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越劇・黄梅戯・紅楼夢 since 2006



伊藤漱平著作集第3巻 紅楼夢編(下)

 上中巻が書誌的研究や内容についてだったのにたいし、下にあたる第三巻は『紅楼夢』読者論、比較文化・比較文学研究になっています。読者編では江戸時代から現代(!)まで、『紅楼夢』に関わった特に日本人について、詳細に紹介されています。一番驚いたのが、明治の「女学雑誌』に抜粋で掲載されたシーンが原作の鳳姐とjia端の風月宝鑑の部分だというところ。普通選ぶかそこを?明治時代の女性誌(しかも啓蒙目的でしょ)に!金瓶梅との比較はいわずもがな、私は会話が口語でイキイキとし、食べるシーンがやたらに多く、服飾など等の細かい描写がある小説が好きなので、両方の比較と来ればありがちと言っても楽しめました。

第六部 読者編
紅楼夢 画-改[王奇]『紅楼夢 詠』を中心に
『紅楼夢評論』解題
王国維の『紅楼夢評論』と雑誌『教育世界』について-その書誌的覚書-
胡適と古典-旧小説、特に『紅楼夢』の場合を中心とした覚書-
周汝昌教授のプロフィール
概説 世界文学における『紅楼夢』
日本における『紅楼夢』の流行-幕末から現代までの書誌的素描-
丸山浩明著『明清章回小説研究』書後-『紅楼夢』を「線索」端緒として-

第七部 比較文化・比較文学論
近世食文化管窺-『金瓶梅』『紅楼夢』を材料として
『紅楼夢』を味読する会からのレポート
 同 第二弾
『儒林外史』と『紅楼夢』と-須藤洋一著『儒林外史』の跡に書す
-「一経を治むれば一経を損ふ」『紅楼夢』第七十一回
曲亭馬琴と曹雪芹と-和漢の二大小説家を対比して論ず

附録
1997年北京国際紅楼夢学術検討会開幕式上的到詞
21世紀紅学展望 一個外国学者論述《紅楼夢》的翻訳問題(同前研究会上的報告)
《紅楼夢》成書史億説-七十回本存在的可能性
Formation of Chiao-hung chi:Its Change and Dissemination
《嬌紅記》的成書及其変遷和伝播
『嬌紅記』の成立とその演変及び流伝
伊藤漱平著作集第3巻 紅楼夢編(下)_d0095406_2174067.jpg

by hungmei | 2008-12-01 21:07 | 3紅楼夢/ドラマ、書籍等 | Comments(1)
Commented by hungmei at 2008-12-01 23:01
今回は現行の岩波文庫版、平凡社版の出版秘話だとか、戦前に岩波文庫版を訳された故・松枝茂夫先生がさきに紅楼夢の訳本を出していた幸田露伴を表敬訪問したとか、自分にとって生まれる前だったり歴史(つーか神話時代というか・・)に属するような話が載っていて、ミーハーな気持ちで読みました。
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