人気ブログランキング | 話題のタグを見る

越劇・黄梅戯・紅楼夢 since 2006



《如懿伝》(邦題「如懿伝紫禁城に散る宿命の王妃」)登場人物

 


2018、19年《延禧攻略》とともに最も話題となった周迅主演の清朝宮廷劇。自分視聴用メモ。ネタバレありなのでご注意下さい!

………………………………………………………………
【予備知識】
※后妃の位階
→皇后(正妻、一人)、皇貴妃(妾、一人)、貴妃(二人)、妃(四人)、嬪(六人)、貴人(以下定数・品階なし)、常在、答応、官女子

※皇后がいる場合、皇貴妃はおかないのが原則。皇貴妃は皇后不在時に後宮を統括することが多い。

そのため継皇后輝髪那拉氏(このドラマの如懿の原型)が断髪して抗議したのは、自分という嫡后がいるにも関わらず、魏佳氏(衛嬿婉の原型)を皇貴妃にしたからという説もある。

※大答応とか、学生なんて妃嬪位階名もあるらしいです。でもよくわらないので割愛。

※親王、郡王の妻妾位階
→嫡福晋(正妻、一人)、側福晋(妾、親王は四人、郡王は三人まで)、庶福晋(以下定数なし)、格格

※皇族でも爵位が貝勒からは福晋でなく嫡夫人(正妻)らしいが、ドラマではそうでもなかった。

※皇子、皇女の爵位、封号
  皇子は満州語音写で「阿哥(アーゴ)」、そこから親王ー郡王ー貝勒(ベイレ/ばいろく)ー貝子(ベイズ/ばいし)ー奉恩鎮国公ー奉恩輔国公…と、個人で得られる爵位は変わる。かつ、特定の恩恵を受けた数家以外は、一世代下がるごとに爵位も一つ下がるので単純に行くといずれ無位無官になる。

  皇女は「格格(グーグ)」、正式には嫡出なら固倫公主、庶出なら和碩公主だが、厳密でない。元に史実で乾隆七公主は固倫公主、同母妹の九公主は和碩公主。従来「和親公主」は和睦のため外藩王に降嫁し、たいてい政争に破れた皇族の娘が公主に封じられるのがオチ。

   しかし清朝の满蒙联姻に関してははてはまらず、対モンゴル政策から外藩親王や郡王に公主が下嫁(降嫁)するのが常。それも北京に公主府(公主の邸宅)を持ち夫婦で住んでいたりする。

※身分差について(非常にあやしい知識)
  おおむね、皇帝ー皇族/宗室ー旗人、包衣(特権階級)ー平民ー奴婢ー賤民

  旗人包衣までは満族、蒙古、漢族の一部、朝鮮系など。清朝成立前から愛新覚羅氏に帰順した人々。

  大多数の漢族、少数民族は平民や賤民、もとが平民でも売られて奴隷になれば奴婢となり、身代金返済まで科挙が受けられない、婚姻、職業制限などがある。高晞月が阿箬を「一日為奴終身下賤(一日でも奴隷となった者は、たとえ身分が回復・上昇しても一生卑しいまま)」と罵ったのもこうした背景。

※八旗
  清の特権階級における軍編成、かつ戸籍。どんな女子供でもどこかの旗に属する。軍服や軍旗の色も揃え、鑲は赤い縁取りだが、正紅旗のみ白い縁取り。

・上三旗(皇帝直属)
正白旗、正黄旗、鑲黄旗
・下五旗(旗主は貝勒)
鑲藍旗、鑲紅旗、正藍旗、正紅旗、鑲白旗

  后妃をだした場合、下五旗所属だとその氏族のみ上三旗に引き上げられることを拾旗という。西太后もこれ。ドラマだと高晞月が八旗包衣出ながら貴妃となり拾旗された。

  この八旗×満州、蒙古、漢軍とあるため、計二十四旗。名誉なことがあると漢軍八旗から満州八旗へ編入されることも。

※選秀女
  皇帝/宗室妻妾を選ぶ戸部主催と、宮女/王府侍婢を選ぶ内務府主催がある。前者は原則三年に一度、後者は一年に一度。受験対象は前者が旗人、後者は包衣(多分)。
   包衣は満州語の「奴隷」だが、高晞月父の高斌のような総督(一品、とても偉い)を務める人材を輩出。紅樓夢作者の祖父、曹寅も漢人包衣ながら康熙帝乳兄弟、江寧織造(高官)となった。

※宮女、太監(宦官)、慎刑司など
※受験資格
   宮女は特権階級出身。宦官は忌み嫌われることや満漢人口差から、基本的に特権階級はならない(と想う)。しかし八旗官員が罪を得ると辛者庫奴婢にはなるそうで…。康煕帝は「太監最為下賤(宦官はあらゆるものの中で最も賤しい)」とのたまっている。

※慎刑司、宗人府
 慎刑司は奴隷対象で太監などの監督、宗人府は皇族の監督、処罰など。《如懿伝》の慎刑司は一時的な罰や尋問。罪が未確定なのに拷問で死ぬ、とかいいのだろうか。

※太監
  宦官=太監のように思えますが、実際は小さい時から勤め、太監は一人前になってから。侍童→監丞→小監→太監。かつ切除手術での死亡率も高い。
  事後がうまくいかず尿毒症で死亡することも。成功し勤めだしても老公(宦官への侮蔑表現)臭いといえばオシッコ臭いの意味。引退した宦官の養護施設も。
   最も不孝な跡継ぎを残せないことを選択したため禽獣と同じ、そのため宮女はイエスの意味で「是(shi)」と言いますが、宦官はそれも許されず「嗻(zha)」。木で模した性器をお棺に入れたり。

※清朝後宮の特色
・明の宦官跋扈の前例から、宦官は文盲であること。北京からは出ないこと。出たら死刑(事実、西太后のお気入り安徳海が北京を出て、東太后らに処刑された)。

・歴代王朝でも後宮の規模が小さい。宮女は多くて三千人、明代の十分の一。また宮女が一生奉公でなく、二十五歳を過ぎて条件を満たせば退職可能、大概結婚する。

・ピロートーク抑制か、夜伽の仕方が厳格。敬事房が御寝を管理し、夜伽に呼ばれた妃嬪は裸のまま簀巻きにされ寝室に運ばれ、制限時間付きで皇帝と性交。

  時間厳守、敬事房などの宦官が容赦なく外からお時間です!と追い立てる。場所も専用の部屋が使用され、事が済むと妃嬪も皇帝も自分の居住宮へ戻るドライさ。

※満蒙の氏名ルール
  漢族と異なり「姓」という認識は薄く、「ーー氏」いった場合、その指す範囲はより広い。かつ、個人名のみを使い、氏族名は公式な場でも必要がなければ使わない。英語で言えば「Clan」。

