<番組紹介・エンディングテーマ>
一度アップした『王と私』ですが、時代劇のお約束で膨大な登場人物。そこで
言及されることの少ないお勧め脇役 についてご紹介。本筋のチョンソン、廃妃尹氏、成宗の紆余曲折の人生も面白いのですが、せっかくこんなオイシイ登場人物がいるのにもったいない!特に内侍府(宮中の宦官部署)や、内子院(私設内侍養成所)の人たちがお気に入り。
特にチョンソンの仲間の内侍は物語の重要な一部。特にソウンは前半だとチョンソンの第一の理解者だし、ハンスも永遠のライバルとして丁寧に幼少時代が描かれています。内子院での修行時代は前半10話のハイライト。彼らの姿を通して
、「内侍だって人間だし、男である」「性器がないからって尊厳も踏みにじられたくない」 というメッセージが熱く、私がこのドラマで気に入っている点です。
【チョンソンの仲間の内侍たち】
チョンソンとは
内子院時代からの友人で、 2話から登場。内子院でチョンドン(=チョンソン)、ポドルらともにすごし、彼女の後宮ごっこも目撃している(4話)。卒業後は内侍試験に合格して(6話)宮中で働き、小官(見習い)時代の苦労は先輩からの暴力シゴキ(7~8話)。5年後には小官を追え一人前に(9話:ここから子役→成人俳優にチェンジ)、チョンソンとポドルが出仕して再会する(13話)。ソウン、ジャチ、ゲナム、グィナムと4人セット。自分たちは幼少時に親から売られため、成人後に自ら内侍になったチョンソンを不思議がる。ハンスのいじめからチョンソンをたびたび助け、ソンファ擁護にも協力する。特にソウンはインス大妃の命に背いてソンファを助けた大恩人(11話)。
ムン・ソウン(文素雲)♂...カン・イニョン 、
子役:チョン・ハウン
女性的な容姿で以前は旅芸人。生来の不具。幼少期から登場回数はダントツで3人の中で一番せりふあり。者乙山君とチョンソンが街を散策したときにソウンの芸を見学(2話)。そのときチョンソンに微笑み照れされている。二人が劇団の団長に誘拐された時に逃がすが転び、逃げる途中、危険を冒して自分を救ってくれたチョンソンに深い恩を感じている(恋の始まり?)。その際、足を痛め綱渡りが出来なくなり銀15両で売られた(4話)。
そして他の3人より遅れて内子院いり。売られる瞬間はせつなく、座長に「売春でもなんでもしますから見捨てないで」とすがる。チョンソンに頼まれソンファを励まし芸を披露、その時チョンソンの恋心を見抜く(5話)。帰り道では「僕たちずっと友達だよな!」。内子院では草笛を披露(5話)。卒業時にはノ内膳に「内侍というより尚書だな」といわれる(8話)。先輩からのいじめから逃れようと、塀を上る技を披露。居合わせたヤンソックンに突き放される(8話)。成長後はより女性的な言動が多くなり、宮中でも宴席で女形芸を披露、成宗のお気入り(9話)。宮中妓生との掛け合いはシモネタで楽しい。ソンファが大妃の厳命で隔離、公言厳禁であるにも関わらず、「あの方は本当にいい方」と反対を押し切って成宗に芸で直訴。無謀だと言うジェチに「
男らしいことは出来ないが正しい人でありたい 」とこぼす(11話)。
上のような経緯でソンファを助け、側室として認められたソンファにチョンソンの友人として初めて挨拶したのも彼(5話でソンファと面識がある)。その後は友人3人もソンファを助けるようになる(13話)。チョンソンが内侍になると「一緒に働けて嬉しい」(13話)、チョンソンを慕う女官からプレゼントが届けば「チョンドンは誰が言い寄っても断るさ」、また女官が直接チョンソンにアプローチすれば「説教してやる」(17話)、チョンソンが投獄されれば泣き「チョンドンはそんな人間じゃない!」と発言、牢屋に女官からの差し入れがとどけば憤慨するアップショット(18話)、配属に関し「僕と同じ内膳だったらいいのに」(19話)とチョンソン愛。悪口としては「男に体を売った旅芸人」。その後オム貴人とのあらぬ噂により窮地に。
絶対損するタイプ なので心配。チョンソンが内侍府改革に出たときは、「チョンソンの望むことが、僕の望むこと」というらしい。ソンファ応援に熱心なのは、実際に会って人柄を知っているのと、好きな相手の恋する相手だから?子役(女の子)も抜群に可愛い。最後の役職が字幕で尚○となっていたんですが、ゲナムの品位から想像して、同じ正三品の尚醞(字幕で出なそうだし)かな?
