1996年作品ですが、26年生まれの王はこの年70歳・・美容医療と画像処理の力を実感する映画です(汗)。話劇がもとだそうなんですが、これは歴史ものだし才子佳人ぽくもあってイメージと違うかも。黄梅戯「女附馬」を思い出させるような
異性装の魅力満載、越劇らしさに溢れた美しい作品でした。
10集の電視連続劇がもとに、ナレーションを入れつつ4時間強に編集してあります。それと『紅楼夢』で同じく王夫人を演じた鄭忠梅が太后なのが意外によかったです。
許婚であった孟麗君(王文娟)と皇甫少華(曹銀姊)は皇甫家の抄家により破談、孟は劉家に嫁がされますが逃亡。孟は少華との結婚を認めてもらおうと科挙に応じ、その後宰相へ。偽名を使い宮仕えを続ける孟に、劉家や名誉回復なって出仕し始めた皇甫家が疑念を抱きます。皇帝はそれを悟り後宮に入るよう孟に大攻勢をかけ、困った彼女は死罪覚悟で公式に女であることを上奏。李太后のとりなしもあり斬首寸前で助けられ、最後には少華と
菜の花畑を仲良く馬で駆けるという爽やかシーンでめでたしめでたし。
皇甫の姉・長華に新版紅楼夢で黛玉や元妃を演じた
単仰萍(♀)、孟家の家族に越劇会の重鎮・
劉覚(♂)や範派トップスターで梅花賞受賞の
章瑞紅(♀)など、かーなーりの豪華キャストです!他にも越劇新星の称号を持つ傳派旦の
陳飛(♀)が皇甫家の侍女、78年電影「祥林嫂」で素敵なダンナさまを演じていた
史済華(♂)、などなど・・・OP曲は
趙志剛(♂)なので、上海越劇院と小百花越劇団のスターが揃い踏み。背景もお金をかけた感じで豪華、宮女の衣装もそのたびごとに違うし踊り派手だし!男優さん主にが他の閣僚やお父さんを演じ、小生や旦は女優さんという構図に慣れなかったけれど、おじいちゃん達がいい味だしてます。何とも言えずユーモラスで暖かい存在感。
王文娟ですが整形(?)で若い時代からかなり変わってますね。肌がパンパンで違和感が・・・80年代の電影「西園記」の時より若返ってるし、彼女だけアップでソフトフォーカスが(笑)。でも王文娟好きだしヒロインがすごくハマってるし、いいや。当時30代前半の単仰萍の方が大人にも見えるかな?孟はいざという時に過激なんですが、それが
王文娟のかもし出す一途さや憂いとぴったりで応援したくなります!太后に訴える時「これがばれたら皇上の名誉が保てなくなります」と脅したり、断頭台では「私は孟家の娘として全く恥じるところはない潔白の身」と強気。
字幕ありですが唄にだけなので、せりふの意味が追えず。戯曲映画にしては珍しくナレーションが入りますが、字幕なしだと何言ってるのか私には不明(涙)。連続劇で唄が多く理解しやすいですが、「いつの間に長華が皇帝の后に?」とか、わからないところが多々あり。それと年配の男優さんがたくさんいる中、女性小生が皇帝役というのも面白い。孟に後宮入りを迫るあたり、恋のライバルとしてイケメン扱い?独特の
越劇風皇帝衣装も印象的でした。しかし越劇女優さんメイクが完璧で、慣れないと旦も小生も見分けられませんが、やっぱり旦でも女性の格好より男性の格好した方が綺麗な気がして異性装大好きです。