越劇・黄梅戯・紅楼夢


『王煕鳳与尤三姐』黄梅戯

黄梅戯の舞台版なんですが、最近紅楼夢で全然書いてなくて寂しいので、カテゴリを無理やり紅楼夢に。安慶市黄梅戯一団演出の、原作60-70話で有名な尤二姐のエピソードからとったもの。タイトルで「尤三姐」なのは、そのものジャケット自体大間違いで妹の三姐になっているので・・・。さすが大らか?にしてもダイナミックなミス。中国文連音像出版社発行で、ここの会社は黄梅戯の大手みたいですが、日本で買ってもパッケージ破損している率NO.1です・・。

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見やすくまとまっているし、唄も多くて見ごたえがあるのですが、いかんせん配役がちょっとミスキャストかも。市原悦子似の煕鳳に、ドラマでは冴え渡る美人が多い尤二姐もホッペタぷくぷくの垢抜けない学級委員長みたいなお顔。ちょっと萎えるというか・・、何故かお化粧も薄くて、むしろ来旺や賈レンの方が口も頬も紅が鮮やかで、化粧が濃いくらいです。

煕鳳が寧国府や尤二姐の別邸に殴りこむ時は、戯曲には珍しく旗袍・両把頭・厚底鞋で、完全に清朝スタイルです。満州服の紅楼夢が見てみたいと思ったことはあるけれど、やはり男性陣が辮髪くらいでないとインパクトないかもしれません。でも全ての登場人物の色あわせが凄すぎて、赤に黄色、どピンクに緑色、青に黄色とか・・・目がちかちかするし正直、ちょっといただけないですねー(泣)。

派手好きオヤジの賈珍ですが、他の男性がパステルカラーの大人しめな衣装なのに比べ、真っ青で金の縁取りというド派手スタイル。煕鳳も負けじとキンキラキンの装いなのですが、一番目立つネックレスがどうも子どものガラス玩具のようでヘンです。賈母も頬がパンパンの若い俳優さんで、ふけメイクも特にしていません。内山君のようで、何だかヘンです!!

服装への文句ばかりになってしまいましたが・・、最後の尤二姐が死ぬところ、流れた子どもへ縫っていた服を見て泣いたり、愛憎がわかりやすく3倍増しくらいになっています。尤二姐に死を決意させたのは、秋とうの罵倒だけでなく、煕鳳の「あなた珍大哥とも関係があったんじゃない?」「娼妓」という言葉から。こりゃ酷い・・。最後、煕鳳から贈られた金の指輪を飲むのですが、その時は窓の外にこわーい煕鳳の顔が!!

原作を読んでも尤二姐って多分性格が優しくて、何でも断りきれないタイプなんだろうなあーとか、賈レンが尤二姐の復讐を誓っても「遅い!早めに気づけ!」と憤ったり、秋とうの思慮のない子粒悪役ぶりを見て「こういう煩い人、今でもいるなあ・・」と、紅楼夢の中でも臨場感溢れるエピソードだといつも感じてしまいます。もー尤二姐、何でみすみす煕鳳の罠にかかる!侍女も止めてるのに!ともどかしいんだけど、憎めないのは彼女の人の良さからですかね・・。

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# by hungmei | 2007-02-28 15:27 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)


『秋菊打官司』張芸謀監督・コンリー主演

今はもっぱらチャンツィーがそうですが、チャンイーモウといえば以前はコンリーと公私ともにパートナー、映画一緒にとりまくってましたね(懐かしい・・)。

この映画はコンリーがノーメイクで農村の主婦を演じ、夫の金玉を蹴って罵倒した村長に対して戦いを挑む物語です。もとはと言えば夫が息子のいない村長をばかにしたのが発端らしいのですが、金を払えばいいんだろ、とばかりに尊大な村長の態度にいたく怒り、家族の制止も公安の説得も聞かず都市の裁判所まで訴えに行く猪突猛進ぶりです。