  「ーー那拉氏」や「ーー覚羅氏」と、末尾が同じなのは親戚みたいなもの。葉赫那拉氏の「葉赫」は葉赫部(女真族統一、後金建国のためヌルハチと激戦を繰り広げ平定された)だったから、烏喇那拉氏も「烏喇」部からきている。ちなみにどちらも部落の地名、葉赫那拉氏は葉赫河から。

  例)富察皇后の弟、傅恒は富察・傅恒、その息子は富察・福康安。佞臣で有名な和珅は録祜禄氏なので、録祜禄・和珅。

※満州八大姓
 という名前はありつつ、文献でバラバラ。

  ドラマで出たのは富察(フチャ)氏、録祜禄(ニウフル)氏、佟佳(ドンギャ)氏、伊爾根覚羅(イルゲンギョロ)氏、西林覚羅(シリンギョロ)氏、伊拉里(イラリ)氏、烏喇那拉(ウラナラ)氏、輝髪那拉(ホイファナラ)氏、葉赫那拉(エホナラ)氏、薩克遠(サコダ)氏、喜塔腊(ヒタラ)氏、他他拉(タタラ)氏、董鄂(ドンゴ)氏、索綽洛(ソチョロ)氏、赫舎里(へシェリ)氏など。

 蒙古系では博爾済吉(ボルチギット)氏、阿魯特(アルート)氏、珂里葉特(ケリェテ)氏。珂里葉特氏は他であまり聞かない。「海」氏ともいい、珂里葉特氏の最初の徽号はここから。博爾済吉氏はチンギス・ハーン弟の阿巴噶が始祖の名門で、本家は清朝でも親王に封じられ尊重された。

  満族以外でも旗人包衣はいるし、特に后妃や国母を出すと、満族風にーー佳氏、と改姓が許され、賜姓という。

 例)金玉妍のモデル淑嘉皇貴妃金佳氏は、朝鮮系包衣出身の金氏。三人皇子をもうけたことから賜姓で死後に金佳氏となった。蘇緑筠のモデル純恵皇貴妃蘇佳氏も、漢人蘇氏から蘇佳氏へ。清朝皇族は満蒙漢の血を受けた。

  噂だと百回以上あったエピソードが八十七話になっており、検閲で話数が減るのは中国時代劇の常とはいえ、それ以外の要因で大幅改変かも。セリフに違和感を覚えてネットで検索、こんな撮影済みエピソードがあった、とわかる。
 
………………………………………………………………

●乾隆妃嬪主要六人、他主要人物
・烏喇那拉・如懿(名前)/飾:周迅
 宝親王側福晋/嫻妃/嫻貴人/庶人/嫻妃
 嫻貴妃/嫻皇貴妃/継皇后
 延禧宮(東六宮)、翊坤宮(西六宮)に居住。おばの死をきっかけに、義母の録祜禄氏から「如懿」の名を下賜。モデルは乾隆の継皇后輝髪那拉氏。讒言され冷宮落ちするも、冤罪がはれ皇后に。清廉潔白だが敵には立ち向かう。
   その後蜜月を送るも、調子に乗った皇帝に諫言。禁足にされたのち永琪暗殺(冤罪)で廃后。誤解がとけ復位されるも拒絶し病死。常に冷静、果敢に諫言する姿が凛々しい。ハスキーボイスが素敵で、周迅はやはり演技巧者。

・衛嬿婉/飾:李純
 花房侍婢/大阿哥侍婢/嘉妃侍婢/衛答応
 衛常在/炩貴人/炩嬪/炩妃/炩皇貴妃
 追諡炩懿皇貴妃
  正黄旗包衣出身、はじめ宮女。昆曲がうまい。嘉慶帝生母の孝儀純皇后が原型。凌雲徹と幼馴染で求婚されるが、宮廷での栄達を選んた。しかも何度失寵しても不死鳥のように蘇る。最多の子女をもうけ皇貴妃となるも、人望薄く後宮を統括できず。
   しかし太后からすら疎まれており、任せる方も変。皇儲指名の書類偽造が露見し余罪も告発、逆ギレし「皇后こそあなたを思っているのに幽閉とは!」と悪態をつく根性は天晴。そこまで楯突いた人はいない。

・愛新覚羅・弘暦/飾:霍建華
 雍正帝四阿哥/宝親王/乾隆帝/太上皇
   生母は宮女の李金桂だが、太后録祜禄氏に養育。嫡母の烏喇那拉氏が如懿のおばのため面識が有り、正妻にと望むも却下。史実では太后実子、同母姉妹はなし。気まぐれ、新しもの好き、飽きっぽい。
    富察皇后が死去すると無子(当時)の如懿を皇后に。後には太上皇、如懿の遺品の緑梅を眺め死去。感情抑制に問題があり猜疑心も病的、後半は太后でさえ持余し気味。三阿哥と純妃はこの人が殺したも同然。

・珂里葉特·海蘭/飾:張釣甯
 宝親王府綉娘/庶福晋/海常在
 海貴人/愉嬪/愉妃
  延禧宮(東六宮)に居住。如懿の義姉妹、皇帝より誰より如懿のことが大好き。如懿に向けた「姐姐!」が耳に残る。五子永琪の生母だが、産後は自発的にお褥辞退。モデルは同名妃嬪で、綉娘(お針子)ではなく始めから妾。
  初期は高晞月と咸福宮住まいで虐待されるが、如懿の冷宮堕ちを機に権謀術数を身につける。しかも如懿のためなら凌雲徹賜死の実行役すらも厭わず。史実だと長命かつ蒙古八旗人。孫もいるし余生はのんびりできるといいなぁ。

・富察·琅嬅/飾:董潔
 宝親王嫡福晋/孝賢皇后/追諡孝賢純皇后
  長春宮(西六宮)に住む。モデルは孝賢純皇后。董潔は謀女郎(チャン・イーモウ女優)で正妻にふさわしい気品。如懿に嫉妬しつつ、名門出身の自分こそ正妻という自負から葛藤。そのドロドロは娘にも受継がれた。 
  ドラマでは悪巧みに忙しい上、生母の富察夫人がからプレッシャーをかけられ情緒不安定。臨終でも悪事への関与は否定し、如懿を継后にしないよう遺言するが…。頭は良くても要領が悪いか。史実では賢后で名高い。

