越劇・黄梅戯・紅楼夢


黄梅戯旧版『紅楼夢』-選段CD、呉瓊、馬蘭主演(1984)

d0095406_1282655.jpg 1990年代に『新版・紅楼夢』が黄梅戯で発表され、大きな賞を取り人気になる前のバージョン。てっきり新版の馬蘭(賈宝玉)、呉亜玲(林黛玉)バージョンかと思っていたら、馬蘭が女性小生で賈宝玉なのは同じでも林黛玉が呉瓊。ブックレットにもあるとおり、越劇の徐玉蘭・王文娟版を移植したそうで、女性小生が男主役を演じるあたり他の戯曲よりより越劇に近い感じ。ただしメロディは全然違い当然ながら黄梅戯です。

・・・収録曲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
作詞(徐進)、作曲(方紹[土堀)、安徽省黄梅戯劇団

1、葬花(林黛玉...呉瓊)

 紅楼夢の中で最も有名なシーン。越劇だとほんっとお嬢様のセンチメンタリズムが芸術に昇華して印象的ですが、ここではどーもピンときませんでした。印象に残らない・・・。歌詞は当然、曹雪芹の漢詩があるから、越劇とほぼ一緒です。メロディは相違あり。

2、焚稿(同上)
 こちらも有名な、賈宝玉の結婚を知って臨終の林黛玉が今までの詩稿を焼くシーン。前の「葬花」よりはこちらの方が呉瓊の良さ(=悲哀節が上手)に合っていて、面白く聞けました。これも歌詞はかなり越劇に近いがメロディは違う。

3、金玉良縁(賈宝玉...馬蘭)
 想い人の林黛玉と結婚できると思い込んだ賈宝玉が、その喜びを歌う華やかなシーン。越劇では徐玉蘭をはじめ高音の響く賑やかな歌ですが、こちらも同じ。ただ、新版紅楼夢などではどちらかというと「我合不攏笑口把喜訊接」と表記される気もする。この旧版があって90年代の黄梅戯らしさを前面に出した新版が出来るんですね、きっと。

4、哭灵、出走(賈宝玉...馬蘭、紫鵑....偉友侠)
 結婚相手は薛宝釵でかつ林黛玉の死を知った賈宝玉が、瀟湘館を訪れ嘆き、その後に失踪するシーン。新版では少ない賈宝玉と紫鵑のやりとりがあり、おそらく越劇のように瀟湘館を訪れるのは賈宝玉一人か紫鵑の出番が多いのではないかと思いました(新版では原作と違い、婚礼のあとに瀟湘館を訪れるのは賈宝玉をはじめ賈母、王夫人、王煕鳳ら総出。紫鵑の出番は少なく、越劇とかなり違う)。でも「問紫鵑」ほどの掛け合いがあるわけではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 呉瓊が黄梅戯劇院を離れ、独自に活動する前の作品?(このへん、中国語がよくわかってないので怪しい)。でも馬蘭が結婚後、活動を制限されたと安徽省黄梅戯劇院と喧嘩したり、呉瓊もよく知らないけど黄梅小歌とかロックっぽいファッションで歌っていたり、なんか体制と仲良くなさそうなイメージなんですけど・・(ほとんど推測です。)越劇でももっと規模が大きいぶんそういう揉め事は大量にあるんでしょうか。4で「林妹妹、我来[しんにょう尺]了!」と3回叫ぶところは越劇そっくりで「今頃遅いしテンション高いんだよ!」とちょっと突っ込み。作詞は越劇の編劇・作詞などで有名な「徐進」なので、協力を仰いだのでしょうか。それか同姓同名・・・はないか?
# by hungmei | 2008-11-15 12:08 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


ショウブラザーズ黄梅調電影『宋宮秘史』(1963)

d0095406_916696.jpg   有名な「狸猫換太子」の故事からとった、包公劇。高立監督、凌波出演と黄梅調の王道・・・と思いきや包公劇の色が強く、歌は少なめ。やたらめったら歌っている他の黄梅調とは違いますが、20年来の冤罪、死者も出ているとなると、その悔しさを歌ったシーンは迫力満点。むしろ黄梅調の歌が効果的にきいている印象がありました。ただ、節によっては黄梅調の朗らかさが出てしまい、なんか合ってないところもあり。井淼のドーラン顔と、リンポーの憤怒のジャケットで、見る前は期待0だったのが意外に面白かった。