チェ・ジャチ(崔自治)♂....キム・ダヒョン 、
子役・ユ・テウン
3歳から性器が成長しなくなり、10両で内子院に売られた(2話)。3人の中で一番正義感が強く喧嘩っぱやい。内子院時代は威張るハンスと口論しチョンソンにとめられたことも(5話)。その後もたびたびハンスと対立。ナゲムが両親を懐かしがると、「子どもを売った親が恋しいのか?」とつめよる。内侍試験の時はわずかながら性器があるため、イレギュラーで宮中芸妓によって不能と判断され合格(6話)。大殿づきで、成宗から夜伽の女官選定を頼まれる(8話)など、成宗との絡みが多い。チョンソンがハンスの嫌がらせで、ソンファと成宗の初夜係になるとチョンソンが泣いているのを見て動揺、どうしたのか尋ねる(14話)。のち性器が回復し宮女と密通(「テサリ」という)、懐妊させ窮地に(31~35話頃)。見習い終了後の外出を許された日に妓生遊びにみんなを誘ったり(10話)、女官にアプローチされるチョンソンを本気で羨ましがり、その女官に怒るソウンに「嫉妬か?寂しいもの同士、癒しあえばいいのだ」と発言、ナゲムに「食い物と男女の情を天秤にかけるか」(17話)、どうみても将来を暗示。ウソンと彼のやり取りが面白く、それをチョンソンとグィナムが暖かく見守り時には諭し、ゲナムが和ませるのがパターン。悪口としては「媚びるのがうまい」。もちろん言われたときは相手にくってかかり、チョンソンにとめられた。俳優さんはコン・ユ主演の「乾パン先生とこんぺいとう」に出演、主演オ・マンソクと同じミュージカル俳優。最後は大殿内侍のままだが、重役会議にもいたので出世したんでしょう。
ソン・ナゲム(宋開男)♂...イ・ゴンジュ 、子役:メン・チャンミン
おデブで食べるのが好き。いつもニコニコ、母親が泣きながら「ここなら飢える心配がないよ」と泪ながらに別れを告げたときも「これでお父さんの看病にあててね」と悲壮感が少ない(2話)。幼少時に犬にかまれ性器を失った。吃音がある。内子院時代は勉強が苦手で、お笑い担当。ソウンの笛で感傷的になり、お父さんの腰を心配し涙。内侍試験ではチェ参奉に合格できるか心配されていた。案の定、筆記でカンニングしようとして試験管ににらまれ、口頭試験で落ちそうになる(6話)。チョンソンがギチョムの養子になったのを真っ先に聞きつけ仲間に知らせたのは意外にこの人(13話)。宮中では掃除係で仕事にプライドもあるが、出来たら台所のセクションに勤めたいらしく、チョンソンの配属話では「人は腹をすかせず生きるのが一番だ」と名言を残す(19話)。チョンソンが投獄されれば「チョンソンを信じてるよ、満腹なら拷問にも耐えられる」と食べ物を差し入れ(18話)。悪口としては「字を知らない大飯食らい」。意外に出世して尚茶(正三品)になる。子役出身の俳優さん。
ホン・グィナム♂....キム・ヨンジュン 、
子役:シン・テフ
赤ん坊の頃に親によって糸で性器を切られ、12両で内子院に売られた(2話)。容姿端麗で性器の切り口も綺麗。確かに幼年時代は非常に美しい少年。親はチェ参奉から「はじめから売る気で育てたな」と皮肉られる。ソウンの笛で感傷的になり、「うちの母さんも悲しんでるはずだ」と泣くわりにゲナムには「男なんだから泣くなよ」といい、ジェチに「鼓子が男なもんか」と返される(5話)。4人の中で一番口数が少なく目立たないが、卒業時にノ内膳からは「将来大成する」と言われた(8話)。成長後は容姿端麗なのかなあ?内侍になった祝いの席では、ソウンから「キム女官が好きだろ?」と聞かれ照れジェチに「お前は堅すぎる」(10話)、敵対する内侍から「融通が利かない堅物」といわれていた。ソウンがソンファの件を成宗に知らせようとしたときも、「内侍が立ち入る問題ではない」と止める理性的な人(11話)。チョンソンが投獄されれば真っ先に「潔白だと信じてる」という頼もしい友人(18話)。最後は監察部長に出世する。
「王と私」 完全分析" 内侍 固定概念を破れ!にこの4人が「花内侍4人衆」として紹介!!