・金玉妍/飾:辛芷蕾
 宝親王格格/嘉嬪/嘉妃/嘉貴妃/嘉嬪/
 嘉貴妃/庶人/追諡淑嘉皇貴妃
  大極殿/启祥宮(西六宮)。朝鮮玉氏出身で母国を背負うと自負。モデルは淑嘉皇貴妃金佳氏、本来は朝鮮系包衣出。前半の主役はこの人と言ってもいいほどほとんどの悪事に関与し、赤い衣装で目立っている。
  衛嬿婉につぎ子沢山だが、息子たちが後継争いから脱落し錯乱していく。衛嬿婉により冤罪を着せられてからはドツボに…。実は玉氏(王家?)ではないらしいが、カット部分がありよくわからない。失寵してからが見もの。

・高晞月/飾:童瑶
 高斌の娘、包衣出身/宝親王庶福晋/側福晋
 慧貴妃/追諡慧賢皇貴妃
  威福宮(西六宮)。はじめ如懿より格下の庶福晋、しかし乾隆即位後は家勢で貴妃に。序列逆転してから態度激変、皇后や金玉妍らと図り如懿いじめ。モデルは同名妃嬪。
  短慮で頭も性格も悪く、周りも貴妃だから尊重しているだけなのに気づいていない。死に追いやった阿箬の亡霊に悩まされ、皇后らから切捨てられ、死に際、皇帝に富察皇后の悪事を暴露するも無視された。


………………………………………………………………











●乾隆帝妃嬪その2
・富察·諸瑛
 宝親王庶福晋/追封哲妃、追諡哲憫皇貴妃
  富察皇后の親族で、宝親王の妾。庶長子・永璜、皇二女(夭折)の母。モデルは哲憫皇貴妃富察氏、ドラマでは富察皇后が暗殺(セリフに出るのみ)、出番はカット。

・蘇緑筠/飾:胡可
 宝親王格格/純妃/純貴妃/追封純恵皇貴妃
  鐘粹宮(東六宮)に住む。漢軍旗出身、モデルは純恵皇貴妃蘇佳氏と忻貴妃載佳氏。如懿より格下の格格スタートだが、三子、六子を産み先に貴妃へ昇格。他に四公主もいるのでこの人こそ寵姫なんでは。
  善良で如懿の味方、後宮の永遠のナンバー2。密通の冤罪をかけられ、皇貴妃に叙されるも病死。史実でもドラマでも乾隆継皇后は単独でなく、この人と一緒に埋葬。女優さんはさすがの演技の巧さ。

・索綽洛·阿箬/飾:曾一萱
 青櫻(如懿)陪嫁侍婢/延禧宮掌事姑姑
 御前侍婢/慎答応/慎常在/慎貴人/慎嬪
  如懿の実家からの介添え。金玉妍に煽られ常在となり大極殿/启祥宮(西六宮)に住む。如懿排斥のため嘘の告発をするも露見、喉を潰され冷宮ゆき、最期は自殺。
  恩を仇で返す程度が半端ない。陪嫁だけに長く仕えるも、勝ち気、短慮、口が軽い。当初それがいい方に働き延禧宮の番長だったが、宮仕えには不向きだった。女優さんは苗族出身。

・白蕊姫/飾:何泓姗
 南府琵琶妓/玫貴人/玫嬪
  蘇州出身、民間漢人。永和宮(東六宮)に住む。流産させられた上に不妊、失寵し病気に。魏氏南妓説(嘉慶帝生母は妓女という俗説)の転用、名前は咸豊帝妃、モデルは実在。悪事に加担していたが裏切りに絶望、七阿哥を暗殺し富察皇后の死の遠因をつくり、慶嬪に毒を盛って自らは賜死。

・葉赫那拉·意歓/舒嬪/舒妃/飾:陳昊宇
   優等生で順調に出世、乾隆を慕っている。儲秀宮(西六宮)に住む。乾隆の指示で長年避妊漢方を飲まされており、やっと授かった十阿哥は虚弱体質のため夭折。乾隆の態度に失望し焼身自殺、宮殿で火事は既にテロ。モデルは舒妃葉赫那拉氏、史実では乾隆より十四歳年下。

・巴林·湄若/頴嬪/頴妃/飾:張佳寧
  巴林部のお姫様で政略結婚。儲秀宮(西六宮)。懐妊するも流産し、衛嬿婉所生の七公主、十四、十六阿哥を養育。皇帝へも果敢に抗議する姿は爽快。史実では旗人、それほど権勢のある実家ではない。ドラマの後、愉妃と後宮をまとめてくれそう。

・塞香見/容貴人/容嬪/容妃/飾:李沁
  ジュンガルの公主でむりやり後宮入、太后の差金で不妊にされ香妃伝説風味。寵愛を集めるが、皇帝にはかなりつれない。如懿を信頼し助けてくれる。モデルは唯一のウイグル人妃嬪、容妃和卓氏。演者は新編紅楼夢の少年宝釵。

・陳婉菌/宝親王格格/婉嬪/飾:曹曦文
  絵が得意、寵も影も薄い。衛嬿婉に煽られた三公主から富察皇后への誅文を頼まれ、皇帝夫妻の仲が険悪になり謝罪した。モデルは婉貴妃陳氏、演じる曹曦文は時代劇常連。笑顔と温厚な性格がステキ。和ませ役。

・博爾済吉・厄音珠/豫嬪/豫妃/飾:趙珂
  科爾沁部格格で三十歳で入宮。皇帝に媚薬を飲ませ二年の禁足、実父が朝貢に来るため外に出られるもすぐ逆戻り。モデルは同名妃嬪だが、博爾済吉氏でも傍流で官女子スタート。この下りいるかな?

・黄綺莹/飾:韓丹彤
 宝親王府侍婢/格格/儀貴人/追封儀嬪
   景陽宮(東六宮)、延禧宮(東六宮)に住む。富察皇后侍婢から格格、のち貴人。金玉妍の悪企みで産褥死、嬪に追封。モデルは儀嬪黄氏で始めから妾、刺繍で有名。

・陸沐萍/慶貴人/慶嬪/飾:于(子)洋
  景陽宮(東六宮)に住む。モデルは慶恭皇貴妃陸氏。常に誰かの腰巾着の風見鶏。得意技はゴマすり。如懿の死を知らされた乾隆に禁句を連発しぶっ飛ばされる、ウザい枠。

・拜爾果斯氏/恪貴人/恪嬪/飾:劉美彤
  蒙古妃嬪、咸福宮(西六宮)に住む。如懿や海蘭とは友好的で、衛嬿婉に不満を持つ。しかし彼女が失脚してから衛嬿婉所生の九公主を養育。出足が遅く存在感が半端かも。

