こちらは黄梅戯の中でも
小戯として有名な作品。『天河配』などが有る程度ストーリーを備えた長い演目なのに対し、小戯は1シーンを中心とした短い演目。長い演目からの抜粋(折子戯)もあれば、最初から小戯のものも。小戯が充実している黄梅戯の特色かな。短いながら前向きなストーリーを楽しめ、疲れた時に最適。主人公二人の名前って、黄梅戯の小戯でよく見ますが(「打豆腐」等)、山田太郎と花子さんみたいな感じ?
【あらすじ】
王小六♂と王六妻♀は新婚夫婦。
元宵節の灯篭を初めて二人で見に行こうとうきうきするが、いざ行くと人ごみのおしあいへしあい。途中、くだらない痴話げんかもしながら、二人は夫婦でのお出かけを満喫するのでした。下に上げた厳・王版は古典ですが、二段目の王・潘版は舞台版実況中継で、かなり独特のセンス。笑えます!なんだか
東北二人転に通じるものがあります。王成さんは丑で有名なので、雰囲気がいきているのかも。
【お勧め動画は以下からもどうぞ】
私の一番のお気に入り、王成・潘雪萍による舞台版(観灯調)
土豆網での「夫妻観灯」検索結果、いろいろ選べます
【歌詞の一部抜粋】
(妻)手棒蓮花灯一jia,二家有喜, (夫)三jia灯,
(妻)三元及第, (夫)灯那四jia,
(妻)四季如意, (夫)五jia灯,
(妻)五子登科, (夫)灯那六jia,
(妻)六六大順, (夫)七jia灯,
(妻)七子団円, (夫)灯那八jia
(妻)八仙過海, (夫)九jia灯,
(妻)九龍盤珠灯十jia, (夫妻)十全十美満堂紅.
このリズムにのった歌詞を訳せなくて・・あと単純に中国語わからないだけなんですけど。jiaと書いたところですが、そう聞こえるけどピンインで探しても辞書になく、たぶん灯にかかる数詞だと思います。出せない・・・。この演目は
「開門調、対板」と「観灯調」の二つのバージョンがあるらしく、上記歌詞が含まれているのは後者のみです。
【厳鳳英、王少舫による「夫妻観灯・開門調、対板」(1955)】