4人に目をつける人はやっぱりいるよね?とうれしいです笑
※上記の悪口は5人でいるところハンスの手下に言われたもので(17話)、チョンソンは「祈祷師の息子」でした。彼らも高い出自ではなさそうですが。またハンスは友人じゃないけど内子院同期だし、その中で
去勢手術を受けたのは彼だけなので 追記↓
チョン・ハンス(鄭漢守)....アン・ジェモ 、
子役:ペク・スンド
チョンソンの生涯のライバル。内侍府長や権力の座だけでなくチョンソンに屈折した感情を抱き執拗に追い詰め、ソンファ廃位にも大いに働く。両班だが家は窮乏し、ノ内膳から借金。内子院新規生募集の張り紙を見て応募。身分が高いのと「親の許可がない」と追い返されれる(2話)。その後、泣く母を説得し親の同意書を持参、20両で売られる。ノ内膳に15両の借金を返済、お金を投げ与え捨て台詞を残す。この一件でノ内膳におおいに気に入られる(2話)。実は内子院同期で去勢手術を受けた人は彼だけで、ソウンらが手術を不要だったのに比べ、生存率3割をこえた強者。手術はケドチが担当、アシストはチョンドン。また去勢後3日は水を与えられないため地下牢にとじこめられていたところをチョンドンに目撃される(3話)。
内子院では常に主席でいばりんぼ、雨の日にソウンの笛で感傷的になったみんなに対し「鼓子(種無し)は人間じゃない」と言って顰蹙をかいつつ、後でこっそり一人で泣いていた強がり(5話)。内侍試験でも主席でギチョムに生意気な質問をし、たしなめられる(6話)。内子院卒業時にはノ内膳に「試験では主席でした」と売り込み(8話)。5年後、小官を追え一人前になった外出日ではいちおう同期のソウンらと妓生遊びに同席。しかし居合わせた義禁府の息子(ソンファの元許婚)に「しょせん種無しが」と罵倒され、息子をボコボコにする誇り高さ(9話)。もちろん両班と喧嘩した罪で内侍府で罰を受ける(10話)。時たま実家を訪れ母に泪する熱い一面も。
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【内子院(私設内侍養成所)の人々】
ケドチ♂....アン・ギルガン
内侍院の刀子匠(去勢手術を担当)で丁人。猟師が嫌で刀子匠になった。チョンソンのよき理解者。ウォラを慕いプレゼントを贈り、ひそやかな愛を育む。寡黙な仕事人で言動はぶっきらぼうだが、自分の執刀で死んだ少年たちを供養して仏像を彫る。六根壷の扱いには慎重で「ろくでもない」といいつつも内侍を尊重する姿勢も見せる。見習い時代のチョンソンを指導、その後も付き合いがある。チョンドンが去勢を頼んだときは、ギチョムの行列に割り込み「チョンドンを諦めてください」と訴え、グムピョと一戦交えなかなかの腕前を披露(酔っ払いだけど)。そのときは「成人し髭もはえたチョンドンが去勢を頼みにきたので悲しくて、母親の思いが辛そうで・・、性器を落とした恩を忘れたのか」と、ギチョムの手術も担当したらしい?(そうしたら何歳なんだこの人)。タンシルの狂言妊娠を知っている。ドンナムに入れ込まないよう忠告したカドチの「俺はあんたを傷つけたくない」がかっこいいです。最後のほうまで生きてるみたい。嬉しい。「張禧嬪」で西人派大臣だったような?(68話)。
チェ参奉♂....カン・ナムギル
ポドゥルの父で、内子院の教官。鼻が赤く道化担当。女遊びが激しく、ウォラにも恋慕するが、のち一夜のあやまちで同衾したタンシルが妊娠(実は偽装)。結婚する。この人最後どうなる?