・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 宋の時代、清廉な裁判官で有名な包公の行列に、ある男が割り込む。彼は自分の母が包公に冤罪を晴らしてほしいと伝え、包公はぼろ屋で夫人と対面、彼女が先帝の李妃であると知らされる。20年前、先帝にはまだ王子がおらず、李妃が懐妊。ライバルの劉妃は自らも妊娠したとうそをつき、先帝は先に王子を産んだほうを皇后にと言い出す。そこで劉妃は李妃の子をかすめ自分の子とし、ゆりかごには狸(?)の死体を残す。李妃は化け物を産んだとされ降格、さいごは縊死(実は替え玉を使って宮廷から逃げ、20年後の訴えとあいなる)。すり替えに加担させられた劉妃の侍女、冠珠も自殺。すべてを知った包公は今上帝に訴え、陰謀の執行役であった宦官の郭槐を宮廷の監獄に収容、その夜、侍女が扮した冠珠の幽霊に脅かされ、罪を自白。母后(劉妃)は自害、李妃は新しい母后として今上帝と親子の対面を果たす。

・・登場人物、キャスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
包公...井淼
 ご存知、戯曲のスーパースター、冥界でも裁判官を勤める公正なお役人。市井にまぎれた李妃の訴えを聞き、皇帝に上奏。20年前の後宮争いなんて踏みたくない地雷系の案件にも関わらずガンガンせめてゆき、見事、真相究明・冤罪をはらす。さすがのドーラン真っ黒メイク(包公は地黒で、かつ戯曲では隈取も多いから)で、他の人から浮いてた。普段は脇役の井淼がここでは主役。

李妃(欧陽莎菲)
 先帝の寵姫で初めて王子を産むが、ライバル劉妃の讒言で化け物を生んだ罪を被せられ冷宮に追いやられる。劉妃に毒殺されかけたところ、替え玉の侍女が縊死し冷宮は燃やされる。その騒ぎにじょうじて市井に逃れ20年。泣き疲れで失明し、息子(実子なのか?)を包公の行列へ割り込ませ真相究明を頼む。はじめ可哀想と思ったけど、ラスト、自信満々で新母后としてあらわれた姿はいけすなかった笑。

劉妃/母后(高宝樹)
 先帝の寵姫で、李妃のライバル。李妃の懐妊に張り合って自身も妊娠したと偽り、李妃の息子を掠め取り自分が産んだことにして、李妃の産屋には狸(?)の死体を置かせた。のち皇后となり、息子の即位後は皇太子の母として君臨、息子が今上帝となってからは母后として暮らしていたが、包公の裁判で過去の悪行が露見、死を賜り白絹で縊死する。

先帝/今上帝(金峰、二役)
 黄梅調スターの金峰の二役。ちょっと頼りないけどまじめな皇帝役を好演。先帝は「先に男子を産んだほうを皇后に」とわざわざ災厄の種をまく思慮の浅いおやじで、今上帝は若いからか訴えを聞きすぐに母后に真相を尋ねる直情(そしてちょっとバカ)な青年。金峰ってまじめだけどちょっと足らない青年が似合う。

冠珠....凌波
 劉妃の侍女で、李妃の息子のすり替えと毒殺をまかされるが、その善良さから息子は宦官の陳琳にまかせて逃がし、李妃の毒殺にも失敗。ことの露見を恐れた劉妃から責められ、郭槐の加担もあって自殺に追い込まれる。のち、郭槐が投獄されたときは、幽霊となって復讐する。リンポーだけに群舞はあるわすり替えで悩むシーンの歌はねちっこいわ、クレジットで扱いが大きいのも納得。

郭槐
 劉妃づきの宦官で、すり替え&李妃毒殺を劉妃からまかされる。実行を侍女の冠珠にまかせるが、彼女がすべて失敗したため、劉妃とともに冠珠を自殺へ追い込む。20年後、李妃の冤罪が取り上げられると真っ先に拷問・投獄され、冠珠の幽霊(実は生きている侍女の扮装)に脅かされ、冥界でも包公に裁かれて死罪となる。投獄中に自身の棺材が運びこまれる姿は哀れ。
 
陳琳
 李妃づきの宦官だった。冠珠に頼まれ李妃を逃がす。20年後、冤罪がはれた時は郭槐への積年の恨みからかなり張り切る。こんな秘密抱えて20年後宮づとめ、つらそう。

