巴特爾監督作品、全34話。大御所・谢晋監督による同名映画のドラマ版。1930~40年代の上海を舞台に、
改革期の越劇界と4人の女優の運命を描いた戦争情感劇。主人公の越劇女優・竺春花は実在の袁雪芬がモデルといわれています。越劇史って女工哀史みたいな印象が・・。
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---あらすじ--------------------------------------------------
「陽春舞台班」の看板女優の竺春花と邪月紅。当時の上海では越劇が人気で商水花、文秀竹らが隆盛を誇っていたが、遅れて上海入りした竺・邪は商と文を追い落とすまでに成長。追い詰められた商は自殺。そして邪は金持ちの恋人をえて女優業から距離を置くように。そんな状況に危機感を覚えた竺は演劇界の近代化の必要性を痛感し、実行に移すが・・・。
------キャスト------------------------------------------------------
竺春花(梅婷飾)
旦(女役)の女優。『祥林嫂』などを創作した越劇改革の旗手。シゴトに生きる女傑って感じ。演じる梅婷は派手顔で私のイメージとちょっと違います。
邪月紅(蘇岩)
座長の娘で小生(若い男役)。上海で金持ちの恋人を得て越劇から離れてゆく。結婚後は引退し、夫の入れ知恵で越劇改革を阻害するも失敗。恥じて姿を消すが・・。
商水花(何賽飛)
越劇皇后と呼ばれていたが、後から上海入りした竺らに人気を奪われ、最後には自殺する。実在の姚水娟がモデル。何賽飛は越劇女優のエリートなのでぴったり?
文秀竹(史依弘)
商の相手役で越劇女優。映画版(64)にはいなかったが、今回のドラマ化で新しく作られた役だそうです。プッツン気味の商の防波堤になるバランス感覚のある女性。
唐如龍(李 儒)
竺・邪の劇団の経理(社長)。戯曲バカの邪座長とは不仲で、お金儲けの鬼。上海で興行が成功してからはますます女優を圧迫し、後に竺と対立する。
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谢芳(竺) ・曹銀娣(邪)が主演した映画版は文革時に非難されたそうですが、90年代舞台版上演、2007年はドラマ放送。ドラマでは『花木蘭従軍』『梁紅玉』などを上演し戯曲の近代化に貢献したことになっています。映画版では『白毛女』でしたが。映画版は1949年の新中国成立でハッピーエンドのプロパガンダ色がありましたが(ラストシーンの竺は人民服で微笑んでいた)、このドラマではチャイナドレス姿で終わり、やや毛色が違う。時代相でしょうか。