………………………………………………………………

●乾隆帝妃嬪その3
・恭常在林氏/モデルは恭嬪、飾:孫文婷
・秀常在徐氏/秀貴人索綽洛氏、飾:趙若汐
・宮女、揆常在方氏/モデルは揆常在
    /飾:夏瑜霞

・禧常在西林覚羅氏/モデルは禧常在。
・瑞貴人/モデルは瑞貴人索綽洛氏。
・白常在/モデルは白貴人、漢籍民間人出身。※

・宮女、平答応銭氏/モデルは平常在。
・武常在/モデルは武貴人。
・柏常在白氏/モデルは白貴人。※

※白貴人は同一人物もしくは姉妹

………………………………………………………………

●先帝妃嬪
・熹貴妃・録祜禄氏/聖母皇太后/飾:鄥君梅
 崇慶皇太后
  乾隆養母、実娘が二人。ドラマではこの人がある意味ラスボス。手段を選ばず権勢を維持。今まで太后となればどっしり構えた姿を多く見ましたが全く別で、如懿の始めの敵。
   娘二人を溺愛。雍正帝死後、太后烏喇那拉氏を暗殺。如懿の聡明さを愛して殺さず、最後は高く評価。史実では乾隆生母。演じるのは映画ラストエンペラー文綉役。

・烏喇那拉・宜修/母后皇太后/飾:陳冲
  乾隆嫡母で、雍正帝の正妻。如懿の姑母(おば)で、ともに皇后になるが、どちらも禁足蟄居に。養子が不始末で皇族除籍、そのため姪の如懿は嫡福晋になれず。 
  宮廷闘争でなんとか勝とうともがくが破れ、如懿に後事を託し死ぬ。史実では乾隆即位前に物故。たびたび夢枕に立つ恐いおばはん。演者はラストエンペラー婉容役。
 
・吉嬪/吉太嬪/先帝妾/飾:徐美玲
  冷宮で登場。三十代に見えない老けっぷりだが頭ははっきりしており、如懿を烏喇那拉皇后の親族と見抜く。私怨から太后録祜禄氏を刺し殺そうとし失敗、刑死する。

………………………………………………………………

●皇族、宗室
※阿哥、皇子/乾隆帝
・愛新覚羅・永璂/飾:徐凌晨(成年)
 林靖喆(幼年)、叶晟彤(少年)
 乾隆皇十二子/十二阿哥/嫡三子
・愛新覚羅・永璟/乾隆皇十三子/十三阿哥
 追諡悼瑞皇子
  永璂は如懿の長子。生まれた時から衛嬿婉に付け狙われ、同母弟妹は暗殺。如懿が禁足にされると海蘭預かり、後には太后のところへ。モデルは継皇后所生の貝勒永璂。
   凌雲徹にとても懐いていたが…。両親に振り回され辛い目に。母からの手紙が慰めになったでしょうか。夫婦喧嘩しないでと泣く姿に涙。嫡子嫡子と乾隆がうるさい。 
  永璟は如懿の次男だが、田姥姥に暗殺。乾隆は如懿に責任を転嫁、この時から如懿の乾隆への気持ちに疑問が生じ、徐々に夫婦間が冷えていく。諡号はフィクション。

・愛新覚羅・永琪/飾:屈楚簫(成年)
 辺程(少年)、武澤錦熙(幼年)
 乾隆帝皇五子/五阿哥/五貝勒
 荣親王/追諡荣純親王
  生母は海蘭、如懿の養子。文武ともに優秀で父の一番のお気に入り。如懿にもよく懐いた。聡く、明万暦帝鄭貴妃、王恭妃らの後継争いの故事(※)を皇帝に話したり。
  史実だと鑲紅旗。成人後は有能で父からの信頼厚く、凌雲徹の秘密裏の埋葬など如懿と海蘭の片腕でもある。それゆえ衛嬿婉に胡氏を送り込まれ落命。演者さんは清劇常連。

※「国本之争」

・愛新覚羅・永璜
 飾:丁橋(成年)、叶凱文(少年)
 乾隆皇長子/大阿哥/追諡安定親王
  哲憫皇貴妃所生、王府生まれの庶長子。養母が如懿、後は純妃。富察皇后の差し金で虐待された幼少期と、母を殺されたことへの復讐を願うが叶わず病死、彼と如懿の交流、無念の死には号泣。子役が特に印象的。

・愛新覚羅・永璉/乾隆皇二子/二阿哥/嫡長子
 追諡瑞慧皇太子/飾:于垚
・愛新覚羅・永琮/乾隆皇七子/七阿哥/嫡次子
  富察皇后所生。永璉は待望の嫡長子だが、スパルタで体調を崩し夭折、特別に諡号を与えられた。モデルは瑞慧太子。
  再度息子を得た富察皇后は歓喜するが、七阿哥は生来虚弱。夭折しふさいだ富察皇后は病気がちに。玫嬪からは因果応報と評された。

・愛新覚羅・永璋/飾:劉澤宇(少年)
 乾隆皇三子/三阿哥/追諡循郡王
・愛新覚羅・永瑢/乾隆皇六子/六阿哥
 飾:周津仕(少年)、池徐軒哲(幼年)
  永璋は純妃の長子、できが悪く常に心配のタネ。庶妃の完顔氏が懐妊した時は初の皇孫と周りは歓喜するも、のち容妃にとち狂う父に諌言、純妃と同年に死去。史実では肺病らしい。
 永瑢は純妃の次男。如懿が皇后になると永瑢にと筆を下賜した。史実では慎郡王後嗣になる。幼年子役が五歳ながらキャリアが凄い。「池徐」は復姓か、今風に二親の名字合体か。

・愛新覚羅・永珹/乾隆皇四子/四阿哥/貝勒/履親王
 飾:胡先煦(少・成年)、荣梓杉(童年)
   金玉妍の長子。「最初の富察皇后こそ正妻。その後継のあなたが太子」という謎理論の母につきあわされ疲れ気味。調子に乗ってみたりヤケになったり。騎射がうまいが、暗殺疑惑にとりつかれた乾隆により未婚で出宮。同母弟を慰撫する姿は頼れるお兄さん。

・愛新覚羅・永璇/乾隆皇八子/八阿哥
・九阿哥/乾隆皇九子(夭折)
・愛新覚羅・永瑆/乾隆皇十一子/十一阿哥
  金玉妍所生。永璇は永琪との狩で落馬し足に障害。史実では八阿哥が乾隆皇子最長寿、清朝批判戯曲《桃花扇》を愉しみ父に怒られた風流人、かつ能書家で乾隆の墓誌を書いた。

・皇十子/十阿哥
  舒妃所生。下賜された避妊漢方を飲むのをやめ授かった。しかし十阿哥は虚弱、宮廷ではなく諴親王府で養育されるも夭折。このあたりから乾隆のダークサイド炸裂。

