「還珠格格」(1996-)から脇役スタートし、今はトップ女優となった范冰冰初プロデュース作品。余計なお世話ですが出演作をそろそろ選んだら・・とちょっと思う。アンディ・ラウ主演「墨攻」で日本公開もされているのに。このドラマは彼女だけでなく、憎たらしい役の李倩見たさで鑑賞。全41話。衣装がきれいで見ごたえがありますが、中身はホラーコメディ?
【あらすじ】民国時代の江南地方。禾文玉は借金のカタに燈籠問屋の辜家に嫁ぐ。その婚家には許嫁に死なれ、寡婦として監禁される白依玲という相嫁がいた。姑の辜李氏、小姑の辜守貞、目をかけてやった女中の阿桃でさえ、正式な妾となってから文玉禾を虐げる。封建家庭の不幸の連鎖が続く辜家だったが、さらにある重大な秘密が隠されていた。
辜家にいると女性はみんなワルくなるのかもしれないが、多分封建制度が悪いんですね。悪女は好きだけどただのいじわる女達には興味はなく、途中続けるか悩みました。民国・商家・江南って、江南式の邸宅や自然が絵になるし外さないコンテンツなのか。ちょうど近い時期に見た「傾城雪」、似たコンセプトの「徽州女人」、すべてで見た事があるなという類型のキャラ総出演。しかしところどころさすがという箇所があり、望門寡婦という用語は知っていましたが、白依玲の扱いが怖すぎ。転売されて再婚するのあれですが、死んだ許嫁に貞節を尽くすのはホラー。かつ最後に明かされる最大の暗部は既に失笑レベル。
禾文玉(范冰冰)
主人公。燈籠問屋の三男の嫁に売られる。しかも相手はダメ男、式でもグダグダだが、そこはきちんと諭す聡明な女性(と、いう設定なんだろう)。ファンビンビン初プロデュースだけに美しさは輝くばかりですが、脚本がちょっとどうかな。江南商家女悲哀ものは似通ってしまうとはいえ、ここまで主人公に都合のいい展開はあんまりない。でも彼女が不幸で終わったら余計腹が立ったかな(笑)。ダメ夫に死なれてちょうど?執事に支えられ、辜家を盛り立てていく。子どもがいないのがネックだが、姑の二の舞にはなりませんように。他のキャラが濃すぎたか印象が薄い。ビンビンのためのドラマだったんだな、と痛感。でもトータル面白かったです。
辜李氏(劉雪華)
早くに夫に先立たれ辜家を維持してきた、この手のドラマの定番悪役姑。3人息子がいればやりたい放題なのか、嫁たちへの仕打ちがひどい。辜家の不幸の源泉は自分だと気付いてほしい。何度頭しばきたいと思ったか。しかも、ラストに明かされる彼女の秘密にはびっくり!衣装はきれいだけどとフラフラになりながら見て、この爆弾で一気に目が覚めた。唐突すぎて笑うしかなく、「傾城雪」での杭白氏のバナナむさぼり食い以上のショッキングさ。脚本家さんどうしたの?演じるのは「甄環伝」の皇太后様役の女優さん。
阿桃(李倩)
燈籠坊の女工、のち侍女になる。主人公に世話になりっぱなしだが思い込みが激しく、逆恨みの末、妾となってからは筋違いの復讐に燃える。かなりエゲツない。こういうキレた女っているんだよなー、とつい見入ってしまいました。行動原理が意味不明すぎ!演じるのは時代劇に脇役で数多く出演し、童顔なのでいつまでも若い女優さん。この方が大好きで見たのが半分、と言っても過言ではありません。口元のホクロがセクシーというよりコケティッシュ。「九姓漁民」では珍しく主役はっていた。
白依玲(劉瑩)
辜家の二小奶奶のはずが、結婚式の際既に夫は死亡。許嫁段階で相手が死んだにも関わらず、死者の花嫁として嫁ぎ、不倫防止にと実父から顔を焼かれ、姑からは監禁され夫の菩提を強制的に弔わされている。冒頭、この人の式シーンから始まるので、ちょっとギョッとしました。DVDを貸した友人は、しばらく主人公と彼女の区別がつかなかったと言っていた。それくらいインパクト大の登場。
夏雲開(霍建華)
昔は教員をしていたが、失踪した恋人・白依玲を探すため、辜家に執事として入り込む。有能であり玉禾を支え続ける。ウォレス・フォがイケメン枠トップなのでしょうが、ドラマ自体がめちゃくちゃ(失礼)なため、何だかよくわからないまま・・・。そしてこの手のキャラクターが嫌いなんだと改めて気づく。ダメ男とイケメン有能の真ん中はいないのか。時代劇に欠かせない俳優さんでそこは好感度高し!
寧默心(張彤)
辜家の大少奶奶(長男の嫁)。しかし夫は蒸発し音信不通。家事と家業を任されてきたが、玉禾に立場を覆されるのではという被害妄想にとりつかれる。一人息子の海児を辜家を継がせる気まんまん、出入商人の袁望春と不倫という、この手のドラマの定番悪役。海児が死んだのは悲しいがこの人が苦しむとなると嬉しい、と思うくらい嫌な女だった・・
辜少棠(于小偉)
辜家の三少爺。文玉禾の夫。式からやる気なし、妻から叱られるどうしようもないやつ。心を入れ替えてからまっとうになると、意外に人のいいお坊ちゃんだが、辜家を陥れるたくらみから殺されてしまい・・辜家、男子死んでばっかりで大丈夫なのか。
辜守貞(韓暁)
辜家の四小姐。昔教師と生徒だったこともあり、夏雲開のことが好き。芝居好きで劇団に出入りし、ついには役者に。玉禾とは仲が良かったが、夏雲開の心が玉禾にあるのを知ってからは不和に。「傾城雪」にもいたポジション(昔親友、途中ライバル、今復讐者)。
裘貴三( 磊)
チンピラというかやくざというか。実は辜家の庶子。辜家を恨み、辜少棠を営利誘拐するが失敗、逮捕される。そして辜李氏によるとんでもない仕返しが。「傾城雪」の徐雷とポジション激似。
方嫂(孫夢泉)
辜李氏の腹心。若い時から仕え、主人の夫に思いを寄せるなど、なんだかいわくありげ。そして87年版紅楼夢の李紈の女優さん。出番が意外に多く嬉しい。
海児(戴逸辰)
寧默心の一人息子。母には似ず性格がよい。辜家の後継として期待を持たれていたが、夭折する。
袁望春(姫他)
辜家御用達の商人で寧默心の不倫相手だが、実は守貞が好きみたい。
権叔(孫万清)
辜家の古参の使用人。