イギリス映画『ヘンリー八世の私生活』(1933)

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    『私生活』って品がないと思ったのですが、原題もプライベートライフになっているから正しいのかも。ヘンリー八世の結婚に焦点を絞った作品です。主演はイギリスの名優チャールズロートン。個人的にはヒッチコック監督『パラダイン夫人の恋』の判事役が印象深いですが、この作品でイギリス人初のアカデミー主演男優賞受賞。同じくらいアンブーリンに扮するマールオベロンの美貌を堪能。当時のイギリス映画としては大成功し、プロデューサーのアレクサンダーコルダはイギリス映画界の立役者と言われたそう。

   【あらすじ】イングランドがスコットランドを併合する前、チューダー朝のスキャンダル王、ヘンリー八世の結婚の履歴がえんえん語られる。初婚のもと兄嫁、アラゴン王女のキャサリンとは長女メアリーを授かるもまもなく別居。近親婚のため結婚無効を申し立てもと侍女のアンブーリンと結婚し次女エリザベスが生まれるが、密通の冤罪を着せ斬首。ほか、ヨーロッパから呼び寄せたお見合い婚のアンオブクレーヴスは即離縁でおっぱらったり、ジェーンシーモアとは男児をもうけるも妻も息子も夭折、三代後のエリザベス女王でチューダー朝は断絶し、ステュアート朝となる。





※ 歴代王妃
  1 キャサリンオブアラゴン
    アラゴン王女。はじめ実兄アーサーの妻だったがその死後ヘンリー八世と結婚した年上女房。生涯イングランド王妃の署名を変えず、アン王妃期に死去。
  2 アンブーリン
    貴族出身。宮廷に出仕、愛人になることを突っぱね、諦めきれないヘンリーはキャサリンを幽閉し結婚。しかしのち冤罪で処刑された。姉妹のメアリーが既婚者ながら先に王の愛人だった。
  3 ジェーンシーモア
    貴族出身。彼女と結婚するためアンブーリンは処刑された。のち王太子、即位後はエドワード六世となる初の男子を生むが産褥死し、唯一葬儀で厚遇されウィンチェスター寺院に眠る。
  4 アンオブクレーヴス 後述
  5 キャサリンハワード
    貴族出身でアンブーリンの母方従姉妹。30歳ほども年下、恋人もいたが無理矢理結婚、結局一年半後には姦通が露見し処刑。この時姦通の手引きをしたため連座して処刑されたジェーンブーリンは、アンブーリン兄の妻で、アンの冤罪立証に与した過去がある。
  6 キャサリンパー  後述
  補足※ 愛人エリザベスブラントの間に初代リッチモンド、サマセット公ヘンリーフィッツロイ。認知した婚外子は一人だが、ヘンリー八世の子女とされる人物はほか多数。

    最後の王妃キャサリンパーは二人の義理の娘(メアリーとエリザベス)と夫の仲をとりもち教育に力を注ぎ、ヘンリー八世の死後はかつての恋人と再婚。結果、六人の王妃を迎え、うち二人は処刑、離婚のためバチカンから破門されアングリカンチャーチ発足となるなど、私生活と政治がぐちゃぐちゃに絡み合ってて感心。父から始まるチューダー朝維持に懸命なのはわかるけど、、東アジアと違い庶子は性別とわず継承権がないのが(フィッツロイは王の庶子の名)。エリザベス時代には継承権をもつスコットランドのメアリーも亡命してきたり。愛人だったアン姉妹のメアリーブーリンはダイアナ妃やセーラ妃のご先祖。

     王族出身のアンオブクレーヴスは、今のドイツ出身。お見合いの絵がよかったから決めたけれど、会って即幽閉したというエピソードがすごい。そのアンに、公私ともパートナーとなる若き日のエルザランチェスター。フランケンシュタインの花嫁もやったり、若い頃は美人枠だと思いましたが不細工疑惑のクレーヴス役。アンは「王の妹」の称号と城を与えられ一生を過ごしたと言うから、キャサリンオブアラゴンといい、他国の王族で殺せなければ幽閉の法則(アンは公式な場にも参加し、おおらかな性格もあり人気者だったそうですが)。リース城は王妃の城と人気があるけれど、こういうときもあるからロマンチックかというと。兄のアーサー王太子が早世しなければ違ったのでしょうか、、、

by hungmei | 2017-09-03 17:29 | 5雑感など | Comments(0)

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by hungmei(黄梅)