・愛新覚羅・永璐/乾隆十四子/十四阿哥
・愛新覚羅・永琰/乾隆十五子/嘉慶帝/飾:陳雪濤
・愛新覚羅・永㻇/皇十六子/十六阿哥
・愛新覚羅・永璘/乾隆十七子/十七阿哥
  衛嬿婉所生、史実で永璐と十六阿哥(未命名)の死去は数年違うが、ここでは同日に病死。永琰が皇儲指名され次代嘉慶帝となるが、生母の扱いを知らされてるのか。目がくりくり。

※宗室妻妾

・胡芸角、原名田芸児/荣親王格格/飾:呉倩
   永琪の妾だが実は衛嬿婉の間諜、如懿が母親(田姥姥)の仇だと騙されている。永琪死後、如懿の差し金と言い残し自殺。燕を飼育するのは《還珠格格》のオマージュ。 

・永琪福晋・西林覚羅氏/飾:李宜儒
 夫の死後義母の海蘭に頼まれ、妾の胡氏の遺品を円明園へ持参。若い寡婦大変。遺児・綿億の嫡母。なんかいい人そう。

・永珹福晋・伊爾根覚羅氏/飾:湯夢佳
  怡親王の係累。出宮後の永珹と結婚し挨拶に行くと義母は幽閉で不満げ。性格に期待できなそうで、夫婦仲が心配。

・永璜福晋・伊拉里氏/馬亜楠
  夫と養母の板挟みで苦労し結果未亡人に。遺児綿徳の嫡母。他の親王福晋より出自が低めなのは牽制か。

・諴親王福晋/飾:流潋紫※原作者、編劇
  如懿立后の際に媒酌人として登場。金玉妍からの賄賂を乾隆に注進した皇族の良心。諴親王は康熙帝の二十四子、乾隆より三歳年下のおじ。十阿哥の療養先に選ばれるなど信頼されている様子。

・慎親王福晋/飾:黄澜※プロデューサー
 同じく如懿立后に登場、乾隆の義理のおば。慎親王は康熙帝の皇子、設定からすれば甄嬛の妹。史実では慎郡王、永瑢が養子に入り後を継ぐ。

・和親王福晋・呉扎庫氏
・安国公夫人・劉佳氏
・詰命一品夫人・烏雅氏
  紫禁城へ挨拶に来ていた外命婦。上から偉い順。皇后より先に金玉妍のところへ行き、嫡庶はどうしたと乾隆は渋い顔だが、自業自得。和親王はまさに雍正帝から勘当された乾隆の異母兄だが、この頃には復帰したんだろうか。

※格格、皇女/乾隆帝

・愛新覚羅・璟琴/飾:関雪盈
 乾隆皇三女/三公主/固倫和敬公主
  富察皇后の娘、上二人は夭折したため嫡長女。嫡出公主をとの条件にしぶしぶ和親公主になるも、のち息子を連れて宮廷へ戻る。元配(初婚の正妻で一番格上)所生と居丈高、そのため太后からすら疎まれ気味。一人で寂しくないか。
  私怨から如懿を貶めようとするが、嫡出を誇るなら皇女として義務を自覚し問題は起こすなと。衛嬿婉を継后に推すなど政治的センス皆無だが、最後には如懿のことを理解。史実では清朝公主最長寿だが、それでも父より早く死去した。

・博爾済吉・慶祐/世子/飾:唐嘉澤
  和敬公主の子、科爾沁部親王の後継。衛嬿婉が自作自演の救出劇を演じて復寵。気難しい和敬公主も気を良くした。モデルは鄂勒哲特穆爾額爾克巴拜。離婚したようだし父のもとに返したか。

・愛新覚羅・璟兕/乾隆皇五女/飾:林瀞怡
 五公主/追諡固倫和宜公主
  如懿の長女。金玉妍の飼い犬に襲われ死亡、実際に仕向けたのは衛嬿婉。モデルは皇五女、本来は封号も名前もなく、諡号も虚構。五十七話で生まれ六十二話で死去、享年三歳。幼い公主達の中でも顔が可愛く子役スター。

・愛新覚羅・璟妧/飾:金子琦
 乾隆皇七女/七公主/固倫和静公主
・愛新覚羅・璟婳/飾:晨媛児
 乾隆皇九女/九公主/和碩和恪公主
 衛嬿婉所生だが七公主は頴妃が養育。生母のもとへ戻されかけ大騒ぎ。衛嬿婉が「養母は生母に敵わない」と怒鳴ったところに乾隆養母の太后が通り修羅場に。九公主はその場に居合わせた姿を一瞬だけ見た記憶がある(八十五話)。

・愛新覚羅・璟妍/乾隆皇四女/飾:何昕芮
 四公主/和碩和嘉公主/福康安正妻
 本人を見た記憶がない、三、六阿哥と同母で純妃所生。寵臣福恒の三男に降嫁。純妃と三阿哥の危機に、頴妃と容嬪(当時)が助けてくれるよう、福康安に頼むシーンがある。

・皇六女/六公主
・皇八女/八公主
   頴妃が金玉妍の犬のせいで流産したのが六公主、八公主はセリフのみ頴妃に養育と出たので、もしかしたら衛嬿婉所生の設定か。史実では二人共、忻貴妃載佳氏所生。把握しきれてない。

※先帝/雍正帝とその子女

・愛新覚羅・胤禛/雍正帝/飾:張豊殻
  乾隆らの父、激しい後継争いを経験し太子密建を定めた。如懿を側福晋にするよう指示。ここでの選秀女のやり方は本来大婚の皇帝のみ、史実では三年ごと開催でより事務的。

・愛新覚羅・弘時/雍正帝皇三子/飾:李解
  不始末で宗籍から除籍。李斉妃所生、実質庶長子。ドラマでは養母が烏喇那拉氏。この人のせいで如懿は側福晋となった。弟の五阿哥弘昼も一瞬出る。特別出演だけどこんな役。

・愛新覚羅・恒娖/雍正帝嫡女/飾:宣璐
 朧月公主/固倫端淑長公主
  太后の長女。和親公主だが夫と死別し帰郷。再婚させられそうになるも、姪の和敬公主が遠嫁。確執からか乾隆には冷淡。史実では乾隆従姉妹、康煕帝皇二子と唐氏の娘、初めて北京に住んだ和親公主。演者は新版紅楼夢の雪雁。

・愛新覚羅・恒媞/雍正帝嫡女/飾:王鶴潤
 霊犀公主/固倫柔淑長公主
  太后の次女で恒娖の同母妹、虚構人物。温和で上品、二歳年下の和敬公主も見習ってほしい。生母が太后だと嫡女なのか、皇帝同胞妹扱いからか。理藩院侍郎に降嫁し北京在住、太后は大喜び。双子の弟弘瞻は見た記憶がない。

