①の続き。旧版ドラマは独自のプロットにより、
原作から全く異なる人物造詣のキャラクターが登場するため、ここでまとめてご紹介。脂評に従い旧版ラストでは賈芸・小紅の二人が大活躍。倪二や老三といった仲間をもまじえ、宝玉と煕鳳の獄中生活をサポートし、出獄の話をまとめます。原作で賈芸が巧姐を売り飛ばし、小紅は80回以降全く出てこないのとは大違い。史家の抄家や、王夫人や平児、鴛鴦の末路も、没落の一途なばかりに大違いです。
-----原作から大きく異なる人物-----------------------------------------------------
【小紅】(栄国府の番頭・林之孝の娘、怡紅院づき→煕鳳づきに)
賈芸と親しくなり母の葬儀を手伝う。終盤では煕鳳に見込まれ、巧姐を王家へ送届けようとするが、王仁の陰謀で巧姐と引き離され売られる。売られた先で偶然に倪二に出会い、賈芸のもとへ送り返される。その後、入獄していた煕鳳を助け、看病する。煕鳳が亡くなると、平安州に売られた両親(林之考夫妻)と平児を賈芸とともに取り戻しに旅立つ。その後は不明。
【賈芸】(賈家の傍系で、煕鳳に頼み大観園の庭木を担当した)
小紅と相愛だったが、彼女が王仁によって売られたと知りほうぼうを探す。友人の倪二から小紅の居所を知らされ、再び一緒になった後は、獄神廟の宝玉を助け食料を差し入れたり、出所のため北静王のもとへ赴く。その後は小紅とともに平安州へ行き詳細不明。
【倪二】(賈芸の近所に住む高利貸しで友人)
ゴロツキの仲間が売ろうとしていた小紅に会い、彼女を探していた賈芸に知らせる。賈芸と小紅が平安州へ旅立った後、代理として宝玉の出獄に立会い、黛玉の遺品であるランプを渡し、王夫人の死去と賈政の流罪を宝玉に伝える。原作では賈府を訴え騒ぎを起こす。
【老三】(原作にいたっけ?)
賈芸の友人で獄神廟の獄吏。煕鳳、宝玉らの牢へ賈芸、小紅、劉ばばの出入りを都合してくれる。また他の獄吏がまきあげた宝玉のランプ(黛玉の形見)を取り戻し、宝玉に渡す。
【林之孝とその妻女】(栄国府の番頭夫妻)
抄家に伴い奴隷市にかけられ、平児とともに平安州の商人に買い取られる。原作では特に結末は語られない。娘夫婦(小紅と賈芸)によって無事に買い戻されたでしょうか・・。
【史湘雲】 婚約が決まり賈家にはあまり顔を見せなくなる。甄家の抄家に伴い、次は史家。おそらく身売りされ娼妓に落とされる。物乞いとなった宝玉と偶然出会うが、すぐ引き離される。原作では未亡人にはなるが、ここまで悲惨な末路ではない。
【王夫人】 賈母が宝玉の嫁を黛玉に決めたのを不服とし、襲人の提案で実子である元春貴妃のもとに参内し、に宝釵の推薦を依頼する。通霊宝玉紛失から煕鳳への寵愛が薄れ、新しい嫁の宝釵に家政をまかす。抄家にあい、宝玉が入獄しているうちに病死。原作では生きている。都合のいいときに死んじゃう。
【鴛鴦】 抄家にともない獄神廟に琥珀と共に収容される。周囲のもと同僚達がぞくぞく奴隷として売られ、自殺するものもあるのを見、ついには賈母に殉じ首をつって死ぬ。原作では、賈母の死後に再び賈赦の側室に狙われ、それを苦にして縊死。
【平児】 抄家のさい奴隷に売られるが、番頭の林之孝とともに平安州の商人に売られる。原作では煕鳳の死後、賈璉の正室になおされる。
【賈赦、賈政、賈レン】 抄家のさい逮捕され、賈政は死刑を免じて流罪となる。賈赦と賈璉はどうなったのでしょうか。原作では政は逮捕されず賈府を立て直しますし、赦と璉も釈放され帰宅します。
【趙姨娘】 刑夫人と結託し煕鳳を陥れる。探春が嫁ぐときは誰よりも嘆く。抄家後は不明。原作では賈母の葬儀の際、発狂して死ぬ。
【夏金桂】 香菱をいびり殺し、薛蟠の死刑確定後は、屋敷中を荒らしてから実家へ戻った。原作では賈府に留まり続け、不倫相手との情交中に死ぬ。珍しく運命が好転している人物。
【香菱】 夏金桂に虐待され死ぬ。原作では先に金桂が死に、香菱は正室になおされるが、難産がもとで亡くなる。そのときは父の甄士隠に引率され大虚幻境へ。
【賈雨村】 元春妃が亡くなり、賈府の政治的立場が危うくなる。そのため賈政に忠順親王への取成しを頼まれるが取り合わない。恩を仇で返すが、自身も廟の門番の告発により逮捕。原作では最終120話の締め役で特に悪役でもなかったと思う。
【衛若蘭】 33話に一瞬登場。南安郡王率いる西部制圧の戦に参加するが、戦死する。たぶん湘雲の夫。原作の後40回では登場しなかった気が・・。
【薛蟠】 役者をめぐって再び殺人を犯し、薛家の凋落もあって斬首となる。原作では殺人を再度犯すもまた赦免され(最悪だ!)、香菱を正室にしそれなりに安穏に暮らす。こいつは許せないのでぜひ死刑でお願いします!