黄梅戯に同名ヒット舞台がありますが、特に関係ありません。帰亜蕾演じる老太太(大奥様)、茹萍をはじめとした奶奶(奥様)がたの共演が楽しい封建哀歌。例によって男性陣はみんな辮髪なのとポンコツなので区別がつかない。安徽省には有名な烈婦などの牌楼があり何とか脚本に絡めたようですが、23話からの急展開に脱力。黄梅戯とは無関係だなと醒めたところで、秋菊が地元の小唄として黄梅戯を披露したのが嬉しかったです(「走出門来依shema郎当-」で始まる歌)。
老太太(帰亜蕾)
程嘉禾、嘉軒、嘉怡きょうだいの母。程家の長。後継ぎがいないことに悩み、次男夫婦に子作りを厳命するなど、旧中国の普通の大奥様。善意が悪い方向にいったのか、間違って死んだとみなされた長男の嫁に自殺を命じるなど、家を守る族長の規範をあますところなく体現。女優さんがうまいので「ふーん」という気分で視聴しましたが、よく考えると結構適当でその場しのぎ。あんまり無責任でないかい。
大奶奶(茹萍)
程家の長男・程嘉禾の妻で娘がいる。名前は杜蘭馨。息子がいないのが玉にきずだが、家政を切り盛りし周囲からも認められている。しかしあれよあれよと不幸に巻き込まれ、最後は死んだことにされ程家を出奔する羽目に。尼さんになったのかな?茹萍の、優等生だけど二面性のある演技が光ります。茹萍は「武則天」の上官婉児、「康熙王朝」の麻喇姑など、どれも良くて他のドラマでも見たいのですが、「昭君出塞」(06)と「大漢武帝」(06)のどちらか迷うところ。
秋菊(王維維)
本作の主人公の一人。貧しい生まれで、ダメ兄に売り飛ばされ、偶然に程家にひきとられる。次男を慕っており、一度の交接で息子を産むが、認められるまでに尼寺にこもったりの苦労人。ラストでは新二奶奶になり勝者の面持ちですが、新たなる不幸のステージに進んだとしか思えない。共感できないのと、若作りに無理があった。
二奶奶(曹艶艶)
次男の嫁。名前は祝紹蘭。弟がいるがろくでもない。あによめである杜蘭馨をライバル視する悪役だが、夫の訃報で発狂。ちょっとかわいそう。もう少し意地のあるところを見せてくれたらドラマとしても面白そうでしたが、後半の破たんした脚本にそれは無理でした。
程嘉怡(高榕)
程家の一人娘でワガママいっぱい。封建制度と犠牲者の女性ドラマに必ず出てくる小姐(お嬢様)キャラ。初婚で病人に嫁ぐが出戻り、そのまま実家で過ごす。ラストでは恋人と駆け落ち。
程嘉軒(高峰)
程家の二男で、役人をしている長男に対し、彼は商売をして杭州に住んでいる。秋菊を気まぐれで拾い、一度だけ手を付け、最後には夜盗に襲われて死んだ。キャラ立ちしていなくて印象が薄いうえ、周囲に不幸をまき散らすばかりの不愉快な男。
祝紹東(馬雪源)
二奶奶の出来損ないの弟。ギャンブル好きで働かないダメ男だったが、最後の最後までゲス。このドラマのダメ男陣の中でも一番どうしようもない奴。