d0095406_201617100.jpg 清代の蒲松齢作、中国古典文学の狐・幽霊ものといったらこれ!昔から今まであまたのドラマや映画の原作となってきました。上下とも97年発売、500頁弱で読みやすい。全編から80あまりの話を選んで訳されたこの本は恋愛ものが多く、『画皮』など怪奇ものはなし。必ず美女(実は狐か幽鬼)が貧乏書生に押しかけ女房し、書生は豊かになり子が生まれ、美女はそのうち消えるか夫婦で登仙する。で、家に帰ったら正妻がいるとか、「私と別れても結婚しないで下さいまし。家事や夜伽が必要なら、妾を置いてくださいね。」とか妻妾同居一夫多妻のな常識が面白い。


 『聊斎志異』は平凡社から奇書シリーズで全訳が出ていますが、こちらも本来、松枝茂夫先生が全訳されるはずだったそう。先生のご逝去に伴い、全訳から一部選択して訳すことにあらため、立間さんが担当されたそうです。個人的に『紅楼夢』といい、平凡社のでっかいサイズの奇書シリーズより、岩波のレトロな訳文かつ10冊本くらいの箱セットが好きです。
# by hungmei | 2008-10-09 20:22 | 4ブログ関連書籍 | Comments(0)

d0095406_844994.jpg 『紅楼夢』の王文娟・徐玉蘭コンビのもう一つの代表作。こちらは戯曲らしいハッピーエンド。湘劇(湖南省)からの改作、應雲衛監督作品。林黛玉の時の王文娟は憂いをおびた演技が評価されましたが、私は『追魚』の明るく爽やかなほうが好き。当時の技術での特撮は水中の描写がよく、越劇には珍しく魚の精や海の妖怪が出てきて面白いです。

---あらすじ------------------------------------
 令嬢・金牡丹と、貧乏書生の張珍は生まれた時からの許婚。しかし張珍が大きくなると家は没落し、今は金家に居候し学問に励んでいる。「無官の婿は不要」という義母や、「貧乏人と結婚なんて」と嫌悪を示す許婚に張珍は疲弊気味。ある夜、わが身を嘆き池のほとりで嘆息し、池の魚に情をかけた張珍。魚の精はそれに感じて人型となり、金牡丹に化けて張珍を慰める。その後ニセ牡丹(魚の精)と張珍の清い交際は続くが、遂に偽者の存在が発覚。張珍は相手が実は魚の精と知ってもそれまでの愛情を優先し、二人で金家から逃走するが、金家では名裁判官である包公を巻き込んだ紛争に発展。魚の精は海の仲間に助けを求め、最後は観音様の取成しで2人がめでたく結ばれる。
------キャスト-----------------------------------
王文娟 .... 鯉魚/金牡丹(二役)
 ワガママお嬢様の金牡丹と健気で優しい鯉魚を王文娟が二役。特撮なのか2人同時に出てくるシーンもありますがやはりなんだかヘン。池から出たばかりの鯉精は真っ赤なラメラメ衣装で、他の越劇ではなかなか見られないドハデ衣装ですが爽やか。「書館」のシーンでは、居眠りする張珍を起こそうと硯の水をぴゃっぴゃとかけたり、王文娟の可憐さ爆発です。

徐玉蘭 .... 張珍
 張家の跡取りだったが父母は既になく、しかも結婚前の許婚の家に居候という肩身の狭い男性。許婚の母親は彼を何とかして追い出そうと躍起だし、許婚には貧乏人とさげすまれ、かなりきてます。それでもめげない明るさと、わりと鯉精のいいなりな素直さがかわいらしい。越劇小生の頼りなさと、その裏返しの誠実さを体現していると思う。

銭妙花 .... 假包公
 実は海の妖怪で、鯉精の兄貴分。偽者騒動で窮地に追い込まれた鯉精に頼まれ、包公に変身し、裁判をひっかきまわす。しかし隈取で真偽の区別はつかない・・・。他にも貝やエビ、亀の仲間がいて、かわいらしいです。銭は越劇電影『碧玉簪』(1962)にも戦争から帰ってくる花嫁の父・李廷甫、『紅楼夢』では忠順親王府から派遣された張府官で出演の名優。

