武漢楚劇団演出、新編古装劇。
楊門女将ものは京劇を始め、あらゆる中国地方劇に見られる演目ですが、中でも穆桂英は夫である楊宗保も舅もコテンパンにしてしまう女丈夫。個人的には楊門のほかの女性より目立ち彼女が主人公の演目も多い(『穆桂英掛帥』・・・穆桂英、元帥になる、とか)ように思います。それが「休夫」となれば、あのお
強い女将軍がついに夫を離縁?と興味しんしんで鑑賞しました。楚劇は武漢をはじめ湖北省の劇のようで、こちらも初鑑賞。1997年11月、中央電視台・広東電視台。
商品紹介
-------あらすじ-------------------------------------------
北宋の時代、宋の正規軍の楊宗保♂はふとした事から山賊の娘・穆桂英♀に出会い、一目ぼれされる。武術の面で穆桂英にコテンパンに負けた楊宗保は、穆桂英からのプロポーズを受け入れ結婚。しかしそれを知った叔父の楊延昭は激怒し、楊宗保をふんじばって連れ帰る。穆桂英はそれを追いかけ、宗保の余太君と対面。非常に気にいられるが、姑の柴郡主とは育ちが違うせいでギクシャク。また八人の嫂たちとも紆余曲折があり、ついには夫の楊宗保との関係にもひびが入って「あんたとなんか離婚してやる!」と宣言し山へ帰る。慌てた余太君、楊延昭らは総出で桂英の実家の山に迎えに来る。心打たれた桂英は離婚を取り下げ、楊門に帰ることを承諾。そして穆桂英は北宋の元帥に任じられる。
----キャスト-----------------------------------------------
穆桂英...王筱枝
自分でコテンパンにのした楊宗保にほれ込み逆プロポーズし、意気揚々と婚家に挨拶するが、育ちが粗雑なのでちょっと浮いてしまう。しかも夫ともケンカ、離婚宣言をして実家へ帰ってしまう。紅い衣装のかわいい少女といった趣。主役だけに可愛らしいですが、アップだとお顔のたるみでお年が伺えます。そこがちょっとキツイ。
楊宗保...宗 涛
楊門の九番目の息子(末っ子)。任務遂行のため穆桂英と戦うが負け、かえって相手から求婚される。野蛮な妻を必死に説得し親族と協調させようとする姿に思わずときめきました。穆桂英と並ぶと、どうも気苦労の絶えないお父さん(お兄さん)と心配かけどおしの娘(妹)って感じで、対等な夫婦というより保護者と被保護者みたい。白×青の衣装も赤の衣装がステキ。
余太君...張光明
楊門の古老で楊宗保の祖母。穆桂英を気にいらない息子に比べ、初対面から彼女を気にいり、何かと世話をやく。柴郡主との仲を仲介し、八人の嫂たちにわたりをつけ、桂英が実家に帰ると一族を引き連れ迎えにゆき、穆桂英を楊門の嫁として受け入れ元帥にすえる。ばあさんに気にいられれば万事OKか。
柴群主...張一平
楊宗保の母で北宋の皇族出身。黄色い衣装で高貴さアピール。育ちが高貴なため、野育ちの穆桂英とはじめは反目するが、余太君の取成しもあって最後は和解する(不自然なほどあっさり穆桂英に懐柔されている)。のちは八人の嫂との仲を仲介し穆桂英を助ける。
楊延昭...干或楽
余太君の息子(おい?)、楊宗保のおじ。叩きのめされた上にその相手と結婚した甥の楊宗保に激怒し、穆桂英と引き離して連れ帰るが、のちに和解する。主張は正しいと思う・・・。穆桂英の武技を認め、元帥に任じる一端を担う。
九 妹...夏青玲
ジャケットに名前があったのですが、作中そんなに目立つかというと?俳優さんが著名な方なんでしょうか。
穆 瓜...呉志偉
穆桂英の下男?丑でかわいいです。人間だけど動きはサルっぽい。
四夫人...朱金芳、八夫人...王瞼峰
それぞれ楊門の嫁で穆桂英の嫂。この2人は夫が戦死し寡婦となっている。
楊■鳳...杜順萍
余太君お気に入りの内孫(?)いつも傍らに控え、穆桂英とも意気投合する。
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群舞があったり、アクロバットな武技があったり、アクションが派手で唄も激昂した感じが雄雄しかったです。これしか見たことがありませんが楚劇のイメージ通り。穆桂英と楊宗保の新婚ぶりは見ていて飽きないのですが、親戚との折衝だけをずーっとやっているとだんだん飽きて、後半辛かったです。姑の柴郡主との和解なんかあっさりしすぎて拍子抜けだし。その短気さがいいのかもしれないけど、いいとこの坊ちゃんと結婚したら親戚でもめるのは当然だろうよ、とどうもここでの穆桂英には同情できず。「媽媽」「奶奶」など、親族呼称が現代的でした。(時代劇ならお母さんを「娘」とか呼ぶイメージ)。