武漢越劇団『毛子佩闖宮』/越劇電影『雲中落綉鞋』

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珠江電影製片・香港鴻図影業公司連合撮制、年は記載がありませんが恐らく文革前か?明代正徳年間が舞台の恋愛物。以前見た河南省の「越調」戯曲は完全に言葉は北方でしたが、今回は「不来了」が「プレイリャオ」という感じに聞こえて、上海や浙江の越劇と近い印象でした。【あらすじ】毛御史の子、毛子佩は幼馴染の薛梅と相思相愛。しかし父が死に、宮廷からの命令で薛梅は後宮へ。薛美人となり皇帝に目をつけられますが、宮廷の奥深くに迷い込んだ毛子佩と再会した薛梅は困惑顔。そこへ寵妃の張昭書のとりなしで、度重なる障害も乗り越え、見事2人は結ばれ薛梅は後宮から出る事が出来ました。

毛子佩の父は御史だけあって、薛梅が妃に冊立される時、毛子佩が後宮に忍び込み皇帝に見つかった時、女装した毛子佩が後宮でまたまた薛梅のところへ忍んだ時、三度とも息子の不祥事に立ち合わせられます。皇帝も「またコイツか(毛子佩のこと)・・」と呆れ気味、父も「いい加減にせんかー!」と体罰を食らわせますが、全く懲りない毛子佩。というか、三度も後宮に進入し妃に手を出そうとするなんて、初回で死刑でないの?とちょっと疑問。淡い2人の恋と、それをからかいつつ昭書とは思えない媒婆もどきの取り持ちで皇帝を納得させてしまう張娘娘の道化っぷりが楽しい演目です。リンクの江南春琴行さんで購入、セットや衣装がすごく豪華でした。

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『雲中』の方は、よくある~越劇団演出というテロップも製作年もないのですが、だいぶいつもの上海や浙江の越劇と近い感じ。明の宋煕年間の神話劇。郡主=皇族の娘の高蕩霞は中秋節の最中、妖怪にされわれます。それを助けた庶民の石義と結ばれる話なんですが、筋がややこしくて見ていると長いかも・・。石義を陥れ自分が郡馬=婿になろうとする実兄、忠義者の石義を見込み助けてくれる白兎仙子・・・妖怪は全身緑色に塗っていて仮面ライダーの悪役とか思い出す感じ。特殊効果もそこそこ使われていて、何だか越劇というより戦隊モノも思い出しました。とらえどころのない感じ?
# by hungmei | 2007-03-21 20:30 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

革命様板戯『奇襲白虎団』

60年代-70年代に起こった中国文化大革命。多くの死者を出し下野運動などその後の全てにわたり大きな影響を残した事件ですが、その中でも特徴的なのがこの演目を始めとする「革命様板戯」。日本では「革命模範劇」とも。京劇を現代風に改作、共産党公認の8つの演目のみを正統とし、これ以外の伝統戯曲の上映は禁止。多くの俳優さんが迫害を受けて亡くなりました。越劇なら竺水招、徐玉蘭(※1)のご主人、黄梅戯なら厳鳳英(※2)など。ちなみに他は「智取威虎山」「海港」「紅灯記」「沙家浜」、バレエ劇「紅軍娘子軍」 「白毛女」、交響曲「沙家浜」。バレエ劇は最近復刻して話題になったんだったかな・・

※1・・『紅楼夢』の宝玉役で有名、徐派小生の元祖の方。
※2・・現在の黄梅戯の祖、『女附馬』『天仙配』等の映画も名作。

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この映画は1972年長春電影製片、この映画会社ってすごく革命色が強い印象なのは偏見?時代のせいか、単に大会社で製作本数が多いだけか。【あらすじ】地1954年朝鮮戦争のさなか、中国人民解放軍が朝鮮共産党員や村民と協力してアメリカ軍を打ち破る話。「白虎団」は実在した部隊で、革命模範劇じたいが演目を階級闘争・抗日戦争・独立戦争に限定。劉少奇や林彪の失脚など数々の政治闘争と共に日常生活にも粛清の嵐が吹き荒れ、謝晋監督『芙蓉鎮』などの映画でもその混乱ぶを見ることが出来ます。陳凱歌監督ももと紅衛兵だったり、文革の捉え方を巡って様々な意見があるようですね。