冠珠に扮する侍女...李菁
 ゲスト出演。郭槐を白状させるため仕組まれた芝居で、死んだ冠珠に扮し脅かす。このころから李菁は幽霊役がはまっている(『連鎖』、『倩女還魂』などで幽霊役が多い気がする)。

太師...田豊
 ショウブラ黄梅調・古装でおなじみガリガリで髭の印象的なおじさん。包公の訴えを封じ込めようと皇帝に進言するが、入れられない。出番はそれくらい。

包興
 包公の側近。はじめ李妃の訴えが道中もたらされたときは、どちらかというと取り上げるより無視して早く京に戻りたいみたいだった。包公の清廉ぶりを強調さすための脇役さん。

・・演員、監督プロフィール紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【高宝樹】 
 1932年生まれの江蘇人。話劇出身で同じく話劇俳優の姜南は夫。1951年香港映画ではじめ、声優も経験。製作にも加わり岳楓監督の副監督を務めたり、彼女が指導した何莉莉主演『鳳飛飛』もあり。1971年にはショウブラを離れ、二人目の夫である柏文伯と映画会社「宝樹電影公司」をおこし製作、導演、演員として活躍。80年代にはほぼ引退。ショウブラでは『玉堂春』(1962)、『楊乃武与小白菜』(1962)、『鳳還巣』(1962)、『女巡按』(1966)に参加。

【金峰】
 本名:方鋭、広東潮州人で、香港の名ヘアメイク方圓の息子。重慶大学卒業後、舞台に立ち始め、沈雲と結婚。1949年に香港へ行き、「金峰」と改名。『葡萄仙子』など歌舞劇に出演、1962年にショウブラへ入ったのちは黄梅調で活躍。20年の間30ほどに出演し、歌舞劇に心血を注ぎました。黄梅調出演作は『鳳還巣』(1962)、『喬太守乱点鴛鴦譜』(1963)、『双鳳奇縁』(1963)、『蝴蝶盃』(1963)、『女秀才』(1966)。

【高立】
 1924年南京生まれ、教員などを経て映画界へ。リーハンシャン監督作品『貂蝉』(1958)などの編劇で手腕を見せ、のちショウブラの名監督に。黄梅調で特に活躍し『鳳還巣』(1962)、『魚美人』(1964)、『魂断奈何天』(1965)、『女秀才』(1966)、『新陳三五娘』(1966)など。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 普段、包公劇はぜんぜん好みじゃなくて(男ばっかりで・・偏見?)、辛うじて偽包公の出てくる越劇、黄梅調『追魚/魚美人』くらいしか気に入らなかったのが、これは期待に反し面白かった!夢で冥界裁判、それが人界でも効果を発揮し悪人成敗・・これが包公案のよさなのねーと再認識しました。ラストがあっさりしていますが、今上帝にとって長年実母と思ってなついてきた女性が実は自分を利用し後宮での地位を築き、実母が新しく出てきた上に育ての母が縊死となっては、葛藤はないのか?そこも見たかったな。高宝樹と欧陽莎菲は普段おばさん、お母さん役だけど、冒頭の懐妊シーンでは厚化粧で以外に普通、女現役!って感じで無理がない。熟女って感じでもあるがロリコン趣味の後宮より断然面白そう。高宝樹の悪役ぶりも見ていて気持ちが良い。
# by hungmei | 2008-11-15 10:05 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)


ショウブラザーズ古装電影『武則天』(1963)

d0095406_21441450.jpg  リーハンシャン監督躍進の一端、『貂蝉』(1958年・古装劇)、『江山美人』(1959年・黄梅調)、『倩女幽魂』(1960年・古装劇)に続く金馬賞受賞作。大スターでお色気ムンムンの李麗華が武則天を演じ、皇帝小生の趙雷らが脇を固める。後にアクション映画で名を馳せるキンフー監督出演。内容も監督も主演女優も『楊貴妃』(1962)とかぶりまくりだが、女帝なぶんこちらが面白かったです。唯一の突っ込みどころは、OP音楽が『金瓶双艶』(1974)とまるきり同じなこと。ありがち。

