韓国ドラマ『コーヒープリンス一号店』(2007)

d0095406_16234678.jpg  ラブコメが大苦戦した2007年の高視聴率ドラマ。「宮 Love in Palece」(05)のユン・ウネが男性的な女主人公を、「乾パン先生とこんぺいとう」(05)でブレークしたコン・ユが男主人公のラブコメディ。【あらすじ】24歳のコ・ユンチャンは16歳で父を亡くした一家の大黒柱。高校を中退しアルバイトに精を出す。しかしある日、食品会社の御曹司のチェ・ハンギュルと出会い、男性店員だけのカフェ「コーヒープリンス」で働くことに。お金ほしさに自分の性別を偽り働き続けるユンチャンだが・・。

d0095406_1624157.jpg MBC、全17話。初の女性監督作品、かつ脚本も女性で恋愛小説家出身とあって、かなり少女まんが風。しかし思ったよりチャラくなく、情緒細やかな作品です。出生の秘密や四角関係とお約束の展開もあるものの、女性側からのプロポーズや、仕事優先で結婚を避ける女性など、なかなかリアル。同僚のプリンスたち-お調子者でハンギョルの親友ハリム、日本人で人妻を追いかけてきたソンギ、頭は足りないながらも愛すべき後輩のミニョプ-が光る。青春モノだけど学校が舞台じゃないところがいい。

 越劇「梁祝」から使い古されてきた紅一点、かつ男装の女性というモチーフが、現代のドラマでも効果的に活用できるんだなあと思わされた作品です。今の時代、男装して働くというのも少ないと思いますが、このドラマで女主人公がオトコだと誤解されたのは「男子トイレにいた」から。ウンチャンは女湯に入ると驚かれるほどボーイッシュで、テコンドー師範。かつハンギョルと初めて出会ったとき、無礼を詫びろと男子トイレにまでついていったのがおおもとだと思う。胸にサラシを巻いたり、社員旅行でお風呂は避けたりと、想像通りの感じです。ただ戯曲と違うのは、ハンギョルが「男でもいい、好きだ」と決心するところ。そのへん「梁祝」よりボーイズラブ漫画に近いのかなあ?



・・・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 コ・ウンチャン♀はバイトで家計を支える大黒柱。しかしある日、家賃の値上げやらで急に大金が必要に。そんな時、出前のバイトの途中ひったくりを捕まえると、それはウンセの友達のミニョプ♂。仕方なくバックを取り戻しミニョプは逃がしたところ、被害者のチェ・ハンギョル♂からは「共犯だ」と疑われる。かつその際にスクーターが故障、バイトをクビになる。ウンチャンはハンギョルに謝礼金を要求、その縁でハンギョルにお見合いを破断のため男の恋人役を引き受ける。いっぽうハンギョルは祖母の経営する食品会社の関係でボロボロの「王子コーヒー店」を再生させることに。ハンギョルは王子コーヒー店を「コーヒープリンス」という男性店員のみのカフェに改造することにし、ウンチャンを男性だと信じて疑わず最初の従業員として雇う。カフェでは二人の愛情と、仲間たちとの友情がはぐくまれる。そしてハンギョルはついにウンチャンにプロポーズをするが、バリスタになる夢のためウンチャンはイタリア留学を決意し・・。
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コ・ウンチャン....ユン・ウネ
 24歳の女性だが、外見や言動はほとんど男。16歳で父をなくし、それ以来家族を養ってきた。ある日、バイトの出前先で偶然ハンギョルと出会う。その後、ミニョプのひったくり場面でハンギョルと再会、その縁でお見合い破談作戦のバイトを引き受け、「男の恋人」に。ハンギョルがコーヒープリンスを開店すると性別を偽ったまま働き始めるが、徐々に惹かれあい、ついに「男同士の恋人」に。しかしミニョプから秘密がばれ・・。ユンはアイドル歌手出身の若いスターですが、ここでの男っぷりは完璧でまさに女優。しかしこの人、ハンギョルとの喧嘩で2度は解雇されています(3ヶ月くらいのうちで)。そんなんでいーのか。男性っぽいというだけでなく、変わった性格。突き抜けた明るさが逆境の中でより引き立つ。ほか「ぶどう畑のあの男」(06)出演。 

チェ・ハンギョル...コン・ユ
 トンイン食品の御曹司で29歳。NY留学から帰国したばかり。父親の不倫の子→実は養子で今の両親は二人とも養父母と気づき愕然とする傷つき易いお坊ちゃま。従兄弟の恋人ユジュに9年片思いをしていた。能天気で大人になれず、働きたくないし結婚もしたくない。しかしNY時代はロゴブロックに入れ込み、アメリカの玩具会社からデザイナーとしてスカウトされるほど。カフェ経営者とは思えない私情の持込ようで、ウンチャンとの喧嘩のたびお店を休む。ウンチャンと晴れて異性の恋人になってからはデレデレ。しかし商才に目覚めカフェ展開をすすめトンイン食品での地位を築いていく。コン・ユは「乾パンとこんぺいとう」(06)でブレーク、コーヒープリンス出演に軍役に従事(08年1月~)。芸能兵としてラジオDJやってるらしい。