日本では紹介されませんが、本土でも意外や意外、革命模範劇は今でも人気があるよう。全員ではないでしょうが、文革が終わってもなおこの演目が鑑賞され続けるのがその証拠か。現代風に改作といいますが、仕草や唄、拍子木の効果音などは完全に普通の京劇(笑)。衣装は洋服ですが、メイクは眉毛が非常につりあがって京劇美学がいきています。日本人将校も悪役として登場。どこまでもあくどく、最期には情けなく殺され、見ていていい気はしないです。しかしアクションが素晴らしくて。こんなに極端でツッコミどころ満載なのに、不思議な魅力が。私は8つの中でもこの作品が一番好きですね・・。

ハイライトが動画でも見られます※重いです、注意が必要。
# by hungmei | 2007-03-20 21:04 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

邵氏出品黄梅調映画『玉堂春』

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ショウブラザーズの61年作品、監督はカンフー映画で有名な胡金銓=キン・フー。60年にはショウブラ看板監督だった李翰林『倩女幽魂』で助監督を務めていたましたが、こんな黄梅調の時代劇を撮っていたんですね。主役は同じく看板俳優の楽蒂=ベティ・ロー/ロック・タイに、趙雷=チャオ・レイ。唄がたくさんの、華麗で王道な黄梅調映画です。演目は明代の文人で、『金瓶梅』で有名な馮夢龍「三言ニ拍」のひとつ、『警世通言』からとったエピソード『玉堂春落難逢夫』から。

【あらすじ】官僚の息子・王金龍はふとしたことから妓女の蘇三と深く愛し合うように。妓楼で結婚式も上げ、非公式ながら夫婦となった2人ですが、金龍がお金を使い果たしてしまいます。妓楼から叩き出され、一時的にお寺でホームレスをした後に実家へ帰る金龍。改心し勉強に励み御史にまで上り詰めた彼が、ある日法廷で出会ったのはかつての妻・蘇三。彼女は金龍が追い出された後、不本意ながら山西省の沈燕林へ妾として落籍。沈家では嫉妬深い妻が蘇三を虐待し、しかも沈を毒殺しその罪を蘇三へ被せたのでした。思わぬ場所での再会には動揺しますが、取調べが進むうち蘇三は無実とわかります。都察院に持ち込まれるまで2審の

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写真の行商役、お気に入り俳優・李昆さんプロフィール
冤罪も晴れ蘇三は釈放。それとなく2人の過去を察した同僚の劉・潘両大人のバックアップもあり、遂に2人は結ばれ仲良く帰京。この演目は中央電視台ドラマ『紅楼夢』で柳湘蓮の俳優さんが出た黄梅戯TVドラマ80年代版がありますが、こちらはさすが黄梅調映画。TVドラマが王道の戯曲なのに比べてもっと初心者向き。黄梅戯のみならず越劇、京劇とあらゆる戯曲にあるこの演目、明代の話だけあって個人的に共感しにくい面があったんですが、この映画だとそれが薄まっています。戯曲だと最大のハイライトの法廷シーンもあっさりめで見やすい。

セットや衣装が断然豪華で酒令シーンが素敵でした。他のショウブラ作品『鳳還巣』でおやじトリオで主人公の恋の仲立ちをする俳優さんが、同じく金龍と蘇三を助ける知県のはん大人、『梁祝』で梁山伯の使用人・四九や『紅楼夢』でおやじ過ぎる茗烟を演じていた俳優さんが金龍おぼっちゃまに呆れつつ助けてしまう行商人の金哥など、脇役が光っていて飽きません。沈燕林も憎めないおじさんで、戯曲で毒殺されるのは彼のはずが、この映画では蘇三を毒殺する予定が手違いから彼が殺され気の毒。素寒貧になって勘当された金龍が姐たちのとりなしで老父に許されるシーンも、個人的にツボ。バカ息子ほど可愛いのかな、って状元になったんだから御の字ですかね。

