ショウ・ブラザーズ古装電影『妲己』(1962)

d0095406_20115235.jpg 30歳で服毒自殺した香港スター林黛主演、岳枫監督の時代劇。古代中国の悪女、紂王の寵姫にして殷を滅亡させた妲己(だっき)が主人公。SB歴史美女ものといえばリーハンシャン監督で、「華やかな群舞、善良ながら運命に翻弄される悲劇的美女」という『王昭君』(1959)等と内容がかぶっているが、この作品のほうが面白かった。この映画は林黛の自殺後一ヶ月で封切られたらしいです。

・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 紀元前11世紀、殷は紂王の治世。紂王は暴政をしいていた。西伯候(姫昌)はそれを諌めるがかえって幽閉され、息子の姫発は紂王への憤慨を強める。また姫発は冀州侯の娘、妲己と惹かれあっていたが、妲己は父を殺され後宮に入れられる。父の復讐を誓った妲己は酒池肉林を繰り広げ、紂王を堕落させ王后となる。憤慨した姫発は妲己を殺そうとし、姫親子はあぶなく殺されそうになるが、ついに息子の姫発が反殷軍を組織、殷の王宮を襲う。混乱のなか妲己は紂王に殉死を迫られるが、真に愛しているのは姫発と言い残し妲己は火中に倒れる。紂王は姫発の放った槍で殺され、姫発が妲己を抱え「死ぬな!」といい劇終。
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蘇妲己
 冀州侯蘇護の娘。姫発(後の周の武王)と心引かれあっていたが、殺された父の復讐を誓って後宮入り。王后となり紂王の寵愛をあつめ、「酒池肉林」など堕落させる。侍女のいいなり感があったが、最期、紂王に「おまえなんか死ね、私が本当に愛するのは姫昌だけ」とタンカを切ることろは迫力満点。林黛は顔のパーツが大きく現代的で古装には不釣合いと思っていましたが、ここでははまっていました。はまってなかった『王昭君』とは何が違うんだろう。

紂 王
 殷の第30代の王。夏の桀と共に暴君の代名詞。イメージしていたのはスケベだめおやじでしたが、映画前半では美丈夫で声もいいし威厳あり。臣下を誅殺する際、他人に任せず自ら剣を取る怖いおっさん。妲己を手に入れてからは奇行が目立ち、ダメおやじ度が加速。だんだん情けなくなってくる。作中、臣下を殺すこと4回、殺害未遂になると数えるのもばかばかしいほどの短気な王様。この時代ってまだ「皇帝」と言わないんだっけ?ずっと「大王」と呼ばれていた。

姫 発
 周の初代・武王。殷時代の西伯候の子で、紂王に見初められる前に妲己と出会い惹かれあっていた。父の西伯候は紂王によって一時幽閉。王后の妲己を「亡国の根源」とみなし誅殺しようとし、さきに幽閉されていた父ともども殺されそうになるが、妲己の計らいで命は助かる。のち反殷軍の先鋒となり王宮を急襲、紂王を自ら殺害するが、同時に妲己も戦火で失う。

智 妍
 常に妲己のそばにつき従い、後宮入りにも相伴する腹心の侍女。父の敵討ちを妲己に薦めたのも、姫発とのロマンスも把握し姫発助命に水面下で動いたのもぜんぶこの人。最後まで妲己に忠誠を尽くすが、反殷軍が王宮を襲った際に矢にあたって死ぬ。演じるは林黛と同じくショウブラ古装に欠かせない丁紅。

尤 渾
 殷の特使で紂王に重用されているが、強欲で公私混同が多い。妲己に目をつけ強姦しようとするが、それが見つかって紂王に刺殺される情けない小悪人。前半の悪役。

西伯候
 名は姫昌、姫発の父。紂王を諌めるが幽閉され、釈放後に死ぬ。のちの周の文王。

蘇 護
 妲己の父で冀州の王。けっこうおじいちゃん。紂王に殺されてしまう。

王 后
 紂王の先の正妻。妲己の入内を知り謀殺しようとするが、それ発覚し処刑される。

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 刺殺シーンに拷問シーン、酒池肉林とエログロ風味ではありますが大人しめなのでまだ見られました。入浴シーンが多いと思ったら、「酒池」だと気づいたのは見終わった後。道理で牛乳風呂みたいな白濁した湯だったなと・・。よく聞くような人肉食とかは出てこなかった。『封神演義』等では狐の化身だのと設定されている妲己を、自らの意思で父の敵討ちのため紂王に嫁し、姫発との悲恋に生きた女性として描いています。そのわりに計画立案も実行も侍女の智妍で妲己本人は泣いてるばっかりだけど。戦闘シーンもかなり豪華で、やる気なしで見た割りに面白かったです。
by hungmei | 2009-01-02 20:40 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(3)
Commented by タケ at 2009-01-02 23:57 x
あけましておめでとうございます。

本作で紂王を演じた申榮均(シン・ヨンギュン)は、韓国の俳優で、作中でも韓国ロケらしき風景が登場していました。
アジア映画祭(当時)主演賞受賞コンビの主演作でもあります。

プロフィールはこちらです。
http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/sinyongyun_p.html
Commented by hungmei at 2009-01-03 09:26
おめでとうございます!今年もよろしくお願いします。
韓国俳優との競演って他にもありましたね。日本の俳優ともそうだし。
韓国ロケっぽいところは気づきませんでした。主演賞をとったのは
別の作品なんですか?
Commented by タケ at 2009-01-05 00:41 x
シン・ヨンギュンがアジア映画祭主演男優賞を受賞した作品は『常緑樹』(1961)でした。
http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/sinsanok_joryokuju.html

『妲己』では韓国の大鐘賞主演男優賞を受賞していました。


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