羋妹/秦の恵后........劉濤
威后の娘で羋月の異母妹、同時に恵文王に嫁ぎ、のちに武王となる嫡長子を産む。以後、嫡妻である自分の息子こそ王になるべきとやる気満々。武王が死去してもあきらめる羋妹ではなく、後継者争いにがっつり口を出す。ビジュアルが「私、悪役でーす」みたいなものでびっくりしたが、これで劉濤は演技の賞を獲得。メインの悪役には若いかと思いましたが存在感ばっちり。歴史では楚国か魏国の公女のよう。いずれにせよ宣太后(羋月)との血縁はなかったか、仮に楚国公女としても遠い関係だったのかも。「妹」が下の名前なんだろうか。
秦恵文王(26代)/贏駟‥方中信
それまで「秦公」だったのを初めて名乗りを王とした名君。このドラマは甄嬛伝第二弾(とジャケットに書いてあった)ので、羋月よりふたまわりは年上に見える。羋妹の暴走を気にとめつつ嫡長子を産んだため扱いには苦戦。意外に(失礼)長生きで、81話編成で60話くらいまでご存命です。甄環伝の雍正帝よりは出番が多くて生き生き。羋月を深く愛し、後継にも嬴稷をと考え遺詔を残す。
秦武王(27代)/贏蕩‥巴冬
恵文王と羋妹/恵后の息子。年齢、出自ともに群を抜き早くから後継者と見なされるが、ドラマなのでむちゃくちゃ馬鹿息子の設定。不細工、太り気味、女好き、勉強嫌い、とそこまでしなくても・・と墓の下で武王が怒るんじゃなかろうかというだめっぷり。死因は一応歴史通りで、趣味の相撲にて鼎を持ち上げ脛をを負傷し、そのまま亡くなる。ギャグ?本当はそれなりに業績も有る方なのでは。ドラマで行くと、羋月の甥でもある。
黄歇/春申君‥黄軒
楚の公族(諸侯に連なる出自)で、戦国四君に数えられる名政治家。姓は「黄」で名前は「歇」、「春申君」は名誉称号みたいなもの。羋月の幼馴染かつ初恋のお相手。いろいろあって自身も追うように秦へ赴き、そこで王と補佐し様々な政治を行う。羋月が後宮争いで困っている時はもちろん助けてくれる。羋月の息子、昭襄王の治世も仕え続けるが、のち失脚して秦から追放。死に方がかなり悲惨。羋月が晩年思い続けたのは彼で、面差しの似た使用人を侍らせ、自身の臨終では殉死を命じていた。ちょっと怖い。
魏夫人/魏琰(おば)‥馬蘇
太子妃/王后/魏頤(姪)‥馬思純
夫人は恵文王の初婚の王后の陪嫁媵妾で、公子・贏華の生母。太子妃はその姪で同じく魏国から嫁入りし、武王の太子時代からの正室。おば、姪ともに虚構人物。武王が急死し立場が危険になったため、王の遺勅を持っている羋月毒殺を計るが。
国号と王室の国姓(氏)は違うことも多いですが、春秋戦国時代の魏は姫姓魏氏。なのでここでの扱いも妥当かな(当時、姓は血縁から、氏は役職や封じられた国からつけられる。日本のウジカバネとは逆)。小物悪役で、最後はなんだか憐れになってきました(汗)
戎王/翟儷‥高雲翔
秦の周辺を版図とする異民族集団の王。おそらく狩猟がメインか、ボサボサの髪、移動しながらの生活、武勇に優れ男性の気質は乱暴なほど。羋月の二回目の恋のお相手で相愛に。毒を盛られた羋月を助け、太后となってからはついに結婚するが、妊娠までは見逃せまいと誅殺される。歴史上名前は伝わってないため完全オリジナルネーム。
魏冉/穰候