チン・ハリム....キム・ドンウク
 医者の家の一人息子で25歳。美大出身でコーヒープリンスの内装をてがける。ハンギョルとは9年来の付き合い。お店の中では一番軽薄で女性を見るとすぐ口説く。ウンチャンをからかうのが大好き。170センチはあるが他のプリンスが高身長なため非常にかわいらしい。ウンチャンが女性とは気づかず、騙されていたことに憤慨。ハンギョルの耳にも入れウンチャンとハンギョルの大喧嘩の火元に。ソンギとは対立しつつ仲間意識もある。よくミニョプに抱えられて撤収させられている。のち、運命の恋人ビョルと出会い真剣な恋愛に目覚めていく。キム・ドンウクはそれまで映画出演のほうが多く、それも数少ない同性愛者を描いたものが多い。「僕らのバレエ教室」、「公開しない」、「アパート」、シットコム「止められない結婚」など。

ファン・ミニョプ....イ・オン
 ウンチャンの妹ウンセに付きまとっていた不良で、高校中退。家族の話しが一切出ないのを見ると家庭運には恵まれていないのかも。ウンセの音楽学校のためひったくりまでしちゃうが、ウンチャンの気遣いで見逃される。はじめウンチャンをウンセの男と思い付きまとうが、のちコーヒープリンスにスカウトされる。カフェで喧嘩が起こったときは仲裁役で、21歳のため末っ子格。偶然ウンチャンが女だと知って「姉貴」と呼びウンチャンを助けようとするが、頭が悪いのでむしろ足を引っ張る体育会系。最後はモデルを目指し、ウンセがマネージャーとなる。「最強チル」(08)で時代劇にも挑戦した俳優さんですが、バイク事故により08年8月に永眠。

イ・ソンギ....キム・ジェオク
 王子コーヒー店付近で美味しいと評判の屋台ワッフル売りのお兄さんだった。のち摘発され、ハンギョルがスカウトしコーヒープリンスに。寡黙だが実は日本人であり、日本で知り合った韓国人女性(しかも人妻)を3年思いつづけ韓国へやってきたことが明かされる。最初にそれを知ったミニョプは仁義を重んじウンチャンの性別をソンギにばらし、のちにハンギョル・ハリム/ウンチャン、ホン社長、ソンギ、ミニョプの喧嘩の火元になる。黒ネイルと長髪がトレードマーク。作中で流暢な日本語を披露、最後は新しい恋を見つける。じっさい日本滞在が長い俳優さんで、初めに覚えた言語は日本語だそう。08年公開「アンティーク」で魔性のゲイ役。

ホン・ゲシク社長....キム・チャンワン
 ハンギョルの祖母とは古い付き合いで、王子コーヒー店長。しかし無類の不潔さで、店は閑古鳥がなき、ハンギョルの祖母から「3ヶ月で資金を3倍に」するよう指示されハンギョルと共同経営者として組まされる。実はウンチャンのご近所さんで、ウンチャンの母とも長い付き合い。お金がないウンチャンに差し入れしたり、実のむすめのように可愛がっている。世捨て人の体でハンギョルとは敬遠の仲。はじめはやる気0だが、プリンス達が必死にがんばる姿をみて徐々に感化、ハンギョルとウンチャンをはじめプリンス達を見守る。家にハリムとソンギを居候させてあげる懐の広さも。「ぶどう畑のあの男」(06)、「イルジメ」(08)にも出演。歌手。

コ・ウンセ....ハン・イェエン 
 ウンチャンの妹。ミニョプに言い寄られるが取り合わず、奴隷のように扱う強い女子高生。歌手志望で校内で高利貸しをして資金を稼ぐしっかりモノ。勉強は苦手みたい。ウンチャンが健気な孝行娘なら、ウンセは母にもくってかかる強気の自立した娘。ミニョプに他の女性が出来てからは彼の重要さに気づき、再び気を引こうとする。ウンチャンとウンセの姉妹ガールズトークは実に本格的で、キムサムスン並みに本物の姉妹っぽい。演じるハンは子役出身で、「野人時代」などに出演。受験のため休業していたところ、本作が女優復帰第一作。