ドンナム♂
ウォラが可愛がった内子院の生徒で17話から登場。笑顔がチョンソンに似ており、自分を売った母親を恨むが同時に恋しがっている。去勢手術が失敗し10歳で死亡(20話)。カドチも嘆く。
タンシル♀
チェ参奉の妻。実は妊娠を装っていた。将来わが子が内子院を継承すると意気込む。この夫婦のバカップルぶりはほほえましく、ドラマの清涼剤です。
【内侍府(宮中)の人々】
ヤン・ソンスン(尚薬内侍)♂...キム・ミョンス
ギチョムの内子院時代からの友人で煎薬総括。腕は抜群。先王(端宗、睿宗)殺害、ソックン殺害、そのたびギチョムを叱責し拷問にかけられたことも。実はノ内膳の養子もギチョムに譲った。その後も腐れ縁は続き複雑な信頼関係を結び、結局毒殺疑惑からギチョムを救う証言をする。内侍と宮廷の陰謀に疲れ、ギチョムとは対照的に政治に関わらない。たびたび酔って、口癖は「人生とははかないものよ」。自分で性器を切ったチョンソンが危なくなったときはギチョム宅で看病し、宮中に入ってからその傷口が化膿したときは現代さながらの手術を試み、「二度も生死のふちをさまようとはたいした男だ、なぜ成人後に去勢した?」と聞く。ハンスの野心も小宦時代からみぬき、主要人物の暗部を目撃する運命の人。最後はチョンソンに同調し燕山君に意見するらしいのですが・・。大丈夫かな。よく見たら「張禧嬪」(03)で仁顕王后の兄役でした。
ド・グムピョ....ハン・ジョンス
チョギムの側近で護衛内侍。ヒラ時代のハンスの上司で、「お前の剣は激しいだけだ、柔よく剛を制すを学べ」と諭す。誰かを暗殺するときはいつもこの人が担当、相数の人を殺してきた(ソックンなど)。アクションシーンで活躍するマッチョ。もちろん内子院出身で、昔のあだ名は「ト将軍」。ドラマ初のせりふはこの人。チョンソンに「なぜ成人後に去勢した?」と聞いたり、寡黙な彼が時たまみせる優しさ(?)もドラマの醍醐味。チョンソンのソファへの思いを気づき、黙っていてあげているみたい。ソリョンやハンスから「忠犬」と言われるが動じない。しかし訓練中、ソリョンを見かけたときは不覚にも怪我。ちょっと同調するところがあるらしい。最後はギチョムとともに殺される。チョギムには幼少時代に拾われ、刺宮してもらい、皮膚病の時は膿をすって看病してもらったから忠誠を尽くしているらしい。「風の絵師」(08)では主人公の父親役を演じている俳優さん。
テサリのおじいさん....?
4話に登場。世祖(先代)時代の尚薬内侍で、成人後に性器が成長し始め、妃の一人と密通。極刑になるところをノ内膳に助けられ、宮中を出された。その後は隠れて暮らし、睿宗殺害時に毒薬の調合を秘密裏に頼まれる。暗殺成功後、ギチョムの命を受けたグムピョによって殺害。「テサリ」とは、生来の不具だったものが成長後に性器が発達すること。ジェチものちにテサリに。
ユン・ソックン♂
若い内侍でギチョムのファン。尚薬の配属。ヤンソックンの生死を振り切り内婚禁止令撤回運動に参加。睿宗毒殺を任され口封じに殺害される。顔が濃い。
六根壷
内侍の重要アイテムなので記載。切除した性器を塩漬けにして保存する壷。「性器がないと成仏できない」という仏教の教えによる。内侍が何か抗議するときはこの壷を持って大騒ぎするのがお約束。内侍試験に受かると内侍府に移され、内侍が死ぬか宮中を出るときに返還。しかしソウン、ジャチ、ゲナムは上記理由から入れるものがないため、壷は?代替物でも入れるのでしょうか。清代の宦官は自分のがない場合、木や玉で彫った性器を柩にいれ供養したそうですが。