日本橋高島屋で9月いっぱい開催される、「北京故宮博物院展 清朝末期の宮廷芸術と文化」を見てきました。有楽町であった韓国ドラマの展示会なんかのように無料のちょこっとした展示かと思っていたら、入場料800円。むむう、高いと思いつつ入場しましたが、意外に良かった!全然高くないです。

具体的な内容としては咸豊帝の妃で光緒帝の生母である西太后と、ラストエンペラー溥儀の二人に焦点をあて、服飾や愛用品などが展示されていました。写真も豊富に取り揃えられていて、おなじみの写真から初めて見るものまで。珍妃の写真がなく姉の瑾妃のばかりで、かつ瑾妃が今で言うぽっちゃり体型だったのが印象的です。

最初の方には康熙帝、雍正帝、乾隆帝の隆盛時代の展示で三人の肖像画とヌルハチのものがどどんと飾ってあります。本で死ぬほどみたこの写真、実物を見ると相当でっかい!等身大どころの騒ぎじゃありません。さすが皇帝、さすが清朝。スケールでっかい。溥儀の皇后・婉容の衣服を見ていると、還珠格格の皇后はこの人の衣装から多くとられているのかなあ、と思いました。髪形も似ていて、前髪のたわみ具合とかそっくり・・。

劉暁慶主演の映画「西太后」の原題・「垂簾朝政」でおなじみの、皇帝の椅子の後ろに御簾がたらされ皇后の座る台があるやつ。その復元が見られました!でもー、立派だとは思うんですが、背景がデパートの壁だからなんか変。有名な東太后・西太后二人の席ではなく、東太后死後の西太后独裁体制時の復元のため、通る人通る人「あそこに二人座るの?」と呟いてました(笑)

清朝の展示という事で紅楼夢を意識して行ったのですが、見ながら思い出すのはどっちかというと還珠格格だったなあ・・。実はこの日、神田の学士会館内にある中華レストラン「紅楼夢」にも行く予定が、時間に間に合わず断念しました。日曜は休みだし、お役所ぽい電話対応で、今度行きますけどやや不安なレストラン。d0095406_172758100.jpgd0095406_17282563.jpg
# by hungmei | 2006-09-24 17:34 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(0)

越劇「祥林嫂」

20世紀初頭に生まれた越劇の、最大のターニングポイント袁雪芬の越劇改革で生まれた作品。当時の新作越劇の中でも現在は越劇を代表する名作で、今回見たのは1978年の映画版。祥林嫂は1948年にも袁雪芬主演の映画があるので、二度目の映画化作品になります。

内容は魯迅の「祝福」を改編したもので、農家の嫁・祥林嫂は夫が死んだ後、家の貧窮を救うため姑と叔父によって他家に嫁がされます。貞節に厳しい当時の社会から寡婦の再婚は忌み嫌われ、彼女自身も二度目の結婚から逃れようとしますが、図らずも優しい夫と一粒種に恵まれつかの間の幸せな日々を送る祥林嫂。しかし二度目の夫にも先立たれ、子供は山で狼に食い殺され、以前奉公した魯家でも「二度も夫に先立たれたのは不吉」と新年のお祝いに参加させてもらえません。

主人も感心するほどの働き者の祥林嫂は、そこでお寺に寄進すれば罪があがなえると聞きますます奉公に励みます。長年の努力が実り、祥林嫂は寺に立派な建材を送りますが、それでも魯家での扱いはかわらぬまま。「子供が狼に食われたなんてうそっぽい」と中傷されるまでになり、最後には魯四爺によってクビを言い渡されます。物乞いになった祥林嫂はある冬の夜についに力尽き魯家の前で死にますが、翌朝それに気づいた魯家は無視をきめこみます。

見ているともうどうにもこうにも救われなくて、学校のPCで見ていたのに最後は号泣。悲劇は嫌いで、越劇がすきという割りに祥林嫂をずっと避けていましたが、見てよかったです。繰り返しは無理ですが・・。この映画で袁雪芬は演出にまわり、祥林嫂は金采鳳が演じています。二度目の誠実な夫は男優の史済華。細かいところでは「紅楼夢」でご隠居を演じた周宝奎が、姑の祥林娘で出ています。出番が多いのはうれしいけど、明らかに悪役・・でもいかにもないじわる姑をせせこましく演じる姿は、さすが女優さん。

