武田雅哉『楊貴妃になりたかった男たち』

d0095406_23533621.jpg講談社選書メチエ、07年2月刊。北大教授で中国文学者の著者が、実際の資料や文学作品から異性装の事例をたくさん紹介。厳密に戯曲の本かと言うと違うけれど、越劇はそもそも女性が男役もするし、京劇で有名な『楊家将』『花木蘭』と中国戯曲に女性の軍装はつきもの。許婚を救うため男装する越劇『孟麗君』や黄梅戯3大伝統戯『女附馬』など、明清の文学・戯曲での異性装ブームとか、女性の男装がすっごい魅力なんですよね・・。日本だと巴御前とかしか思いつかない。白拍子はちょっと違うし。よく戯曲では男装の場合でも「耳飾の穴」が女性の証拠とされるんですが(※)、それは伝統的な傾向だったらしい。確かに衣服をひんむくよりは紳士的な確認方法か。

それに女装の必須アイテムは、纏足を装う鞋!古代から女装=人妖と呼ばれ社会的混乱の前兆とされ忌み嫌われ、男装が尊ばれ女性っぽい男性が美男子とされるのに比べ、従来ずっと女装は社会の規律を乱す悪行とされ糾弾される傾向だったとあります。特に清朝末期の新聞による女装した男による結婚詐欺事件の多発など、目からウロコの内容が多数。周恩来や新劇作家として有名な欧陽予倩の女装写真など、ちょっとしたカルチャーショックも(笑)。白人に比べアジア系だと、男女差が目立たず異性装が成り立つと聞いたんですが、確かにごっつい人が女装したらギャグにしかなりませんね。今の時代劇でも結構、女装って出てくるんですよね。あれも伝統だったのか?

※ 越劇『梁祝』では、男装している祝英台に「男性の君に耳輪の穴があいているのはな
  ぜ?」と梁生が聞くシーン、黄梅戯『女附馬』では実は男装した女だと証明するため、相
  手に耳輪の穴を見せるシーンがあります。
by hungmei | 2007-03-26 23:57 | 4ブログ関連書籍 | Comments(2)
Commented by chinafish at 2007-03-27 12:23 x
周恩来の女装写真なんて、これは必見とネットで見ました。
でもどれが周恩来か分かりません。
http://tomcatjerrymouse.blog.163.com/blog/static/4510432007142327371/
Commented by hungmei at 2007-03-27 13:28
「另一部《仇大娘》剧照,周恩来 再一次男扮女装 」とある写真の、左から二番目の女性(?)が周恩来みたいです。犬を連れた丸めがねのおじさんの隣で、おばさんに挟まれて座っています。ちょっとなりきれていない感じもするような。。。


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)

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