2020年10月07日追記
時代劇に欠かせないもの、その一つが死刑(と、私が思っている)。忠臣が失脚し失意のうちに処されるものもあれば、どう見ても自業自得の悪役が迎えるふさわしい最期であったりもするドラマのハイライトですが、韓国時代劇の死刑シーンはタメが長い!中国時代劇もウエットなことは日本の時代劇以上ですが、韓国のねちっこさと長さには負けるような・・。
韓国ならよく見るのが朝鮮王朝時代の賜薬、国王から下賜される毒薬で、成分はトリカブトらしい。液体ですごい量をお椀にたっぷり一杯で、ただでさえ飲みにくそうなのが、余計に大変そう。飲むと即吐血、死亡。廃妃尹氏がその時の血の着いた布を子の燕山君に託したと言われるエピソードが有名。
自裁の心象風景や周囲の反応、当人の苦悶など、軽く10分はいけたりもする。もっと卑賤な身分であれば死刑は斬首で、お面をつけた執行人が踊りながら首を落とすのをよく見ます。あれはいろいろ意味や伝統があるんだろうなあ・・・。
中国時代劇では、清朝ものなら皇族の自裁か菜市場(北京の地名)での斬首。当時の皇族は血を流してはいけないらしく、死刑の時はだいたい白い絹(白綸子)が下賜され、それで縊死しろという意味。
他の時代でもままありますが、後はやっぱり服毒。どちらにせよエンディングが淡白なことが多い中国時代劇、死刑シーンも意外にあっさり。刀で首を落とすには刃の重さがある程度いるようですし、死刑執行人が恰幅のいいおじさんなのは中韓共通。
韓国時代劇では執行人が賤民だと明言されたり、わりと賤民について言及されたりそのものが主人公のドラマも見ますが、中国時代劇ってあったかな?韓国ではオ・マンソク主演の「王と私」のように宦官が主人公のドラマも有りましたが、中国時代劇だと西太后と李蓮英の《大太監》くらいか。
それも西太后との関係に主軸が置かれているので、韓国時代劇のほうが賤民や被差別階級、階層の描写は多いように感じました。それも内面まで。纏足など人体改造が好きな伝統の中国、宦官も必然であって、そんなに疑問を抱くものではないとか?※個人の感想です。
清では史実では死刑執行が言い渡されても即実行の場合と、再審を繰り返し執行されるかその後の流れに委ねられる場合あり。処刑場に引き出された時点でも、皇帝から死を免ずる恩赦が言い渡されることが多々あり。このへんの様式美は映像にするとだれそう。