作品紹介ページ
# by hungmei | 2007-03-20 19:01 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

邵氏出品『紅楼夢』(1961)



おなじみショウブラザーズの黄梅調映画ですが、これは李翰林ではない袁秋<石風>監督の61年作品。ショウブラザーズの古典美人と称されたベティ・ロー=楽帝がヒロイン林黛玉を、賈宝玉は女優さんが演じています。80年代CCTV版では男優の欧陽奮強さんが演じていますが、『梁祝』の梁山伯といい、小生役は映画でも女優さんが演じることが昔は普通だったよう。94年ツイハーク監督『梁祝』では台湾人男優ニッキーウーが梁生で、「伝統を脱したさすが香港ヌーベルバーグ」といわれたそう。

原作のあらゆる台詞やシーンを継接ぎし2時間前後にまとめてありますが、これは襲人と煕鳳の悪役ぶり・ニ玉のラブラブぶりが他に比類を見ないほど強調されています。加えて他作品より挿入されたエピソードも多く、展開が早い。周せんの40年代モノクロ映画から始まって、61年のこの映画、77年の李翰林監督作品、80年代CCTVドラマや陶慧敏主演の映画など見ましたが、ここまでデフォルメされていたのは始めて。黄梅調映画らしく随所に唄が入りますが、多すぎというか。もっと一曲をじっくり聞かしてくれた方がいいです。

ショウブラザーズ『梁祝』は越劇を踏襲した印象でしたが、こちらは別物。襲人は側室になる気を周囲に隠さず、煕鳳は宝釵入府時から「宝姑娘をニ奶奶に」と熱心に運動し黛玉を排斥にかかっています。茗烟をはじめ使用人達もニ玉の関係は公然の秘密で、金釧に宝玉が「林姑娘との事はうまく行きそうにありませんよ」とからかわれます。ニ宝の結婚が決まった時なんか、ワイドショー並みの扱いで噂が広まってるし。金釧はその発言のもと、宝玉と戯れているところを鬼のような王夫人に見つかります。叱責された挙句に屋敷を出される事になるのですが、それを言い渡されたとたんにすぐ井戸へ投身。「え、もう?早い!」とショックでした(笑)。

「読西廂」「葬花」「焚稿」などはありますが、その短さで味わう暇がなくちょっとせわしない。宝釵は美人でなく太り気味でとても十二釵に見えず(汗)。彼女の入府時には使用人がその財産に驚き、媚まくっています。襲人は黛玉に嫉妬しまくりで積極的に宝釵と結婚させようと、ニ玉の相思相愛な事をご隠居・王夫人・煕鳳・薛姨媽に密告。同時に紫鵑と雪雁が「うちの小姐の為にも、ニ爺の気持ちを試しましょう」と無邪気に蘇州帰京の話をしたため、宝玉の結婚があれよあれよと決定。台詞が原作と違う人に当てられているものも多く、薛姨媽が「林姑娘はひ弱で、大家の家政は見れませんわね」と言っていたのも印象的でした。

薛姨媽が「ニ爺と林姑娘、きっと良いご夫婦になるわよ」というシーンも・・。薛姨媽って、映画版や越劇で台詞はほぼ無しですし。それに元春からの賜物や、宝釵が宴席で西廂記を引用した黛玉を嗜めるシーンもこの長さの映像化作品だと普通入ってないかも。普通はベットか長いすの上が黛玉は床上に転がって息絶え、結婚式の途中でバカ姐やが「林姑娘死了!」と会場をかき乱します。全体の完成度としては、邵氏作品の中でも位置づけがそれほどでもないのも納得?戯曲になれていて原作のシーンも覚えていると「あ、ここが違う!」と雑念が入りますが、原作の雰囲気が味わえて気軽に見られるという意味でとても良い映画ではないでしょうか。衣装やセットがとても豪華です♪

※写真は宝玉、演じるのはショウブラザーズ版『梁祝』で祝英台の侍女・銀心を好演した任潔
任潔プロフィール

※パッケージに「主唱・凌波」とあるので、やはり『梁祝』で梁生役の女優さんが歌っているよう

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# by hungmei | 2007-03-20 00:41 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

