韓国ドラマ「ハロー!お嬢さん」(2007)

d0095406_15262611.jpg
 
 「ランラン18歳」(04)で悪役を演じ、その後「グリーンローズ」(05)や「花の仙女様」(04)でスターの仲間入り、「マイガール」(05)でコメディエンヌとしての地位を確立したイ・ダヘ主演ラブコメディ。相手役も人気歌手の唇王子(イ・ジフン)と、チャラさ満載ですが、「現代において宗家がいかに存在すべきか」という点が面白かったです。しかしイ・ダヘはこれでラブコメ封印する宣言をしたらしい。ここではなかなかナイスな演技でしたが役者としては固定イメージはよくないのか。演出:イ・ミノン、脚本:パク・ヨンスク。宗家(注1)継承問題、過去の牛盗難問題でずっと16話やってるもんだから、途中ダレてきたけど(笑)、ヒロインへの告白がなんと第3話/全16話という異例の速さに驚き。
・・・・・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 齊安李氏宗家の当主であるイ・スハは、伝統をよそに財政の逼迫するファンアン堂(宗家の本宅で、99部屋もある)の維持にてんてこまい。また門中といい、長老一族が祭祀や女性当主であることうるさいのにも悩み。そんな時ファンアン堂売却をソウルからTOPグループの御曹司ファン・ドンギュが持ちかける。実はドンギュの祖父でグループ創始者のファン・マンボクは、50年前ファンアン堂の使用人。牛を盗みファンアン堂から逃走、事業を興し現在は財閥を築き、夢は「ファンアン堂で死ぬこと」。最悪な出会いのスハとドンギュだったが、ドンギュがスハを好きになってしまい告白。しかし売却させるためだろうとスハは取合わない。そこに「ファンアン堂を手に入れた人間が財閥を継ぐ」というマンボクの決定により、ドンギュの従兄弟・ファン・チャンミンも参戦。また謎の美女でファンアン堂を狙うソ・ファラン、男が当主たるべきと推されているスハ異母兄のイ・ジュニョンも絡み交錯。しかし最後はめでたくスハが当主としてドンギュと結ばれ、マンボクもファンアン堂の人達と和解し結婚式が執行われる(終)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 韓国ドラマでありがちですが、正直、中盤~後半がちょっとダレてくる感じも。しかも第3回で既に告白もあると、残るは延々つづく主役カップル二人のすれ違い。短気な私にはイライラさせられる展開でした(笑)。でも途中、ファンアン堂売却阻止にマスコミ作戦に出て、TV局の取材に「女性当主が家門を守る齊安李氏宗家は進歩的ですね!」と言われ、スハが当主であることに異議をとなえる門中を封じる、というあたり面白い。ここでは家門の継承とファンアン堂という伝統邸宅の維持がセットになっており、伝統に生きる宗家の人は今でも韓服で時代劇みたい。また「女性の相続権が弱くなったのは朝鮮中期からで、初期は男子とともに均等相続だった」とか言い出す門中もいて、儒教強化前後で面白い。
 脇役も力強くて面白いんだけど、メインのくどさに足をとられてか、脇役をもっと掘り下げたほうが面白かった(というか、謎が多くて不完全燃焼・・カットか?)。しかしスハ実母の思い出の味で、ファンアン堂秘伝のキムチ餃子が正妻・愛人の因縁に火を注いだかと思えば、マンボクじいさんはこのキムチ餃子こそTOPグループの発端たる食品部に恩恵をもたらすと勘当していたドンギュを褒めるのですが、餃子で人が動くのだろうか・・。食べ物の恨みは怖いというし、動くのか・・。あと宗家だからか、現在でもスハ=嫡子、ジュジョン・ジュニ=庶子、という扱いに驚き。また不遷位祭祀(※2)が出来る名家というのや、春香伝や沈清伝(※3)など古風なたとえが出てくるのもそれっぽい。

