米国NBCドラマ『かわいい魔女ジニー』(1965-1970)

d0095406_8103595.jpg  30分のシットコムで同時期の『奥様は魔女』(原題『Bewicthed』、1964-72)の後発ドラマ。大体火曜か木曜夜7-8時台、、日本でも翌66年から中村晃子、相川欽也らの吹替にて放送。しかし未だとポリティカリー・コレクトの点から中東へのオリエンタリズム、女性表象のフェミニズムの問題で地雷ありです。主役カップルが結婚したら終わってしまったのが寂しい。原題「I Dream of Jeannie」の意味がよくわからないのですが(実は夢オチが企画されていたとかなんとか)。全139話DVDが日本のアマゾンでも輸入版として発売中(リージョン1、英語音声)。

・・・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 NASA宇宙飛行士であるトニーは、任務中にアクシデントから無人島へ不時着。そこには謎の壷があり、あけてみるとなんと精霊(ジニー)が出てきた。彼女は2千年前から壷に罰として閉じ込められており、自分を解放してくれたトニーを「殿」と呼んでカリフォルニアの自宅までついてくる。ジニーはトニーを喜ばそうと奮闘するが、的外れな魔法と間抜けな性格から役には立たずトラブルだけを巻き起こす。親友で同僚のロジャーはジニーの存在がばれないよう、トニーに協力。上司のベローズ大佐はトニーの周辺で起こる超常現象を不可解に思い、真相を究明しようと調査を始める・・を毎回一話完結で放送のコメディ。その後5年間ご主人様と精霊としてすごした後、二人は結婚。のちには息子をもうける。

・・・・キャスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジニー(のちにジニー・ネルソン):バーバラ・イーデン
 中東に伝わる壷に閉じ込められた精霊(ジン)。実姉や母がイラクにいる。自分を壷から出してくれたトニーを主人とし、魔法を使ってその望みを叶えようとするが、頭が弱い上世間知らずで基本的にトラブルの元にしかならない。ご主人様と結婚できれば魔力を失ってもいいとトニーを追い掛け回す(これで逃れられる人は滅多にいなそう)。のちジニーへの気持ちを確信したトニーからプロポーズされ、晴れてMrs.AnthonyNelsonとなる。演じるイーデンは1934年アリゾナ生まれの女優。キャットアイがキュートなジニーは60-70年代テイストファッションも満載、彼女の存在感なしでは語れません。シリーズ中ではアホなジニーも、その後の特番(1985年と91年に二度放送、I D of J 15 Years LaterとI Still D of J)では自立した女性に描かれているらしい。

アンソニー・ネルソン少佐(トニー):ラリー・ハグマン
 アメリカ空軍所属でNASAの宇宙飛行士。ミッション中、無人島に不時着してジニーを拾う。はじめはジニーによって巻き起こされるトラブルに翻弄され憤慨するが、なし崩しに取り込まれ最後はジニーに甘い。人間と結婚すれば魔力を失うと聞いて第二シーズンで早くもジニーにプロポーズしているが、その後もダブルデートに出掛けたり、恋人のような主従関係が続く。しかしジニーが中東へ帰ることになって同居5年目にして結婚。模範的軍人でエリート、猛烈仕事人間だが、ジニーに振り回され(はたから見ると)奇行が多い。魚、米が嫌い。演じるハグマンは一族の愛憎を描き13年続いたドラマ『ダラス』(1978-91)で悪役が印象的な伝統的アメリカイケメンで1931年生、お母さんは有名な歌手。ガタイが良くて老けるのが早かった。

ロジャー・ヒーリー少佐:ビル・デイリー(クリックでプロフに飛びます、英文)
 トニーの同僚で親友。トニーやベローズ大佐が紺の制服なのに対しロジャーは深緑の制服を着用、陸軍所属らしい。ジニーが精霊だと知っているのはトニーとこの人だけ。プレイボーイでトニーとは大違い、ギャンブル大好き。堅物トニーと名コンビだが、交通裁判でトニーに不利な証言をするなどお調子が過ぎたり、非行で上層部からにらまれたり。不良軍人?とても宇宙飛行士に選ばれたとは思えないのだが、並外れて向いているのか。演じるデイリーはシットコムで活躍した1928年生まれの俳優。吹替えのキンキンもいいが、デイリーの早口のせりふと口癖「wait a minute,wait a mitute!」はこの物語には欠かせません。終盤にはトニーがロジャーにも結婚を、と珍しくトニー自ら動き出すデイリー脚本のエピソードも。