・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 唐代、武才人(李麗華)は、太宗の死後尼になっていたが、高宗(趙雷)が彼女を見初め、昭儀として後宮入りさせる。皇后(張仲文)は彼女を呪詛し、それが露見し庶民に落とされる。反対をおしのけ武昭儀は皇后となる。それに従い武皇后の第一子が皇太子となるも女遊びにうつつを抜かすバカ息子で、房事中に死亡。まもなく高宗は死亡し、死んだ皇太子の弟の中宗が即位するが武則天により廃され、その後の睿宗も廃位。また張昌宗(張英才)・張易之(張沖)を男妾とし、数々の臣下を殺しついに武則天が皇帝となるが、謀殺してきた亡霊たちの幻覚を見ながら彼女は息絶え、一晩だけの玉座に終わる。
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# by hungmei | 2008-11-14 22:07 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)


黄梅戯電影『牛郎織女』(1964)

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  1964年の大陸映画。悲劇の神話『天仙配』、喜劇の人情劇『女附馬』についで、黄梅戯三番手。一見『天仙配』と似ていますが、こちらは天界人どうしの恋愛悲劇。七夕のエピソードが由来。「春潮涌」などが名曲ですが、唄が少なく戯曲としては寂しいかも。織女が天界より人間界を気に入ってうたうのが「「到底人間歓楽多」。日常的な些細な幸せ満載でほのぼのとした歌で、こちらも有名。



【あらすじ】
牽牛(星)と織女(星)は秘密の恋に落ちるが、王母の知るところとなり牽牛は罰として人間界に転生させられる。王母の留守中、織女は隠れて人間界に下る。子どもも生まれ、農村での暮らし気に入った仲の良い牽牛・織女の夫婦だったが、王母が帰郷し織女の所業がばれさらに責められる。最後には二人が引き裂かれ、毎年一回七夕の日のみ顔を合わせられるようになる。



・・・・・主な演員、登場人物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

嚴鳳英 .... 織女、女主人公。天界の生活がけっこう合っていたよう。
王少舫 .... 金牛星、主役カップルを助ける頼れるお兄さん、かおじさん。
黃宗毅 .... 牛郎、男主人公。金牛星に比べ小生っぽく儚げで善良な男性。
張雲風 .... 牛兄、人間界での牽牛の兄。弟を引き取るが嫁に尻にしかれる。
麻彩樓 .... 牛嫂、人間界での牽牛の兄嫁。居候の義弟を邪魔者扱いする。
王少梅 .... 王母、女神で天界の最高権力者。コワモテで歩く姿はさながら極道。

・・・・・・・その他のキャスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
映画紹介ページ
張傳宏 .... 值日功曹(白發老爺爺)
徐慶平 .... 靈芝
查瑞和 .... 老漢
丁翠霞 .... 大娘
戴金和 .... 青年男子
孫懷仁 .... 青年女子
查瑞和 .... 老漢

【厳鳳英/織女による「到底人間歓楽多」】

# by hungmei | 2008-11-11 18:00 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)


黄梅戯名段-『夫妻観灯』

d0095406_2026264.jpg  こちらは黄梅戯の中でも小戯として有名な作品。『天河配』などが有る程度ストーリーを備えた長い演目なのに対し、小戯は1シーンを中心とした短い演目。長い演目からの抜粋(折子戯)もあれば、最初から小戯のものも。小戯が充実している黄梅戯の特色かな。短いながら前向きなストーリーを楽しめ、疲れた時に最適。主人公二人の名前って、黄梅戯の小戯でよく見ますが(「打豆腐」等)、山田太郎と花子さんみたいな感じ?

【あらすじ】
  王小六♂と王六妻♀は新婚夫婦。元宵節の灯篭を初めて二人で見に行こうとうきうきするが、いざ行くと人ごみのおしあいへしあい。途中、くだらない痴話げんかもしながら、二人は夫婦でのお出かけを満喫するのでした。下に上げた厳・王版は古典ですが、二段目の王・潘版は舞台版実況中継で、かなり独特のセンス。笑えます!なんだか東北二人転に通じるものがあります。王成さんは丑で有名なので、雰囲気がいきているのかも。

【お勧め動画は以下からもどうぞ】
私の一番のお気に入り、王成・潘雪萍による舞台版(観灯調)
土豆網での「夫妻観灯」検索結果、いろいろ選べます

【歌詞の一部抜粋】
(妻)手棒蓮花灯一jia,二家有喜,  (夫)三jia灯,
(妻)三元及第,  (夫)灯那四jia,
(妻)四季如意,  (夫)五jia灯,
(妻)五子登科,  (夫)灯那六jia,
(妻)六六大順,  (夫)七jia灯,
(妻)七子団円,  (夫)灯那八jia
(妻)八仙過海,  (夫)九jia灯,
(妻)九龍盤珠灯十jia, (夫妻)十全十美満堂紅.