『あの子を探して』でも同様の、ドキュメンタリータッチ(というか、コンリーとその他何人か以外、本当にロケ地の地元民さん)で撮影されていて、コンリーに見えない・・・。途中、初めて都会に出てきたコンリーと妹が垢抜けない極彩色の服装のせい田舎ものとばれてでボラれ、慌てて服を買い着替えるシーンがあり、うーんリアル・・・と思ってしまいました。実際、中国でどうか知りませんが、農村と都市の落差はよく聞くところだし、自分も首都出身でないためばかにされた経験など考えると、他人事とは思えませんでした。

しかもラストは衝撃です。裁判でも結局敗訴し、控訴を決めていた秋菊ですが、産気づき難産に苦しみ、その際に自分と裁判中である村長の計らいで病院へ行くことができ、無事出産。生まれた息子を間にほのぼのとした和解が成立し、傍観していた夫も反目していた村長も、何とか制止しようとしてた村の李公安も和気藹々としていたら・・・。ここまで書いたらバレバレかな?些細な悪意がどんどん取り返しのつかないところまで発展し、最後は人を苦しめる、以前のチャンイーモウらしい毒のある救いのないラストでした。でもそこがすき。

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当時発足したばかりの新法を理由に、股間のレントゲン写真まで動員し裁判に勝とうとする秋菊、それを助けるボランティア精神に満ち溢れた街の宿屋の主人や弁護士さん、むしろ村長より控えめな李公安と、「夫のメンツのため立ち上がる」という触れ込みに反してもっと自立的というか、安易なヒロイズムでなくて面白いです。終始無愛想・無表情・ぼそぼそ喋るコンリーや他の住民なんか、いかにもって感じ。作中、京劇のような唄が何度も要所要所にはさまれ、村へ巡業に来た劇団の様子なども出てきます。「打官司」といのは、たぶん京劇にある演目からとったのでしょうか?辞書によると、訴え出ること、潔白を主張すること・・とありますが。
# by hungmei | 2007-02-27 19:25 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(2)


『鳳還巣』黄梅戯調映画

日本語版もたくさん出ている香港映画50-70年代の黄金期を支えたショウ・ブラザーズ(邵氏)出品作品。日本でも映画『西太后』で有名な李翰林監督の作品で、時代劇が得意だという監督の真骨頂が見られます。そして何故か黄梅調映画が多いんですよね、この監督。つまりただの時代劇ではなく、唄ありの戯曲映画。なんてすばらしい監督だ。。

ここのブログで以前書いた『真説チャイニーズ・ゴーストストーリー』や『金瓶梅』は日本語版も最近出ていて、ショウ・ブラザーズ作品自体が今香港で復刻されているらしいですね。時代劇・戯曲ファン、それもレトローな映画好きにはたまりません。個人的に、知っているスターがやる時代劇より、やっぱり知らない俳優さん(失礼)がやるレトロな雰囲気の時代劇の方が断然好きです。

あらすじ⇒
兵部尚書の程大人には、庶出の長女=ブスで性格悪、嫡出の次女=美人で善人の娘がいます。親友の息子で今は没落しした穆公子を見込んだ大人は、次女と結婚させようとしますが、側室で意地悪な長女の実母・程夫人は自分の娘にこそ穆公子を!と強硬に主張。もめている所へ南方への長征命令が下り、程大人はしぶしぶ従軍。次女と穆公子の婚礼をまかされた夫人はこれ幸い長女に夜這いを掛けさせ、それに呆れた穆公子は逃げ出します。

そうとも知らず式の準備は進み、夫人の陰謀により本来結婚するはずだった次女は参列も出来ず、長女は新娘の装いでゴキゲン。しかし式に現れたのはなんと長女を前から狙っていた皇族の朱公子。朱公子も美人の次女と結婚するため、逃げ出した穆公子の代わりに何食わぬ顔で花婿として現れます。洞房で被きを取って現れた「母夜叉」に、朱公子は愕然。長女の方も「穆公子だと思ったのに、なんでこんな不細工と」とお冠。

