電子ブックリーダー端末導入をきっかけに、文庫収録まで待っていた藤田作品を雑誌から見ようと直近二作品を購読。ひとつは怪談、ひとつは家庭の闇あるある話でした。
『異郷の女』/2018年2月号/袁枚『子不語』原作
清代、辺境に任官した官僚が現地の女性を見初め正式な妻として故郷へ帰る。屋敷では異民族の後妻の自分たちとは異なる顔つきや菜食の習慣にとまどいを感じながらも次第に順応。ある日、義理の息子に服を仕立てようとした後妻が奶娘の部屋でみたものは、、、。
衣装からすると 哈薩克族(カザフ族)かな。確かにモンゴロイドとコーカソイド混ざっててエキゾチック。ムスリムが多いのは聞いたことがありますが「肉を食べない」とあるのは、豚を食べないのか肉全般食べないのか。お話としてはこちらが好きかな。原作からしたら怪異ものかと思いましたが違いました。
『地中の女』/2017年12月号/イソップ寓話『ゼウスの審判』原作
清代、新居へ移転したある一家。庭があるので活用しようとするがことごとく失敗し、池を造成しようと掘り返すと石棺がでてくる(当時は普通木棺)。開けてみると、今し方死んだばかりのような女の死体。しかし衣服からすると相当古い時代らしく、その胸には不思議な鏡がおかれていて、、、
この死体にたたられたのはわかるのですが、縁起が語られずなんで?鏡を棺から出してしまい死体は崩れ落ちたから?と最後がわからなかったけど、それがまた不気味。服装や化粧から死体は唐代のもののようで、約千年前とみていいのか。幸福をもたらすかに見えた鏡が実は呪いのアイテム。それか、死体の女の邪気を封じていたお利口アイテムだったのかも!