横浜中華街チャイナスター『拾玉鐲』

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 横浜中華街に京劇を生で見られるチャイナスターさんというお店があります。大会場と違いこじんまりした舞台で、客席とかなりの至近距離。日本で京劇鑑賞というと大きなホールで遠くからみるような場合が多いかもしれませんが、戯曲は本来大箱以外にも小さい会場で内輪で上映されるものであり、本領発揮。今回の主演はチャンチンホイ(小生・彩旦)さんに、NHK中国語会話にも出演されている盧思(花旦)さん。

 演目は『拾玉鐲』。桂劇=江西チワン族の劇に起源を持ち、明代の孫家症という村で繰り広げられる貴公子と村娘の甘酸っぱい恋と、それをからかいつつ取り持つ媒婆=仲人のおばあさんのやりとりが楽しい、初心者向けの演目です。特に今回見たのはチャイナスターのオリジナル脚色で、伝統的な演出のもとチャンチンホイさんが脚色した部分が大きいそうで、ほんと1時間笑い転げました。ネイティブがこの演目を見ると、こんな風にダイレクトに笑えるのかなあ、なんて。北京語が出来ないので、今まではそれ程笑えるとも思った事がなかったのですが・・。

 字幕があるなら何とかなるかなあ」などと不安もあったのですが、開始前に簡単な京劇講座ビデオがあり安心。「作中、媒婆でなく媽媽と呼ぶのは、媒婆の持つ軽蔑的ニュアンスを避けるため」と勉強になりました。現代風の演出あり、コント風のサービス武技シーンあり、心象表現として役者さんは黙っていますが心中の声がマイクでかぶさったり、一部日本語の台詞ありとかなりベーシックなものとは違う。それが全部面白い方に転んでいて、これで4500円はホントお得!次は「天女散花」か「財赴宴」が見たいな・・ちなみに、覇王別姫は縁起が悪いのでお正月期間は上演しないと伺い、なるほどと納得。

チャイナスターHPの『拾玉鐲』のページはこちら
# by hungmei | 2007-03-19 23:52 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

越劇電視連続劇『孟姜女』


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『孟姜女』は伝統的な演目で、苦手な悲劇と知りつつ鑑賞。JChreというネットショップで2千円。4話完結のVCDで、00年の越劇ドラマ『紅楼夢』で宝釵を演じた寧波小百花越劇団の趙海英という女優さんが主演しており、結構気に入っていたので。リンクの「宝玉くんのべんきょう部屋」さんでは、この越劇ドラマ版『紅楼夢』が画像つきで詳しく載っています♪ちなみに賈政を演じた女優さんがここでは始皇帝役。このドラマは上海越劇院で徐派小生の銭惠麗さんが宝玉を演じ、各劇団から越劇のスター大集合みたいな感じです。

作中、趙海英のかわいいシーン動画

【あらすじ】秦の時代、朝廷は民衆を動員し万里の長城の築城します。15-40歳の男子は全て徴収、江南の名匠と謳われた万善良も参加を求められますが、その兄がやはり築城へ赴き危険な作業で死亡した事を受け、先祖伝来の技を絶えさせてはならないと官憲から逃れます。彼をかくまった孟家では姜女を彼と結婚させ、山中に隠れさせます。しかし孟家の義理の兄弟が徴収されたのを見て、万は妻の反対を押し切り築城現場へ赴きます。残された姜女はせめて夫に冬服を届けようと、女性の身で長旅を決意。散々苦労した末やっと現場へ辿り着きますが、そのとき既に夫は亡くなった後でした。梁祝と並び、中国4大悲恋物語の一つだとか・・・。

弟の孟銀は義兄の万善良と共に辛い作業に耐えますが、万は横暴な上官へ抵抗し同僚を助けた事により万善良は入牢。その後崩れた壁の下敷きになり亡くなったのでした。生前、作業中に壁に彫った愛妻の名前を見て、姜女は悲嘆にくれます。その時長城の壁が突然崩れ、死んだ万善良が現れ「長城こそ私の魂だ」と言い残します。それを聞いた姜女は夫の遺志をくみ、長城へ上って夫を称え、そこで劇終。「長く語り伝えられた物語」とあり、姜女は自分から相手に結婚を申し込むし両親の静止も振り切り築城現場へ行くし、烈女って感じかな。