徐惠琴 .... 真包公
 金牡丹が2人いると大騒ぎになり呼び出される裁判官。越劇で初めて隈取を見ましたし、その後もこの作品でしかお目にかかっていません。93年に亡くなられましたが、京劇の花瞼の歌い方を学び、越劇でも隈取を取り入れた女優さん。越劇十姐妹の公演「山河恋」にも参加し、『春香伝』の老獄卒や『孟麗君』の劉仁で有名な「越劇大面王」です。

鄭忠梅 .... 金寵
 金家の主人で牡丹の父。金夫人と違い、親友の息子である婿(張珍)をフォローし妻と娘に認めさせようとするが、いまいち成功しないお父さん。鄭は越劇電影『紅楼夢』(1962)の王夫人、『碧玉簪』で目立たない舅の王裕を演じており、老生・老旦。個人的にいじわる姑がはまっていた『釵鳳頭』の演技が好きです。『孟麗君』の皇太后とか。

周寶奎 .... 金夫人
 金家の女主人、金龍の正妻で牡丹の母。典型的悪役で娘の我侭を助長させ、貧乏な婿をいびりまくる。周は越劇電影『碧玉簪』の道化役・陸氏、『紅楼夢』のゴッドマザー賈母、『祥林嫂』(1978)の主人公の姑で悪役・祥林娘を演じている。「越劇老旦王」。銭妙花や徐惠琴とは『西廂記』でも共演しており、かなりの名脇役だと思います。

魏小雲 .... 烏龜精
 鯉精の仲間で亀。兄貴分が包公に化けたのをうけ、自分は包公の従卒に変身する。越劇『梁祝』(1959)には梁兄の下男、四九役で出演しています。

陳蘭芳 .... 觀音
 天から降りてきて張珍と鯉精を救済する女神。陳はのちの香港制作越劇映画『金枝玉葉』に出ているようです。『紅楼夢』では襲人役の女優さん。

映画データ
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 後に続く1962年の『碧玉簪』、『紅楼夢』に比べ小規模で出演者も少なめ。1953~1959年ごろには名作にして越劇最大のヒット映画『梁山伯与祝英台』が作られています。確かに『紅楼夢』も『梁祝』も他の戯曲や映画に多大な影響を及ぼした戯曲映画ですが、このこづくりな小品もなかなかいい。もっとプッシュされてもいい作品だと思うんだけどな。包公劇なのも越劇には稀少。ちなみに日本語で台本の全訳が読める(古川末喜「中国越劇追魚訳稿」)ので、私がきちんとセリフを理解できる希少な作品。
# by hungmei | 2008-10-08 23:59 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

d0095406_704156.jpg 改编:谢铁骊、:导演:陈怀憶。1990年第10届中国电影金鸡奖最佳导演奖受賞、助演女優賞受賞。旧版CCTVドラマとほとんど同時期ですが、新人を起用したドラマに比べこちらはスターを起用した感が。越劇女優が多いのも特徴で、CCTVでは京劇(晴雯役)、川劇(王煕鳳役)など地方劇出身者は多いですが、越劇は一人しかいません(初代惜春役)。この映画、総計で12時間あるわ、表記が「六部八集」なんですが、一集単位で上映したのかな?キャストの外見がかなりイメージ通りで、筋よりそちらが見もの。

