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鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録

by 黄梅(hungmei)

藤田あつ子「追いつめられて」ぶんか社グリム童話2018年11月号掲載

   藤田あつ子先生の(たぶん)最新作。原典はイソップ童話ながら、もちろん名手による中国歴史ものです。

【あらすじ】
   街の役所に勤務する夫(胥吏/しょり=官僚より下の現地採用役人)と、商家出の妻。ある時、それまでの老知事に代わり新任の知事が赴任、汚職の片棒をかついでいた夫は発覚を恐れ、妻を連れて逐電。農業を営む実家へ身を寄せるが、自身は農業をせず仕事探しと称してブラブラする毎日。慣れない農家の生活で疲弊する妻に、都会で迎えた今の嫁よりも隣家の娘と結婚し土地持ちになれと息子に迫る姑。追いつめられた妻は、、、

   子供時代の思い出と今の苦境がリンクして、図らずも過去の隣家での殺人と今の自分がダブり、という薄々想像しつつも見事に展開していくストーリーで楽しめました。砒素の扱いが地味に丁寧で感心したり。酒にはすりつぶして、お粥やスープには溶かして入れよう!洋の東西を問わず、昔は砒素は生活密着薬剤にして毒薬?胥吏は官僚の下、ほぼ既得権益化し世襲もあった、と旧中国での官と吏の溝がよくわかります。

by hungmei | 2019-02-05 01:31 | 4ブログ関連書籍 | Comments(0)