黄梅戯音楽電視連続劇『孟麗君』

d0095406_1312618.jpg
 『徽州女人』で梅花奨受賞(戯曲演員に送られる最高賞)の韓再芬主演。今まで20年位前の黄梅戯TVドラマばかり見ていたけど、これは最近のもので字幕も見やすい!嬉しい!今までと違ったのは、男装前は「女性的で刺繍などする」孟麗君が危機を目前に豹変したのに比べ、ここでは「最初から剣舞など男性的な」女性なこと。唄が少なく音楽も戯曲というより普通の時代劇風。


ソフト紹介ページ(上下巻別売り)
王文娟主演の越劇版『孟麗君』
李冰冰主演で『再生縁之孟麗君伝』というドラマもあり

・・・・あらすじ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ヒロイン孟麗君は父が敗戦の責任から抄家になり、脱走する。その後出征した許婚の皇甫少華♂が朝廷に戻ると、そこには鄭君玉という宰相がいた。しかし実はこの人許婚の孟麗君♀で、父の冤罪を晴らすため男装し仕官していた。少華は記念の絵姿から鄭君玉=孟麗君と見抜くが、皇甫家への影響を恐れて本人は認めない。そして宰相が実は女と知った皇帝に迫られ、朝廷をたばかった罪で裁判にかけられ、后妃になる条件で無罪に。しかし太后の御蔭で無罪となり少華と賜婚(ややこしいし長い!)。

・・・・・登場人物、演員(本編登場順)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
孟麗君(鄭君玉)...韓再芬
皇甫少華の許婚、孟家の長女。男装して仕官し、偶然から宰相にまで出世する。そこで戦場から戻った少華と出会い揺れ、実妹の夫で仇の婿となる。皇帝にもほれられる。とにかくしっかり者で逆境において誰よりも強いポジティブ思考の権化。出征するあたり花木蘭を意識?嫌味なくらい有能ですが、皇甫少華が相手なら平和に夫婦が出来そう。男装の時の方が美人。

蘇大娘...王鳳枝
孟麗君の継母。愛情深いママ。蘇映雪の実母で孟士元の妻。回想シーンからすると孟麗君がだいぶ小さい頃から育てているらしい。抄家にあい逃亡途中、娘(妹)をこまそうとした挙句、娘(姐)を連れに戻ってくれない船頭に抗議した際に殺される。刺殺の瞬間は戯曲だからか直接は写らず、遺体はどうなったことか・・。悲しい。ラストで成仏させてくれ!

蘇映雪...汪静
蘇大娘の実子で孟麗君の義理の妹。船頭に強姦されそうになり川に飛び込むが、梁大師に拾われ養女となる。麗君が梁大師の婿に招かれ対面し目見ると婿は生き別れの姐。偽装夫婦となる。健気でたおやか、でも芯は強いという古風な人。最後どうなったんだろ?紅娘役で光っていた女優さんが演じる。全然気づかなかった、スゴイ。家庭の防波堤。

皇甫少華...姚忠恒
孟麗君の許婚、宰相の鄭君玉を男装した麗君だとすぐ見抜く。前半は出番ほぼなし。幼少時は麗君に剣を教えてあげたり、戦で武勲をたてる武闘派。他家の小姐と結婚を提案されるが拒否、孟家抄家撤回も求める実直な人。不器用で立ち回りベタ、役には立たないし出番もあまりない。刺身のツマ。しかしそういう器の大きさってなかなか身につけられるものではないと思う。

栄蘭...王安秋
麗君の侍女で自らも男装し逃避行にお供、その後も共に出征するなど常に孟麗君に付き従う。普段は小姐を助ける役回りだがここでは一番ヘタレ。無能なのが才能という、ホームズに対するワトソンみたいなもんか。ずうずうしいが、一番重い荷物を持たされるのが使用人の悲哀。無邪気で孟麗君を癒している気がする。主人の出世に従いどんどん気が大きく・・。

鄭員外
息子を救ってくれた孟麗君を恩人とし優遇し、同じ姓であるのもあって息子と義兄弟とする。麗君(鄭君玉)の宰相までの道程における踏み台。人の良いおじさん。「員外」は高級ではないがまあまあの官職、地方の名士くらいな感じか。

鄭明堂...孫栄
鄭員外の息子、病床にあったのが孟麗君(男装)の治療で助かる。人の良い公子。

巫婆...叶軍玲
彼の治療に呼ばれて道術行う怪しい道姑。彼女の唄と踊りは異様で笑いを誘う。

梁大師...周再生
女婿を招こうと二階から花鞠を投げさせ、麗君が引き当てる。コテコテ親父で抜け目のないさすが重臣。皇帝に鄭君玉(孟麗君)を紹介する。彼(彼女)からは微妙に嫌われており、孟家抄家の黒幕のフシもあり悪役だが、中途半端に終わる。成敗されて欲しかった。

成宗皇帝...候長栄
マザコン気味で女に弱い皇帝。鄭君玉に恋し攻勢をかけるところ、越劇ではかなり直接的でただのドスケベ皇帝だったが、ここでは義理(相手は忠臣の許婚)と義務(相手は朝廷を騙した罪人)の板ばさみで苦悩する理性ある人。演じるはドラマ『紅楼夢』で柳湘蓮役の俳優さん。