電影サントラのレビュー
映画データ

--------キャスト---------------------------
贾宝玉:夏钦
 越劇女優が演じる。しかしこの女優さん、これ以降は越劇でもTVや映画でも全然見ません。本名は夏菁。当時、この映画の主役に抜擢されたのなら、スター間違いなしだと思うのですが。声がハスキーで(吹き替え?)ボーイッシュ、わたしの宝玉のイメージにはかなり近いです。
林黛玉:陶慧敏
 海外公演用にエリート越劇女優を集めて1980年代に創設された浙江小百花越劇団に所属していた。今も主に映画、テレビで活躍されている陶さんですが、ここでは林黛玉の孤高さ、ひねくれぶりがよく出ていて、CCTVの陳暁旭さんの黛玉と負けず劣らずはまり役。
薛宝钗:傅艺伟
 CCTVで宝釵だった張莉さんがバレリーナで細身だったのに比べ、この女優さんはデブではないですが健康的な美人。それに賈宝玉、林黛玉のお姉さんという感じが外見からも言動からも非常に感じられ、密かにビジュアルではこの女優さんの薛宝釵が一番と思っています。
王熙凤:刘晓庆
 『西太后』や『芙蓉鎮』で日本でもおなじみの大陸女優。一昔前なら、中国の女優といえばこの人だったと思う(今はチャンツイー?)。さすがの演技派、王煕鳳もそつなく演じています。賈瑞とのベッドシーンではなかなかのお色気を披露。ただ丸顔なのが少しイメージ違い?
妙玉:何赛飛
 陶慧敏と同じく浙江小百花越劇団出身。近年は滑稽劇にも参加。越劇キャリアも確実、かつ映画でも活躍、チャンイーモウ監督『紅夢』では越劇の歌も披露。ここでもプライドの高い偏屈さよく出ていて、妙玉を演じた女優さんでは一番だと思う。
贾母:林默予
 現在もご活躍中の女優さん。20年前におばあさん役でしたが、てことは当時何歳だったんでしょう。当時60歳、現在80歳というのもありえますが、他のTVドラマで(99年)拝見する限りとてもそんなお年には見えません。この映画で助演女優賞を獲得。
刘姥姥:赵丽蓉 
 赵丽蓉は評劇女優で1950~60年代の戯曲映画『花為謀』『劉巧児』で有名なベテラン。当時から道化役でしたし、老年の渋みも加わって、まさに適役。残念ながら2000年になくなられました。
史湘云:马晓晴
 笑い声が快活で、ちょっとぽっちゃり気味。CCTVの郭霄珍さんはかわいいけどスリムだったので、外見に限ればこの女優さんのほうが近いかも。しかもすごく幼く原作に近そう。
紫鹃:陈红
 現チェンカイコー夫人となり、『北京ヴァイオリン』映画版でモデル役。作中は目立ちませんが・・・。
張蕾:襲人
 賈宝玉との契るシーンあり、側室になる気満々で黛玉排斥に躍起で私が見た中では一番悪役な表象。年上すぎて外見も違和感。
晴雯:李勇勇
 釣り目のS系美人で、非常にお美しく色気もあって危うさを感じ、私の想像する晴雯はこの人!しかし死ぬところはあっさり流されていて、残念。
秦可卿:何晴(張蕾?)
 夢で賈宝玉と同衾するシーンがあり、そのときの兼美も彼女。

贾元春:李秀明、曾丹:賈探春、 賈惜春:丁嵐、楊世華 :賈迎春
李纨:邢红、平儿:倪雪华、尤二姐:陈虹、尤三姐:李玲玉
俞紅菲 :麝月、王敏宜:王夫人、薛姨妈:袁玫、齊虹 :雪雁
宮景華 :邢夫人、陳祖榮 :尤氏、章傑 :賈政、姬麒麟 : 賈璉
周志宇 :賈赦、範永瀚 :賈蘭、閃增紅 :賈瑞、甜甜 :賈環
王斑 :薛蝌、樊淑棣 :善保家的、李翔 :焦大、閩英 :傻大姐
王雲霞 : 周瑞家的、傅祖成 :西平王、邵萬林 :趙全
李雨濃 :和尚、範青山:賴大:、金風 :道人
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 結末は120回本通りで通霊宝玉の紛失→金玉良縁と黛玉の死→宝玉が病気が悪化→道士が玉を引き取りに来る→賈蘭とともに科挙受験、その後失踪。違うのは、原作エピソードの順番入れ替えが激しいこと、また賈宝玉・薛宝釵夫婦に子どもはなし。大虚幻境で金陵十二釵の冊を読むシーンがありスモークたきまくり。李少紅監督作品のような画面の暗さで、写実的な旧版ドラマに比べ、かなり原作に近いこの電影。後は原作に近い10代前半~半ばほどの外見の俳優さん達が多く、ほんと幼いです。
【劉暁慶の王煕鳳】
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# by hungmei | 2008-10-08 23:57 | 3紅楼夢/ドラマ、書籍等 | Comments(3)