アルフレッド・ベローズ大佐:ハイデン・ローク
 トニーの上司。軍医で専門は心理学。トニーの周囲で怒る不可解な現象(主にジニーが原因)に疑問を抱き、ネルソン少佐研究に血道をあげ何かあるたびに上層部に報告するが、トニーとロジャーの隠蔽により全て空振り。上層部には頭のおかしい人だと思われ一時は失職しそうになったことも。初めはトニーのシッポをつかむとストーカーじみた意気込みだったが、妻のアマンダとともにトそのうちトニーと仲良くなる。彼に真相がばれたときがこの物語の終わり(137話:ハリケーン・ジニーでそれが伺える)。厳格な風貌だけに、彼がジニーに振り回され回りから笑われるシーンはすごっくおかしいです。演じるローク氏は85年の特番ドラマ後、87年に76歳で逝去。映画「」()への出演も印象的な名俳優です。

アマンダ・ベローズ(ベローズ大佐夫人):エマリン・ヘンリー
 ベローズ大佐の妻。それほど超常現象を気にしていない。第二シーズンより登場、特にトニーとジニーが結婚してからは、仲人もつとめ夫婦ぐるみのお付合い。婚後は人間として生活する機会の増えたジニーの世話をやく姉御肌で、ジニーとは違ったかたちでさわぎのきっかけを作る。トニーとジニーの結婚は原作者シドニィ・シェルダンも反対し打ち切りの原因といわれますが、二組の夫婦漫才を見るようでアマンダの活躍は大好きです。演じるヘンリー氏は79年没(享年50歳)。数々のドラマで主婦役を演じるも生涯独身でした。

I Dream of Jeannie 15 Years Later (1985)の紹介
I Still Dream of Jeannie(1991)

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 このドラマ、第一シーズンはじめではキスをねだるジニーに「僕たちはプラトニックな関係だ!」と突っぱねるトニーでしたが、20話以降では熱烈口キスをするわ、正気の時も魔法にかけられた時もあれどジニーと結婚しようとしたこと数回。ご主人様と精霊といっても恋人同士だと気づくまで時間がかかりました(今回、全話見通して初めて気づいた、告白とかわかりやすいイベントがないと恋人と認識できない単細胞なもので・・)。ベローズ大佐はジニーが精霊であることこそ知りませんが、第一シーズンで既にトニー宅で料理する人間姿のジニーと会っており、たびたび人間姿でトニーと外出するジニーははたから見れば明らかに同棲って感じ。バレバレやん!このドキドキを結婚で変えてしまったのが賛否の分かれめ?米国軍やNASAは軍人のプライベート把握してそーな気もするけど、コメディですから当然か。
by hungmei | 2008-12-25 08:42 | 5雑感など | Comments(2)
Commented by hungmei at 2009-01-01 17:58
しかしトニーは第一シーズンだけでも婚約破棄1回(メリッサ)に結婚式キャンセル1回(ジニー)、相当プライベートのごたついた人と思われているのでは。ロジャーも全シーズン通して結婚式キャンセル数回(ジニーと1回、ジニー姉と1回、あとあったかな?)だし。軍人って私生活が荒れているとマイナスなんじゃないのか?との疑問も・・。トニーはかなりの艶福家か、ジニーの姿はたびたび見られているので、一人の女性とすったもんだでもめていると思われているのかのどちらかでしょうか。

ちなみにほとんど恋人同士の二人、乗り気のジニーにトニーが結婚を拒む理由は「精霊と結婚したのがばれたら宇宙飛行士をやめなければいけなくなる」、「子どもが生まれたら精霊で魔法を使えるようになってしいまう」、というもの。少し弱い気もしますが、ドラマの大前提なので全編に通底しています。また子どもは性別に関わらず魔法を使えるとされていましたが、「娘の場合だけが使える」とするエピソードもあり、どっちなんだ?物語では二人には魔法が使えない息子一人。でも59話では「普通の人間と結婚すると精霊は魔法を使えなくなる」となっていたけど、結婚後もジニーは魔法を使えている。

Commented by hungmei at 2009-01-20 11:03
追記:
よくよく見ていたら、人間に化けた(?)ジニーは家政婦ということにしてあるらしい(83話:Divorce Jeannie style)。だからベローズ大佐もアマンダ夫人も、トニー宅にいっつもジニーがいても驚かないのね。この話ではアマンダ夫人が二人は既に結婚していると勘違いしたり。余談ですがジニー役のイーデンは『ダラス』終盤シーズンで、トニー役だったハグマン演じるJ.Rを陥れる役で出演しています。時の流れを感じる・・

【おまけ】
作中のトニー宅があるフロリダのココビーチHP、「I Dream of Jeannie」通りがあってよく看板が盗まれるらしい。HPトップにはジニーの住んでいるピンクパープルの壷がころがった海辺が描かれています。
http://www.cocoabeach.com/index.html

それから、第三シーズンはジニー姉とハワイロケが頻繁なのですが、その際に出てきたハワイアンミュージックレストランを経営する歌手の方のHP。
http://www.donho.com/


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


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