【2022/02/17追記】
配音クレジットを確認したところ、阿絮と成嶺を結びつけた李伯伯/老漁夫こと沈保平さんも原声のようです。彼は他の登場人物と違い、普通話(標準中国語)でなく河南語を話しており、沈保平さん河南語おできになるんでしょうか。
河南語は阿絮の出身地たる晋州に含まれるエリア、渡し賃踏み倒して毒づき口真似をして楽しそうだった阿絮、もしかして河南語になじみや憧憬があったのかな?※調べておらず完全に妄想です‥
※お読みになる前に
当記事は山河令DVD&Blu-ray、及びその吹替版を毀損する目的ではありません。その視聴者側の反応に関する内容であることを明記いたします。
※ここから本文
WOWOWでの日本初放送を終え、U-NEXTでも放映が決まった《山河令》。さらにDVD&Blu-ray発売/レンタル、かつ吹替版も収録とのこと。
本国の状況を考えるとなみなみならぬ僥倖ですが、それだけの作品であると考えているのでとても嬉しいです。ただ、危惧していることが…。
何かというと、ネットで見た「"ちゃんと"俳優本人の声に寄せた日本人声優起用で喜ばしい」という意見についてです。
日本放送で配音演員クレジットはなく、そもそも俳優さん原声(地声)だと思われたり。山河令であれば原声は無常鬼(薛飛)と蝎王(李岱昆)の二人。この配音システムは、中国テレビドラマで独特なもの。
俳優起用の際に声は埒外な場合も多く、日本の「俳優本人の声が基本」というのが、あちらでは不思議な考え方かもしれません。配音の理由として、かつては発音の問題がありました。
広い中国、普通話(標準中国語)をスラスラ喋れる人はなかなかおらず(日常生活は現地語)、アナウンサーなどプロの方々が配音をあてるようになったのがはじまり。
1970年代後半に文革が終わり、中国中央電視台が四大名著のーー西遊記、三国志、水滸伝、紅楼夢のドラマ化を手掛けるなど、中国テレビドラマは80年代から本格化。
例えば西遊記では脇役女性の声をほぼひとりでになった名配音演員さんなど、中国時代劇はビジュアル俳優+配音が基本。そもそも原声がイレギュラーです。
現在は普通話を流暢に話す世代も増えましたが、それでも声の役作りとビジュアル俳優採用は特に一本化して考慮されません。上記の二人や陳情令なら聶懐桑(紀季)など、たまたま声と役が合ったからではと思われます。
現場での録音システム整備の問題などもあるようですが、何より配音がある場合、監督含め制作が「俳優本人の声より配音が役にふさわしい」と判断した結果。ドラマ全体を考えた選択です。
配音文化に慣れず敬遠する気持ちはわかるのですが、前述のコメント「ちゃんと」には日本側が正しいかのような含意と、日本基準よ正誤判断かのようで、強い違和感を覚えました。
私は《山河令》もまた、原声より配音演員さんのほうが役にあっていると思います。
他にも、芸能界ビジネスモデルが代わり、アイドルオーディション番組が生まれ(今は禁止)、演技経験や修養の少ない俳優さんが主役になることも。
そうした場合も配音であればフォローはできますし、さらには过审(検閲)対策にも。中国ドラマは全て当局の検閲済みであり、許可がなければ放送できません。
審査の際によくセリフ差替えを指示されますが、検閲には長いと数年かかり、同じ俳優、衣装、セットetc.で撮影し直しは困難。そこで該当部分を再度録音すれば、検閲を通過することが可能。
近年は日本のアニメが吹き替え放送で人気を集め、配音演員さんの数も増えました。ネイティブの友人によると、日本アニメで声を聞き分けることに慣れ多様性が求められているとか。
このような歴史や独自の文化を断罪することは、ドラマに関わる全ての人に失礼なのではと思ったのが違和感の理由です。表から見えないたくさんのスタッフさんへの敬意は…山河令、また配音ファンとして、一言書き留めたく記事にしました。
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