………………………………………………………………

●外戚

・福恒/富察皇后同母弟
・福康安/富察皇后甥
  福恒は乾隆の寵臣、乾隆子女はことごとく彼の親族と婚姻。福康安はその三男で四公主の額駙馬(清朝公主の婿)でちらっと登場。《延禧攻略》とは違い完全脇役、傅恒はマーシー似。史実で乾隆は福康安を深く信頼し、死後は愛新覚羅氏でないにも関わらず郡王に序した。

・衛夫人/衛楊氏/飾:孟秀
  衛嬿婉の母。品性下劣。十二阿哥暗殺未遂、十三阿哥暗殺の罪をかぶり死ぬが、野望達成するよう遺言。呪詛は本当にしていたし、自分は悪くないと思ってる面倒くさいタイプ。

・高斌/総督(複数の省の長官)/飾:高蘭村
 高晞月の父で治水に功績がある。包衣出ながら一品の高官。如懿の父を故意に「事故死」させた。実在人物。俳優さんは時代劇常連。太后はその秘密を掴むも皇帝には知らせず。

・那爾布/佐領(清朝官員、四品)/飾:王頚松
  如意の父。如懿が冷宮にいるとき水難事故死とみせかけ高晞月父が謀殺。「烏喇那拉家」と言っていてそれはないだろう。実在人物。

・那爾布夫人/飾:方暁莉
  如懿の母、普通の優しいお母さん。如懿が廃后された知らせを聞き急死。モデルは実在の郎佳氏。爵位を継いだ如懿実弟はどこへ。

・衛某/佐禄(清朝官員、内務府、六品)
 衛嬿婉同母弟/飾:許暁宇
  母に連座し流刑、しかし衛嬿婉を告発するため海蘭に呼び戻された。名前がほしい。

・珂里葉特・扎斉/飾:宋家腾
  海蘭のダメ甥でたびたび金せびり、偽証でおばを売るサイテーなやつ。刑死。

●侍衛、侍医、太監(宦官)
・凌雲徹/飾:経超
 藍翎侍衛/御前三等、二等、一等侍衛
 小凌子(宦官)
  漢軍下五旗包衣出身、天涯孤独。不幸度ナンバーワンの虚構人物。衛嬿婉の幼馴染で彼女を妻にと思うも玉砕。侍衛として出仕、冷宮で如懿を助ける。武勇に優れ誠実。
  順調に出世するも、如懿との密通(冤罪)を疑われ賜死。死に際、衛嬿婉に渡した指輪を海蘭に預けた。秘密裏に永琪が墓地を手配、惢心夫妻が供養していたが…。とにかく悲惨の一言。

・李玉/飾:黄宥明
 御前小太監/大太監/円明園太監/総管太監
  乾隆づき、入宮前から江与彬や惢心と幼馴染。惢心が好きで何度もアクセサリーをプレゼント。修行時代に親切にされ、如懿のことも助けてくれる。そのため円明園にとばされたことも。最後は総管まで栄達。三宝に比べ老けなかった。

・三宝/飾:李琦
 宝親王府烏喇那拉氏賠身太監
 延禧宮、翊坤宮首領太監
 王府から如懿に仕え、冷宮行も志願。醜聞騒ぎでは「供養は欠かしません」と凌雲徹を楽にした。偉くなっても名前が下っ端っぽい。容珮同様に寡黙・無表情だが、緊急時など的確な進言も多い賠身太監の鑑。たまに笑うと凄みがある。

・王歓/御前太監/副総管/飾:胡明
  李玉の師父で富察皇后の下、蓮心と対食。媚薬を過剰投与され錯乱、高晞月に襲いかかり、貼加官(顔に濡れ布巾)で死刑。インタビュー拝見したらいい意味で普通、あの気持ち悪さは役作りかと俳優さんに拍手、さすが。

・江与彬/江太医/飾:袁文康
   李玉、惢心と幼馴染。太医院におつとめ。腕は抜群にいい。宮女引退する惢心と結婚。侍医ならではの毒判定、李玉や凌雲徹と共同戦線をはったり、刑死した凌雲徹の供養と、小回りがきく。衛嬿婉の書類すり替えも見逃さない。

・趙九宵/侍衛/飾:孟召重
   凌雲徹の同僚で親友。いろいろな謀略からも助けてくれる。澜翠を好きになり衛嬿婉側に寝返るエピソードがあったらしいが、カットされ出番激減。ワイルドな茶色髭が目印。

・蘇培盛/総管太監/飾:沈保平
   「甄嬛伝」で崔槿汐と対食した人。かつ演者は甄嬛父役の俳優さん、延禧攻略でも主人公魏璎珞の父役。乾隆即位後は死去か引退した様子で、副総管しかいなかった。

・進保/御前太監/飾:張挙挙
  李玉の弟子でお目々ぱっちり。忠義者で頭がよく、南巡での皇帝のおいたをいち早く如懿に伝え、最終話では如懿の死去を皇帝に伝えた。このままいけば幹部候補かもしれない。

・進忠/御前太監/飾:蒋雪鳴
  李玉の弟子。その実、宮女時代から通じた衛嬿婉のスパイ。凌雲徹を辱めたのも、南巡で江南妓女を引き合せたのもこいつ、名前に反し不忠。衛嬿婉の命令で口封じに殺される。

・王蟾/永寿宮掌事太監/飾:陳木易
  五公主暗殺など主君の無茶振りに疲弊。そこを海蘭に説得され、衛嬿婉から離反し告発の証人に。この人といい春婵といい、したことを考えたら後で処刑されそう。この人もたまにお笑い。

・秦立/内務府総管太監/飾:兪瞳
   初期から笑い(失笑)を提供。失寵した如懿に冷めた食事を提供し返り討。喪中にも関わらずきらびやかな布を持参し門前払い。深謀はないのが癒やし、七十八話でも健在で図太さが頼もしい。演者さんは京劇俳優で納得の存在感。

・趙全才/内務府掌事太監/飾:馬波
   内務府の役付太監。富察皇后とのシーンが記憶に残る。きちんと異動告示しないことに抗議した容珮に暴力を振るい、如懿から杖刑を食らった。内務府はこんな管理職ばかりらしく、後宮からの評価はとても低い。

・斉太医/斉汝/御前侍医/飾:王全有
  乾隆が信頼し舒妃や衛嬿婉への避妊漢方を任せていたが、引退する直前に太后に寝返り秘密裏に殺される。この人と江太医以外の侍医は役に立たない様子。いいのかそれで。