「民衆の愛国心」という台詞など、今の愛国教育にも使えそう。どこでもそうでしょうが常に国内外で覇権争いを繰り広げていたわけで・・。最近のドラマで女優さんたちは垢抜けているし衣装やセットは豪華、横暴な役人やモブの作業員は男性が演じて見やすいです。唄も長くて聞き応えがあるし!でも「長城が私の手足で背中で頭なんだ」という名言?や、姜女が夫を称えて終わりというところが個人的に「?」。兄の孟金が小ずるくて義弟の居場所を官憲にちくるわ築城現場から逃亡するわ、弟の孟銀が善良で義兄を助けるアレンジは良かったです。しかし暗い・・。姜女が泣いて長城を崩すところがハイライトらしいですが、壊したら夫の遺志に反しないのかな?それに誰かが修理しなくちゃいけなくなりそう。
# by hungmei | 2007-03-16 22:13 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

カラオケ戯曲VCD『中国地方戯曲名段』

 ネットショップで購入、豫劇・評劇・黄梅戯・越劇が入ってます。豫劇は河南省の地方劇、評劇は河北省だったかな?北方と南方のコラボレーションですね。曲のセレクトは真っ当、カラオケ版で字幕が唄に合わせ色が変わります。過去の戯曲映画やドラマから映像をあて、黄梅戯『女附馬』は文革で死んだ名優・厳鳳英の60年代映画、越劇『紅楼夢』『梁祝』名作で徐玉蘭・王文娟コンビと袁雪芬・範瑞娟コンビの同じく60年代映画版。豫劇『花木蘭』、評劇『花為媒』『劉巧児』も5.60年代映画から。しかし唄は最近のだったり、映像と唄が別作品からつぎはぎされているのが目立つ(汗)。

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 『牛郎織女』から「到底人間歓楽多」が入っていますが、使われている映像が映像が高層ビル群だのネオン街。戯曲で本来は時代劇で写真のような衣装ですが、ここでは「現代の」人間の世の楽しさになってる!要旨は「季節に合わせ花が咲き実がなって、村ではみんな農作業、愛しい夫と子どもに囲まれて、人の世はなんと素敵なんでしょう」という感じ。ちなみに現代の農作業の様子もコンバータとか入ってます。唄はおそらく呉亜玲という私のお気に入りの女優さんで、写真は彼女が06年戯曲晩会でこの唄をうたったときのもの。

 私は越劇映画『紅楼夢』『梁祝』はあまり好きではなく、この2作品なら戯曲より現実的に描かれた映画の方が好きですが、それでもやはり唄はすばらしいですね。特に『梁祝』で祝英台が梁山伯に向かい「女だからといって、なぜ馬鹿だと決めるんです?本当は女だって勉強していいはず、だって同じ人間なんですから」という「我家有個小九妹」が好きです。今でも女性で高学歴でも必ずしも歓迎されるわけでなし、今にも通じますね。ほか、黄梅戯『女附馬」の中で庶民の女性の悲哀を皇女に訴える「我本閨中一釵裙」もいいな。下の写真の左横のような、官服を着て男装したヒロインが唄います。

    <我本閨中一釵裙> ※本当は女性の意。釵(かんざし)と裙(もすそ)は女性の象徴。

    民女名叫馮素珍、自幼許配李兆廷。
    爹娘嫌貧愛富貴、誣陥李郎入了監中。
    民女只為救夫命、万里弄波至京城。
    実指望取得功名夫有救、誰知被召入深宮。
    公主生長在深宮、怎知民間女子痛苦情。
    王三姐守寒塞一十八歳、劉翠屏苦度了十六春。
    還有那前朝英台女、生生死死愛梁生、
    父母嫌貧愛富貴、女児不忘恩愛情。

