日本でも放送された、韓国版「負け犬」2005年ドラマ。コメディエンヌとして活躍するキム・ソナ主演のロマンチック・ラブコメディです。韓国では珍しかった
「手に職を持ったヒロイン」「年上の女性と年下彼のカップル」「性に関するあけすけな話題」等等、視聴率50%を超えたというのも納得のドラマです。韓国語原題と日本語タイトルは共に「私の名前はキム・サムスン」。よく「中韓双話」と書いてあってもそうじゃないパターンも多いですが、これはちゃんと両方入ってて良かった。
【ストーリー】
29歳の精米店の三女、金三順はダサい名前がコンプレックス。クリスマスイブに恋人にフラれ、仕事はクビに。ふとした縁でホテル会社の御曹司27歳のジノンの経営するレストランでデザートシェフに雇われます。始めから散々な出会いの2人でしたが、母の薦めるお見合いから逃げたいジノンは「あなたは分をわきまえているから勘違いされなくて済む」と、期限付き偽装恋愛を申し出ます。
そのうち偽装に留まらず二人は惹かれあいますが、そこにジノンの元彼女がアメリカから帰国しそのボーイフレンドも来て四角関係になったり、
サムスンの上のお姉さんが離婚して実家に出戻りジノンのレストランで働くシェフと”大人の関係”になりホテルで一晩過ごしたり、なかなかです。お姉さん、ホテルの会計済ませて一人で帰っちゃうから、シェフは「女がホテル代出すなんて!」と複雑そうだったし。
サムスンは改名申請をしますがそのとき書類に書いた名前は
「金三<王旬>」。他のキャラもいつもどおり韓国での漢字表記とこの中国正規版での字幕やパッケージのが違う。煕真/煕珍とか。
中韓とも同姓同名が多くてフルネームで呼ばれる事も多く名前にこだわりを感じます。サムスンは彼にダサいあだ名「サムシク」をつけますが、日本で「留吉」みたいな感じらしい。中国語字幕では「阿三」(大陸版)。
この話は日本語書籍『キム・ソナが語る「私の名前はキム・サムスン」』で見ました。軽いドラマ解説本と思いきや、中高を日本で過ごした彼女が語るドラマ秘話は、現代日韓文化の相違を考える上でも読みやすくとても面白いです。
学歴社会の韓国では、フランスの名門製菓学校を出たサムスンも「ただの高卒」。腕のいいパティシエだけれど、両班文化の伝統では職人はオフィスワーカーに比べ劣る職業とされ、代々の職人などもいない、とか・・。
サムスンの名言が爽快で
「いまどきの30歳は、昔の20歳とおんなじだよ!」私の心にびんびん響きました。髪をつかんでの喧嘩シーンなど女性陣がイキイキしていて、日本語より中国語の方がハマるかも。ちなみにヤフオクで買った香港版とネット通販で買った大陸版を持っていますが、香港版は吹替えの声が時代劇風の甲高い北京語でしっくりきません・・・・変なの。ウォンビンの声がおっさん臭くて、耐え難いです。