皇太后...丁同
病床にあったが鄭君玉(孟麗君)の治療で回復。その後も鄭君玉に目をかけ、断罪され皇帝にも惚れられた孟麗君を庇い皇甫少華との婚姻を全うさせる。越劇より出番が少ない。がっかり。丁同は有名な俳優さんで、皇太后やるにはすこし若い気がしました。慈母って感じ。

皇后...王萍
梁大師の娘で皇帝とも仲が良い。4話から登場。父に協力し悪役サイド。従来の『孟麗君』なら確か大して出番はなかった気がする。麗君の絵姿を見せられたときなど、朝前会議で皇帝の隣に鎮座。皇帝が孟麗君を「美しい!」と感嘆するところ嫉妬してぶすくれている。

皇甫敬...趙之レン
5話で初登場、少華の父。賜婚を拒む息子を諭すが強制はしない善人。この両親にして息子有り、皇甫家って幸せ家族・・。でも「皇」の字が名字に入っているのって不敬にならないのかな。よく家族ともども宮廷で行きぬけると思う。お母さんの名前も出してくれー。

孟士元...宋楓
孟麗君の実父で蘇大娘の夫、蘇映雪の養父。敗戦の責任をとり官位剥奪され抄家にあうが、少華と鄭君玉の証明で冤罪は晴れ、御前に引き出された養女の蘇映雪と鄭君玉(孟麗君、実の娘)と再会したとたんぶっ倒れてしまう。疲労するよね・・。

王大伯...馮継雄
和尚....紀金印
権昌....宋<丹彡>※劇務主任に名前があったので同一人物かな?

・・・・・各話紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ディスクA(第一話)】
許婚の孟麗君♀と皇甫少華♂。小さい頃は仲良く遊んだ二人も今は少華が遠くに住み、近々帰郷するとの報。しかし孟家の抄家が決まり、戦争で単身赴任の父を除いた孟家の女性陣は逃亡。官軍の追っ手を振り切るが女性陣は途中ではぐれる。逃げる舟の上で母はあくどい船頭に殺され、妹は強姦されそうになり逃げるため入水する。

【B(第二話)】
ふとした事から鄭明堂の病気を癒した麗君(男装)。そこで「鄭君玉」と名乗り、同じ姓である公子と義兄弟に。しばらく鄭家に滞在し、市井の生活に触れるが、不本意に梁大師の婿に招かれる。洞房で顔合わせした新娘はなんと一話ではぐれた妹、川から助け出され染大師の養女になっていたのでした。お色気入浴サービスシーンあり(演出がそれっぽい)。

【C(第三話)】
妹としばらく偽装夫婦をすることにした麗君。御召があり梁大師は早急に出仕、太后の担当医に鄭君玉(孟麗君の男装時ネーム)がスカウトされる。太后の病は治り宰相に抜擢される鄭君玉。宮廷で少華に会い動揺し、しばし幼少時の回想シーンが長い。政局で新たな難題-戦争が持ち上がるが瞬く間に解決し、また鄭君玉の株アップ。鄭君玉が戦の参謀になる。

【D(第四話)】
戦の衣装が戯曲風の鄭君玉は主に参謀、本格派衣装の皇甫少華は主に実戦で活躍。武勲に報いようと皇帝は少華の賜婚を提案。いっぽう宮廷で対面した少華は宰相の鄭君玉=孟麗君と気がつき、賜婚を辞退。「本当に戦功のあるのは三年前に官位を剥奪された孟士元です」と麗君の実家、孟家の抄家撤回を求め鄭君玉も賛同するが、梁大師の反対で失敗。

【E(第五話)】
悩む少華から父母は理由を聞き、鄭君玉(孟麗君)を自宅に呼び試す事を提案。少華が病気と偽り診察に呼ぶ。脈を取る時に動揺する鄭君玉だが、少華がドギマギするのに鄭君玉は冷淡。少華は姿絵を朝廷に持ち込み、蘇映雪が招聘され、ひとまず孟家の抄家撤回が決まる。梁大師は事の顛末にカンカンで養女夫妻(蘇映雪、鄭君玉)にお説教。皇帝は鄭君玉に目をつける。

【F(第六話)】
庭園を一緒に散歩し鄭君玉(孟麗君)にアプローチする皇帝。宮女ははいていたクツから宰相が女性と気づく。朝廷で性別を偽り士官した鄭君玉(孟麗君)の裁きが始まるが、厳罰を求める梁大師と私情の間で皇帝は揺れる。後宮入りを条件に無罪となる孟麗君だが、太后の説得と皇帝の自重により後宮入りは撤回され、孟麗君と皇甫少華の結婚が認められ、劇終。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
街の風景がステキだったり紫禁城鳳の宮廷、本格的戦闘シーンなどロケ満載。太后の病気を治し出世って、同じ韓再芬主演『鄭小橋』と同じ(笑)。窮状を凌ぐためしばらく実妹と偽装夫婦やるのが面白い。特に皇帝と鄭君玉(孟麗君)のドキドキシーンはシャボン玉が!男装の美しさと振回される周囲を楽しむ演目。安慶市黄梅戯劇団二団演出。一瞬、不覚にも皇帝とくっつけばと思いました。好きな男優の韓軍さんが演出で懐かしい。
by hungmei | 2007-12-30 13:12 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)

鑑賞作品レビュー、視聴検討作品の備忘録です


by hungmei(黄梅)