藤田あつ子傑作選「中国残虐伝」1ー5巻(ぶんか社)

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  残酷なグリム童話シリーズ雑誌で連載されている、藤田先生の中国古代もの傑作選。いちおうオムニバス文庫本に収録されたものもわかる限りとっておいてありますが、どれとも重複していませんでした。いろいろな制約からか、このシリーズは作品ごと完成度にばらつきはあるけれど、とにかく文庫本になってよかった!

  既刊より表紙の画質と品質がちょっとあれなのが残念。いつも美麗なイラストが楽しみなんですが、、そんな中で、これは日本物?と一瞬思ったものの、たんに春秋戦国時代の話(「相思樹」など)だった第四巻。垂れ髪だし、着物あわせで深衣だし、この頃の扮装を見ると本当に日本と似ていて勘違いする時がある。

  イソップものがたりが原作の、中国化されたお話が多めですが、北宋の狸猫換太子(二人の妃嬪が同時に皇子と皇女を産み、皇女を産んだ劉氏が李氏の産んだ皇子をとりあげたうえ、冤罪を着せて処刑に追いやる実話をもとに脚色したお話)の故事や、魏晋南北朝の北斉の殺しまくりの皇室史など楽しめます。陸貞伝奇で取り上げられてたけど、北斉って特に血まみれだよな、、

  ほか、江総「白猿伝」補伝から大きい白猿の化け物に美人がさらわれる妖怪山村の話、唐代の将軍である張巡が籠城戦の食糧不足で妾を殺し兵士に食べさせた話、李祟「髑髏幻戯図」から中国版幽霊女房チックなお話、岡本綺堂「中国怪異伝」から腐らない死体と魔鏡の話、「聊斎志異」の「美女の首」からとったけど話としてはほぼ別物の本妻が見捨てられる話etc.白猿の話は、欧陽詢がサル顔だったからの俗説って言われてた。酷いな(*_*;

   実在人物からは春秋戦国時代の楚平王が、秦から公女(伯贏)を太子妃に迎えようとしたところ、その公女が美しく自らの妃へ。太子は怒り宋国へ亡命、太子の師父は平王を猛烈批判し処刑。その子の伍子胥が父のかたきを討つ、京劇「哭秦庭」にもなった復讐譚。これと北斉の斛律光の娘、殺された夫に殉じて遺品の玉を死んでも離さなかった廃太子妃斛律氏など、マイナーエピソードの漫画化がよかったです。いつもと違い原作説明がまったくないのが残念。

by hungmei | 2019-01-21 00:15 | 4ブログ関連書籍 | Comments(0)


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