导演:张孝正 周俊伦、编剧:陈十三、全46集。見たい見たいと騒いでいたら、親切な方が中国で買ってきてくださいました。感謝!何賽飛の韋后なら絶対見るでしょ、と挑んだら昼メロ的どチープ展開、しかし愛すべきチープさと苦手なチープさがありこれは前者!舞台は唐代の則天武后時代、主人公の宮女・孟凡から見た宮廷権力闘争の話。よく化粧おばけみたいな姿で登場する則天武后の男寵・張兄弟は、今まで見た中で一番まとも。普通の男性どころか、結構かっこいいです。現地で買っていただいた時は千円くらいだそうでしたが、この間日本のオンラインショップで6千円、経済版3千円でした。予想にたがわず何賽飛の出番が多めで嬉しい限り。
【あらすじ】 則天武后の時代、孟凡と孟芙の姉妹は宮女として出仕。孟芙は安楽公主・韋后につき、掉太子・李重俊を死に追いやる。いっぽう孟凡は上官婉児や太平公主に与し、その過程で睿宗の第三子・李隆基とお互いに惹かれあう。孟凡は中宗の側室ととなりスパイするも、中宗が殺され、韋后の傀儡の皇帝が即位、韋后は皇太后として臨政。しかし最後には李隆基がクーデターを敢行、玄宗皇帝が即位する。
【感想】 「チャングム」などの韓国宮女物語に似た感じ。宮女から見た歴史的イベントの数々、宮廷の奴隷裏方の労働の様子、中国時代劇でもありますが。下っ端宮女らが控室でだべっていたり、仲よく横並びで雑魚寝就寝するさまはとても楽しいです。女官対抗綱引き大会が妙にイベントとして大きく扱われていましたが、あれは何をしていたんだろう?美男美女が勢ぞろいですが、脚本は軽く薄くその場限りの盛り上げが多め。そのぶん歴史の知識がなくても見やすいかも。豪華な調度や衣装は素敵ですが、メイクがダメなのが難点。
【演員】
孟凡・・・刘庭羽
主人公。父が罪人に落とされ妹ともども宮婢になった。正義感が強く清廉、才覚により退位した則天武后のおつきにとりたてられ、のちには中宗の側室に出世。その過程で皇族の李隆基と恋に落ち、ラブラブオーラ全開なシーンを見せてくれます。下働き宮女のシーンが楽しいと思ったら、下積みは一瞬ですぐ偉くなってしまいました。演じる刘庭羽は時代劇でおなじみですが妙に頬がこけて見え、唐のファッションも豊満向きですし、ちょっとビジュアルが・・。最後はすべてを捨て、則天武后の墓守になる。
孟芙・・・刘心悠
孟凡の妹で同じく宮女だが、こちらは李重俊の恋人に。かつ安楽公主について姉と対立。しっかり者で真面目な姉に比べ、あからさまにやる気のない働きぶり。クーデターに居合わせたのに、居眠りする度胸のある人。姉を引き立たせるためのかませ犬で、最期は闘争に敗れ死ぬ。女優さんの髪があからさまなプリンで興ざめだし、ピンクの真ん丸チーク、これはどうしても無理があるし、青いアイシャドーが目に痛い。
韦皇后・・・何赛飞
中宗の皇后で、弱気な夫を尻目に権力闘争に血眼。何賽飛はもう50代で、輪郭のゆるみ出ていますがそこがセクシー!不遇で薄いメイクの貧乏姿から、段階を経て化粧が派手になり、娘が則天武后に殺され錯乱するシーンでは、泥を貪り食う。韋后が声のでかいおばちゃんで終わってしまうドラマがありますが、ここでは女優さんの存在感が見もの。途中退場だと思っていたら、最後まで出番があってよかった。
武则天・・・惠英红
日本でいう則天武后。冤罪で処刑した王廃后と簫淑妃の陰におびえノイローゼ気味。夢に出てきた二人がざんばら髪だからといって、就寝中の宮女で髪を下しているものをすべて殺し、張兄弟を盲信。孟凡の最初の直属上司。14話でクーデターにより退位、すぐ薨去。满洲正黄旗の末裔の香港女優クララ・ワイがかっこいい。最後に思い出したかのように登場(回想シーン)。
太平公主 杨恭如
則天武后唯一の娘、中宗の姉妹、李隆基のおば。深謀遠慮にたけ政治的地位も高く、女帝即位を一部から望まれている。はじめ韦皇后・上官婉児と対立、李隆基を盛り立てて彼が玄宗皇帝になってからは玄宗と対立し最後は刑死。この時代はたくさん女性皇族が出てくるので、とりあえず太平が一番強かった。でも玄宗と険悪になり殺された。他の公主もいろいろ政治的に動いたがみんな失敗した、と覚えています。
