韓国時代劇「暗行御史（アメンオサ） パク・ムンス」（2002）

　　85年作品もある時代劇の定番。韓国版「水戸黄門」？皇なつきの漫画「アメンオサ」で存在を知って以来、面白そうだなと。そして「別巡検」シリーズで宮廷ものから庶民ものにもはまり、このドラマの視聴を決定。クォン・ウナやイ・ハヌィといったお気に入り脇役俳優さんたちが出ていたのも決め手のひとつ。意外にコメディ色が強く話は暗いが重くなく見られます。

・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
英祖3（1727)年、丁未換局（※）直後、若き官僚パク・ムンスは英祖に突如登用されるが、派閥争いや周囲の反対でその道は平坦ではなかった。ムンス自身、任命直前まで失職しており、復職しアメンオサに任命。極秘任務のため周囲には失職中のままとしてアメンオサ業務をこなす。そし任務が進むにつれ、反乱の鎮圧までまかされるように。また任務中、ムンスは幼少時代からの友人の不正に直面し、過去の失恋の痛手にも苦しむ。しかし「民のため」が第一条のムンスはおつきのチルボクとともに、アメンオサとして各地をめぐり続けるのだった（終）。
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※老論派と少論派をめぐる政変。父の19代粛宗時代は東人派と南人派だったが、のち東人派から分派した老/少論派でさらにもめた・・んだっけ？
※アメンオサは王に直属し、任命後すぐに任地に向かい家へはよれず、家族が死んでも帰宅不可。そして封書や事目といった指令書、ユチョクという税が正しく官吏されているか調べる秤、馬牌（マペ）というゴールドメダルのような朝鮮版印籠をもち、見知らぬ任地へ赴き危険な旅と任務をこなす。




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パク・ムンス（朴文秀）....ユ・ジュンサン、子役オ・チョンヒョル
左相の甥っ子で父を幼少時に亡くした。33歳で科挙に合格。もと侍講院の司書（サソ）で、アメンオサに任命されるまで失職していた。もと少論派だが、「どの派閥でもない」と王様に口答えしたり言うことは過激。冒頭、英祖の夢に白装束で現れるところはなんだか伝説じみている。ヨニと幼少期に惹かれあうが、成人直前に祖母の地元へ行くことに。ヨニへ誓いの鏡を送りソウルへ戻るまで待ってくれるようお願いするがならず、叔父の決めた相手と結婚。妻との間に子はなく、アメンオサの任務を終えた後には数々の左遷・栄転を繰り返し戸曹判書や礼曹判書を歴任。英祖33年没。子役さんは「クッキ」（99）や、「太祖王建」でのワンゴン子役。「魔王」でも少年役。85年生まれだけど結構最近まで少年役をやっている。韓国での理想の主人公少年時代俳優？

英　祖.....チョ・ミンギ
冒頭の朝鮮式ポロで雄姿を見せる朝鮮王朝21代王。「イ・サン」なんかでよぼよぼのじいさん姿の印象が強かったんだけど、ここでは即位直後で血気盛んな若い王様。先代、兄の20代景宗毒殺のうわさに悩まされ、やや人間不信気味というか、ムンスへの尋問はなかなか意地悪。アメンオサ登用といってもその態度がなんか荒んでるの。高官たちとの会議でもとても王様とは思えないドスの利き具合です！

イ・ヨニ...イム・ウジン、子役チャン・スヘ（チャン・ハナ）
ムンス、ジャンミン、ミンソの義兄弟トリオが川辺でモノ比べをしたときに居合わせた少女。ミンスの素っ裸を見た。両班の娘で父子家庭、父は病気がち。３人が川辺を占領し選択が出来ず、秋の栗狩りをムンスらに要求する強い女性。ムンスと惹かれあい、ムンスが祖母の家へ移るときも「父の命日11/14ならソウルへ戻れる」と逢引の約束をするものの、ムンスはヨニとの約束に間に合わなかった。雨で行き倒れたところをミンソの助けられ結婚。娘をもうけ、娘が成長してからムンスと再会。そのときはむらった鏡を割ってしまい動揺（未練あるんですね）。ファリョンニも敬語を使うなどやさしい女性。幼少時を演じるのは「女人天下」の主人公ナンジョン子役。