※1・・全州李氏(例)「全州」=本貫・父系出身地、「李氏」=氏族を現す。安東金氏など。
※2・・普通の先祖祭祀は高祖父までだが、国に功のあった人は永遠に祭られる。
※3・・どちらも朝鮮時代の代表的文学。貞淑で親孝行な女性が主人公。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【主要人物】
イ・スハ....イ・ダヘ
ソンアルコル地方、齊安李氏宗家の38代宗孫でファァアンダンの主人の22歳。伝統を守る宗家の一人娘のため、時代錯誤な語彙が多く携帯すら持たなかった。老朽化し維持費のかかるファンアン堂の資金繰りに頭を悩ませ、ネズミ講にはまったり宗家を狙った詐欺にあったり大変(笑)。しかも家庭は複雑で、父はソウルに異母きょうだい達と暮らしており、実母は既に死亡。そしてファンアン堂売却話の縁でTOPグループのインターン社員として働くことに。チャンミンの秘書になりあからさまにアプローチされドンギュをはらはらさせるが、鈍いので気づかない。かつ酒乱で、酔うと男を襲うとしたりする。しょっぱなから売却話で悪印象しか抱いていなかったドンギュに告白され受け流すが、次第に惹かれあう。ラストはチャン代理によって、今までドンギュが自分を色々と助けてくれていたことに気づき、プロポーズを受け入れる。

ファン・ドンギュ...イ・ジフン
TOPグループ金融財務室長。祖父であり会長であるマンボクの気難しさを理解し、ほとんどつきっきりのおじいちゃん子。仕事は出来るんでしょうが、どうも要領が悪く、完全に従兄弟のチャンミンに出し抜かれている。チャンミンに陥れられスハや祖父から信頼を失い、スハからはいったんフラレるわ、祖父からは勘当されるわ散々な目に。しかしチャン代理というつおーい部下の助けでファンアン堂に転がり込み、そこで使用人ズと仲良くなる。冤罪が晴れ会社に復帰、祖父こだわりの食品部門を立て直すも、スハと結婚するなら勘当と言われる。しかし最後には叔母のユイルの説得により祖父は二人の結婚を許し、和解する。歌手だけあって喉自慢大会では韓国演歌をみごとに披露。かつ不細工な女装を二度にわたり見せてくれます(何のサービス?)しかも一回はド不細工だし、一回は真剣な相談のときだし。

ファン・チャンミン...ハ・ソクチン
ドンギュのいとこ(年下)。同じ祖父を持つチャンミンとファンアン堂を先に獲得したものがグループを継承できると言われ野心に燃える。そのうち本気でスハを好きになり、ファランや母と結んでドンギュを落としいれ、スハや祖父からの信頼を失わせる。しかし祖父のマンボクに総て筒抜けであり、それを白状しなかったことで後継者レースから転落。スハにもふられる。このパターン、「1%の奇跡」のテハと同じなんだけど・・。従兄弟とともにソウル・ソンアルコル間を激しく行き来する人。憎憎しさが足らないしアクがなかったなー。ドンギュと演歌を披露したときは踊り担当。面白かったです。この人の女装もぶっ細工だった。

ソ・ファラン....ヨン・ミジュ
本名コップニ。ファンアン堂で引き取っていた頭の弱いおばさんの子どもで、ファンアン堂では「なぜ私はお嬢様じゃないの?」と卑屈な幼少時代を送る。そして母とファンアン堂を捨て、全身整形。今はトップモデルとして活躍、TOPグループの専属モデルとして働いている。その縁で入社してきたスハに激しく嫉妬し、ファンアン堂売却にも暗躍する。しかし幼少時代に優しくしてくれたスハの異母兄・ジュニョンと好きあうようになり、自分を反省していい子になっていく。初め謎の悪役として登場したが、最後甘すぎて・・。もっと何かやるかと思った。

チャン代理...ムン・チョンシク
ドンギュの秘書で、会社も家も追い出されたドンギュにしぶしぶ従う出来た部下。7人兄弟の長男で父も死んだため、「私の首は保障してくださいよ」が口癖。ドンギュとスハのやり取りを聞いて噴出してしまったり、ドンギュにお供して喉自慢大会打ち上げで盛り上げたり、私はこの人に最功労賞をあげたいです・・!なんたって、ラスト、ドンギュが実はスハのために苦心してきたことをスハに打ち明け、二人の仲立ちをしたもの彼だし!なので無理やり主要人物にいれてみました(笑)。

