11/30に両国シアターX「「中国演劇ビジュアル講座」で、早稲田大学の平林宣和先生の
『現代京劇革命講座』を見てきました。前回、夏に越劇講座があったのですが、やはり京劇だと人が多くて面食らう。06年にジャパンファウンデーションで行われた「中国演劇講座」を契機にこのブログを始めたので、その時に講義された平林先生の回を懐かしく思い膨らむ期待。(写真は直接関係ありません。様板戯の参考までに)
学問的研究の発表という感じで、今ま見聞きした情報より断然詳しいし細かい!
「現代京劇」は様板戯だけでなく19世紀後半から様々な形で始まっていた事、有名な「文革時代許された8つの演目」は最初から揃っていたわけでなく『紅灯記』『智力威虎団』『奇襲白虎団』『沙家浜』『海港』が1967年までに、その後『杜鵑山』『龍江頌』『平原作戦』が1970年代に加わった事など。「様板戯」=模範劇なだけに、正典化されていて絶対視していました。
質疑応答では中国人/日本人の文革や革命模範劇の捉え方、
70年代京劇学校で模範劇が正当な教科とされ隠れて生徒は伝統的な京劇を教えられたこと、文革をリアルタイムで知る世代と知らない世代の話など模範劇だけに非常に濃いトークでした。文革後に生まれ「インターナショナル」を知らず(この日の帰り、家族に唄ってもらって初めて知りました)、キッチュな毛主席グッズをいけないと思いつつ買ってしまう自分とは違う感想がたくさん聞けました。
シアターX内中国演劇ビジュアル講座につてはこちら
youtube『奇襲白虎団』立ち回りのキレは極上
youtubeで見つけたピアノ伴奏の『紅灯記』
下の写真は越劇研究をされている中山文先生(神戸学院大学)と細井尚子先生(立教大学)による2006年度越劇フェスティバル報告。06年は越劇生誕100周年で色々なイベントがありましたが、
この芸術節は浙江省紹興で政府文化部と浙江省人民政府の主催により2週間にわたり開催。会場は紹興大劇院、山乗州劇院など浙江省の様々な劇場で中国各地から集まった越劇団が上映。大規模です。
楊小青の活躍、大衆的演出と芸術性重視の違い、上海越劇院の俳優層の厚みや越劇王子・趙志剛の今後について、また他の男優さんたちの「女性を支える男」の良さなど・・。特に浙江紹興小百花越劇団のスター
呉鳳花ですが、今まで「天然系イケメンを演じる武生」と思っていたのが、茅威涛の悩める男とは違う「悩む女を支える男」が魅力だそう。生(男役)に興味が薄くわかっていなかったけれど納得!