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越劇・黄梅戯・紅楼夢 since 2006



越劇経典電影『紅楼夢』

越劇経典電影『紅楼夢』_d0095406_10372884.jpgこちらも意外に書き忘れていて慌てた、戯曲学校では上級コースの演目。清代の名著から題材を取り、『梁祝』とともに越劇二大巨頭。原作をかなり整理し宝黛釵の愛憎に焦点をあてた3時間ほどの作品。徐玉蘭・王文娟のゴールデンコンビの代表作。主演2人が40代の時の1962年作品。登場人物が多く書き出すとオールスター総出演。琪官役の曹銀娣は謝普監督の映画『舞台姐妹』(64) で主役の越劇女優を演じています。本人も越劇女優だったのか。


・・・・・・・・演員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【主要人物】
徐玉蘭 .... 賈寶玉 賈府の箱入り息子、道楽者。黛玉と恋に落ちるがはかなく散る。
王文娟 .... 林黛玉 宝玉の従姉妹で賈府へ寄宿する孤高な才女、病弱で泣き虫。
呂瑞英 .... 薛寶釵 宝玉の従姉妹。通霊宝玉と対句の金鎖をも持つ、社交的な健康美人。
金采鳳 .... 王熙鳳 溌剌とした賈府の若奥様。越劇では典型的悪役、唄が多く準主役。
周寶奎 .... 賈母  宝玉、黛玉の祖母。年のせいかまだらボケっぽい賈府の最高権力者。
徐天紅 .... 賈政  宝玉の父で正反対の真面目な官僚。賈母に頭があがらない。
陳蘭芳 .... 襲人  宝玉の筆頭侍女で優等生の側室候補。越劇では全然目立たない。
鄭忠梅 .... 王夫人 宝玉の実母で賈政の正室。越劇では目立たないがもちろん悪役。
孟莉英 .... 紫鵑  黛玉の筆頭侍女で臨終に付添う。「問紫鵑」など出番は多い。

【脇役】(細かいのでご希望の方だけご覧下さい)
唐月英 .... 鴛鴦  賈母の筆頭侍女。原作では好きだけれど越劇で台詞あったっけ。
瀋正心 .... 晴雯  宝玉の侍女で辛口の美少女。早世し「芙蓉女児誄」にうたわれる。
錢妙花 .... 長府官 琪官の件で忠順親王府から派遣されたおじさん。宦官なのかな?
竺菊  .... 周媽媽 賈府の使用人のおかみさん。王夫人が実家から連れてきた介添え。
朱玉昆 .... 薛姨媽 宝釵の母。王夫人の実妹。適当に見えて意外に政治力があるのか?
曹銀娣 .... 琪官  高名な役者で忠順親王お抱えだったが、脱走。宝玉と付き合いがある。
熊維新 .... 儍Y頭 賈府の下っ端侍女。黛玉に二宝の結婚を知らせた。衣装が派手。
筱春芳 .... 焙茗  宝玉のお気に入り下男。お調子者だけど健気なところもある。
張東娟 .... 雪雁  黛玉の侍女であまり目立たない。役立たない。年上なのか下なのか。
張娟莉 .... 秀鸞  誰だっけ?
江敏莉 .... 小紅  宝玉の下っ端侍女。賈府の執事の娘のわりに地位が低い気がする。
王佩珍 .... 鶯兒  宝釵の侍女。宝釵の持つ金瑣と通霊宝玉が対句である事を指摘する。
瀋紅笑 .... 喜娘  この人も誰?

私は紫鵑の孟莉英が大好きで、弟子の上海越劇院・張永梅も大好きなのですが、孟さんは他にはあまり出演作品を見られず残念!『西園記』にも侍女で出演、良い味だしてます。後は王夫人役の鄭忠梅が『紅楼夢』をはじめいじわる姑役がはまっていて好き。琪官役の曹銀娣は映画『舞台姐妹』で主演しています。

・・・・・・・・・唄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「黛玉進府」:賈母、王煕鳳、林黛玉、賈宝玉
黛玉が賈府に到着した様子を唄う。周寶奎演じる賈母の「可怜你幼年失親娘」はシックな老旦の唄では味があって一番好きです。主演二人と同年代なのに本当におばあさんに見える。

「天上掉下林妹妹」(カラオケ版視聴可):林黛玉
宝黛の初対面。お互いのの印象をうたい「どこかでお会いしたかしら?」といぶかしむ。カラオケ版黛玉は顔佳。

「読西廂」:賈宝玉、林黛玉
宝玉が庭で「西廂記」を読み、黛玉といさかい(と言うか、いちゃつきと言うか)を起こす。
歌詞が「肉饅頭」とか意外に優雅でなく初見では驚きました。

「不肖種種」:薛宝釵
出来たお姉さんの宝釵が宝玉に勉強するよう諭す。が、聞き入れられない。

「笞宝玉」:賈政
賈政が宝玉が役者と付き合い親王からにらまれた事に腹を立て折檻する。修羅場。
老生の名優・徐天紅の唄はサイコー。

「黛玉葬花」(クリックすると映画の王文娟映像が視聴可)
ヒロイン黛玉が己の孤独、薄幸を悲しみ、散った花びらを弔う行為にその気持ちを託す。
詩としても唄としてもすばらしいのでしょうが、漢詩の素養がないのでよくわからない・・・

「勧黛」:紫鵑
カラオケ版VCDを見ると宝釵が黛玉を慰める内容だが、手元の越劇の本では紫鵑が黛玉に「宝玉様とのこと、本気でお考えになってみては」と勧める内容でした。どっちなんだろう?

「黛玉焚稿」:林黛玉
臨終の黛玉が今までの詩稿を全て燃やす物語の第二のハイライト。紫鵑が健気なのもよい。

「金玉良縁」:賈宝玉
宝玉君は黛玉と結婚できると思い込みその喜びをうたう。唄は好きですが聞いていて痛い。

「哭灵出走」:賈宝玉
黛玉はみまかり、結婚相手は宝釵と知った宝玉が家を出る。120回本とは異なり子どもが産まれたりはなく、越劇らしくてラストは大賛成。映画の徐版のほかに尹桂芳バージョンも。

映画情報『紅楼夢』※関連記事もいろいろあります。80年代CCTVドラマとの比較など。
by hungmei | 2007-12-17 07:30 | 1越劇、黄梅戯、地方劇 | Comments(0)
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