ウンチャンとウンセの母....パク・ウォンスク 
 お嬢様育ちで生活力0の母。ウンチャンの父が死んでからは何とか娘達を育てようと栗むき、ケロロ軍曹のぬいぐるみ作りの内職に励むが、働いた経験はない。むしろウンチャンが働いたお金で綺麗な靴を買ってしまう浪費家。ピンクに目がないキュートなお母さん。姉妹と母でヨガに励む姿はかわいらしいです。ダメ母もいいじゃん!と。お調子者でもその明るさはステキです。クおじさんのアプローチには全くとりあわなかったが、そのうちほだされる。

ハン・ユジュ....チェ・ジョンアン、チェ・ハンソン...イ・ソンギュン
 ハンソンはハンギョルの従兄弟で音楽家、ユジュはその恋人で画家。9年の腐れ縁で、ユジュは一度ハンソンを捨てNYにわたり別の恋人と暮らしていた。しかし破局後韓国に戻り復縁。ウンチャン・ハンギョルカップルとは対照的にこちらは落ち着いた大人のカップル。はじめハンソンはウンチャンにも惹かれるし、ユジュはハンギョルにおもわせぶりな態度で四角関係になるが、結局この二人は結婚、ウンチャンとハンギョルを応援。ユジュの流産・不妊を乗り越え、友達夫婦を満喫。

クおじさん....イ・ハヌィ
 ウンチャンの家のご近所さんで、ホン社長、ウンチャンの母とは長い付き合い。ウンチャンの母が好き。精肉店を経営する詩人志望で、言うことが慇懃でおかしい。酔っ払ったハンギョルを背負ったウンチャンに「何背負ってんだ?俺は豚を背負ってる」は名シーン。うざいアプローチではじめ嫌われていたが、のちウンチャンの母から「娘が結婚してからなら・・・」と言われる。精肉店での3人トリオ宴会(ホン社長、ウンチャンの母、クおじさん)はなごみ度100%。

ハンギョルの祖母...キム・ヨンオク
 トンイン食品を一代で興した女傑で現在は会長。徐々に体調が悪化するが、末期がんとは思えない元気さ。声が大きく毒舌で、ホン社長には「この腑抜けが!」、ハンギョルの母には「あんたの育て方が悪いんだよ!」、ハンギョルには「この親不孝モノ!」。ウンチャンとの結婚には慎重で、愛を試すため、イタリア留学を斡旋。「もう十分満喫した、明日死んでも悔いはない」等かっこいい♪ハングルが不得意らしくどうやって経営してるんだ?最後死ぬのかと・・・。彼女の怒鳴り声は聞いていて元気が出ます。

ハンギョルの父ジュンピル、ハンギョルの母....?、キム・ジェオク 
 ハンギョルの養父母でトンイン食品の社長夫妻。ハンギョルが29歳までは「不倫の末できた子」として育てていたが、実母の墓参りと実父との引き合わせによりハンギョルが祖母、父母ともに血縁がないことがわかる。祖母の強烈さに比べ大人しい父母だが、お母さんは慈母って感じでウンチャンにもやさしいし、お父さんは冷たく見えていい人。ハンギョルの実母には片思い、実父とは親友だった縁で引き取ったらしい。お母さんはキムサムスンや同い年の家庭教師(02)にも出ている。

ミスク....イ・イルファ 
 ホン社長のもと同棲相手で10歳年下。留学すると嘘をつきお金を持逃げ、他の男性と結婚。最終話で偶然ホン社長と再会、ホン社長がふっきれる契機になる。「シークレットルーム」でキーセン役があでやかな、非常に美しい女優さん。「イルジメ」(08)にも出演。
by hungmei | 2009-02-26 07:41 | 5雑感など | Comments(1)
Commented by hungmei at 2009-03-06 23:25
このドラマは公式ガイドブックもお勧めで、原作・脚本の女性作家さんが「男主人公の設定は財閥の御曹司で」で監督が「そんなの絶対イヤ」で食品会社御曹司に決まったそうです。

また夢にあふれる10代、迷いの多い20代、今後を模索する30代、思い出に生きたり新しい道を歩む50代、胃がんで余生を送る70代・・と出てきますが、おばあちゃんで食品会社の社長役のベテラン女優インタビューが辛口です。「コン・ユは知らなかったし美形とも思わない」「ユン・ウネはかつぜつがわるくて、この子らに出来るか心配でした」とか笑。

にしても韓国ドラマは貧乏vs金持ちの設定が好きですね。学歴にも厳しいし。ハリムやハンギョルはお金持ち、ミニョプやウンチャンは学歴もなく労働者階級。ラブ重視なので、意味もなく社員旅行に行ったり店で痴話げんか・・そんなカフェ大丈夫か。ソンギは長髪に黒ネイルが「日本人ぽい」そうでビジュアル系は韓国で少数派?

作中、ユジュは流産・不妊でラストを迎え「出産してハッピーエンドがよいのでは」という突っ込みもあるそう。確かにそうなんだけど、そこだけに留まらない現実的なところが大好きです。


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)

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