このリズムにのった歌詞を訳せなくて・・あと単純に中国語わからないだけなんですけど。jiaと書いたところですが、そう聞こえるけどピンインで探しても辞書になく、たぶん灯にかかる数詞だと思います。出せない・・・。この演目は「開門調、対板」と「観灯調」の二つのバージョンがあるらしく、上記歌詞が含まれているのは後者のみです。

【厳鳳英、王少舫による「夫妻観灯・開門調、対板」(1955)】

# by hungmei | 2008-11-11 07:06 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(3)


『小辞店』黄梅戯電視連続劇・韓再芬主演

d0095406_14155354.jpg     以前から韓再芬主演の作品が見たいと探していたのですが、「徽州女人」が全く手に入らないかわりに、これを鑑賞。【あらすじ】清代、庶民の不義密通をめぐる悲劇。主人公の柳鳳英は、家に寄り付かない夫を持つ十字街の居酒屋の店姐。そこへ妻と不仲の商人・蔡鳴鳳が来店し、独身と偽り二人は恋に落ちる。同棲する二人だが、 3年後に遂に蔡が帰宅を決意。引き止める柳に、再帰の約束をして帰宅する蔡だが、途中何者かに殺されてしまう。裁判となるが、実は蔡の妻の密通相手が犯人だとわかり死刑に。蔡の妻も柳も不義密通で死罪、柳は搬送中に蔡の墓を見に行きそこで自殺して劇終。


  


  昼メロテイストで陳腐ですが2時間という長さが短く感じられたくらい魅入りました。死に方もお馴染み壁に頭をぶつけるという、日本の切腹と同じく危なっかしい方法。気概を感じます。山中でほかになく、柳が頭をぶつけるのは蔡の墓石。。どうにも後味が悪く、作中の唄もほとんどお互いの不運や相手の愛情、裏切りに関してです。パッケージには充満伝統人情世故的名劇とあり、男性陣はみんな辮髪・胡服、女性もみんな清朝スタイルです。神話劇を除き、こういったコテコテ人情に関する戯曲って、清朝や民国期の設定が目立つ気もする。身分設定が庶民よりなため、生き生きとした活気のある街の描写など、日本で言うならNHK連続テレビ小説か金色夜叉か。蔡役の韓軍という俳優さんが、『玉堂春』に脇役で見た時気に入っていたので堪能。最初に独身と嘘をついたぶん、絶対こいつが悪いんだけど、あの雨にぬれた子犬のような瞳で見つめられたらたまらないl。

【ドラマとは違いますが、呉美蓮による舞台録画版】

# by hungmei | 2008-11-11 06:24 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(8)


黄梅戯『新版紅楼夢』

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実は旧作は未見ですが90年代に黄梅戯で大ヒットした「新版」紅楼夢の舞台版。ここに載せたソフトは全て同じ舞台でありながら収録内容が少しづつ違なります。削られたシーンが他では見ることが出来たり、比べると面白い。実はもう一つ他のバージョンもあります。あらすじ等、4つのソフトを総合して構成しました。

【あらすじ】
僧侶姿の宝玉の独白→黛玉入府、仲良し幼年時代→宝釵入府→読西廂→柳湘蓮との交流→黛玉葬花→賈政の鞭打ち→寝言で宝釵に「金玉縁より木石盟縁」→病床の黛玉を宝玉が見舞い仲深まる→煕鳳、王夫人、賈母が二宝の婚姻決定→臨終の黛玉と二宝の結婚式が同時進行→瀟湘館へ宝玉、賈母、煕鳳らが弔問に→宝玉の失踪→僧侶姿の宝玉の独白。

特徴としては黄梅戯らしい群舞の充実、特に結婚式のシーンでは臨終の黛玉と式にとまどう宝玉を群舞が担ぎ上げ、お互いの水袖を引き合いながら最終的には引き裂かれるという体育会系。珍しく鴛鴦の台詞と踊りまで。そして何と宝黛のキスシーンが。これは3つのソフトからは削られているのでやはり忌避されたのかな?名優・黄新徳演じる柳湘蓮の出番が多いのも黄梅戯ならでは。