その後、朱公子や程家のある都は被災し、次女と長女家族は別々に程大人のいる軍陣へ逃げ込みます。そこでは目覚しい軍功をたてた穆公子もおり、単身逃げ延びた次女との縁談を進める程大人。穆公子は夜這いの一件を大人に打ち明け逃げようとしますが、穆公子が長女と次女を勘違いしている事に気づいた大人は気にしません。新婚の夜、花嫁と同衾しない花婿を心配した侍女や程大人、その同僚のおじさん達の取り成しで穆公子と次女は結ばれ、めでたしめでたし。d0095406_5435566.jpg

この「鳳還巣」というタイトルは京劇の名旦・梅蘭芳が改作した後に定着したそうで、ほかに「陰陽樹」「玉配」とも。京劇紹介の本には「コメディ喜劇の傑作」とありますが、確かに抜群に面白いです!喜劇だけに丑っぽい演技がみんな上手くて(笑)、不細工で性格も悪い長女が可哀相なんだけど、本人が幸せそうなのでカラッとした笑いに満ちています。この作品は黄梅戯ですが、京劇を元にしたんでしょうか。丑な長女はマチャミを100倍不細工にした出っ歯な感じです。

その婿になる羽目になる朱公子は、皇族というだけでやはり不細工・ドンくさいタイプ。明石家さんまをさらに不細工にした感じ。長女と出っ歯なのが共通・・それも並みの出っ歯でなく、デフォルメされた原口あきまさの出っ歯みたいです。長女は結構気が強いので、気の弱い優柔不断な彼と意外にお似合いです。悪い意味じゃなくて、ハタから見てもなかなか幸せそう。長女の実母で次女の継母である側室の程夫人ですが、これまた典型的な悪役。でも夫の大人に叱責された時、「いいじゃないですか、最後は姉妹ともども相応しい相手と結婚できたんですから」と悪びれない図太さ、潔し!

次女と穆公子の初夜成功に奔走する程大人・元帥・周公公(宦官)のオヤジトリオのユーモラスさ・可愛さは素敵だし、次女のお付で何かと気のつく理想の侍女・梅香(典型的な侍女の名前・・・)や、名前は出てきませんがブス長女のお付でいろいろ笑わせてくれる、でも最後はいい奴なでぶでぶの侍女(ラストは彼女が窓枠に頭挟まれて終わり・・、どこまでもギャグ!)などと、脇役もいい味出してます。これは確かにコメディ喜劇の傑作ですね。知らない人に黄梅戯薦める時は、まずこれを貸そうと思いました。
# by hungmei | 2007-02-26 21:36 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


『劉三姐』

この演目、比較的新しいもののようで、「歌舞劇」という肩書きとともに目にしていました。かの張芸謀監督の野外ステージも評判になっていて、旅行のパックツアーにも鑑賞が盛り込まれていり・・どれどれそんな人気なら見てみようか、と書虫で「中国電影百年経典」シリーズを購入。1961年長春電影製片。歌舞劇というだけあり、戯曲というよりは衣服が完全に現実的(デフォルメでもなく化粧も現実ふうに薄く、髪型も普通)、むしろ台詞より歌が多いくらいでした。

それも戯曲のように独唱でなく、常に合唱(笑)。<粗筋は庶民の劉三姐は歌が上手で地元民から親しまれており、船夫の阿牛と知り合いますが、老獪な金持ち老爺に再三屋敷に来るよう迫られます。それを拒み続け村人もそれに加勢し、どんどん険悪になる老爺と村人。ある日阿牛の妹・三妹が老爺の差し金で誘拐され、村人総出で救出のため屋敷に怒涛のように攻め入ります。労働者VS資産家、かつ労働者の勝ち!っていう筋がすごく共産党色強い印象でした。国策映画か。

