1956年長春電影製片、主演は下の『花為媒」と同じ新鳳霞。
舞台は1942年、陜甘寧邊○○東地区とあるので、実話がもとなのかな・・・?時代的に「労働者団結」「封建制度反対」というような濃厚なメッセージ。最後の裁判シーンは裁判員は人民服、ギャラリーは大合唱で時代を感じます。中国評劇院演出。唱にも台詞にも字幕なしでしたが、聞き取りやすいし、ほとんど唱ばかりで台詞が少ない!
【あらすじ】
村娘の劉巧児は知り合いの趙桂児に密かに惹かれていますが、巧児の父は金持ちの王寺昌の求婚を受けてしまいます。結納金が届けられ、自分の結婚が決まった事を知った巧児は父に詰め寄り父子は決裂。困った
巧児を親戚の李大嬸や村人たちがバックアップし、県の役所に訴え出ます。一度は父が勝つも、納得いかない巧児や周囲は再審を申し入れ、最後は巧児の勝利。巧児・桂児の結婚式では父とも和解し、完。
同じ劇団で『花為媒』とキャストがかぶっており父親役の趙連喜(李大人)、李大嬸の趙麗蓉(阮媽/媒婆)、趙桂児の趙徳福(賈俊英)。しかも同じような役。ここでも媒婆は出てきますが
、『花為媒』で明るい仲人で朗らかな彩旦だったのに比べ、ここではいかにも「あくどい媒婆」。お金のためなら口先八寸、顔も意地悪そうだ・・。阮媽/李大嬸役の趙麗蓉は見いていて心が温まるナイスおばちゃん!ちなみに80年代映画版紅楼夢で劉のおばば役も演じた女優さん。
主役で巧児を演じた新鳳霞ですが、この『劉巧児』は彼女のためにあるような映画。村の未婚女性でも彼女だけイヤリングつけてるし。彼女の
没後一周年記念評劇大会(99年)のVCDも持っていますが、ジャケットで本人演唱と思って買ったら失敗。没後記念公演だから本人出ているわけないし、出演者みんなイブニングドレスで衣装が満喫できない!しかし98年になくなったなら、文革中には生き延びられたのですね。スターの貫禄を感じる作品でした。
作品紹介とハイライト
趙麗蓉のプロフィール