李氏朝鮮時代の髪型、女性の場合は未婚時代-おさげ、結婚後-結髪が大原則です。そしてあの「チャングム」に出てきたような、
カチェと呼ばれるつけ毛をぐるっと巻きつけ、そこにトルジャムなどの髪飾りをつけるのが定番スタイル。ただし、カチェがどんどん派手さをまし、妓生にも多用され複雑な髪型が生み出されたり、
その重さで椎間板ヘルニアを患うなど弊害が出て、カチェ
は1788年(正祖4年)に禁止されました。
それ以後は、カチェの代わりに
頭頂部につける髪飾りや帽子が使用される様に。カチェ弊害の話では、両親に挨拶しようとした嫁がその重みでひっくり返り、首を折って死んだ(ほんとかいな?)などがあります。で、ふと疑問に思ったのが、
21代英祖・22代正祖朝のドラマでは、ほとんどがカチェを使っていない点です。禁止されたのは孫の正祖の時代なのに、祖父の英祖の時代からすでにカチェなし頭の時代劇多し。
これはきっと
英祖時代から、禁止までは至らずとも、「使用を控えよ」「華美なカチェは望ましくない」等のお触れくらいはでていたのでしょうか?明文化されたのが正祖朝だと。でもたまに映画「宮女」(2007)とKBSドラマ「張禧嬪」(2003)など、同じ主人公(全く同時代の設定)でも前者はカチェなし、後者は普通にカチェ大盛り(カチェつきの丸い髪形、大好き!)。現在
映像化するにあたり、脚色もあるのでしょうか?些細ですが気になりますー。
【写真左-カチェつき/右-カチェなし、帽子の髪飾り】
右は「大王の道」。后妃は
カチェはつけず後頭部の下で髪を結わえ、
頭頂部あたりにアクセサリーまたは帽子をつけています。左は「チャングム」などでもお馴染み
カチェつきの丸い髪形。豪華です!
私見ですと「大王の道」の舞台は英祖朝中期以降、主人公は正祖の父のサドセジャですがカチェはつけておらず、英祖初期の「オメンオサ パク・ムンス」などはカチェ使用。
では英祖朝後期(在位60年近くで一番長い王様だけど)頃に抑制する風潮がうまれたのでしょうか?しかし前述の「宮女」「張禧嬪」は、同時代ながらカチェあり/なしで正反対。「張禧嬪」はKBSの正統派大河っぽいので、「宮女」のほうがフュージョン?「風の絵師」「漢城別曲」「イ・サン」」などは正祖朝で、カチェなしですね。