李隆基・・・李承铉
のちの玄宗。身分違いの孟凡を深く愛する、さっぱり顔のイケメン皇子。玄宗皇帝はいろいろなドラマで見たけど控えめな態度が高感度高いです。顔も態度も暑苦しくないところが珍しい。張兄弟は垂髪ですがこの人は総髪なのも好み。武術に長けアクションシーンをたくさん披露している。
李重俊 陈威翰
中宗の第三子。のちに皇太子、妹の孟芙と恋仲に。武三思を倒すものの、最期は横死。目じりの切れ上がった、歌舞伎っぽい時代劇顔。他のドラマでは血気盛んなところが李隆基とかぶっていたりするけれど、ここでは李隆基が大人しく、李重俊が一歩前に出て熱くなっています。
上官婉儿 陈秀丽
則天武后に仕える女官で、のち中宗の側室(昭容)となる。一族誅殺の憂き目にあい奴隷となったところを拾われ、女官として高い地位を得た。おなじみの眉間の赤い徴(則天武后により彫られた朝敵の刺青)、「上官大人」と呼ばれるセレブです。りりしい眉毛がかっこよく、今回は男装なし。
武三思 寇振海
武则天の甥で。武崇训の父。韋后と私通し権勢をほしいままにするが、李重俊により誅殺。韋后の愛人なのは史実通りですが、他のドラマの武三思よりかなり年配で、既におじいちゃん。俳優さんは時代劇ドラマに欠かせないベテラン。
中宗・李显 谢祖武
則天武后の息子で睿宗の同母兄。即位しいったんは皇帝となるも、母によって退位させられ、太子に直される。怖いお母さんと強気の妻にはさまれた困り顔のおじさん。子どもも則天武后に殺されまくり。
安乐公主 刘娜萍
中宗と韦后の間に生まれた娘。祖母や母と比べると小粒感がぬぐえない。顔が整形くさい(女優さんごめんなさい)。意に染まぬ結婚で大騒ぎしたり、皇太女になろうとしたクーデターで最終回を彩るも、はかなく散る。
睿宗 ・李旦 骆达华
則天武后の息子、中宗の弟で、李隆基の父。他の作品よりは凛々しく、活躍も多め。普段は中宗と腰抜け兄弟ですが、ここでは睿宗がまとも。血気盛んな息子をうまく納めるお父さん。
武崇训 陆昱霖
武三思の息子で安乐公主の夫。唐代ならOKでも、のちの儒教縛りでこの血族婚ってありなのか。武三思の傀儡で、権勢欲だけは一人前。
永泰公主 徐歆雨
中宗の七女で、韦后の娘としては三女。史実ではクーデターが露見し賜死だが、ここでは兄弟へのあてこすりを聞きとがめられてと矮小化。のち幽霊となり姿を現す。
张易之、张昌宗
則天武后の愛人の兄弟。垂髪がうざいですが、他のドラマの張兄弟に比べれば断然よい!片方はココリコ遠藤、もう片方は内藤篤志似。則天武后在位時代の政敵で、出番も多く史実よりはまともな悪役。
张灵真 高海
張兄弟の甥。主人公姉妹と張り合い、入浴シーンを披露。他の成人男子はみんな髪をすべてまとめているのに、張一族だけは総角に垂髪。
孟元 王岗
孟凡、孟芙姉妹の父。罪に問われ処刑され、姉妹が宮女になる原因はこの人。一話のみに登場、母親は出てこなかった。
周公公 杨建军
皇宫太监。孟凡、孟芙にとって親の仇でかつ恩人という複雑な立場の宦官のでぶおじさん。役割だけに無駄に登場シーンが多い。
小马 钟久夫
宦官の下っ端。孟凡、孟芙らとも親密である、いかにもな若い宦官。中国時代劇に欠かせないキャラ。
月秀姑姑 杨小丹
宫女主管で尚宮。長生きかと思ったら2話で死んだ、太っちょの優しいおばさん。もっと出番が欲しい。
张尚工 栗梅
尚工大人。主人公のかつての上司の女官。この人と月秀姑姑のライバル関係とかあったら面白そう。
方生 邓捷
李隆基の腹心で、護衛(贴身侍卫)も兼ねる。
容儿 宫媛
太平公主の侍女で、薛绍の姪。
小鱼 王雯婷、 惠宁 王丽
主人公のもと同僚の宮女。
小月
上官婉児の侍女。
※「宮女」→無位で下働きの女官、位が授けられ女官として出世すると、尚宮などの職責がつく。