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 ジャケットからはわかりにくいのですが、テレビ番組として作られた徐派開祖の名作集シリーズ(確か80-90年代くらい)。今回は第三回と第六回、いきなりだんな様(文革で亡くなられました)との馴れ初めから始まってびびりました。だんな様は徐さんの芸術探求の姿勢に惹かれたそう(笑)。毎回ながらさすが第一世代の女優さん、浙江方言なまりの普通話で制作秘話など語ってらっしゃいます。

1952年の玉蘭劇団をつれて人民解放軍に参加し、53年に周恩来について戦場を慰問。人民服の徐老師と当時の戦地のモノクロ資料映像が愛国色をいやがおうでも高め、越劇の中身となんか合わない気もする。それから北朝鮮建国にあわせ『春香伝』が作られ、凱旋公演も実施。いつにも増して共産党万歳のインタビューになっております。

----内容---------------------------------------
【第三回】
盤夫/徐玉蘭...曹栄、洪芬飛...厳蘭貞
明代、悪徳政治家の厳世藩の娘と、その夫のドタバタ。夫婦の押し問答→和解してラブラブ→またケンカ、の段。相手役の洪は傳派で寧波越劇団の主要演員。この演目は金派の印象が強かったのですが、洪の高音はすごく良かった!顔も好みで惚れ惚れ。背景のお屋敷も美しい。

【第六回】
回十八/梁三伯...徐玉蘭、書童...陳恵[女弟]
「梁三伯与祝英台」から、祝が実家へ戻った後、見送った時の(=十八相送)事を回想する梁兄。「まさか女性とは思わなかった」と懊悩する。真っ暗闇の森の中での歌なのでなんだか殺風景だが、書童がかわいいのが救い。徐玉蘭の梁兄はそんなに・・・。声があんまり合ってない気がします。ちょっとハスキーだし、もっと大人っぽい役がはまりそうな・・・。慰問時の再現のようです。

工場、農村慰問時の映像
『紅楼夢』からの賈宝玉の勘違い結婚の喜びの歌「金玉良縁」を工場の中や普通の庭、兵士達の前で歌っています。聴衆はみんな静か。うるさくして見てはいけないのでしょうか?53年に戦地から戻って以降の慰問の様子だそうです。ここはカラー映像。職工さんや兵士がみんな若い!

書館/張生...徐玉蘭、鯉魚...王文娟
越劇名作電影『追魚』から。王文娟とのゴールデンコンビが送るハッピーエンドのコメディ。貧乏書生の張生は許婚の金家へ居候して勉学しているが、金夫妻は貧乏な婿を嫌がる。そこへ張に同情し見初めた池の魚の精が金の令嬢に化け慰め、最後は金家を捨て魚の精と結ばれる話。「書館」はその冒頭、わが身を嘆く張と魚の精の一目ぼれのシーン。魚の精がかわいい。

愛歌/李夢龍...徐玉蘭、春香...王文娟
朝鮮で最も有名なラブストーリー、李朝時代の貴族と名妓の娘の恋愛を描く『春香伝』から。春香の貞節さと、身分違いの2人が最後に結ばれるハッピーエンドのお話。『追魚』と合わせ徐・王の代表作となっています。「愛歌」は2人の蜜月、男が都に帰り春香の受難が始まる直前のラブラブ期の歌。ここの王文娟もかわいい。

電影『追魚』レビュー、読みにくいです
# by hungmei | 2008-10-06 20:07 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