古い作品ですが、「なんで寡婦は穢れてるっていうんだろう」「二夫にまみえず、ってできるだろうか・・」と昔からぼんやりと抱いてきた疑問に当時なりの答えが提示されているように思えて、とても感情移入してしまいました。もーどすればいいてんだー!!!!と最後は祥林嫂に変わって叫びたいくらい。文革の解放後らしく?そこはかとなく漂う革命模範劇ふうのタイトルバックや歌にもその熱さが共鳴します。それにしても二度目の夫、賀老六が生きていてくれればー、と悔しくて仕方ない!夭折する阿毛(娘?息子?)役の子役の歌がすごい上手いです・・。d0095406_163268.jpg
# by hungmei | 2006-09-21 16:23 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)
それぞれ書虫でみつけたものと、神保町の内山書店で買いました。前者は百家出版社2001刊、後者は上海文芸出版社1994年。1940年代の越劇草創期からのスター、老生・老旦(老人・老女役)の徐天紅と小生(青年役)徐玉蘭の俳優人生を綴った本です。この二人といえばなんといっても名作「紅楼夢」で徐玉蘭は主人公の宝玉を、徐天紅はその厳格な父・賈政を演じたのが有名ですね。本当は玉蘭の方が1921年生まれで天紅より4歳年上なんですが、そこは戯曲。実際の年齢について言い出したら終わりません(笑)。

この伝記を読むと、民国時代から袁雪芬の1940年代越劇改革があった上海租界、新中国建国、文革と再度解放・・・と中国現代史そのものです。教科書で習った知識が、実際の人間の人生とリンクして語られる分凄みがありました。いかにも戯曲俳優らしく、玉蘭も天紅も貧家に生まれ演技の道に入ります。玉蘭の方は北朝鮮公演での出来事や彼女の結婚、出産、文革中に夫が謀殺されたこと、などが印象的。大きい息子さん2人との写真も何枚か載っており、お母さんでもあるんだあと妙に納得。天紅の方が仕事に重点をおいて紹介されるのに対し、玉蘭の方は出自をはじめ家庭面にもスポットがあたっているように感じました。

面白かったのは、同時期の著名人がたくさん出てくること。天紅が梅蘭芳から演技をほめられ扇子をもらったとか、京劇名旦の2人から崔夫人の演技がほめられたとか、天紅が袁雪芬と同じ劇団を運営していたとか、宋家の三姉妹でお馴染み宋慶齢が天紅を援助していたとか・・。それと劇団も「天紅劇団」「明星劇団」など、今では上海越劇院の印象が強すぎて忘れがちですが創成期にはたくさんあったんですね。

傅全香・竺水招らとの共演は、越劇改革時の「越劇10姐妹」など交流はあったとは知っていても、この演目でこの人と共演して・・と細かい情報を見たのは初めてで感動。今ではみんな名優中の名優ですから、今考えたら物凄い豪華メンバー!しかし今ではなくなってしまった演目も多いようで、見られないのが残念。ずばり「林黛玉」とか。どんなストーリーなんだろ?1942年に迫害を受けてなくなった名小生・馬樟花との交流にも触れられており、国際交流基金の「中国演劇の魅力」講座で習った情報がいきました(^^)

どちらもカラー写真が豊富に掲載されており、特に天紅の方は戯曲学校の生徒でもあった方亜芬(新版紅楼夢で黛玉役)や趙志剛(越劇王子)との写真がナイス。二人ともめちゃくちゃ若くて時代を感じます・・何でもこの二人をそれぞれ今のお師匠さんの袁雪芬と尹桂芳に紹介したのが天紅だそうで。天紅は目が大きく容姿に恵まれたため、自ら老生を目指すも人生で三度、小生への転向を強く勧められたとか。でも「小生や旦は何人もいるけれど、老生は人数が少ないし」とあくまで自分の姿勢を貫く姿がかっこいい!d0095406_20582078.jpgd0095406_20585539.jpg
# by hungmei | 2006-09-20 17:48 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

