ネットショップ「Jchere」
日本でもネットショップで黄梅戯を見かけます。数はこのショップが一番多いかな?
越劇に比べて、日本でのネームバリューがさらに心もとない黄梅戯ですが・・地方劇の中ではすごく人気のあるほうだし、近年どんどん人気・実力共に越劇を追い上げていて、もしかするともう追い抜いているらしい。農村出身の演劇なのは越劇と同じですが、さらに土臭く庶民的で、ちょっと泥臭いのも魅力。言葉は普通話なので、日本で中国語勉強されている方ならすぐリスニングできます(^^)
日本で手に入る黄梅戯のソフトも本も限られていますが、その中でも今回は概説に関する本と、往年の名作曲家・時白林さんにスポットをあててご紹介。写真のおじいさんなのですが、何が凄いって29年生まれで黄梅戯の生き字引のような方。今でも活躍中・・のはず。今は文革によって亡き名女優・厳鳳英、俳優・王少ほうの時代から馬蘭(新版「紅楼夢」主演)、黄新徳(同出演)、韓再芬(「徽州女人で2000年梅花賞受賞)など現在のスター世代までずっと現役。とても真似の出来ない大御所ぶりです。
下のオレンジ色の表紙の本は、越劇のものも紹介した地方劇の音楽専門書シリーズ。時さんが編集しておられ、さすがの作曲家ぶり。内容はかなり細かい音楽論で、「~板」「~腔」「徽調」など専門用語や音譜がずらっと並び、正直私の語学力ではムリ・・。でも名曲の楽譜は歌詞とタイトルが明記してあって、事典みたいな感じに使えます。京劇も乾隆帝の長寿祝いで北京入りした徽劇がベースになっているので、そのへんの関係にも触れられています。なので黄梅戯の歴史は200年ちょとだとか。今のように発展したのはここ100年と思っていたので、意外でした。
ベージュの表紙の方は同済大学出版社から2006年10月に出たばかりのもの。書虫で見つけ、越劇版を読んでから「黄梅戯版もほしい!」と熱望していたので、勇んでゲットしました。こちらはかなり本格的な戯曲に関する論文集で、今まで読んだような歴史の概説とはちょっと違います。一つ一つのテーマ、例えば俳優さんや有名な演目について、深く掘り下げてあって面白い!ここでは前述の馬・黄・韓がが現代の三大名優として挙げられています。
演目では「天河配」(仙女と人間の悲恋)、「女附馬」(男装した女性を巡る喜劇)、「徽州女人」(魯迅も経験した「文明結婚」の悲劇を正妻側から描く)がトップ3。しかし女優さん、お若い頃と今の顔が整形で(勝手に断定)、かなり違います。若がえってるんじゃなく顔そのものが違う。個人的にお気に入りの呉亜玲(「紅楼夢」黛玉役)がいないのも残念。徐君(TVドラマ「鴛鴦配」主演)も結構好きなんだけどなあ。越劇と比べ、昔からテレビや映画とも馴染みがより深い気がします。中央電視ドラマ「紅楼夢」の柳湘蓮/北静王の俳優さんも黄梅戯出身だし。