ショウブラザーズ黄梅調電影・「亜州影后」凌波と「娃娃影后」李菁

 ショウブラザーズ黄梅調電影の大御所は他にも『楊貴妃』(1962)などを演じた李麗華、『江山美人』(1959)で黄梅調電影隆盛の幕開けを担い「亜州影后」と称された林黛、『梁山伯与祝英台』(1963)で大ヒットを飛ばし古装美人と称えられた楽蒂、儚げで梅妃などを演じ、『鳳還巣』(1964)、『魂断奈何天』 (1965)では主演した李香君、『西廂記』(1964)の崔鶯鶯や『七仙女』(1963)で主演が光る方盈、『蝴蝶盃』(1963)の丁紅などがいます。

 その中でも共演回数が多くはまっているのがこの凌波(男役)と李菁(女役)だと思います(※)。女性小生と女性のよさがいきていて、そこは越劇にも近い。凌波(本名:君海棠、福建人、1940年生)はショウブラでスターになる前、14歳から小娟という芸名で粤語や廈語(=びんなん語?)電影に出演。1962年から北京映画に出始め、彼女は歌のうまさが特徴。たとえば林黛や楽蒂が吹き替え(歌)もある中、凌波は自分で歌っています。女性小生として地位を確立し「最佳男主角」を受賞。黄梅調衰退後は『傾国傾城』(1977)などに出演、その後89年にカナダに移住しました。

ショウブラ黄梅調電影の簡単な紹介はこちら

【凌波粵語歌唱片之一】


【凌波 (小娟) 廈語片之一】


【遺忘歌手-凌波 郊道】


 李菁は本名:李国瑛、1948年生まれ。「亜州影后」=アジアの映画女王、のほか「娃娃影后」という愛称があり、童顔ってこと?出演作品には「娃娃美人」がありましたが・・。代表作は黄梅調電影の『宋宮秘史』、『血手印』、『宝蓮灯』(1965)、文芸作品の『珊瑚』など。1970年代には恋人の病死をうけ映画からは半分引退、1983年には母をなくしましたが、1994年チャウシンチーとコンリー『唐伯虎点秋香』では製作にも加わっているようです。
 凌波が黄梅調電影衰退後にスランプ、復活後も海外移住で引退したのにたいし、李菁はは安定して活動。香港に居住し続け黄梅調電影が廃れた後もややセクシー路線の『艶女離魂』(1974)などホラー映画から、文芸作品まで安定してショウブラザーズ映画で長く活躍、出演作品は50以上だそうです。ほか『四角』、『鷹王』、など。凌波が黄梅調の印象がかなり強いのに比べ、李菁は確かに現代ものにもたくさん出ていてそんなに黄梅調のイメージだけという感じがしない。出世作は『魚美人』(65)。
 
李菁出演作品一覧(yesasia.com)

※凌波、李菁共演(主役カップル)作品一覧は『魚美人』、『西廂記』(ともに65)、『西廂記』(66)、『三笑』(69)など。ほか、女性役の共演では『宋宮秘史』(1965)、『十四女英豪』(72)がある。
Commented by hungmei at 2008-11-02 12:26
ちなみに粤語時代の凌波と共演しているのは女性小生で有名な任剣輝みたいですね。それぞれ別の視点から興味を持ったものが、ここでつながりました(男性小生のいる粤劇と黄梅調が好きなショウブラのスター)。ちなみに方盈(『新陳三五娘』、『西廂記』紅娘、『七仙女』の仙女など)ももっとプッシュしたいのでそのうちまとめて書きたいです。

このDVD、映像得点で黄梅調電影の歴史が入っていますが、そこで林黛(本名:程月如)だとか、李麗華(河北省人)で京劇一家に生まれ薫陶を受けたとか、いろいろ勉強になりました。リージョンフリーデッキを買ったので、これからはVCDでなくDVDにしよう!当時の制作秘話では、地元の粤劇ならともかく、本土の安徽省の黄梅戯をどう演じればよいか相当研究したそうです。実際、安徽省出身の歌手の方が歌の吹き替えを担当したりも。
by hungmei | 2008-11-02 10:07 | 2中韓古装電影・電視劇 | Comments(1)

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by hungmei(黄梅)