・欽天監官員/飾:韓英郡
  衛嬿婉に操られ如懿の三度目の妊娠を吉兆と嘘をつき、精神的に不安定な乾隆につけこむ。最後は衛嬿婉の命令で始末された。

・包太医/飾:馮瀑、許太医/飾:王之民
  妃嬪に取り込まれ悪事を働いたり、腕が悪く宮廷から駆逐されたりするお医者さんたち。
……………

●宮女
・容珮/内務府侍婢/翊坤宮侍婢
 掌事姑姑/飾:斉歓(斉襄)
  円明園配属から後宮にの異動してきた宮女。天涯孤独。上司に抗議する姿を見いだされ如懿に仕える。恩義を感じ「翊坤宮娘娘の言うことだけに従います!」と豪語。
  寡黙で無表情だが、主君の代わりに金玉妍らへお仕置きする姿は迫力満点。表情だけでもらい泣き、如懿に殉死。個人的に斉歓へ助演女優賞贈呈。演者は京劇老生でもあり実力派。

・春婵/紫禁城侍婢/永寿宮掌事姑姑/飾:王純
   衛嬿婉の古くからの友人で恩人。衛嬿婉づきとなり積極的に悪事に加担したが、裏切りを疑われ毒をもられる。昏倒したところを江太医に助けられ出宮し、造反を決意。
   最後は皇帝の前で衛嬿婉の企みを暴露。その後は九年間拷問役を担うなど、恩返しどころか仇で返した衛嬿婉に対し恨み骨髄。告発シーンの女優さんのセリフ回しが圧巻。

・毓瑚姑姑/御前侍婢/飾:宮暁瑄
  乾隆帝の腹心で監察係。乾隆生母の李金佳と同僚だったらしい。この人といい皇貴妃冊立の時の女官といい、従来の職責のみならず様々な仕事をする宮女が見どころ。拷問も担当。
   冷静で如懿の私通、永琪暗殺疑惑には疑問を呈した。衛嬿婉告発では往生際の悪さを白眼視、全編を通して言葉より表情の演技多め、それがまた上手い名脇役。ちょっとかっこいい。

・惢心/飾:陳小繧
 延禧宮侍婢、翊坤宮掌事姑姑/江与彬妻
  李玉、江与彬と幼馴染。如懿に仕え冷宮に同行するも、金玉妍の企みで杖刑を受け障害が残り、出宮して江与彬と結婚。旗人包衣出身のはず、李玉(多分漢人)とどうやって幼馴染になったのか気になる。実は阿箬役より四歳年上。

・貞淑/金玉妍陪嫁侍婢/飾:林澄
   実家の朝鮮からの侍女。医女で毒殺関連や、文盲を装い陰謀を実行。如懿の私通を偽装しようとし露見、玉氏に返され金玉妍は激しく動揺。姐姐から姑姑となったのは加齢か出世か。

・薩克遠・茂倩/飾:王偉
 御前侍婢/凌雲徹妻
  満州鑲藍旗、賜婚で凌雲徹の妻に。衛嬿婉に操られ夫を告発し離婚するはめに。漢軍かつ下五旗包衣の凌雲徹と格差婚。頭も性格も微妙、というか悪い。乾隆の選択眼に疑問。

・芸枝/飾:陳二佳、菱枝/飾:鄭水晶
 延禧宮、翊坤宮侍婢
 惢心、次は容珮の下で働く宮女。如懿蟄居後、芸枝と三宝は異動させられたがすぐ戻った。如懿死後は供養係か別の部署に行くのか宮女引退か、頑張ってほしい。地味顔が芸枝で今風が菱枝。

・蓮心/長春宮侍婢/飾:王小橙
  富察皇后の侍女で虐待を受け、如懿に助けてられ恩義を感じる。皇后の落水現場に居合わすが逃走。罪は免れるも罪悪感から入水自殺。不憫。泣き顔しか記憶にない。

・叶心/珂里叶特氏賠身侍婢/飾:劉佳
  海蘭の腹心。高晞月に虐待される主君の環境にマジギレ。かつ衛嬿婉の初出産のときは主君の命で嫌がらせまでする肝の太さ。この度胸と才覚、出世しそう。個人的に好き。

・田姥姥/後宮嬷嬷/飾:田淼
  入宮前に結婚して一男一女ありの胡芸角の母、老宮女(嬷嬷)。十三阿哥永璟を死産と偽る。娘をネタに衛嬿婉に加担させられており、拷問を受けるも真相は吐かず死亡。

・麗心/金玉妍賠身侍婢/夏楠
  主君と貞淑の親密さから阻害、かつ主君のせいで何かと揶揄される運のなさ。小物悪役キャラ。清初ドラマ《独歩天下》で成年永琪役の屈楚簫と共演していた。

・銭双喜/咸福宮急太監/飾:劉子恺
  高晞月づき太監。おでぶのうっかり者。不出来な貴妃にはもっと賢い奴隷をつけたらと思うが、見る方は貴妃のアホさに嫌気が差すので、和ませ役なのかもしれない。

・福珈姑姑/太后賠身侍婢/飾:郭虹
   冒頭から最後まで、常に太后の側に侍る。毓瑚姑姑のように表情演技、存在感抜群。女優さんも実力派のベテラン。

・素練/長春宮掌事姑姑/飾:閔春暁
  富察皇后の側近。自らも加担した悪事露見を恐れた金玉妍に殉死に見せかけ殺された。演じるのは《黛玉伝》の林黛玉。

・苿心/高晞月賠身侍婢/飾:黄茜荇
  高晞月死後に天然痘に倒れ、如懿と海蘭に富察皇后告発を持ちかける。海蘭は賛成したが、如懿は許さなかった。

・香雲/珂里叶特氏侍婢/飾:張歓歓
 高晞月が自作自演した炭盗難事件で偽証が発覚、乾隆の命令により撲殺。怖い。

・澜翠/衛嬿婉賠身侍婢/飾:楊柳
  衛嬿婉に忠実に仕えたが切り捨てられ惨死。趙九宵とともに出番大幅カットらしい。

・星璇/飾:李夢洋
 高晞月陪嫁侍婢、咸福宮掌事姑姑
  高晞月の侍女だが、天然痘で死亡。《甄嬛伝》の安嬪侍女、菊青役の女優さん。

・海燕/阿箬賠身侍婢
  妃嬪となった阿箬の侍婢だが、もとから高晞月の間諜。あっさり主人を裏切り、まさに因果応報。

・可心/鐘粋宮掌事侍婢/飾:白澜
   蘇緑筠の腹心。姑姑ではないが年齢はそれなり。主君の臨終を看取った。皇帝の三阿哥への扱いには不満げ。

・李嬷嬷/大阿哥奶娘(乳母)/飾:張莉
  富察皇后の差し金で大阿哥を虐待、それが露見し如懿から杖刑を食らう。顔が凶悪。

・崔嬷嬷/三公主奶娘/飾:滕愛弘
   三公主の乳母、成人後は賠身侍婢。如懿への無礼を諌めるが聞き入れられず。

・韓娘/七公主奶娘/飾:徐玉芳
 公主が衛嬿婉のところへ戻されるときに登場、あの騒ぎに居合わせ肝が冷えてそう。

……………

●その他
・ジュゼッペ・カスティリオーネ/郎世寧
 飾:Steven Thomas Boergadine
  イエズス会宣教師だが宮廷画家をしている。西洋一夫一妻制の話で如懿を感動させた。如懿の死後、夫妻肖像画修復を乾隆から依頼されるも、「絵はその時の真実を写すもの、修復は無意味です。」と突っぱねた。

