中国四大奇書のひとつ、明代にかかれ何度も発禁の憂き目を見た淫書。山東省を舞台に薬問屋の男主人公・西門慶の色と欲の物語。その妾である潘金蓮、李瓶児、通房Y頭の春梅が題名の由来で、
当時のお金持ち家庭の日常生活、女性陣の日常生活が実に細やかに(時に冗長なくらい・・・)描かれています。設定は北宋時代、妻妾が夫を「お父さん」と呼ぶのに違和感を覚えたことがあります。
徳間書店の文庫版はこれまた中国の淫書にかけては第一人者の土屋氏による『詞話』版(※)の抄訳です。とはいっても、
きちんと総ての回がそれぞれ短く訳されて入っているようで、現在(上)まで出ています。下巻は8月下旬発売予定。平凡社からの全訳は、読破に時間と体力のいる容量と文章のため、文庫でさっと読めるのは非常にありがたいかも・・。
ホラー漫画の大御所わたなべまさこの漫画版は、確か私が中学生頃からレディコミで連載しており、次号を楽しみにしていたのを憶えています。
原作からかなり筋も登場人物も変わり、単純化されすぎているきらいはありますが、絵つきで読みやすいしわたなべまさこテイストが加味されていてオススメ。大きいサイズの単行本で現在は13巻、文庫版は6巻まで出ています。
※・・金瓶梅は、紅楼夢と同じで写本によって中身の少しずつ違い、その中でも『金瓶梅詞話』と題されたものが一番原作に近いらしいです。山東方言が削られたり。
<amazonでの紹介ページ>
土屋氏抄訳の紹介
わたなべまさこ版
おまけ・中国ドラマDVD『新金瓶梅・永遠の愛』気になるけど未見。
越劇にある潘金蓮が主役の演目。白い衣装と水袖演技が素敵です。