出版は中国广播音像出版社、発行は扬子江音像有限公司。1998年発行と購入サイトのデータにありました。黄梅戯の名作中の名作、
映画にもなった作品の舞台版。名優・王小舫、黄新徳も出演です。王は文革で亡くなった厳鳳英と名コンビをなした黄梅戯の立役者。曲はやっぱり時白林、安徽省黄梅劇団演出。
映画版の情報はこちら
----あらすじ------------------------------------------------------
传奇色彩的古装戏。
ヒロインが許婚を救うための紆余曲折を描き、ラストはめでたくその夫と結婚する。馮素珍は許婚の冤罪をはらすため男装して科挙にのぞみ、状元となり、間違いから公主の婿に招かれていまう。しかし持ち前の機転のよさと素直な性格のおかげで性別を偽った罪も逃れ、本来の許婚と結婚。公主はヒロインの家出した兄、去年の状元と結婚してめでたし。「塑造了一个善良、勇敢、聪慧的古代少女形象」らしい。
第一場/馮府の場面。婿側の破産により幼少時からの許婚が破談にされる。
第二場/ヒロインは破談に驚き、侍女のハッパもあって庭で隠れて元許婚と相談する。
第三場/隠れて密談する元許婚を娘の両親が見つけ修羅場に。ヒロインが家出を決心。
第四場/ヒロインは男装して上京し、科挙を受けて状元に。公主との縁談が持ち上がる。
第五場/公主との結婚式。実は女であるヒロインは葛藤する。歌が多く見せ場はここ!
第六場/後宮。ヒロイン、公主、劉大人の3人で皇帝に真相を打ち明ける。最後は◎。
第五場の洞房に続き、この作品のハイライトで、公主と劉大人の掛け合いは傑作。
尾声 /ラスト、公主&兄とヒロイン&許婚という二組の合同結婚式。めでたしめでたし。
-----登場人物、演員-----------------------------------------------
馮素珍(飾 馬蘭)
はじめは家庭不和を嘆く弱弱しいお嬢様だったが、愛する許婚との破談で発奮。親にたてつき、不和に終わるやいなや家出、男装して状元になる。許婚の冤罪を晴らすという当初の目的からはずれ駙馬に招かれ大慌て・・。素直さでいつも誰かから助けられる徳のある人。
春香 (飾 楊俊)
ヒロインの腹心の侍女で、家出にも付き添う。自身は侍者に男装する。許婚救済を強く進言したり、家出案も出すなど、お嬢様のブレーンかつお姉さん的存在。劇で一番声が甲高いしいかにも侍女らしい善良な忠義者。
李兆廷 (飾 夏承平)
ヒロインの許婚で科挙の準備中のお坊ちゃん。しかし両親が死に、破産した末に婚家から破談を言い渡され、「破談はしない」と反抗したせいで冤罪で投獄される。許婚のヒロインによって救い出されるまで牢屋におり、最初しか出番はない。お金に屈しない気骨ある男性。
馮順卿 (飾 李済民)
ヒロインの実父。兄弟の実母である妻を亡くした後は、後妻の尻にしかれ、一人息子は家出、一人娘ともう不仲。お金を積んで李兆廷に破談にさせようとする。ラストシーンでも出番はないが、やはり子ども二人がああなったからには周囲からの視線は冷たそうです。
馮夫人 (飾 江明安)
ヒロインと兄・馮益民の継母。典型的悪役、馮府での家庭不和の原因はこの人。ヒロインと許婚の庭での密談を咎めたときは悪意に満ちており憎たらしいです。でも好きなキャラで、側室出身のかとかいや最初から正室で気位が高いのか・・など妄想。
劉文挙(飾 王少舫)
宰相。実は女であるとは知らずヒロインと公主の仲人になる。結婚式の後、公主から真相を明かされ、困りつつも公主、ヒロイン、彼を含む3人のチームワークによって皇帝を説得する。重臣のはずがお笑い担当でぜんぜん偉く見えない、白髭がかわいいおじいさん。
馮益民(飾 黄新徳)
継母と実父とそりが合わず、家出していたヒロインの兄。状元となり京都で暮らしていた。今年の状元となったヒロインのもとを訪れ、かつての妹であったと知り当然ながら驚愕する。特に何かするわけではないが、最後に公主と結婚する大事な役回りのイケメン。
公主 (飾 梅偉恵)
皇帝の娘。いかにもなお姫様でプライドが高く、気乗りしない婿に「まさか前妻が気になってるんでは?」とつっこんでいた。婿が実は女と知った後は「仙人にでもなれってか?」と激怒するが、意外に素直に協力してくれる。根はいい人?歌が多くて見ごたえあり。
皇帝 (飾 張雲風)
公主の父。今年の状元であるヒロインを見初め婿に迎えようとする。これを見ていると皇后っぽい人はまわりに出てこない。単に出ないのか、皇后不在でそれ以下の妃しかいないの?
劉福 (飾 陳小成)
馮安 (飾 王健健)
この二人はテロップで見たけど誰かわからない。たぶんそれぞれの家の使用人?
-------製作---------------------------------------------------
改編:陸洪非
導演:王少舫、 喬志良
編曲:時白林
布景設計:朱允星、戴維祥
※ここでの破談は、縁談の破棄は男性側から離縁状みたいなのを書いてもらう必要があるらしく、女性側の馮家の意向だけは破談できない。男性側の李兆廷から離縁状を取り付けるため、馮夫妻は彼にお金を渡し破談を承諾するよう迫るが、李はそれに反発。決して離縁状を書かないと宣言したたため、強制的に破談にしようと馮夫妻は李に冤罪を着せる。
------------------------------------------------------------
音が聞こえにくいのですが、名作を豪華キャストで、かつ舞台版録画!それほど長い演目ではないと思いますが、舞台で見ると長く感じる。
映画と違い背景が戯曲っぽくシンプルなだけで、ずいぶん印象が違います。これって、根底には後妻と子どもの対立など、家庭不和があるのねーと・・。舞台版で王少舫のコミカルな演技のたび、観客の笑い声が入っていたのがとても良かった!。見ているこちらも楽しくなってきます。個人的にはこの舞台の馬蘭より、ヒロインが女と明かす「我原来一本釵裾」の緊張感などCDで聞いた呉瓊の方が好き。
同作品の舞台録音、CD『女駙馬』情報