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河南豫劇電影『花槍縁』(1985)

河南豫劇電影『花槍縁』(1985)_d0095406_15272513.jpg  京劇『対花槍』でも有名な、老旦(女性の老け役)が武技で大活躍という珍しい内容。もともとはこの豫劇が本家のようで、後に京劇に移植されたらしい。『穆桂英掛師』なんかと同じ流れですね。このVCDは内容もさることながら、このジャケット写真での武旦の美しさに惹かれて購入。豫劇は常香玉主演の『花木蘭』など、女将軍ものが得意なんでしょうか。それはステキ!声が甲高いのが苦手ですが、レトロな戯曲映画ふう背景もあいまって楽しく見られます(1985年作品)。


本編の動画はこちらから

------あらすじ-----------------------------------------------
 羅芸は科挙を受けに行く途中病気になり、南陽の姜家に滞在。そこで姜桂枝と知り合い結婚、桂枝から家宝の花槍を預けられる。羅芸は全快後、上京し、将軍・秦旭に認められその娘と結婚。羅成という息子が生まれる。四十年がたち、隋の末、羅芸は再び戦争に参加していた。姜桂枝は夫の消息を聞き、子の羅松、孫の羅煥を上京させ談判に行かせる。羅芸は体裁を気にして彼女を妻と認めようとせず、その上、正妻の息子の羅成は戦いを挑む。しかしかえって甥の羅煥に生け捕られ、姜桂枝の意思を父に伝えさせられる。しかし羅芸は納得せず、姜家へ殴りこむが、激怒した姜桂枝と戦い負ける。最後には羅芸が桂枝に謝罪し一家団円。夫婦達も、兄弟達も照れ笑いで寄り添う。
-----キャスト----------------------------------------------
馬金鳳(飾:姜桂枝)
 この劇の女主人公で姜家のゴッドマザー。四十年前、道中病に倒れた羅芸を助け、結婚。子の羅松を産む。羅芸が上京後は音信不通となり、四十年後その消息を聞きつけ息子と孫を派遣。羅芸に姜家に戻り婿となるよう頼むが、羅芸が拒むとそれを受け戦う女丈夫。老婆姿と若いときの姿は馬の二役のようです。でも40年待ったのがまずスゴイ。

羅 成(飾:李広海)
 羅芸と秦旭将軍の娘との間の息子で、羅松の異母弟。父に庶子(羅松)がいると聞き激怒し姜家の攻め込むが、かえって甥(しかもかなり年下)の羅煥に打ち負かされ落ち込む。ふてくされる姿はちょっとかわいい。証拠の靴を預けられ父に姜桂枝の意思を伝える羽目になり、父が姜桂枝に負けたときは、父の命乞いをする。最後は姜桂枝を敬愛するようになる素直さん。

羅 芸(飾:任四亮)
 道中滞在した南陽で姜桂枝と結婚するが、全快し上京した後は音信普通に。しかも高官となり、秦旭将軍の娘と結婚。羅成をもうける。正式に結婚式をあげたくせに糟糠の妻を捨てる最悪の男。最後は大反省し、同僚に冷やかされながら、姜桂枝の鞋で顔を叩いて謝っていた。

程咬金(飾:馬東法)
 姜桂枝と羅芸の仲介をし、ケンカを治める(というか、この場合、羅芸が100%悪いけど)ひょうきんなおじいさん。このほか、羅芸の同僚一同が羅芸VS姜桂枝戦をいちいち馬家のある地域まで見にきている。何やってんだか。最後の和解のところなんか、みんなくすくす笑いで冷やかしている。

羅 松(飾:楊建洛)
 羅芸と姜桂枝の息子で、羅成の異母兄。数十年音沙汰のない父を尋ね、息子とともに上京する。この人もかっこよい。この映画、男性人が美or丑のどちらかしかいない。普通はないのか?姜桂枝が羅芸を殺しそうになると止めに入るなど、異母弟(羅成)に比べ思慮深い性格。
 
羅松妻(飾:陳 貞)
 羅松の妻。おとなしくて控えめ。息子(羅煥)に負けた羅松を迎え入れ、兄嫁として挨拶するが、拒否される。でも耐えるできた女性。姜桂枝の横に常に控えている。最後の曽祖父母対決シーンでは彼女も武装していたので、戦えはするのでしょう。

羅 煥(飾:谷 霞)
 羅松の子、羅芸と姜桂枝の孫。童形。喧嘩っ早い。おじの羅成と橋で偶然出会い一戦交えるが、余裕で勝利する遠慮のなさ。その後羅成とやりあう姿は可愛らしい。女優さんに見えますが武技シーンは必見。豫劇すごい。曽祖父母の和解に立会い涙する感動やさん。

龍 建(飾:陳 東)、史大奈(飾:王志責)
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 『穆桂英』で楊宗保が穆に惚れられやり込められた後、結婚するなど、中国演劇上では女将軍が強いですね(そして夫が形無しですな・・・)。このへんが戯曲が文学より低く見られてきた原因とか?孔子の教えに反してるし。作中、女性の武技シーンは豪華で見ごたえがあります。それにしても馬金鳳はとてもかわいくて、他の作品も絶対見なくちゃ。最後の和解シーンは曽祖父母に手をつながせようとする孫など、相当恥ずかしいです。微笑ましい・・しかし京の正妻がどうなったんだろ?
by hungmei | 2008-09-22 08:55 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)
Commented by hungmei at 2008-11-10 22:14
主演の馬金鳳さんですが、2006年CCTV戯曲晩会を見返したところ豫劇演員代表で新年挨拶をされていました。ご高齢ですのでご存命であったこと、また女優さんとして肉声をお聞きすることができとてもうれしかったです。
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