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 抜粋ですが、両親が没落した許婚と結婚させるのを嫌がり、かつ許婚が無実の罪で投獄されたことを受け、男装し許婚を救おうとしたところとんとん拍子で出世し公主と結婚する自体になってしまった。公主は箱入り育ちだからわからないかもしれないけれど、夫を救いたい女児の気持ちはいつの時代でも同じ・・・と「梁祝」の祝英台など典故を引き切々と訴えます。黄梅戯の中ではこの唄が一番好きなのですが、どーもうまく写真編集ソフトに取り込めず・・・それに歌詞だけ無理やり載せてみたんですが、訳が全然出来ません(涙)。うまく戯曲を紹介するには、道のりは長そうです。
# by hungmei | 2007-03-15 21:33 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

三朝宮主『考庄皇后伝』


d0095406_10461282.jpg日本ではマイナーですが、02年大陸でヒットした大河ドラマ『考庄秘史』、日本でもDVDの出た『康熙王朝』、ちょっと前では台湾の『一代皇后大玉児』など、彼女を取り上げたドラマは多いですね。清朝墳墓157人の被葬者の中でも最上の扱いを受けた、清朝初期のゴッドマザー。私は中国史は専門外で、「歴史的事実を重視しその謎に迫る」触れ込みに惹かれました。よく幼名「大玉児」とされますが、正式には博尓済吉特氏の布木布秦。それと順治帝以外に3人の娘がいたのが初見でした。

考庄皇后はモンゴル王族の娘で、第二代皇太級の妃。実子の順治帝を補佐し、孫にあたる康煕帝に継位させ、清朝初期の政権安定に貢献しました。蒙古族との連合強化の為、ホンタイジの妃は尓済吉特氏ばかりで叔母の哲哲が大福晋、彼女は側福晋。姐の海蘭珠もその後26歳の時にホンタイジへ嫁します。当初はその寵愛ぶり、先に息子を産んだため后としての序列は姐が上だったそう。当初は姐所生の八阿哥が後継者とされ、考庄はあまり有利ではなかったらしい。ちなみにドルゴンの福晋は考庄の実妹・小玉児。

やっと政権が安定してきたかと思えば息子の順治帝が24歳で死に、孫の康煕帝の即位も8歳。中でも彼女を巡る最大の謎はホンタイジの弟で順治帝の叔父・摂政王ドルゴンへ下嫁した事。これは正史には記録がないけれど常に噂されていたそう。彼女が正式に葬られたのはその死後37年もたってから。順治帝時代、死後に官位を剥奪され、乾隆帝時代になって復権したドルゴンとかぶりますね。当時のモンゴル族・満州族の習俗は死んだ兄の妻=嫂が夫の死後弟へ嫁ぐのは普通であったけれど、漢族の儒教道徳からするともっての外。
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皇帝も漢化しますし、映画ではよく順治帝が怒ってますね。「娃娃皇帝」の地位安定のために実権を握るドルゴンと連合が必要だったとか、ドラマだと結婚前にドルゴンと恋愛関係にあった為だとか。考庄皇后は誰よりも長生きして準・垂簾聴政を行いますが、その後も実力主義の後継者選定のために康煕帝も雍正帝も苦労します。順治時代もホンタイジの長子・豪格が粛清されていますし。ヌルハチが死んだ時は遺言でドルゴンの生母が殉死したそうで、日本では主君の殉死に男色関係のあった家臣が選ばれたりしますが・・武家政権はさすが激しい。

先日見たドラマ『格格要出嫁』はまさにこの頃の話。ちゃんとある程度、史実を踏まえてあったのが今やっとわかりました。非難されつつ漢人で順治帝へ仕え、儒学を講義した範文程とか・・このVCDは「影視資料」として、『考庄秘史』と『康煕王朝』が使われており、寧静とスーチンカオワーの考庄皇后が見られます(笑)この二つのドラマを見るため予習に見たので変な感じ。考庄は13歳で34歳のホンタイジと結婚したなら、歳の近いドルゴンと噂されるのも納得。ホンタイジは戦場へ赴く事が多くその後方支援を担った弟のドルゴンとの方がより近かったらしいですし。『考庄秘史』では私の好きな何賽飛が、ぶっ飛んだ姉妹を演じているらしく今から楽しみです。
# by hungmei | 2007-03-15 19:32 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(0)


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)

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