ソ・ファリョン...ハン・ヘジン
ムンスが幼少時、ヨニとデート中に出会った旅芸人の女の子。ヨニの被っていたベールをぱくってニコニコしていた。さすが韓国時代劇に幼少時代からの因縁はつきもの。第2話から成人姿で登場、父母を殺されムンスが犯人だと勘違い。役所にうって出るもののミンスの弁明でそれが間違いとわかる。父母をなくしミンソ宅へムンスとともに泊まりヨニのやさしさに触れ、ムンスの手下に。アクションシーンがみもの。

キム・ジュンミン...チェ・サンジュン、子役ソ・ヒョンソク
ムンスの親友で義兄弟3人の一人。赤い官服なので相当な高官、3人の中では出世頭。ねずみが大嫌い。幼少時エピソードではみんな裸で泳ぐ姿などサービスシーン満載（？）。ムンスとは知りつつ派遣されてきたアメンオサを追い、大叔父と結託し悪事を重ね、ついに最後、ムンスと対決。不正を暴かれ大叔父は逮捕され、自らは死んでしまう。よく見るとムンスと同年代に見えない・・・・。てかムンスが童顔？

ヤン・ミンソ...チェ・ジョンファン、子役チョ・フンフィ
ムンスの親友で義兄弟3人のうち一人。3人でウサギとりをしたりした。この人は両班ではなく、ジョンミンの家をムンスと覗き見したのが縁。幼少時、ジュンミンが毒蛇にかまれた時、口から毒を吸い出したり（ちょっと倒錯的な場面）。ヨニとの待ち合わせにムンスが間に合わず、雨で倒れそうになったヨニを救い結婚（計画的？）。そのためアメンオサとして赴任したムンスから避けられていたが、人殺しの冤罪を着せられたムンスを助ける。「女人天下」の中宗、「王と私」の貞顕王后父の俳優さん。

チルボク...イ・ハンイ、子役キム・テフン
第１話で子役で登場、窃盗団の一味でムンスに諭され改心。窃盗団を抜けムンスの祖母の家への出立についてくる。その後、ムンス実家の下僕に。任地にもついていく側近。お笑い担当。でも幼少時、明らかにムンスより年下（ムンス10代中盤、チルボク10歳前後）なのに、成人後にムンスが若いおじさんでチルボクは明らかにおっさん！「好きで老けたわけじゃないんですよ」と自己申告、ムンスも「本当に俺より年下か？」と聞いている。襲われそうになるとムンスを楯にしたりも。独身なのが不満。第2話でムンスがアメンオサと気づき「お前は口が軽いからだめだ」と追い返されそうになる。ムンスとの掛け合いはまるで漫才。ムンスのアメンオサ業務に常に付き従う。妻より親しいだろうなきっと。イ・ハヌィさんは独特の存在感ですごくうまい！

キム氏（ムンス妻）...イ・ダヘ
あのラブコメ女王イ・ダヘ（「マイガールなど）かと思ったら、別の女優さんでした。ムンスは任地を転々としているため子どもはいない。夫は初恋トラウマをひきずってるわほとんど留守だわ、新しい任地へのお見送りも気づかれない可愛そうな妻。

キム・ドヒョプ
尚州の地方官。ムンスの義父、ムンス妻の父。

イ氏（ムンス母）...キム・ミスク
ムンスの母。家は貧乏っぽかった。「女人天下」の意地悪な正室。

ケチョル....イ・ゲイン
イノの部下。「シークレット・ルーム」のチョ書房。

イノ...？
妾の子だと蔑まれて育ったのがコンプレックス。

キム・ソンギョン...？
高州の高官。

原城君...チョン・ギソン
キム判書...キム・ホヨン
キム大監...オ・スンリョン
クォン・ウナ

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　おさげから髷を結うことが男性の成人式なので、ムンスが髷止めを買うときに友人二人が「所帯を持つのか？」と言っていたのが印象的。一話完結の勧善懲悪ものかと思いきや、バッチリ主人公ムンスの幼少時代からの因縁-敗れた初恋や彼女と親友の結婚、友人の不正など、韓国ドラマの必須アイテム満載でした・・重かった。第1話でそれをやるから、以降の単発エピソードに集中できません！水戸黄門でイメージする演出とはまったく別。また意外に朝廷シーンが多く、英祖の出番もふんだんにあります。ムンスのアメンオサ業務と若き大王・英祖の改革と、ムンス親友で不正官吏のジョンミンを涙ながらに倒すのが物語のキモ。それから時代劇で「汁飯」とでてくるのはクッパだったんですねー。見ると「張禧嬪」（03）とナレーションが酷似。