【ファンアン堂関連の人々】
イハクおばあさん...ヨ・ウンゲ
ファンアン堂の古参の使用人で、スハのばあや。昔、使用人仲間だったドンギュ祖父のマンボクと恋仲だったらしい。常に思慮深くスハに仕え、ファンアン堂の維持に苦心するが、ドンギュからカラオケセットを贈られ喜んで歌い興じる一面も(笑)。マンボクがスハとドンギュの結婚を承諾しないと聞き、ソウルまで出かけてマンボクおやじを説得する。時代劇「王と妃」(99)での怨念こもった「老婆」役(廃妃尹氏の母)や、大ヒットラブコメ「キム・サムスン」(03)での「おばさん」店長役と、60代とはいえ年齢設定に柔軟に対応できるのがすごい。化粧をきれいにすれば50代に、老婆メイクだと80代にも見える(汗)。

ピョンテおじいさん....ホ・ヒョノ
ファンアン堂の使用人で、イハクばあさんと共に古参。ドンギュ祖父のマンボクが牛を盗んだのも忘れていない(笑)。女当主に使用人も少ないため、侵入者の出入りには敏感で年の割りに鎌を振り回すあぶないおじいさん。ラスト、マンボクと手に手を取って踊っている姿が印象的です。またファン家の孫(ドンギュとチョンミン)がファンアン堂に来るたび(特にドンギュは一度壁を乗り越えて侵入したことあり)追っかけあいがお約束。

コップニの母....パク・スンチョン
頭の弱いおばさんで、コップニ=ファランの実母。どうやら初めから使用人だったのではなく、引き取り手が居ないため、ファンアン堂で引き取ってあげたらしい(ノーブレスオブリージュってやつですか)。いつも花をもてあそび、歌ったり踊ったり、この人がそうなってしまった背景やファランの話が少なくて、ちょっとわかりずらかった。KBSワールドの放送を見たんですけど・・。

【TOPグループの人々】
ファン・マンボク...パク・インファン
ドンギュ祖父でTOPグループ会長。50年前、ファンアン堂の使用人であり、牛を盗んで逃走し今の地位を築いた。最後の望みはファンアン堂の主人部屋で死ぬこと。そのために孫のドンギュをファンアン堂に送り込み、ドンギュがスハに惚れたと知れば「それならワシの思うつぼ、ただあいつはオクテだからな・・」と小細工をして応援する。そして門中から求められ、ソンアルコル地方喉自慢退会で過去を謝罪しようとするが、チャンミンの邪魔で失敗。かえって怒りを買ってしまい、自身も「犯罪者でもあるまいし、何がファンアン堂だ!」と完全にすねてしまう。そこでファンアン堂維持をスハと共に願うドンギュと意見がわれ、ドンギュを勘当しカードも止めるが、チャンミンよりドンギュの方が祖父思いと娘のスジョンになだめられ、またイハクおばあさんの説得で改心。門中に牛の件を詫び、ドンギュとスハの結婚の許しをもらう。

ファン・ユイル...チェ・スリン
ドンギュの叔母でマンボクの一人娘。たぶん30-40代でしょうか?きょうだい達(ドンギュ、チョンミンらの父)が既に死んだようなのに比べ、一人残されたマノボクの子。このへんも説明があまりなくって・・。TOPグループで父の秘書をやっている?どちらかというとドンギュの味方で、チョンミンに出し抜かれたのを教えてあげたり、ポカをマンボクおじいさんに黙ってあげたり、最後は「ドンギュでないとお父さんの世話は出来ない!あんなわがままなじじいの世話はムリ!」とドンギュの結婚に最大限、協力する。父娘も大変っすね。

イ・ミョンスク...キム・ヒョンジュ
チャンミンの母で、マンボクの義理の娘。マンボクじいいさんの実子たる夫は既になく、自身もTOPグループ理事のため、息子のチャンミンをグループ後継者にしようと躍起になっている。エステ中には電話にでない人工美熟女(笑)。この人ももっと悪役として活躍してほしかったなあ・・。物足りない。

クァク部長....キム・グァンギュ
チャンミンとミョンスク母子の手下。TOPグループの部長。はげを気にしており、せこせこといじましい小悪人を演じるが、このギャグに賛同できず。ちょっとなら面白いけど繰り返すから。

【スハ一家の人々】
イ・ドンギュ...パク・チャンファン
スハの実父。ファンアン堂のかつての当主だが、正妻をおいてソウルに逃げ、そこで愛人と家庭を持つ。その二また生活を続け、長女:スハ(母は正妻)、長男:ジュニョン(母は愛人)、次女:ジュニ(愛人)をもうける。正妻でスハの実母は早くに亡くなり、スハを幼い当主としてファンアン堂に残し本格的にソウルに転居。この人、職業はなんなんでしょう?ソウルのおうちも相当なお金持ちのようですが・・。スハにお母さんの思い出を語ったり、謝ったりするけど、深みがなくてどーもピンとこなかった。ここも描写が不足?