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 2007年、上海越劇院演出。ここの紅楼夢といえば銭恵麗・単仰萍の紅楼劇団コンビか趙志剛・方亜芬の尹派男女合演コンビの印象が強いですが、この電影では同じく王派のスターである王志萍が林黛玉を、徐派小生の鄭国鳳が賈宝玉を演じています。内容は経典版=1960年代電影の徐進脚本による徐玉蘭・王文娟版で、元妃省親で始まる上海大劇院用のハデな新版ではないです。作中、「上集」「下集」とテロップが出るので、電影といってもテレビ放映用なのかもしれません。

【あらすじ】
 黛玉入府→仲の良い2人、同枕や頬に紅のくだり→宝釵入府→大観園落成→読西廂→琪官を逃がす→書房で勉強中に晴wenの眉を描き、襲人に咎められる→笞宝玉→題ハンカチ→閉門羹→黛玉葬花→紫鵑が「黛玉が蘇州に帰る」と嘘をつき宝玉を試し、大騒ぎに→王煕鳳献策、襲人が二玉の仲をばらす→凧揚げのシーン、ばかねえやが秘密をもらす→黛玉焚稿→雪雁が金玉良縁を紫鵑に知らせる→宝玉哭灵→雪の中、大虚幻境(?)に帰る宝玉

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賈宝玉...鄭国鳳
 徐派トップは銭恵麗かもしれませんが、鄭も負けず劣らずのキャリアと実力(だと思う)。王志萍とはよく組み『蝴蝶夢』などでその名コンビぶりが伺えます。ベテラン40代ですがこの人は若く見えるなあといつも思う。今回の宝玉は、普段にもましてちょこまか動きが多く、こりゃ勉強にうちこみゃしないよなという落ち着きの無さ。

林黛玉...王志萍
 日本居住でキャリアを中断、06年から復活した王派小旦。「小王文娟」の称号があるそうですが、はっきり言って今回の黛玉は外見が受け付けません。もう少し年上の役が似合うと思う・・・(すいません)。単の黛玉も「年上っぽすぎて黛玉に見えるか」と思っていたんだけど、王志萍の黛玉はなんだか華がなさすぎる・・歌は抜群です。

王煕鳳...謝群英
 経典版だけど、衣装は新版みたいな変なマントで登場。赤と黒の毒々しい配色もイヤ。でも歌は良くて、林黛玉との初対面の歌は大好きでこのドラマでも一人気をはいていた。金派小旦でこの人もベテラン40代。関係ありませんが目が大きくて小顔でショートが似合い、素顔がすごく好きな女優さんです。

紫 鵑...黄依群
 紫鵑にしてはちょっと老けている気が・・・。王志萍と並ぶと少女同士に見えない。よく見る女優さんですが、手元にプロフィールがなかった。雪雁から金玉良縁を知らされ憤慨するシーンはもとにはあったかな?その後、周瑞家的に式に呼ばれるが拒否。面白いなと思いました。

薛宝釵...金 静
 静安越劇団に入り威雅仙に師事した威派小旦。ベテラン40代くらい。噂では日本にお住まいとか・・。確かに90年代には日本に出国したと公式プロフィールにはあります。お仕事のたび帰国するのでしょうか?

賈 政...呉 群
 老生にしては顎が細く、女性的な感じもしましたが、そこが徐天紅とかみたいでかっこいい髭メン。張(桂鳳)派老生で79年生まれの29歳です。主役2人が40代の女優さんだけど、20代の老生がお父さんなのが戯曲らしい。

琪 官....張宇鉾
 ジャケットでは字が「鉾」となっていますが、恐らく「峰」さんでは。「青春版」でも琪官を演じており、陸派小生のホープの83年生まれ。琪官は行当だけに小生の中でもひときわたおやかで女性的な美しさの方が多いです。。曹銀[女弟]=電影『舞台姐妹』で妹役の越劇女優、の役だし。

襲 人...唐暁羚
 紫衣装で一見、紫鵑とだぶりますが、そこそこはまっています。呂(瑞英)派・金(采鳳)派、花旦(快活な若い女性)・青衣(落ち着いた中年女性)を兼任する芸域の広い女優。この人も良かった。

