リーハンシャン監督躍進の一端、『貂蝉』(1958年・古装劇)、『江山美人』(1959年・黄梅調)、『倩女幽魂』(1960年・古装劇)に続く金馬賞受賞作。大スターでお色気ムンムンの李麗華が武則天を演じ、皇帝小生の趙雷らが脇を固める。後にアクション映画で名を馳せるキンフー監督出演。内容も監督も主演女優も
『楊貴妃』(1962)とかぶりまくりだが、女帝なぶんこちらが面白かったです。唯一の突っ込みどころは、OP音楽が『金瓶双艶』(1974)とまるきり同じなこと。ありがち。
・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
唐代、武才人(李麗華)は、太宗の死後尼になっていたが、高宗(趙雷)が彼女を見初め、昭儀として後宮入りさせる。皇后(張仲文)は彼女を呪詛し、それが露見し庶民に落とされる。反対をおしのけ武昭儀は皇后となる。それに従い武皇后の第一子が皇太子となるも女遊びにうつつを抜かすバカ息子で、房事中に死亡。まもなく高宗は死亡し、死んだ皇太子の弟の中宗が即位するが武則天により廃され、その後の睿宗も廃位。また張昌宗(張英才)・張易之(張沖)を男妾とし、数々の臣下を殺しついに武則天が皇帝となるが、謀殺してきた亡霊たちの幻覚を見ながら彼女は息絶え、一晩だけの玉座に終わる。
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丁寧、羅維、喬荘、洛奇が出演。リーハンシャンのブレーン王月汀編劇。わっかりやすい悪女物語でシャクにさわるが、『西太后』(1988)といいリーハンシャン監督の悪女ものっていい。また古典美人ものが得意な同監督で『王昭君』((1964年)、『[女旦]己』(1964年)などの林黛主演がありますが、
李麗華の方が特に皇后だの女帝だのにははまっている。林黛って庶民的美人に見えてあんまり後宮って感じがしないんだけど。あと楽帝はオミズっぽさがないのでやはりこれは李麗華なんでしょう。趙雷の高宗が若すぎて、李麗華と画面でつりあわない。『楊貴妃』では厳俊が皇帝だったから、ちょうどって感じだったんですけど。それから長い年月をテロップで説明しはしょってあり、長さのわりにはよくまとまっていたと思う。潘金蓮が妖艶だった張仲文は王皇后役で、なぜかいつもよりブサイクに見えます。主役を引き立てるため?第一子・弘のばかっぷりが度を越していて気の毒になりました。