黄梅戯「啼笑因縁」

黄梅戯のテレビドラマシリーズをソフト化したVCDで、書虫で買いました。
1話1時間で、全8回。演目自体は黄梅戯にも越劇にもあるし、上海の話劇でもあるらしいので、戯曲の中でも人気なんでしょうね。原作は張恨水の同名小説。内容は、軍閥時代の中国。大学生の樊家対と女義侠の沈鳳喜が恋に落ち、結ばれます。しかしその後鳳喜は劉将軍の妾にとられ、家対とは絶縁。鳳喜が進んで妾にあがったのは自分のためだと気づき、家対が再び会いに行くと鳳喜は既に妾奉公の苦労から発狂した後でした。復縁を求めるも鳳喜はそれを拒絶し、自殺を図ります。未遂に終わるも結局彼女は亡くなり、時代は新中国へ移行。家対は新しい恋人(?)がいるようないないような微妙な感じで幕切れ。

語学力不足で、理解しきれませんでした。舞台を8時間のドラマにしてあるから筋が複雑になってるし、長いし(><)。最後は朦朧としながら見ていましたが、それでも動乱期の波乱に満ちた人生についてドラマ見ていると、最後がどうなるのかきになりましたね・・全然ディティールがわかってないのに。主要な女性が鳳喜、その妹(?)の関秀姑、よくわからないお蝶夫人みたいな髪とファッションのとう小姐、と3人いるのですが、慣れるまで区別がつきにくかった。鳳喜と家対が正式に結婚していたのか、将軍を暗殺した秀姑はどうやって罪を逃れたのか、わかってません・・。

より古い時代設定の戯曲とほとんど同じような邸内、庭園、町並みがありつつ、一方で近代的な建物や車、電話やラジオが出てくる混沌さが素敵ですね。日本でも明治大正の和洋折衷がきれいだなーと思いますが、まさにそんな感じ。この時代独特の女性の衣装(短いマオカラーに七部袖の上着に、くるぶしまでのスカート)がお気に入りです。でも礼儀作法なんかはそれ程新しくなくて、旧式の挨拶を洋服を着た人がしているところがナイス。黄梅戯らしく、お膝元安徽省の世界遺産・黄山がロケでも歌詞でもたくさん出てきました。舞台もそのへんなんですけど。主人公が旅行で黄山に行き、重要なシーンが展開されます。

しかしパッケージの内容簡介がシンプルすぎて、「大学生と女義侠が恋に落ち、数々の試練に見舞われ、みんな辛酸をなめた」というだけ(笑)それ、大学生と女義侠が辛うじて説明になってても、他はまったく意味をなさないのでは・・。ほとんどの戯曲がこの文章で説明できそう。やっぱり8話でどんどん展開していく話をまとめるのはめんどくさかったんでしょうか。ドラマ自体も長くなった分ちょっとぴりっとしないところもあり・・しかし面白いので次は舞台版で見ます!越劇や他の戯曲のもチェックしたいな。
# by hungmei | 2006-09-16 10:22 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(7)

黄梅戯「玉堂春」

1993年のドラマ版で、書虫だと同じ枠(火曜サスペンス劇場、みたな)の黄梅戯ドラマをいくつか扱っています。パッケージも同じシリーズって感じで、他にも「啼笑因縁」を買いました。

大体1時間で全6回です。明代の馮夢龍「玉堂春落難逢夫」を基に、同名小説や京劇の「玉堂春」を参考に改作してあります。ここでのあらすじは、王金龍(すごい名前!)は妓楼で蘇三という妓女となじみになります。しかしいくら富豪の子息といってもそのうち資金がつき、家が破産した事もあって王は妓楼を追い出されます。

荒れ寺に寄宿し糊口を凌ぐ王に蘇三もいろいろ援助しますが、同僚の妓女・鴇児がお金に目がくらみ陥れたせいで、蘇三は沈家の妾に売られます。沈家では妻が密通し、目障りな夫を毒殺してその罪を妾の蘇三にかぶせます。死刑に処される蘇三。そこへ科挙に及第し役人として任官してきた王が昔の恋人・蘇三に気づき、彼女の冤罪を晴らしめでたく結ばれます。

蘇三の裁判のシーンや、男主人公が科挙に赴く間に女が売り飛ばされるところなんか戯曲の王道で目新しいとこはありません。しかし通常2-3時間の舞台のところ6時間のドラマに仕立ててあるので、細かいエピソードや脇役も出番が多く、楽しめます。ラストは普通、冤罪が晴れて二人は再び愛し合う・・、みたいにあっさり終わる事がおおいのに、これは過去を捨て王のもとを去ろうとする蘇三を王が暴れん坊将軍なみの乗馬でおっかけます。さすがドラマ。