晴 雯..盛舒楊
 84年生まれの傳派小旦。「青春版」では紫鵑を演じていました。快活で明るい役が似合うかわいらしい女優さんですが、晴wenをやるには色気不足に感じます。あやうい感じがないの。

王夫人...応国英
 越劇王子の「紅楼夢」でも王夫人役だった。チワワ系でちょっと迫力不足かな・・。この人もプロフなし。髪型が普段の王夫人と違い高く結い上げ髪飾りも派手で印象的でした。83年来日公演で襲人役だったらしい(コメント欄での上海やきそばさんからのご指摘です)。

はいめい...呉佳[女尼]
 青春版でもこの人が同じ役。あと折子戯では薛蟠も。宝玉に西廂記を渡すシーンは、褒美に腰の下げ物をねだるが、「これは林妹妹からもらったのだからダメ」というところが越劇30集ドラマ(2001)を思い出します。

賈 母...愈会珍
 顔がやや若いけど歌はうまいです。けっこう小柄でそれがまたおばあちゃんぽい。浙江小百花越劇団舞台版『新五女拝寿』で陳夫人を演じています。

薛姨媽...董美華
 経典版のトリプルキャストでも、50周年公演の折子戯「二姐呑金」でも王煕鳳も演じていた。しかし一瞬しか出番がなく印象0。

長府官...蔡 燕
 この役といえば張桂鳳派の金紅を思い出すんですが、損な悪役を担当する人が増えるのはいいことですね(?)。折子戯「雪地追子」では賈政役。

雪 雁...忻雅琴
 黛玉が蘇州からつれてきた侍女。演じるのは青春版紅楼夢で林黛玉だった女優さん。目立たないけど確実にフレームイン!

周端家的...楊才英
 式に紫鵑を呼びにきたが、従わないので雪雁を強制連行していった。越劇王子の新編越劇『家』は第五夫人を演じていた女優さん。

鶯児...樊婷婷
 薛宝釵の侍女。樊は金派小旦。歌の出番がないので何とも・・。

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 見た感じ、舞台版と映画版のあいのこ位のチープなセットで、TVドラマ版という感じ。9月に上演された「青春版紅楼夢」とも演員がかぶっています。歌は後から吹き替えでしょうし、青春版の演員が多いせいもあるのか、歌にすごく力が入っている印象。もちろんいつも皆さんお上手ですけど、それに加えて気迫というか気合を感じます。それに舞台版より展開が早くて驚きました。普段の越劇のテンポと違いすぎて最初めがまわりそうに・・・。そのぶん後半の悲劇がどっぷりなんですけど。
# by hungmei | 2008-10-05 22:24 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(11)

上海越劇院・青春版紅楼夢・上(53分の動画・土豆網)
青春版紅楼夢・中(60分)
青春版紅楼夢・下(55分)

 上映50周年を記念し今年9月に、上海越劇院で若手女優を起用した『青春版紅楼夢』が上演されました。見に行けず死ぬほど悔しいので動画で鑑賞。昆劇の『青春版牡丹亭』も聞いていましたが、普段、私が見る作品では脇役しか見られなかった若手越劇女優さん達が主役で感激もひとしお。20代前半くらいの女優さんが多くて第四世代か?盛舒揚は『蝴蝶夢』から好きだし、忻雅琴、張宇峰、陶鈷怡、陳慧迪はそんな若かったとは知りませんでした。

