4度ノミネートがありながらオスカー獲得はなかったバーバラ・スタンウィック(のちに名誉賞受賞)、最近特にお気に入りで鑑賞。オムニバス3話、それぞれ原作はオスカー・ワイルド、ラスロ・ドナウェイ、エリス・セント・ジョセル。第1話:謝肉祭にわく夜の街。容貌コンプレックスに悩むお針子が、真実の愛を得る人情話。第2話:実力勢力ともある弁護士が、占い師からの一言で人生を狂わせていく。第3話:サーカス団員の主人公は、不吉な夢に悩まされスランプに。そんな折、夢に出てきた謎の美女と現実で再会。一目ぼれした主人公は熱心にアプローチするが、彼女はいっこうに取り合わず・・。
スタンウィックは第3話に謎の美女で登場、悪女がはまり役でした。しかし、この前髪の作り方、どうやっているんだろう(ジャケット写真右)。当時の手の込んだ髪型は見るには憧れますが、形成過程や維持を考えたら快適とはいえなさそうだ。また、第1話は謝肉祭の仮面をつけたお針子が、仮面をとると何故か美女に。お面の裏に化粧でもはっついていたのか・・・全編、夢と幻想をテーマに、冒頭と最後は父子が「こんな夢の話があるよ」と3話について語る場面があるので、作中劇みたい。ファンタジーだからいいのかな。ブス顔は客観的な容貌でなくこじれた自我を象徴していたとか?でも当時新人のベティ・フィールドの演技が良くてオッケー。そもそもブス呼ばわりされていた頃から特に不細工じゃなかった。
悲劇的最期とイケメン役で有名なシャルル・ボワイエ、「駅馬車」(1936)などの性格俳優トーマス・ミッチェル、ギャング役の印象が強いエドワード・G・ロビンソンなど、とても豪華なキャスティング。ロビンソンは「深夜の告白」(1944)で洒脱な保険会社調査員、闊達な役のイメージが強かったのですが、ここではイヤーな金持ちオッサンをうまく演じていました。監督はジュリアン・デュヴィヴィエ、トロフィーワイフのロアーナ役にアンナ・リー。短めで見ながら「?」となる部分があり、特に2話はよくわからない。主人公の行動が唐突すぎて、なぜ殺人を実行したのか。十分楽しめましたが、原作小説で確認が必要かも。DVDが欲しいけど高いのが悩みです。