劉三姐役の黄婉秋さん、顔立ちは普通ですが笑顔が爽やか、歌の上手なのとあいまってとてもキュート。確かにこれは村中の人気者になりそう!パッケージには「第二届大電影百花賞、最佳音楽賞、最佳撮影賞、最佳美術賞」とあります。村人という設定でみんな服装はボロボロですが、山河の景色に響く歌声や働く村民の姿が美しく、ちょっと政治色強いけどなかなか面白かったです。
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# by hungmei | 2007-02-23 23:37 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


『拾玉鐲』桂劇/『打金枝』晋劇

桂劇【拾玉鐲】

 今度、京劇『拾玉鐲』を見に行くので、予習に桂劇の同じ演目を鑑賞しました。書虫で千円くらい。どちらもお気に入りの俏佳人出版社の老電影VCDシリーズ。冒頭に戯曲とその劇の歴史や概要が入っており、1955年出品でどうやら中央文化部の地方劇保存政策の一環らしい。

 短めの喜劇、花旦が活躍する有名な演目なので何となくは知っていましたが、これが江西チワン族の桂劇が元祖だと最近知りました。少数民族の戯曲って見るの初めてだな~とワクワクしてみてみたら、字幕がなかった。言葉がわからないので、・・・玉砕でした。でも糸も針も使わず刺繍している演技をしたり、戸がないけど開け閉めをパントマイム風にするきちんとした舞台劇で、どっしりした迫力。

 【粗筋】庶民の孫玉姣が偶然、公子恋に落ち、それを見透かした劉媒婆がちょっぴりからかいつつも二人を取り持つお話。その時にわざと公子が落とす玉の腕輪が物語のキーワードです。言葉は江西省の言葉なのかな?服装や髪型は普通の戯曲風。京劇を思い出してもらうと近い感じで・・・というより、越劇と黄梅戯以外、みんな外装が似ているような気もしてきました。
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晋劇【打金枝】
 メジャー演目で、越劇、黄梅戯、京劇にもあるんだけれど、今回はたまたま見つけた晋劇を鑑賞。晋劇は北方系の戯曲で山西省、河北省、寧夏自治区、内蒙古自治区で盛ん。清の嘉慶年間に流行し、この『打金枝』はその中でも「中路梆子」という唄い方が中心の伝統的な演目だそうです。

 【粗筋】唐の時代、安禄山の乱を平定した功績を持つ家柄の附馬と、その妻の高慢な公主の痴話げんかについて。附馬の老親から公主の父母である皇帝・皇后総出で若夫婦の諍いを取り成す姿はまさに喜劇です。途中、公主が「実家に帰らせていただきます」と宮廷に舞い戻るんだけれど、その時の附馬の家の慌てぶりがやっぱりすごい。

 お家の存続を危ぶんだ父は附馬を縛り上げ、宮廷へお詫びに向かいますが、そもそもあまり公主の訴えも半信半疑だった皇帝皇后はむしろニコニコ顔で附馬とその父をお出迎え。結局その後、若夫婦は仲直りし、別に附馬と公主でなくてもわかる夫婦喧嘩とその外野のやりとりが延々と豪華な背景のもと繰り広げられます。なんか江戸時代の長屋でもよさげ。

 言葉は歌だけ字幕があるし、北方だけに「万歳」「不好」などほとんど北京語や普通話と近い感じ。聞き取りやすかったです。冒頭で公主が初登場し、身支度をしながら「私はなんと言っても皇帝の娘・・」と誇らしげに唄うシーンでは、越劇と同タイトルなんですが「頭戴珠冠鬢斉」、中身は微妙な差がありつつ大体内容は同じでした。

例:越劇で「八宝錦」 ⇒ 晋劇「綾羅錦」

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# by hungmei | 2007-02-23 19:06 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(3)


黄梅戯の本

ネットショップ「Jchere」


日本でもネットショップで黄梅戯を見かけます。数はこのショップが一番多いかな?

