『秋菊打官司』張芸謀監督・コンリー主演

今はもっぱらチャンツィーがそうですが、チャンイーモウといえば以前はコンリーと公私ともにパートナー、映画一緒にとりまくってましたね(懐かしい・・)。

この映画はコンリーがノーメイクで農村の主婦を演じ、夫の金玉を蹴って罵倒した村長に対して戦いを挑む物語です。もとはと言えば夫が息子のいない村長をばかにしたのが発端らしいのですが、金を払えばいいんだろ、とばかりに尊大な村長の態度にいたく怒り、家族の制止も公安の説得も聞かず都市の裁判所まで訴えに行く猪突猛進ぶりです。

『あの子を探して』でも同様の、ドキュメンタリータッチ(というか、コンリーとその他何人か以外、本当にロケ地の地元民さん)で撮影されていて、コンリーに見えない・・・。途中、初めて都会に出てきたコンリーと妹が垢抜けない極彩色の服装のせい田舎ものとばれてでボラれ、慌てて服を買い着替えるシーンがあり、うーんリアル・・・と思ってしまいました。実際、中国でどうか知りませんが、農村と都市の落差はよく聞くところだし、自分も首都出身でないためばかにされた経験など考えると、他人事とは思えませんでした。

しかもラストは衝撃です。裁判でも結局敗訴し、控訴を決めていた秋菊ですが、産気づき難産に苦しみ、その際に自分と裁判中である村長の計らいで病院へ行くことができ、無事出産。生まれた息子を間にほのぼのとした和解が成立し、傍観していた夫も反目していた村長も、何とか制止しようとしてた村の李公安も和気藹々としていたら・・・。ここまで書いたらバレバレかな?些細な悪意がどんどん取り返しのつかないところまで発展し、最後は人を苦しめる、以前のチャンイーモウらしい毒のある救いのないラストでした。でもそこがすき。

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当時発足したばかりの新法を理由に、股間のレントゲン写真まで動員し裁判に勝とうとする秋菊、それを助けるボランティア精神に満ち溢れた街の宿屋の主人や弁護士さん、むしろ村長より控えめな李公安と、「夫のメンツのため立ち上がる」という触れ込みに反してもっと自立的というか、安易なヒロイズムでなくて面白いです。終始無愛想・無表情・ぼそぼそ喋るコンリーや他の住民なんか、いかにもって感じ。作中、京劇のような唄が何度も要所要所にはさまれ、村へ巡業に来た劇団の様子なども出てきます。「打官司」といのは、たぶん京劇にある演目からとったのでしょうか?辞書によると、訴え出ること、潔白を主張すること・・とありますが。
by hungmei | 2007-02-27 19:25 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(2)
Commented by chinafish at 2007-02-28 17:47 x
チャンイーモウ・コンリーのコンビは、去年の大作「黄金甲」で復活しましたね。『秋菊打官司』、私は見ていませんが、言われている京劇のような歌は、西安の地方劇「秦腔(しんこう)」が元になっているそうです。「花臉」(悪役)の激昂した歌い方が有名とか・・・
Commented by hungmei at 2007-03-01 18:01
「黄金甲」って気になってはいたんですが、ご覧になりましたか?如何でしたか?ちょっと見たいような怖いような・・。
秦腔がもとだったんですね。確かに激昂した歌い方でした。秦腔は名前しか聞いたことがなかったので、勉強になりました。


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


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