・玉氏王爺/飾:李光潔
  玉氏の王太子。金玉妍の持つ玉簪の送り主。朝貢時の様子から恋愛感情がありそう。のちの英祖(イ・サンの祖父)らしい。俳優さんも時代劇常連。玉氏の話は頻出だが、独自設定だわ削られるわで、なんだかよくわからない。

・安吉大師/飾:余少群
  宮中に招かれたチベット仏教の高僧。金玉妍が彼の数珠を偽造し如懿との密通を偽装するも、出身が故の瑪瑙と紅玉髄(カーネリアン)の識別不足で即バレし、貞淑が更迭。俳優さんは戯曲出身で時代劇常連。

・水玲瓏/江南名妓/飾:張予曦
  南巡時、衛嬿婉が秘密裏に手配した高名な妓女。発覚後は尼寺送り。皇族のみ着用できる龍紋を身に着けたため本来死刑だが、そもそも着用を許した乾隆がダメすぎ、如懿が愛想をつかすのも道理。女優さんがビッグ。

・露店のお菓子屋さん親子(杭州)
  南巡で如懿が二度訪れた。一度目は乾隆と、二度目は単独。一度目では父親が商っていたが(四十八話)、二度目では横で遊んでいた息子に代替わり(八十話)。変わらない旨さを褒めた如懿に感激し大サービス。

…………

  撮影では乾隆晩年の寵妃で末娘・固倫和孝公主の母、惇妃汪氏が如懿にそっくりで、という部分もあったようですが、蛇足だと思う。庶出なのに固倫公主に封じ、和珅の息子に嫁にやったらとんだ迷惑夫婦だし。惇妃役の方には災難ですが。

※如懿の棺は純妃と同じ地宮にあり、皇貴妃の礼制。皇后だったため本来、皇帝と同葬になるはず。衛嬿婉の息子の嘉慶帝と結ばれるより、永璂と結婚したほうが嬉しいかなぁ。娘二人と言っていたし、一人は貴妃に、一人は永璂に(願望)。

…………

【おまけ】
  突っ込みたくなるファンのつぶやき。

・宮女や宦官が字を学ぶところが城内にありましたが、清朝皇室では明の宦官跋扈の前例から、宦官は文盲でなければならない決まり。書面のやり取りで悪いことができないし、書類を運ばせるのにも好都合。

・「博爾済吉部」よりは「博爾済吉氏」。当時のモンゴル人は外藩蒙古(半独立)、内属蒙古(旗人以外で清朝支配下)、蒙古八旗(旗人)。博爾済吉氏は外藩だと科爾沁部、扎鲁特部など。旗人の博爾済吉氏もいるし、このへん複雑。

・いくらなんても妃嬪、成人、既婚女性が男性と接触しすぎかも。当時の道徳では男女七歳にして、家族以外の男性と同じテーブルにつくことも、直接物の受け渡しも、姿すら見せない。二人きりで部屋で話すとかなし。

・忻貴妃載佳氏がいないと思ったら、蘇緑筠のモデルのよう。ほかに循妃も。如懿は三阿哥の選秀女でも選ばれたものの拒否してましたが、選秀女を経ないと八旗女子は結婚できないし、断ったら抹殺されそう。

・ドラマラスト、如懿の死後烏喇那拉氏の妃嬪を入れないようにした…と流れますが、如懿のモデルは烏喇那拉氏でなく輝髪那拉氏と今は言われているし、烏喇那拉氏も輝髪那拉氏もその後の妃嬪にいる。特に輝髪那拉氏は多い。

・李玉、三宝ら宦官チームは出世してもずっと同じ呼ばれ方。本来下っ端は姓にーー子をつけ「小○子」、つぎは三宝のように通名など、最終的には姓+公公(宦官への敬称)。三宝は掌事太監なのに呼び名が軽すぎる。

・全てが明らかになった後の乾隆の謝罪が全く謝ってない。水に流そう的な言い方で、流すってお前が原因だろ!と余計頭にきそう。個人的に、あの時如懿は決意をより強固にしたんじゃないかと。苦笑してましたし。

・依怙贔屓が激しい本作の乾隆帝(独断)、娘のうち三公主を可愛がっているところが微妙。周囲から嫌われているけど父の寵愛で大きい顔…衛嬿婉といいそういうのが好き?四公主より可愛いと明言したのにはドン引き。

・凌雲徹が官員から奴隷へという、誰もが絶句した乾隆の仕打ち。衛嬿婉は皇后を非難し幼馴染を憐れむが、お前が仕込んだ皇后排斥の結果では。母に似て、自分の利益のための悪事は悪くないと考える謎論理タイプかとゲンナリ。

・普段、時代劇裏側は苦手ですが、《如懿伝》で好きな俳優さんがたくさんできてインタビュー見ました。金玉妍役の辛芷蕾さんは周迅や霍建華ら大スターの演技力存在感に緊張、NG最大二十回記録。好きなキャラは容珮(!!)とのこと。






by hungmei | 2019-06-03 16:55 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(0)
<< 《延禧攻略》日本放送もしくはD... 電視劇《大宋宮詞》(2020?) >>


鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録 ※最近レビューできてません…

by 黄梅(hungmei、koubai)
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索
カテゴリ
最新のコメント
> 寒鸦さん すみ..
by hungmei at 16:17
偽君子さま コメントあ..
by hungmei at 05:45
初めまして。興味深い1ペ..
by 偽君子 at 21:37
ご教示ありがとうございま..
by hungmei at 11:11
1921年、ファン・イメ..
by ミセス・ジョーンズ at 23:10
割れてますね、たまにww..
by hungmei at 14:32
記事ランキング
関連サイト
【過去記事】
2006~07年

【地方戯】
日本秦腔網
江南春琴行

【紅楼夢】
宝玉くんのべんきょう部屋
河北正定栄国府(中文)
電釈紅楼夢
紅楼夢@

【中国時代劇】
古装劇場