越劇に比べて、日本でのネームバリューがさらに心もとない黄梅戯ですが・・地方劇の中ではすごく人気のあるほうだし、近年どんどん人気・実力共に越劇を追い上げていて、もしかするともう追い抜いているらしい。農村出身の演劇なのは越劇と同じですが、さらに土臭く庶民的で、ちょっと泥臭いのも魅力。言葉は普通話なので、日本で中国語勉強されている方ならすぐリスニングできます(^^)

日本で手に入る黄梅戯のソフトも本も限られていますが、その中でも今回は概説に関する本と、往年の名作曲家・時白林さんにスポットをあててご紹介。写真のおじいさんなのですが、何が凄いって29年生まれで黄梅戯の生き字引のような方。今でも活躍中・・のはず。今は文革によって亡き名女優・厳鳳英、俳優・王少ほうの時代から馬蘭(新版「紅楼夢」主演)、黄新徳(同出演)、韓再芬(「徽州女人で2000年梅花賞受賞)など現在のスター世代までずっと現役。とても真似の出来ない大御所ぶりです。

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下のオレンジ色の表紙の本は、越劇のものも紹介した地方劇の音楽専門書シリーズ。時さんが編集しておられ、さすがの作曲家ぶり。内容はかなり細かい音楽論で、「~板」「~腔」「徽調」など専門用語や音譜がずらっと並び、正直私の語学力ではムリ・・。でも名曲の楽譜は歌詞とタイトルが明記してあって、事典みたいな感じに使えます。京劇も乾隆帝の長寿祝いで北京入りした徽劇がベースになっているので、そのへんの関係にも触れられています。なので黄梅戯の歴史は200年ちょとだとか。今のように発展したのはここ100年と思っていたので、意外でした。

ベージュの表紙の方は同済大学出版社から2006年10月に出たばかりのもの。書虫で見つけ、越劇版を読んでから「黄梅戯版もほしい!」と熱望していたので、勇んでゲットしました。こちらはかなり本格的な戯曲に関する論文集で、今まで読んだような歴史の概説とはちょっと違います。一つ一つのテーマ、例えば俳優さんや有名な演目について、深く掘り下げてあって面白い!ここでは前述の馬・黄・韓がが現代の三大名優として挙げられています。

演目では「天河配」(仙女と人間の悲恋)、「女附馬」(男装した女性を巡る喜劇)、「徽州女人」(魯迅も経験した「文明結婚」の悲劇を正妻側から描く)がトップ3。しかし女優さん、お若い頃と今の顔が整形で(勝手に断定)、かなり違います。若がえってるんじゃなく顔そのものが違う。個人的にお気に入りの呉亜玲(「紅楼夢」黛玉役)がいないのも残念。徐君(TVドラマ「鴛鴦配」主演)も結構好きなんだけどなあ。越劇と比べ、昔からテレビや映画とも馴染みがより深い気がします。中央電視ドラマ「紅楼夢」の柳湘蓮/北静王の俳優さんも黄梅戯出身だし。







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# by hungmei | 2007-02-09 18:54 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)


越劇「柳毅傅書」とCD「梁祝」

d0095406_13214159.jpg「柳毅傳書」は1962年長春電影製片、南京市越劇団演出。竺水招など名優が名を連ねた、洞庭湖の龍王の公主と人間の柳毅の恋物語です。モノクロ映画版で、この時代の戯曲映画の大ファンとしては嬉しい限り。洞庭湖に伝わる伝説からとったストーリーで、龍女の危機を救った柳毅は紆余曲折を経て彼女と結ばれ、龍女は人間界で暮らします。そして夫婦の死後は中国文学にはお馴染みの「仙人になる」不老長寿になって終わり。いつも見ている劇と違い、神話劇というような内容になっており、「大人のおとぎ話」という感じでした。