個人的に好きなのは煕鳳の悪役ぶり。越劇でもそうですが、より悪辣さが強調され準主役くらいに目立ちます。派手な踊りもありおいしいとこどり!煕鳳の踊りで群舞の女性が扇を落としてしまうのですが、すかして知らんふりの女優さんが煕鳳のキャラクターと被ります。他の3つのソフトではこの失敗のためか煕鳳の群舞に付随した宝釵入府シーンが削られており、物語の中盤からいきなり宝釵が登場。

呉亜玲の黛玉はふくよかですが孤高な感じがよくでています。黄梅戯名段では必ず呉亜玲の「黛玉葬花」があるし。宝黛の幼年時代のシーンは成人女優さんが演じているのに子ども仕草なので凄い(笑)。黛玉の死後、瀟湘館を訪れるのは越劇では宝玉だけですが、ここでは賈母や煕鳳を始め主要人物が全員。ナマナマしいのが黄梅戯らしい。宝玉が自分の婚礼衣装を黛玉の棺にかけるところは涙涙です。

【演員】
賈宝玉/馬蘭
林黛玉/呉亜玲
王煕鳳/<龍鳥>維玲
賈母/王敏琴
薛宝釵/周麗
蒋玉函/黄新徳
張史官/黄宗毅
王夫人/胡玉浩
紫鵑/周源源
襲人/李<王京>
鴛鴦/茆健琳
茗烟/周山
童年宝玉/王<王京>
扮戯・師付/劉亮栄
Y環/丁兆星、張麗莉
小厰/朱永剛、張立、王成、張文旗

【読西廂のシーン】


【周莉による宝釵の独唱、いまいち】

# by hungmei | 2008-11-11 05:30 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(1)


ブログ主のやや独り言/黄梅戯『女附馬』一段、戯迷の歌学習法


 
 1955年の黄梅戯電影『天河配』に続き、双璧の片割れ、『女附馬』が映画になったのが1959年。既に映画レビューは書いたのですが、この中に、私が「黄梅戯すげー!」と思った(超くだらない)ところがあり、記事にしてみました。本当にくだらないし黄梅戯をまじめに見たり演じている人には失礼かもしれませんので、そういう場合は読まないでくださいね。

※以下、下品なので苦手な方はご遠慮ください※
 
 動画は映画の冒頭、実母をなくし父と継母と折り合いの悪い襄陽に住むヒロインが、家出した兄を心配する(なかなかに荒んでいます)「春風送暖到襄陽」から、その両親が貧しい許婚に婚約解消を迫り断られ、許婚同士が密会し相談する「断腸人送断腸人」(本当に悔しそうだ)の間。ちょうど、ヒロインの家に許婚が招かれ、三百両で婚約解消をのんでよ、と切り出されるシーンです。そして2:43から彼の憤慨した気持ちが歌われるのですが、そこの歌詞が「万両黄金如糞土!」。お金で節を曲げない実直さとか、崇高さがすばらしいというではなく、幼稚園児なみにシモネタが好きな私にはウンコと黄金の話はたまりません。これ、もし侍女とかで側にいたら笑っちゃうかも(って、真剣すぎてそうはならいか?)。なんか夢判断みたい。

映画レビューはこちらから

 ストレス解消と戯曲好き魂から一曲くらい歌えるようになりたいといつくか越劇の歌を自主トレしてみる。「バラードより速い曲が簡単」という昔の卡拉OK格言など思い出しゆっくりした歌よりテンポの速いものに挑戦するが、江南方言が読めないので速いほうがむしろ難しい。完全振り仮名作戦か、普通話ならまだマシなので黄梅戯で先に覚えるか。発声法も黄梅戯の方が自分としてはやりやすい。昔、セミプロの方から準備体操など習ったんだけど、一人だとなかなかやらない。音楽教室があればいいけど、しかも地方演劇・・。また流派ごとに覚えるといいかなとも思ったが、試すとそうでもないかも。単純に好きでやりやすい曲からマスターした方が早いかもしれない。小生も旦も素人学習には大して関係ないかも。
# by hungmei | 2008-11-10 18:27 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

    

鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です
by hungmei(黄梅)
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