が「紫蓮(姐)」と偽って穆公子へ夜這いをかけます。驚いて翌朝誰にも告げず程家から逃げ出す公子。

写真は夜這いシーン
d0095406_9285957.jpg

他の婿候補である皇族の朱燠然も姐を狙っており、穆公子が逃げたのを幸いに姐と結婚しようとしますが、手違いから妹と結婚することに。最初こそ「この母夜叉!」「なんでえこのブサイク!」と罵り合い朱公子なんてお漏らししちゃうんですが、なんだかんだでラブラブカップルとなった妹と朱公子。それを見て程夫人は渋い顔、一方で姐は侍女の春香を伴って男装し穆公子を追いかけ、途中で公子が「紫蓮」と「紫菱」を勘違いしている事を知ります。一計を案じた姐はそのまま帰宅し、同時に程対人には皇帝から「この字句を解題せよ」とのお達しが来ます。

皇帝の使いの周公公にせっつかれ、途方にくれた大人は全国に通達を出し、この解題が出来る賢人をと募集。街頭でその張り紙を見た穆公子は「この間は縁談から逃げたが、男子たるもの名を挙げねば、これは千載一遇の機会」とばかりに応募します。再び程家へ赴き見事に解題した穆公子ですが、夜這いの一件で酷く怒った公子は再度の縁談には応じません。しかし忠義者の侍女・春香の働きで夜這いをかけたのが姐でなく妹であった事に気づいた穆公子。しかし姐の紫蓮は自分へ夜這いの嫌疑がかけられた事に怒り、結婚するには3つの問題に正解してから、と条件を提示。家族総出で公子の解題を手伝い、見事正解した公子と姐は結ばれます。

このへん、喜劇だけに唄はリズミカルで何だかうきうきしてくるし、映画版と違い丑の朱公子も妹も、普通の俳優さんがブサイクメイクで挑んでいるぶん毒が少ないです。見ていて爽やか、朗らか。妹のバカっぷりも、まあ呆れるんだけど、何だか天然で憎めない気がします。いい年して顔に墨で○書いたり、害のないおバカで、有害な映画版とは違う・・。程夫人も映画よりは善人で、それほど怖くないし。3時間ドラマで余裕があるぶん、門番のおじちゃんや侍女の春香などナイスな脇役も多くて見ていて飽きません。春香は姐づきなのですが、アホな妹の方にも苦笑しつつ普通にメンドウを見ていて、茶目っ気もあるしかわいかった!

小さい違いでは、キーマンである侍女の春香が映画版では「梅香」であること、映画でオヤジトリオで活躍するキュートな元帥がいないこと、才媛の姐・ブスな妹と長幼の順が映画版と逆な事、でしょうか。穆公子は映画版で軍人ですがドラマ版では文人です。特殊効果も凝ってるしアングルも戯曲映画にありがちな単調さがなく、見やすいかも(ちょっと暑苦しいけど)。ラストにはメイキングを兼ねたEDで、製作スタッフの方々や唄を録音する風景(映像と唄は別撮りなんですね)、帽子をとったらスキンヘッドの男優さんなど揃って「新年好!過年好!」と大合唱。いろんな意味で忘れられない作品です。現場の熱気が伝わってきて、新年に相応しいですね。
# by hungmei | 2007-03-04 10:41 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

『王煕鳳与尤三姐』黄梅戯

黄梅戯の舞台版なんですが、最近紅楼夢で全然書いてなくて寂しいので、カテゴリを無理やり紅楼夢に。安慶市黄梅戯一団演出の、原作60-70話で有名な尤二姐のエピソードからとったもの。タイトルで「尤三姐」なのは、そのものジャケット自体大間違いで妹の三姐になっているので・・・。さすが大らか?にしてもダイナミックなミス。中国文連音像出版社発行で、ここの会社は黄梅戯の大手みたいですが、日本で買ってもパッケージ破損している率NO.1です・・。

d0095406_1510611.jpg

見やすくまとまっているし、唄も多くて見ごたえがあるのですが、いかんせん配役がちょっとミスキャストかも。市原悦子似の煕鳳に、ドラマでは冴え渡る美人が多い尤二姐もホッペタぷくぷくの垢抜けない学級委員長みたいなお顔。ちょっと萎えるというか・・、何故かお化粧も薄くて、むしろ来旺や賈レンの方が口も頬も紅が鮮やかで、化粧が濃いくらいです。

煕鳳が寧国府や尤二姐の別邸に殴りこむ時は、戯曲には珍しく旗袍・両把頭・厚底鞋で、完全に清朝スタイルです。満州服の紅楼夢が見てみたいと思ったことはあるけれど、やはり男性陣が辮髪くらいでないとインパクトないかもしれません。でも全ての登場人物の色あわせが凄すぎて、赤に黄色、どピンクに緑色、青に黄色とか・・・目がちかちかするし正直、ちょっといただけないですねー(泣)。

派手好きオヤジの賈珍ですが、他の男性がパステルカラーの大人しめな衣装なのに比べ、真っ青で金の縁取りというド派手スタイル。煕鳳も負けじとキンキラキンの装いなのですが、一番目立つネックレスがどうも子どものガラス玩具のようでヘンです。賈母も頬がパンパンの若い俳優さんで、ふけメイクも特にしていません。内山君のようで、何だかヘンです!!

服装への文句ばかりになってしまいましたが・・、最後の尤二姐が死ぬところ、流れた子どもへ縫っていた服を見て泣いたり、愛憎がわかりやすく3倍増しくらいになっています。尤二姐に死を決意させたのは、秋とうの罵倒だけでなく、煕鳳の「あなた珍大哥とも関係があったんじゃない?」「娼妓」という言葉から。こりゃ酷い・・。最後、煕鳳から贈られた金の指輪を飲むのですが、その時は窓の外にこわーい煕鳳の顔が!!

原作を読んでも尤二姐って多分性格が優しくて、何でも断りきれないタイプなんだろうなあーとか、賈レンが尤二姐の復讐を誓っても「遅い!早めに気づけ!」と憤ったり、秋とうの思慮のない子粒悪役ぶりを見て「こういう煩い人、今でもいるなあ・・」と、紅楼夢の中でも臨場感溢れるエピソードだといつも感じてしまいます。もー尤二姐、何でみすみす煕鳳の罠にかかる!侍女も止めてるのに!ともどかしいんだけど、憎めないのは彼女の人の良さからですかね・・。

d0095406_23425362.jpg
# by hungmei | 2007-02-28 15:27 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索

カテゴリ

※このブログについて※
1越劇、黄梅戯、地方劇
2中韓古装電影・電視劇
3紅楼夢/ドラマ、書籍等
4ブログ関連書籍
5雑感など
電視劇

最新のコメント

返信遅れましてすみません..
by hungmei at 22:57
jiaは「架」ではないで..
by 行路人 at 00:05
アザハさま コメン..
by hungmei at 17:02
ご紹介をありがとうござい..
by アザハ at 00:34
チョロさま 改行まえは..
by hungmei at 05:07
黄梅さま こんばんは ..
by チョロ at 22:45

記事ランキング

関連サイト