朝鮮王朝の衣装と装身具(2007)

d0095406_12213120.jpg  張 淑煥、原田 美佳著、淡交社。帯にもありますが「チャングムなどで朝鮮時代の服飾に興味を持った人は多い」はず、こういう本が出せる(売れる)んですねえ。現存する当時の衣装がカラー写真でふんだんに紹介されていますが、巻末の文章ページも充実しています。政治史中心の韓国・朝鮮時代の本に比べ、時代劇で出てくる日常生活の習慣、服飾の約束、住居の仕組みや族譜にいたるまでコンパクトかつわかりやすく説明してあるお徳な本。

 装身具というだけあって、服だけでなく、髪飾り類が充実していたのも良かったです。朝鮮時代の宮廷ドラマでは身分の高い女性がトルジャムという丸い飾りを両サイドにさしているのですが、その細工はDVDから判断するのは困難なので今回じっくり鑑賞。また髪型の形成過程も詳しく、後頭部で髪をまとめた既婚女性の髪形をチョクチンモリ、そこにつけ髷で華美さを加えたのがオヨモリというらしいです。宮廷ドラマで王妃などが結っているのはオヨモリで、トルジャムとセットでおなじみ。女官では至密尚書だけに許された髪形だそうです。また両班の女性は再婚禁止とか、「七去」とは言っても義理の両親の三年喪に服した場合は離縁できないとか。

  また王妃選びを「揀択」(カンテク)といい、①世子が婚姻する年齢になると全国の女子に結婚禁止令を出す、②両班で、王族と同じ全州李氏以外の娘から選び、③初・再・三揀択の三段階にて選抜。最終段階の三揀択に残るのは3人で、王妃に選ばれた1人以外は、一生結婚しないか後宮(王の側室)になるかの選択が迫られるそうです。王妃を出すと両親が府院君、府夫人に封じられ、王妃の出身地の行政地区が昇格するらしい(笑)おもしろい!また意外だったのが、応接、読書などを行う家長の住む舎廊房(サランバン)は質素で、女性達の居住する男子禁制の内房(アンバン)の方が室内装飾が豪勢だそう。家長は理想のソンビを体現するための居室として、女性は部屋に居続けるからとかも関係ありそう・・。

amazonでの紹介ページ
by hungmei | 2009-03-15 12:24 | 4ブログ関連書籍 | Comments(3)
Commented by hungmei at 2009-03-17 12:55
寄蔵コレクションのほとんどは梨花女子大タミン服飾美術館のもので、著者の一人張 淑煥さんが館長。もとは張さん個人による、40年以上をかけた4千点近くのコレクションを、98年に寄贈したのが始まりとか。張さんのご母堂のコレクションに加え、家を一軒売り払ってまで(!)購入した英親王の衣服も含まれるそう。
 
朝鮮王朝では王族に仕えた尚書に形見として主人の衣服を下賜する習慣があり、張さんは骨董屋さんを通してそのもと尚書の女性から購入したそうです。形見の服を手放したもと尚書の老婆は涙したとか、外国人客よりは張さんという自国人を選んで売ってくれる骨董屋さんなど、自国のプライドに訴えかける熱い本でした・・^^

王妃選びの「揀択」は、3代太宗と14代宣祖のときに決められたそうです。でもこの二人の間、すごく年代離れてるけど・・・。「張禧嬪」(03)では簾越しに王族が候補の女性と対面し、女性達は黄色いチョゴリを着ています。いつも思うんですが、王様は王妃選びに参加しないのかな?内命婦のことは大王王妃ら女性陣が仕切るってことか?たまたまいなかったのか・・政略結婚だし、王様好みの女性を選んでも仕方ないかな。
Commented by hungmei at 2009-03-17 21:56
意外だったのは、朝鮮時代初期は男女ともにピアス式耳飾をつけていたこと。16世紀に儒教に反するとピアス式が禁止され男子は耳飾をつけなくなり、女性のみ耳全体にフックでかける耳飾を結婚式などに限ってつけたそうです。「女人天下」で妓生がつけているのを見ましたが、かなり複雑なフックでした笑。王妃もたまにつけてますね。またおなじみとい書いたチョクチョンモリですが、華美になりすぎ重さで首を折って死ぬ人まで出たとか。21代英祖、22代正祖の時代にはチョクチョンモリが禁止され、代わりに髪飾りが発展したそうです。

確かに、正祖が主人公の「イ・サン」や、その父であるサドセジャの「大王への道」、その時代が舞台の「風の絵師」で、王妃でもチョクチョンモリでなく頭飾りだけだったりしますね。はじめチョクチョンモリ=時代劇のイメージが強くて脚色かと思っていたんだけど、これが史実だったのかあ。しかしサドセジャは父(英祖)から冤罪を着せられ米櫃に閉じ込められ餓死します。なのでイム・ホ(チャングムの王様役)出演で気になってたけど見れません。長い話付き合ってオチがそれでは・・・。
Commented by hungmei at 2009-04-13 19:14
追記:禁止されたのは髪型自体というよりつけ毛(カチェ)だったらしく、「時代劇王」では1788年とありました。なんでもつけつぎて重みに耐えかね、両親への挨拶時に首を折ったり、椎間板ヘルニアになる女性が続出したとか・・・(こええー)。


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