王文娟の名作「追魚」でも思ったのですが、この頃の映画の水中の演出ってすごいかわいい!空中を飛ぶ時もそうですけど、映像技術的に拙いのは全く気にならないほのぼのさ。モノクロなのも大きいかな。神話劇にはモノクロですこしぼやっとした映像の方がそれらしくて素敵です。前回見た「越調」とは違って、こちらは完全にいつもの「越劇」の唄でした。節回しとか、メロディとか。旅行に行くのは北が好きだけど戯曲はやっぱり南の方がスキかもしれません。極論ですが・・・。なよなよした繊細な感じが好きです。

d0095406_1254936.jpgヤフーで素敵な紅楼夢のブログをやられているchococoさんから教えていただいたこの梁祝サントラの存在。やはり越劇のメロディーと近似したところがありBGMとしてもじっくり聞くにもよさそう。これをキッカケに戯曲の世界へ足を踏み入れる人がいれば・・・なんて思いが頭をよぎります。電影「紅楼夢」のサントラでも思ったのですが、バリバリの中国伝統って感じでなくとも戯曲風のノスタルジックな雰囲気もあり、意外に面白い!江南春琴行さんで1000円ちょっとです
# by hungmei | 2007-02-03 12:53 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(14)


毛愛蓮・河南省許晶市越調劇団/ドラマ「新五女拜寿」

d0095406_16385224.jpg書虫で買った「白奶奶酔酒」で惹かれ、「著名越調表演芸術家」である毛愛蓮主演の作品をいくつか見てみました。演目は「李双喜借糠」、「火焚綉楼」。「白奶奶」を合わせ三つで「毛愛蓮セレクション」と売ってます。毛はこのニ作品では完全に貞淑な小姐役で、そのオカンっぽいテイストに惹かれたのになあ・・と若干テンション下がりましたが、「李双喜」はストーリーが面白かったし、「火焚」の方は戯曲には珍しく清朝時代というのを明確に打ち出した内容で面白かったです。

「李双喜」は、幼い頃からの許婚が夫側の没落により縁談差し止めとなり、食べるものにも事欠き婚の妻の実家に糠を借りに行く話。「あんな貧乏な家に」とぼやく両親に、30歳を超えた当時としてはかなりオールドミスの妻が「そんな不義理はない!」と抗議したまたま鉢合わせした許婚と意気投合してめでたく結ばれる話。爽やかな喜劇でした・・。「火焚」は「満朝」「乾隆」などとおいしいキーワード満載で、やはり縁談を巡るすったもんだを描いています。丑や浄の活躍するにぎやかなお芝居でした。浄のガラガラした唄い声になれず、思わずビクッとなってしまいます(笑)。

3つ全て舞台版の中継で、映画やドラマにはない扉を開けたり暗闇でさまようパントマイム演技が冴えていてます。たまたまか、この3つで女性が椅子を運ぶシーンを3回見て驚きました。ほかであんまりなかったので・・・。普通なのかな?それと字幕で小姐も浄も「俺」「俺們」と自称していて、辞書では「方言で『私達』」とあったのですが・・・女性も俺って言うとびっくりしますね。河南省独特の表現とか?北京に近いし、「越調」とあるぶんやっぱり北京語に近い気も。丑の白いメイクがやはり馴染めず・・毛もいくらなんでも小姐じゃないじゃん、とせこいツッコミが。

テレビドラマ「新五女拜寿」は、浙江小百花越劇団の80年代同名映画(茅威涛、何賽飛、陶慧敏主演)のドラマ化。全26話で複雑なストーリー展開になっており、最後には理解を諦めました(笑)。以前アップした黄梅戯原作のドラマ「新女附馬」(還珠3部で有名な黄奕主演)の姉妹版らしく、個人的に気に入った女優・俳優さんを目当てに見たのですが・・うーんどうだったんだろう?大河ドラマ「考庄秘史」で押しも押されぬ寧静も出ていますが、テロップの筆頭に出る割に出番はナシ!ビバリーヒルズ青春白書の恋愛でなく親子関係版みたいな感じでした。面白いんだけど内容把握は難しいです。

越劇映画「五女拜寿」 ⇒ 
ドラマ「新女附馬」 ⇒ 
黄梅戯の「女附馬」 ⇒ 
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# by hungmei | 2007-02-01 16:33 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)

    

鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です
by hungmei(黄梅)
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