-------キャスト---------------------------------------
賈宝玉...楊婷娜、李[王路]彦
林黛玉...忻雅琴、李旭丹
薛宝釵...陳慧迪、紫 鵑...盛舒揚、王煕鳳...王jie、賈 母...呉佳燕
王夫人...陶鈷怡、襲 人...陳馨[王奇]、晴wen...張麗、
薛姨媽...余福英、琪 官...張宇峰、はい茗...呉桂[女尼]
ばかねえや..袁丹丹、長府官...李 穎
領 唱...銭麗亜 ※内容は「経典版」=従来からのスタンダード版
------------------------------------------------------------
 この青春版のほか、銭恵麗(賈宝玉)・単仰萍(林黛玉)の紅楼劇団トップキャストによる経典版・新版、越劇王子(賈宝玉)・方亜芬(林黛玉)の男女合演尹・袁派バージョンの経典版・新版も上演されたようです。普段は単に譲り気味の王志萍(林黛玉)・鄭国鳳(賈宝玉)による経典版の舞台上演と戯曲ドラマもありで豪華豪華。張永梅の紫鵑は大好きだし、陸派小生かつ徐派老生の黄慧は賈政と琪官を演じていて、彼女の演じる琪官は見てみたかったです。似合いそう。特筆すべきは原作小説からとった折子戯もたくさん上演。経典版よりもむしろそっちが気になります!
-------サイドストーリーの折子戯-------------------------
【屈打香菱】 
 忻雅琴...香菱、陳馨[王奇]...夏金桂、邱文静...薛蟠
【打薛蟠】  
 李[王路]彦...柳湘蓮、呉佳[女尼]...薛蟠
【探春別母】 
 王jie...賈探春、余福英...張姨娘、孫[王旋]...賈環
【可郷自縊】 
 張永梅...奏可郷、裘丹莉...瑞珠、金 紅...賈珍
【晴wen別宝玉】 
 陳 穎...晴wen、鄭国鳳...賈宝玉
【妙玉浄心】 
 方亜芬...妙玉、章海灵...弥勒
【坐 縁】   
 楊婷娜 ...賈宝玉、裘丹莉...薛宝釵
【雪地追子】 
 蔡燕...賈政、呉佳燕...老家人
【二姐呑金】 
 華怡青...尤二姐、董美華...王煕鳳、王jie...秋桐、袁丹丹...善姐
【三姐折簪/欽剣】 
 王志萍...尤三姐、黄慧...柳湘蓮、丁小蛙...賈レン、金紅...賈珍
【宝玉夜祭】 
 章瑞虹...賈宝玉、陳[王涼][王涼]...はい茗

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 以上は公演をご覧になった方から頂いた上演パンフレットより作成。演目としては「探春別母」、「可郷自縊」、「坐縁」あたりが気になりますね。あらすじからすると、趙姨娘はどこまでもセコイよう。奏可卿は中堅の張永梅ですが、若手にこの役は難しいかな?「坐縁」の薛宝釵も裘で同じ?また王志萍の尤三姐と黄慧の柳湘蓮は見てみたい!それにしても、小生・小旦の相手役って大体決まってくるんですね。やはり相性か・・。金紅(老生)は賈珍などどこまでも悪役で、陳[王涼][王涼]はきっとかわいいなーと思ったのでした。
# by hungmei | 2008-10-05 02:19 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

越劇『李娃伝』

  女優のみの上海越劇院紅楼劇団演出、名優の範瑞娟・傳全香の「芸術伝人大氾演」で2人の代表作を現在の演員が上演、特に範派に力点がおかれているよう。場ごとのマルチキャストで同じ登場人物の演員さんがどんどん変わります。ついていくのが大変。唐代伝奇からとった、バカ息子(鄭元和)が賢い妓女(李亜仙)の助けで改心し、プーだったところ科挙に受かって2人は結婚、めでたしという黄金のパターナリズムの話。いつもよりさらに普通話っぽく聞き取りやすいです。

【範派小生で鄭元和を演じるの以下の5人】
・第一、二場、白銀飛(寧派小百花越劇団)
・第三場、呉鳳花(浙江紹興小百花越劇団)
・第四、五場、王少楼(42年生まれの最年長)
・第六場、章瑞紅(上海越劇院)
・第七、八場、王鳳鳴(温州市越劇団)

【傳派で李亜仙は以下の4人】
・第一、二場、陳 珠
・第五場、洪芬飛(寧波小百花越劇団)
・第六場、陳 穎(上海越劇院)
・第七、八場、張脂嬌(48年生まれ、芸歴40年の大ベテラン)