オ・ジョンスク....チャン・ヨンナン
スハの同郷の友人だが、知り合ったのはソウル。ファンアン堂維持のため融資を頼みに来たスハと意気投合、ネズミ講に誘うわ怪しいダイエットモニターは引き受けるわそのたびにスハに迷惑をかけ、かつ助けてもらう。懲りずにソウルのスハ父宅に居候し(すごい神経)ジュニョンを付けねらう。またTOPグループのモデルオーディションに応募した縁でスハと共にインターン社員として雇われ、ジュニとよくだべっている。前半活躍したものの中盤以降出番は少なく、最後ジュニョンとファランのことで少しくらい騒ぐかと思いきや、全くナシ。

イ・ジュニョン....チュ・ジョンヒョク
スハの異母兄(母はもと愛人のスジョン)で弁護士。宗家当主が女では、と以前からファンアン堂相続を門中から薦められていたが、自分達きょうだいを庶子として冷遇し、ファンアン堂を訪れても席がなかった過去から相続を固辞する。しかしスハとドンギュの結婚のため、自分が当主を引き受けようとした矢先、門中とマンボク祖父は和解、ほとんど決心してたのに当主の座からは滑り落ち・・。幼少時、虐待されたもの同士、コップニ(ファラン)に優しくしていたことがあり、ファランと再会したのち惹かれてゆきついにプロポーズ。

イ・ジュニ...イ・ミン
スハの異母妹で、ジュニョンの同母妹。TOPグループで働いてる(ご都合主義~)。ソウル宅をときたま訪ねるスハを敵視し、嫌味をたれるが、よっぼど危ないのは母のスジョンだったという実は素直ないい人?ファランと並び悪役となるかと思いきや、中盤ほぼ出番がなく、ひたすらジョンスクと会社でだべっている姿が目立つ。父が「お前はいつも団欒を乱して、姉を敬いなさい」と説教垂れていたが、この父では説得力0。

ハン・スジョン...キム・ヒジン
スハ実父のもと愛人。正妻が死んでからはおそらく正式に結婚したのでしょう。はじめ、ソウルに用事があり泊まっていくスハに親切に接し、意地悪をする娘のジュニをたしなめるが、実は実子のジュヒョンを宗家当主にすえようと野望を抱いていた。正妻の味・キムチ餃子をスハが食べさせたことで激怒、スハは泣いて家を出るが、普通、もと愛人(現正妻)の前で亡くなった正妻の得意料理は作らんと思うが・・。
by hungmei | 2009-03-20 15:37 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)
Commented by hungmei at 2009-03-20 22:25
ドンギュは祖父に放り出されファンアン堂に転がり込みますが、これが意外や意外、タフでお茶目でちゃんと生き抜いていくんですね。ファンアン堂に外国人観光客がホームステイしに来ると、日本語英語中国語OKと役に立つし。作中、日本からの顧客「林さん」を競馬で接待するシーンもあり、比較的上手な日本語を聞くことが出来ます(その時は韓国語字幕つき)。ビジネス上では日本語もマストになってるんだろーか。

スハも日本語で挨拶(だけ)披露。イ・ダヘは伝統の太鼓をマスターしたそうですが、正直、それほど・・・。でもスタントナシで撮影するまで上達するですらすごく大変そうですね。ちょっとキャラが多くて消化不良かな。


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)

プロフィールを見る
通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

検索

カテゴリ

※このブログについて※
1越劇、黄梅戯、地方劇
2中韓古装電影・電視劇
3紅楼夢/ドラマ、書籍等
4ブログ関連書籍
5雑感など
電視劇

最新のコメント

オチアイさん ご教..
by hungmei at 19:48
香港ショウ・ブラザース黄..
by オチアイ at 18:22
返信遅れましてすみません..
by hungmei at 22:57
jiaは「架」ではないで..
by 行路人 at 00:05
アザハさま コメン..
by hungmei at 17:02
ご紹介をありがとうござい..
by アザハ at 00:34

記事ランキング

関連サイト