上海古籍発行。「納妾」というタイトル通り、妾そのものだけでなく、妾をとることで家庭にどんなメリットデメリットが、ひいては社会にどんな影響があったかを扱う図書。制度的な話だけでなく、それによる正妻と夫の感情や、嫡庶の闘争、相続権に関する問題など実用的。插図69幅。サイズの小ささの割には絞られた的確な内容で、通史把握にはもってこいかも。はじめ全体の短さに驚きましたが、読みだすと的確にまとめられており、秀逸でした。とくに、新中国成立後も廃妾の困難さ、近年の愛人の相続権問題など、いまに繋がる問題として掘り下げた末尾の部分は面白いです。新中国で納妾は廃止されました、で終わらないところがニクい。