---あらすじ---------------------------------------------
 妓女の李亜仙は妓楼の二階から外を眺めるうち、偶然通りかかった鄭元和とお互いに一目ぼれ。鄭はそのまま妓楼に滞在するが路銀のついた鄭は妓楼の主人である王媽媽からたたき出される。実家に帰るも父から折檻を受け、勘当された挙句に家から放り出される。放浪中、李四から葬式の歌を習い、それで何とか糊口をしのぐようになる。そんな折、偶然に李と再会。路銀を恵まれ科挙を受けるよう薦められる。果たして鄭は状元となり、糟糠の妻を捨てることなく、鳳凰冠を送る(=正妻としての格式)。李は初め下賎な自分より今の身分にふさわしい妻を迎えるよう提案するが、鄭の説得で納得、二人は正式な夫婦となる。
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第一場:墜鞭、逐院
道を歩いていた鄭が、妓楼の二階から外を眺めていた李に一目ぼれする。
鄭元和...白銀飛、李亜仙...陳 珠、賈大媽...楊才英
秋 紅...王[吉吉]、来 興...張佳椅、酒 保...金  紅

第二場:遂院
妓楼に滞在していた鄭がお金を使い果たし、王媽媽からたたき出される。
第一場演員に加え、王媽媽...徐玉萍

第三場:責 子
勉強せずフラフラする息子を父親が折檻、息子は瀕死、勘当される。
鄭元和...呉鳳花、鄭北海...章海灵、宗 禄...郁利群

第四場:教歌
プーになって放浪していた鄭に、偶然会った李四が葬式の歌を教える。
鄭元和...王小楼、李四...陳[王涼][王涼]

第五場:巧偶
偶然であった李と鄭。鄭をかばいたい李と世知辛い王媽媽との攻防。
李亜仙...洪芬飛、鄭元和...王小楼、秋 紅...王[吉吉]、賈大媽...楊才英

第六場:易目
再び同居し始めた鄭と李だが、李が鄭に科挙を受けるよう薦める。
鄭元和...章端虹、李亜仙...陳 穎、秋紅...王[吉吉]

第七場:栄帰
鄭が状元となり帰省、李四やりと再会。鄭は李に鳳凰冠を送ろうとする。
鄭元和...王鳳鳴、李亜仙...張脂嬌、李 四...陳[王涼][王涼]

第八場:団圓
父母と和解、李との結婚も認められ、お世話になった李四も立てて大円満。
鄭元和...王鳳鳴、李亜仙...張脂嬌、鄭北海...章海灵、周氏...葛佩玉、
李 四...陳[王涼][王涼]、■官...呉佳[女尼]

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 第三場、父が息子を折檻するシーンは、『紅楼夢』の徐天紅、徐玉蘭による「笞宝玉」を思い出します。ここで章海灵の老生を久々に見ましたが老旦より良かったし、武技でならした呉鳳花だけあって、より激しい演技の折檻は物騒なシーンですが見ごたえあり。四場からの王小楼はさすがのベテランで渋く、歌が巧いです。六場の章も今のところは範派嫡流って感じかな・・。範派小生のスターが新旧これでもかというほど勢ぞろいで圧巻。陳[王涼][王涼]の確実な丑っぷり、王[吉吉]の秋紅もかわいさが脇を支えています。

【梅花賞スター呉鳳花紹介の動画】

# by hungmei | 2008-10-04 07:26 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)

これから見たいものです。かきかけ。『潘金蓮』だけは折子戯をVCDで持っているのですが。普段、悪役の金蓮が越劇ふうに本来の強さとは違った強い女性に描かれていて、白い衣装とあいまって干浄な感じです。水袖の演技が華やか。『女吊』は演目も初見、『王老虎抢亲』はコメディなので気になっていて、えぐい女装もで来るらしいし、いずれ通しで見てみます。

越劇【潘金蓮】  『金瓶梅』でおなじみの毒婦を越劇に改作。


越劇【女吊】 魯迅の小説が原作。陳穎...王芙蓉


越劇【王老虎抢亲】

# by hungmei | 2008-10-04 07:15 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です

by hungmei(黄梅)
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