越劇でも同名の演目がありますが、黄梅戯と違うのは
①黄梅戯では貧乏になった王が妓楼の女将を騙して贋金で遊ぶ
②ラストの騎馬シーン
③越劇での王は特に貧乏にはならず、単に科挙で留守にした時に蘇三が売られる
位かな?シナリオ本だけでの判断ですし、ドラマ版と舞台版でまた違うでしょうが、目安までに・・。

主役の王金龍を中央電視台ドラマ「紅楼夢」で柳湘蓮/北静王を演じた候長栄さんが演じています。戯曲俳優出身とは聞いていましたが、黄梅戯だったんですね。戯曲だけにこのドラマでは候さんも歌いまくりです(笑)紅楼夢の時も細い人だなーと思っていましたが、戯曲の小生は細身がスタンダードなんですかね。みんなそうだし。このドラマ、セットや内装の感じがとことなくドラマ版紅楼夢に似ていてドキッとします。ただ戯曲らしく衣装がもっと派手なので、そこは違いますが・・。王金龍なんて、及第のお祝いのときゴールド×赤に豪勢な縁取り刺繍の服を着ていて、チャングムの王様に似ていたくらい。

蘇三に扮する林南さんという女優さんの美しさと、ドラマらしい屋外セットが見ごたえのある作品です。脇役に黄梅戯でお馴染みの内山みたいなデブっちょのお兄さんや(2002年「鴛鴦配」にも宦官役で出ていた)、蘇三の小間使いで後輩で妹分の珠児と王の小斯の福児のカップルもかわいい。常に主人優先でありつつ、抜け目なくくっついていてほほえましいです。でもこのドラマ、途中でよく画面が真っ暗になって困ります。音はするしわずかに写るので、たぶんライトの光量が足りないのか?いくら暗闇のシーンといっても、限度があります・・。
# by hungmei | 2006-09-14 17:36 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)
ヤフーブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/huangmei_xi )から、引っ越してきました。相変わらず拙い感想のみのブログですが、どうぞよろしくお願いします。

個人的には、エキサイトに新登録した時にスペルを間違ったのがショックで・・黄梅のhuangmeiにするはずが、aが抜けました。直すのも面倒なので、このまま作成します。

「越劇って・・」といのは、この引越しの記事にかこつけて小ネタ(というか小ツッコミ)を書いてみたくなったからです。どんなのかというと、

①人が死ぬときの音楽がどの演目でもだいたい、というかほとんど一緒

②臨終のシーンはほとんど背もたれ付椅子か普通の椅子で体勢がつらそう
 (でも中国伝統演劇自体がそうかも)

③生の俳優さんは鼻の穴が大きい人が多い(気がする)

④女子演劇だけど、実は当初から男優はたくさんいる

こんな内容でも誰かに読んでもらえて、自分の備忘録になればと思ったんですが、過去記事が増えるにつれ自分の芸術的センスの無さが悲しくなりました。

観劇のレビューというか、単なる下衆のつっこみ(泣)。でも私にはこれしか出来ないので、このまま続けます・・やけくそで!
# by hungmei | 2006-09-13 15:15 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(2)
d0095406_14194822.jpg   王派小旦が好きです。音程低めで落ち着いていて、かつ越劇らしい繊細さもあり、控えめながら芯がある感じ。「紅楼夢」の黛玉のようなクール美人タイプも、「追魚」の鯉精のような明るい行動派タイプもどちらも素敵。越劇って人により「小生が主役か旦が主役かで議論の分わかれますが・・・。演目によっても違うし小生メインなら「何文秀」、旦なら「情深」、両方メインなら「紅楼夢」「梁祝」とか?私は老旦が活躍するおばさんが元気なところ、「西廂記」の崔夫人、「碧玉簪」の婆母、女優さんなら紅楼夢の賈母で有名な周宝奎とか、王夫人の鄭忠梅。

さらに見てみる
# by hungmei | 2006-01-01 00:00 | ※このブログについて※ | Comments(0)

鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)