羋月の同母異父兄(半血きょうだい)。威后から母子ともどもいじめ抜かれるも、異母妹について秦へ。対外戦争で軍功をあげ秦穰候となり、太后の羋月とともに栄華を極めるが、彼もまた最後は失脚。
この時代、諸侯の側室でも連れ子がいるのにびっくりしました。母が向氏なのはわかりきっているけど、実父への言及があまりない。お父さんは魏さんなんだろうけど。
羋戎
羋月の同父同母弟(全血きょうだい)。同母姉の羋月、長兄であり同母異父の魏冉とともに幼少期の不遇にたえ、秦で政治家として活躍する。文人だけあり魏冉よりちょっとおとなしめ。彼もまた最後は失脚する。
嬴夫人
秦の公女で、他国へ太子妃として嫁したが諸事情からで戻ってくる。小姑として権勢をふるい羋妹/恵后と激しい闘争を繰り広げるが、最後は焼き殺される。
贏華・・遲佳
秦の公子で父は恵文王、生母は魏夫人。同輩の中で年長のため「大公子」とよばれる。弟が昭襄王として即位した後は、羋妹/恵后こそ正統な太后と羋月の追落としを謀るが。
公子荘
恵文王の息子。弟の昭襄王即位後、王位転覆を狙うも失敗。
向氏/向妃‥孫茜
羋月父の側室で羋月、魏冉、羋戎らの生母。羋月、羋戎らの父は楚国の諸侯だが、魏冉の父は前夫。寵愛厚く、正室の威后からいびられまくっている。宣太后の親についてははっきりしてないためオリジナル。演じるのは甄嬛伝崔槿汐役の女優さん。
楚国の王后/威后‥姜宏波
羋月父の正室、羋妹の生母で羋月らの嫡母。寵姫の向氏をいたぶるのが趣味かと思うほど、利害を超えて楽しそうにいじめていた。前半の悪役かつ華はこの方。
設定は実在の「趙威后(趙国の王后)」に酷似しているので、もしかしたらモデルにしたのかも。しかしドラマでは楚国王后だし、歴史上は恵后(ドラマでは羋妹)の母でもない。
莒姫‥蒋欣
莒国出身の妃、羋月父の寵愛を集め魏冉らの養母でもある。「甄嬛伝」華妃のゲスト出演、王に殉死し四話で退場。いい人でした。
羋瑶‥孫怡
楚国の庶出公女で、羋月の眷属という縁から、昭襄王の王后となる。贏柱をもうけるも、産褥により死去。実際の贏柱の生母は唐姫(唐八子)なのでドラマオリジナル。
樊小使/樊大使・・斓曦
羋月の同僚で公子通の生母。樊国出身。演じるのは甄嬛伝での大親友、沈眉荘役の方です。「小使」「大使」は秦後宮での妃嬪の位階。
贏柱/のちの秦孝文王(29代)
昭襄王の嫡子で生母は羋瑶。後に昭襄王の後継となる。このあたりは名前だけ歴史人物から借り、設定は完全オリジナル。さらに駆け足で進むためめぐるましくかなり混乱しました。
ドラマではそこまではいかないけれど、本来は秦恵文王(26代)の息子たちが秦武王(27代)と秦昭襄王(第28代)。昭襄王には太子がいたものの急死、当初は跡継ぎ範囲外だった安国君が即位し秦孝文王(29代)。
孝文王と夏姫の息子で他国へ人質に出され、不遇の時代に呂不韋から「奇貨居くべし」といわれたのが贏異人こと秦荘襄王(30代)。彼と歌妓出身の趙姫との息子が始皇帝。皇帝生母なのに、「趙」は出身国からつけられた通称で、姓氏すら伝わらない趙姫が逆にすごい。
商鞅
秦の中国統一を助けた政治家。第一話のみのおまけ。
あと白起、張儀とかでてきます。まだいったん通しでざっくり見ただけなので、そのうち自己満足のため補足するかもしれません。